超軽量”TPUチューブ”でファットバイクのチューブレス化が不要に?

『REVOLOOP製ファットバイク用TPUチューブ』イメージ01

このブログでもたびたび触れていますが、ファットバイクの軽量化においてチューブレス化は避けて通れない道です。

追加の重量としてシールテープやチューブレスバルブ、シーラントの注入分が加わったとしても、チューブが無くなるだけで両輪合わせて600~1000g近い軽量化になりますし、携帯品として500g近い予備チューブを持ち運ぶ必要も無くなります。

足まわりの軽量化は100gあたり、体感で車重400gの軽量化と同じ効果があり、おまけにチューブ入りよりも転がり抵抗が軽減されるとなれば、試さない手はありません。

私自身、そろそろチューブレス化を試す時かな…と思いつつも、チューブレス未対応のリムのおかげで二の足を踏んでいたのですが、愛車をチューブレス化するための情報収集をしている過程で“TPUチューブ”なる存在を知ります。

一昔前のごみ袋の様な見た目が気になって調べてみると、2017年から2018年にかけて登場した新素材のチューブで、その軽量さはファットバイクのチューブレス化に一石を投じる可能性を秘めています。

個人的に期待大のニューアイテムということで、今回はドイツのREVOLOOPがリリースしているファットバイク用TPUチューブ“REVOLOOP.blue fat”の情報を簡単にまとめてみます。

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そもそも『TPUチューブ』とは?

『REVOLOOP製ファットバイク用TPUチューブ』イメージ02

自転車用のチューブには、天然ゴムを使用したラテックスチューブと石油から化学合成したゴムを使用したブチルチューブの二種類があります。

それに続く第三のチューブがプラスチックの一種”TPU”こと熱可塑性ポリウレタン(Thermoplastic Polyurethane)を使用したTPUチューブです。

冒頭で軽く触れた通り2017から2018年かけて登場した新しい製品で、現在はオーストリアの“Tubolito”とドイツの“REVOLOOP”の製品が良く知られています。

TPUチューブはブチル・ラテックスチューブの4割以下の重さでありながら、耐パンク性能が2倍という優れモノで、チューブの厚さも0.3mm前後と非常に薄く作られています。

コンパクトに丸めると体積はブチルやラテックスチューブの3分の1以下の収まり、予備チューブとして携帯するときにも便利です。

因みにバルブはチューブに熱接着されたプラスチック製で、このあたりも軽量化に一役買っています。

プラスチック製のバルブはバルブナットが使えない作りになっていて、ゼロから空気を入れる際はタイヤ越しにバルブの根元を支えながらポンピングします。

従来のチューブよりも、軽い!薄い!丈夫!おまけに空気抜けもしづらいと長所ばかり並べると、へそ曲がりな私としては短所や欠点が気になります。

薄い素材が災いして、チューブ交換時にはビードにチューブが噛みやすいという、わかりやすい欠点はあるものの、これは従来の軽量チューブでも見られる点です。

また、素材の熱可塑性ポリウレタンは熱に弱い素材ですが、ポリウレタンが損傷する熱量ではブチルやラテックスも損傷を受けるので、これを欠点と呼ぶのもお粗末かも知れません。

実のところ、TPUチューブ最大の欠点は伸縮性の乏しさで、チューブにも関わらず伸び縮みが不得意なのです。

正しく使用する分には何ら問題はありませんが、空気圧を推奨値以上にするとバーストしやすく、チューブをタイヤに収めていない状態ではそれに拍車がかかります。

簡単にまとめると、薄さゆえのチューブ噛みや、伸縮性の乏しさが欠点ということになりますが、長所がそれを補って余りある印象でしょうか。

期待のファットバイク用TPUチューブ”REVOLOOP.blue fat”

『REVOLOOP製ファットバイク用TPUチューブ』イメージ03

現時点でファットバイク用のTPUチューブをリリースしているのはドイツの”REVOLOOP”です。

色といい艶といい一昔前のごみ袋っぽいルックスで、工事現場で泥まみれになっている極太ホースにも似ています。

バルブは真っ黒な樹脂製で、チューブをリング状に繋ぎ合わせた接着部分は一箇所だけという、ほぼシームレスな作りになっています。

サイズは26×3.8/5.0に対応し、どちらかと言えば5インチファット向きのチューブかも知れませんね。

厚さは0.28mmで重量は160gとなっていますが、この重量はプロトタイプの物らしく、出荷品の実重量は140g前後とカタログスペックよりも更に軽量になっています。

ファットバイク用チューブで最軽量な“SURLY Ultralight Tube”が310gくらいですから、その半分以下という驚異的な軽さはTPUチューブならではです。

これだけ軽量だと、チューブレス化に必須なシーラント、チューブレスバルブ、シールテープを合わせた重量と同じかそれ以下になるので、ファットバイクをチューブレス化する意義が著しく薄れてしまいます。

残るチューブレス化のアドバンテージは転がり抵抗の軽減と予備チューブが携帯不要になる点くらいになってしまうのですが、140gでコンパクトに折りたためるのなら邪魔になりませんし、TPUチューブは摩擦が少なくタイヤ内で柔軟に動くため転がり抵抗も少ないそうです。

実際にチューブレス化して感じる利点も多いとは思うのですが、TPUチューブの導入は私のファットバイクの様にチューブレス化への難易度が高い場合では、かなり魅力的な代替案に思えます。

さて、ここに至るまで意図的にこの話題に触れるのを濁してきましたが、このTPUチューブがパンクした場合はどの様に修理するのでしょうか?

ハイ!ここに注目です…笑える事にTPUチューブには公式な修理ツールが存在していないのです。

REVOLOOPが日本企業だったら、クレームを恐れて製品化されていなかったのではないか?と思えるくらいの顛末ですが、面白い事に欠点だった伸縮性の乏しさがここで活きてきます。

実際にパンク修理した海外の方によると、普通のパンク修理に使用するパッチをホームセンターで売っている強力瞬間接着剤で貼り付けるだけで修理できたそうです。

要は、空いた穴も接着した土台も伸縮性が乏しいので、力技で塞いでも空気が漏れないと言う事らしく、普通のチューブと違いサンドペーパーで表面を荒らす必要もないそうです。

因みに、競合するTubolitoからは、しっかりとリペアキットがリリースされていて、使い捨てのクリーニングクロスで表面を綺麗にした後、粘着性のフィルムを貼り付けて補修します。

恐らくREVOLOOPにも使用可能でしょうが、一応『TUBOLITO製のホースにだけ使用可能』と注意書きがされていますね。

今のところ、TPUチューブはロードよりもMTBでの需要が大きく、チューブレスタイヤがトラブルを起こした際の予備チューブとして携帯している方が多いそうです。

市場が成熟し品質が今以上に向上すれば、一気にTPUチューブ化が進む予感がしますが、現時点でもファットバイクへの恩恵が大きいのは間違いありません。

『REVOLOOP製ファットバイク用TPUチューブ』イメージ04

【追記】2019年10月に漸くREVOLOOPからもリペアキットが登場しました、 TUBOLITO製 のリペアキットとほぼ同じものですが、やはり純正品の方が安心感がありますね。

こちらの『REVOLOOP.Repair Kit』には伸縮性のある透明な2×2cm程の方形パッチが3枚同梱され、使用前に付属するアルコールワイプでチューブ表面を綺麗に拭き取る使い方も共通しています。

TUBOLITO製よりも枚数が少ない上に、価格もおよそ7ユーロ(900円前後)と割高ですが、パッチのサイズがほぼ二倍と大きく、MTBやファットバイクなどのオフ車にはこちらを備えておきたいところでしょうか。

まとめ

さて、ここまで読んでいただいてTPUチューブを試してみたくなった方も多い筈です。

ファットバイク用のTPUチューブは2018年4月から販売が開始されていて、私も是非試してみたい!と高ぶる気持ちを押さつつ購入できる場所を探したのですが、国内はおろか大手の海外通販でも取扱いがありませんでした。

虎の子のebyでも影も形も見当たらず、最後の望みであるREVOLOOP公式でも販売が停止していました。

REVOLOOP公式は半月に一度くらいのペースで再入荷している様ですが、価格は25ユーロ、日本円で3250円と普通のファットバイク用チューブ2本分のお値段です。

気長に待っていればアマゾンマケプレなどで並行輸入品の取扱いが始まりそうですが、国内で手軽に入手できるようになるには、まだまだ時間が必要の様です。

余談ですが、TPUチューブに似たTPE(Thermoplastic-Elastomer)と呼ばれるエラストマー主体のチューブも存在し、こちらは重量面はイマイチなものの耐パンク性に優れ、FOSS製のチューブが国内でも入手可能です。

専用のリペアキットも存在していますが、鋭利なものが刺さっても空気が抜けづらい上に、小さな穴なら表面をライターで炙っただけで塞ぐことが出来るなど、興味深い特徴を持っています。

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