待望の『REVOLOOP』超軽量ファットバイク用チューブをゲット!

超軽量ファとバイク用TPUチューブ『Revoloop.Blue Fat.』の感想イメージ01

以前にこのブログでお伝えした、ファットバイク用の超軽量チューブこと『REVOLOOP REVO.FAT』が遂に発売されました。

超軽量"TPUチューブ"でファットバイクのチューブレス化が不要に?
チューブレス化が不要になるほど軽量な期待のファットバイク用TPUチューブ"REVOLOOP.blue fat"の仕様や特徴をまとめています。REVOLOOPやTubolitoのポリウレタン系チューブはブチルやラテックスチューブよりも軽量で約0.3mmと薄いにも関わらず、両者と比較して約2倍の耐パンク性能を備えています。

リリースのアナウンスがあってからほぼ一年待ち続け、予定よりも少しだけ早い2019年4月にようやく登場してくれました。

期待の新素材であるTPUこと熱可塑性ポリウレタンが使われたこのチューブは、従来のラテックスやブチルチューブよりも遥かに軽量な上に2倍のパンク耐性を誇ります。

まさに夢の次世代チューブな訳ですが、この軽さは激重なファットバイク用チューブと置き換えてこそ最大限に活かされますし、チューブレス化の代用としても大いに期待できます。

既に、ロード用やMTB用のTPUチューブでは『Tubolito』などが良く知られ、国内でも使用している方増えつつありますが、今のところファットバイク用のチューブは『REVOLOOP』からしかリリースされていません。

Tubolitoなら日本国内でもアマゾンから気軽に入手可能ですが、残念な事に正規でも並行輸入品でもREVOLOOPを取り扱っているお店は日本国内には見当たらず、入手するには海外通販を利用するしか無さそうです。

少し待てばアマゾンに並行輸入品が現れるでしょうし、ファットバイクをメインに取り扱うサイクルショップが黙っている筈もありませんが、私はREVOLOOPを開発しているTPUplus社のあるドイツの海外通販を利用して取り寄せてみました。

今回は超軽量なファットバイク用TPUチューブ『REVOLOOP REVO.FAT』を実際に使ってみた感想と、チューブの取付け方法や注意点について簡単に解説してみます。

余談ですが『Tubolito』は日本語でツボリトないしチューボリートと読みますが、発音は後者の方が近いでしょうか。

薄い!軽い!そして白い…『REVOLOOP REVO.FAT』の詳細

超軽量ファとバイク用TPUチューブ『Revoloop.Blue Fat.』の感想イメージ02

さて、待ちに待ったTPUチューブがドイツから丁度一週間で到着しました。

今回注文したのは、予備を含むチューブ×3とTubolito/ツボリトのTPU用パンク修理キット×2です。

後述しますがREVOLOOPにはまだ正式なパンク修理キットが存在していないため、代用品として同じTPUチューブであるTubolito製のキットを試しに注文してみました。

お値段はTPUチューブが21ユーロ、修理キットが4ユーロ、日本円でそれぞれ2700円と500円くらいになります。

SCHWALBEのファットバイク用軽量チューブが国内価格で一本1500円程、ブチル最軽量のSURLY ultra light tubeが2400円程ですから、何とか手の届きやすい価格に収まってくれました。

とはいえ、TPUチューブには伸びたら伸びっぱなしという特徴があり使いまわしに不向きなため、安いに越したことはありません。

大容量のファットバイク用ならそこまでシビアではありませんが『4.8インチタイヤ⇒4.0インチタイヤ』といったチューブの引継ぎが推奨されず、実質的にタイヤとチューブをセットで使うことが求められます。

さて、TPUチューブをおもむろに箱から出してみると、製品版はプロトタイプの時の様なゴミ袋チックな青色ではなく半透明な乳白色のチューブに生まれ変わっていました。

因みに、こちらの初期パッケージは製品名が『Revoloop.Blue Fat.』で青かったころの名残がうかがえますが、現行パッケージは製品名が『REVOLOOP REVO.FAT』とリニューアルされています。

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手触りは見た目通りにツルツル。

何かに似ているな……と記憶を辿ってみると、アレです!これはイカソーメンに激似かも知れません。

折り畳まれたTPUチューブを解いてみると、バルブは輪の内側中央に配置されています。

対応するタイヤサイズは26 x 3.8/5.0ですが、チューブ越しにバルブが透けて見えるほど薄く、チューブの厚さは約0.3mm。

数値だけ見るとファットバイク用としては心もとない感じですが、直に触れるとしっかりとした強度がありますね。

TPUチューブの製造には高い精度と品質管理が要求されるそうで、REVOLOOPの製造元である
TPUplus社は、品質の疑わしいアジア圏に製造委託せずに、100%ドイツ国内で生産しているとアナウンスしています。

チューブの質感は書類用のクリアスリーブを柔らかくした感じで、昭和生まれの私が一番近いと思ったのはパピコの容器でしょうか?

本当にチューブとして機能するのが疑わしく思えるほどプラスチック的な仕上がりで、今までのチューブとは色・質感・手触りなどすべての面で程遠い印象。

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TPUチューブ最大の特徴と言えば上画像のバルブ部分です。

バルブコアは従来通り金属製ですが、バルブ本体はチューブと同材質のTPU製または樹脂製。

今までボトルネックだったバルブ自体の重量を非金属製にする事で解消しています。

バルブの質感はTubolito製よりもREVOLOOP製の方が硬質ですが、軽量化のために金属製からTPU製に素材を変更したことでバルブが破損しやすくなった側面も。

ロード用のTubolitoでよく耳にする話として、ハンドポンプによる激しい注入でバルブ本体が『く』の字に曲がってしまった……なんてトラブルも。

REVOLOOP製は硬質なので多少は安心できますが、用心に越したことはありませんね。

また、バルブの根元にはお馴染みのリムナット(バルブナット)が無くネジ溝もありません。

リムナットはチューブ装着時にしっかりとバルブを露出させたり、リム内にバルブが落ち込んでしまうのを防ぐ目的で設けられていますが、それらの無いTPUチューブでは取付けの際にちょっとしたコツが必要。

仕組みとしては米式バルブと同じですが、米式バルブはファットバイク特有の低圧利用でバルブがズレてしまうため、本格的なファットバイクには採用されていないことが多いです。

個人的に気休め程度でもTubolito製チューブの様にオーリング的なパーツがリムナットの代用として備わっていた方が良い気がしました。

バルブの下部に目を移すと、根元には新しく改良されたバルブシートがあてがわれています。

この部分は空気漏れを起こしやすく、プロトタイプから最も進化した部分でしょうか。

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パッケージには重量159gとありますが、実重量は148g

表記よりも10g以上も軽く、TPUチューブにも個体差がある模様。

今まで最軽量チューブだったSURLY ultra light tubeでも340gですから、重量は一気に半分以下。

標準的なファットバイク用チューブと比べると約1/3と言う驚異的な軽さです。

予備用として携帯していたSCHWALBE 26×3.5/4.8 13J-SVがカタログ値で390g、実重量が364gですから、嵩張りがちなファットバイクの携帯品をサイズダウンできるのも嬉しい点ですね。

手で持った感覚は、従来のチューブが350mlの缶飲料。

TPUチューブが小容量の紙パックドリンク。

それくらいの体感差があります。

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パッと見では重量ほどの差は感じませんが、TPUチューブをロール状にすると面積が1/2、体積が1/3程度になり、携帯用の予備チューブとしても優秀です。

適当な物が無かったのでストレッチフィルムで軽く巻きましたが、無造作にまとめた時のサイズはW12×H7×D3cmくらい。

試しに標準サイズのツールケースに入れてみると、他に余裕が無くなりますが十分に収納できました。

畳み方を工夫すればもう少しだけコンパクトにできそうですが、ロール状にする場合は40mmのバルブ長がサイズダウンのボトルネックになります。

REVOLOOPのパンク修理キットについて

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前述した通り、REVOLOOPからは未だに正式なパンク修理キットがリリースされていません。

流石にパンクするたびに新しいチューブに交換できるほど安い買い物では無いので、Tubolito/ツボリトのパンク修理キット『Tubo-Flix Kit』を流用することにしました。

因みにTubolito社はドイツのお隣にあるオーストリアの企業で、TPUチューブに関してはREVOLOOPとは親戚の様な間柄です。

使い方は非常に簡単で、大雑把に言えば【1】キレイに拭く【2】パッチを貼る【3】乾燥させる、この3ステップで終了。

従来のチューブの様にサンドペーパーで表面を荒らす必要は無く、代わりに上画像の白い小袋に入ったアルコール漬けのワイプでチューブの表面をキレイに拭き取ります。

脱脂と拭き取りでパッチを密着できる下地作りをする感じでしょうか。

該当部分の表面のクリーニングした後は、粘着質の楕円形パッチをシールの様に貼り付けるだけ。

仕上げとして5分ほど乾燥させて修理は完了です。

注意点として、 TPUチューブはタイヤ内に納まっていない状態でチューブを膨らませ過ぎない配慮が必要。

従来のチューブよりもバーストしやすいく伸びたら伸びっぱなしになるので、空気漏れのチェック時は0.5bar以下を心掛けましょう。

実は発売前に、問題点の洗い出し目的でプロトタイプを海外のファットバイク乗りが長期テストしています。

その時点でもパンク修理キットは提供されておらず、ホームセンターで売られている強力接着剤やブチル用パッチを流用してDIY的に修理に挑んだという裏話も。

気になったので調べてみると、浮き輪やゴムボート、ウォーターベッドやテントを修理するためのビニール専用パッチやテープがTPUチューブのパンク修理用にも使える場合があるとのこと。

REVOLOOPから専用キットが登場するまでは、Tubo-Flix Kitで間に合わせるつもりですが、サイズの大きい破損にはTPU対応の粘着テープを頼る事になりそうです。

『REVOLOOP製ファットバイク用TPUチューブ』イメージ04

【追記】2019年10月に漸くREVOLOOPから純正品のリペアキット『REVOLOOP.Repair Kit』が登場しました。

価格は7ユーロ弱(850~900円)、透明で伸縮性のある2×2cm方形パッチとアルコール漬けワイプがそれぞれ三枚同梱され、使い方は 『Tubo-Flix Kit』 と全く同じです。

枚数が少ないだけにこちらの方がパッチが大きく、仮に釘が貫通しても十分に補修できるサイズ感。

Tubo-Flix Kitよりも柔軟でチューブへの追随性も良いので、マウンテンバイクやファットバイクなどのオフ車には、この純正品の方が向いているかも知れませんね。

コツを掴めばブチルより簡単?『REVOLOOP REVO.FAT』TPUチューブの取付け方法

ここからは、実際にREVOLOOP REVO.FATの取付け方法について解説します。

私自身、TPUチューブの取付けは初めての経験ですが、コツさえ掴めば従来のチューブよりも作業が容易でした。

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今回はチューブの入れ替えなので、リムからタイヤが完全に外れた状態ではなく、片側のビードを外した状態からスタートします。

極薄のTPUチューブはとにかく噛み込みに注意が必要なので、タイヤは片側だけ開いた方がリスクが少なくなります。

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新品のTPUチューブならそのままでも問題ありませんが、バルブがチューブの中央にしっかりと配置されている事を確認し、チューブにできるだけ空気が入っていない状態が望ましいです。

使用済みのチューブを再取付けする際には面倒に感じますが、空気を手っ取り早く抜こうとして安易にバルブコアを外すのはおすすめしません。

前述したようにTPUチューブはバルブ本体が従来よりも貧弱なので、下手にバルブコアに手を付けると気密が甘くなったりネジを舐めてしまうことがあるのです。

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次に、バルブキャップを外したチューブを隙間からリム内に入れ、バルブをしっかりと根元まで差し込みます。

その後、帯状のチューブ全体を折れ目や捻じれに注意しながらリム内に収めていきますが、従来のチューブよりも格段に薄い上に表面がツルツルしているので、作業は思いのほか簡単です。

取付けの感覚はチューブよりもリムテープに近く、兎に角チューブが途中で捻じれていない事だけはしっかりと確認しましょう。

余談ですが、チューブがゴム製ではないのでタイヤパウダーを使う必要はありませんが、タイヤ内側のタルク類が完全にゼロの状態は好ましく無いそうです。

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チューブがリム内に適切に収まったら、チューブのダメージや噛み込みに注意しながら開いたビードを閉じます。

従来のチューブではこの段階で少し空気を注入したほうが作業がスムーズに運ぶのですが、TPUチューブはこの時点でも空気を入れない方が良いといった意見も見掛けますね。

これはTPUチューブを単体で膨らませるとバーストしやすくなるのと、チューブが伸びて薄くなることにより噛み込みに弱くなことが理由でしょうか?

実際に空気を入れてると、ツルツルのチューブが暴れてタイヤへの収まりが悪く、ブチルチューブの時には感じなかったやりづらさがありました。

案外こちらが理由なのかも知れませんが、あくまでも私の推測なので、この辺の手順はお好みで。

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噛み込んだ状態で空気を入れると即パンクするので、念のために隙間からタイヤ全周をチェック。

因みに、隙間から覗いている白い帯はTPUチューブではなくSURLY製のナイロンリムストリップです。

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いよいよ空気を注入しますが、リムナットでバルブが固定されていないので上図の様にタイヤ越しにバルブを支えながらポンピングします。

ある程度まで空気を入れたら手を放しても大丈夫ですが、これをやらないと仕上がりが不格好になりがち。

このまま想定したタイヤ圧までポンピングしても構いませんが、私はビードがビードフックはまる直前で一旦ストップ。

チューブの噛み込みが無いかを再チェックしました。

今回は初めてなので用心に用心を重ねましたが、これでTPUチューブの取付けは完了です。

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さて、フロントタイヤは恙なく終了しましたが、油断していた私はリアタイヤでちょっとした失敗をやらかします。

手で支えながらポンピングする過程を手短に済ませた結果、上図の様にバルブが傾斜した状態に。

海外の使用レポートによると、バルブが傾斜したり低圧でバルブがリム内に多少落ち込んでも特に問題は無いと説明されていましたが、見慣れないせいかあまり気持ちの良い物ではありませんね。

チューブの使い勝手と『REVOLOOP REVO.FAT』で走ってみた感想

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毎度の事ですが、例によって試走の時間です。

GW前のお花見ライドではしゃぎ過ぎたせいで体調は芳しくなく、快晴ですが風が強いコンディション。

TPUチューブのバーストが気になったので、適正値よりも0.5bar低い前後ともに1.5barのタイヤ圧で挑みます。

いつもは一点止めのサドルバッグを装備していますが、チューブが省スペース化されたことでお役御免に。

携帯している予備チューブも含めて三本分の置き換えとなり、計700gの軽量化に繋がりました。

晴天の中、颯爽とファットバイクをスタートさせると、最初のひと漕ぎから『あっ!軽い』と確かな感覚があります。

今まで、軽量タイヤや軽量ホイールに交換と段階的に足まわりをカスタマイズしてきましたが、今回が一番ダイレクトな変化を感じますね。

『あらゆる点でチューブレスに近く、チューブレスとの違いにほとんど気付くことはありません』

海外の長期テストでは、そんなふうに称されていました。

過去に実施した足まわりの軽量化は高速時に恩恵を感じる事が多かったのですが、今回は低速時にそれを感じますね。

少し大袈裟に言えばストップ&ゴーの多い街乗りでは、普段使いしているミニベロライクな走行体験でした。

いつもと同じ様に40km程で試走を終了しましたが、タイヤの空気圧を2.0barまで上げていたら、もっとハッキリとした違いを実感したかも知れませんね。

さて、TPUチューブに交換してみた結果、走りの面では概ね満足できましたが、チューブの使い勝手には改善の余地が見えてきました。

あからさまな欠点と言う程ではありませんが、バルブ先端に携帯ポンプやタイヤゲージが若干はまりづらく、押し込みの力加減にも苦慮させられます。

おそらく、バルブ先端の露出が通常よりも少ないことと、リムナットによる固定が無いため上から強く押し込むのを躊躇してしまうのが原因でしょうか。

ファットバイクは低圧によりバルブが沈み込みやすいこともありますが、リムナットに代わる何かが欲しくなります。

最後にREVOLOOP REVO.FATで24時間後の空気圧を測定。

前後共に1.5barからスタートし、フロントタイヤは1.43bar、リアタイヤは1.38bar、24時間でおよそ0.1bar減と言う結果でした。

まとめ

待ちに待ったファットバイク用TPUチューブ『REVOLOOP REVO.FAT』を今回初めて使ってみました。

長期使用での耐久性やTPUチューブ特有の不均一なチューブの変形など心配な部分も多いですが、それを補ってあまりある利点も感じます。

私のファットバイクは納車時にディスクローターを含むフロントタイヤ全体の重量が3660gもありましたが、現在は数々の軽量化により2500gにまで減少。

これは軽量スポークを使ったカーボンホイールをチューブレス化した時とほぼ同じ重量で、重量だけならチューブレス化に迫ります。

ファットバイクのチューブレス化はリム打ちパンクのリスクが無くなったり、低圧時に最大10%の転がり抵抗の軽減が見込めたりもしますが、タイヤの交換が面倒になりがち。

タイヤを季節ごとに交換している私としては、チューブレス化以外の選択肢が増えたことを素直に歓迎したいです。

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