以前の記事でお伝えしたと思いますが、春先にフルサス29er用としてクランクブラザーズのコバルト2というホイールを購入しています。
先日、このホイールのフリーハブボディ用グリスを今よりも柔らかいシマノ製に塗りなおそうとハブを分解していると、何やら見慣れない傷があることに気が付きます。
購入してから二ヶ月が経過しているものの、早々にやっちまったか…と軽く落胆しましたが、全く身に覚えが無い上にブレーキのディスクローターが障害になって、余程のことが無い限り傷が付かない部分です。
邪魔なローターを取外して患部をまじまじと観察してみると、傷というよりも『欠け』に近く、ストレートプル式のスポーク末端を掠めるような位置です。
傷の質もそうですが、傷の位置にも腑に落ちない点が多く、『これは何か変だ…』と違和感があったため、記事用に撮影していた開封直後のホイール画像を確認してみると、こちらにも全く同じ傷が見受けられました。
この時まですっかり忘れていましたが、このホイールは海外通販で購入し、ダンボール箱の破損&濡れの影響から通関で一週間ほど足止めを喰らっていた経緯があります。
そのため、開封後は細部を念入りにチェックした筈だったのですが、どうやらその時に見落としがあったようですね…
患部を見る限り、タッチペンで補修しておけば短期間で記憶の片隅に追いやれる程度の傷ですが、スポークテンションの掛かる部分ですし、アルミの地肌が剥き出しになった『欠け』という症状が少し引っ掛かります。
購入から二ヶ月も経過してる上に使用済みだから返品は無理だろうな…と思いつつも購入先であるドイツの自転車系通販『Bike24』のサポート内容を確認してみると、下記のような気になる一文を発見。
Bike24から納品された製品は、24か月の法定保証期間の対象となります。製品に問題がある場合は、必ず最初にBike24に連絡してください。
Bike24
そういえば、同じドイツの通販系自転車メーカー『CANYON/キャニオン』も返品されたバイクをアウトレットで販売していたし、結構古いモデルも含まれていたような記憶が…ひょっとしたら返品に関してはアメリカ並みに消費者が保護されているのかも知れません。
少し希望が見えたので、ダメ元で『Bike24』のカスタマーサービスに問い合わせてみると、取り合えず画像を見たいとの返信があり、ご希望の画像を開封直後と現在の状態をセットにして送信する流れに。
それほど間を置かず、『150ユーロのディスカウントでどうよ?もちろん返品でもイイよ!』といった内容の返信があり、ここで少し悩みます。
キズモノとはいえホイールがまるまる手元に残り、150ユーロ(約20000円)分の返金も受けられる、おまけにホイールを送り返す手間も不要という有難さ。
ついでなのでホイールの返品方法について調べてみると、こちらはDHLを使って指定のアドレスに返送とのこと。
どうせなら、返品して新しいホイールを買い直すのもアリか?とこちらの方法についても深堀りすると、どうやら日本でDHLをスムーズに利用するには大都市圏じゃないと難しいらしく、地方だと集荷に佐川急便を仲介する必要がある模様。
この時点で面倒臭い予感しかしませんが、肝心の佐川HPに詳細は無く、ネット上で調べてみても発送方法が地域によって異なっているなど、実行に移す前からやる気を削ぐ内容がてんこ盛りです。
既に150ユーロのディスカウントにかなり気持ちが傾いていましたが、念のためBike24のカスタマーサービスに『DHLが使えないド田舎に住んでるけど、どうしたら良い?』と問い合わせてみる。
すると、『追跡番号つきなら利用しやすい手段でOKだよ!』『購入金額の20%までなら送料はこっちで負担するよ!』『発送したら領収書のコピーを送ってね!』と至れり尽くせりな返信があり、再度悩む羽目になります。
心の奥底では150ユーロのディスカウントが最適解だと理解していたのですが、この先何度もお世話になるであろう海外通販について、ここでトラブル対応の経験値を積んでおくのも悪くないのでは?と考えを改めます。
結局、海外発送について調べた結果、追跡番号つきで最も手続きが簡単なのが、日本郵便が窓口になっている国際スピード郵便こと『EMS』で、今回はちょっとだけ荒れた道を歩んでみることにしました。
簡単だけど注意点もアリ!『EMS』で海外発送する手順
拍子抜けするくらい簡単ですが、EMSでの発送方法についてチラッと説明してみます。
まずは、最寄りの郵便局に足を運び『パウチ』と呼ばれる書類用の袋を貰いましょう。海外通販を利用したことのある方ならご存知でしょうが、外箱に貼り付いている透明で長方形なあの袋ですね。
使用の際は裏のシール台紙を剥がし、ペタリと梱包済みの外箱に貼り付けます、因みに無料で貰えます。
大型の荷物だと梱包の資材に困りますが、幸い購入した際のダンボールがまだ残っており、今回はこれを再利用しました。
もちろん、配送時に貼られた古いラベルやパウチは綺麗に剥がしておきます。
また、発送先の国によって異なりますが、ヨーロッパの場合でEMSで送れるサイズは、最大の長さ1.5m以内、周囲3m以内、重量30kgまでという制限があります。
お次に準備するのがコチラ、見るからに面倒臭そうな書類の数々!
内訳は【A】『送り状・配達証』x1、【B】『税関告知書』x2、【C】『インボイス』x1、【D】『ご依頼主控え・EMS受領書・EMS受付局控』x1の合計五枚で、送り先の国によって枚数が多少前後します。
これらの書類に英文で必要事項を記入する訳ですが…ハイ、そんな面倒なことは誰もやりたくないですよね?
安心してください…手書きの書類がNGとなったアメリカ様のワガママを受けて『国際郵便マイページサービス』なる超便利なシステムが準備されています。
このサービスは日本郵便HP内の国際郵便カテゴリーから利用でき、スマホで利用できるアプリ版も用意されています。
プリントアウトは自宅のプリンターでもセブンイレブンのネットプリントでもOKですが、スマホ版は入力完了後に表示されるQRコードを郵便局にある『ゆうプリタッチ』にかざしてプリントします。
小さな郵便局には設置されていないので、荷物の持ち込みとプリントアウトを同時に行いたい場合は、本局がオススメです。
さて、必要事項を日本語で入力でき、大半がダイアログ形式で進みますが、内容物だけは事前に自分で調べて英語名称で入力する必要があります。私の場合は『Bicycle Wheels』ですね。
聞き慣れない内容も幾つかありますが、注釈があり特に迷うことはありません、ひと通りテスト入力して練習すれば誰でも簡単に必要な書類を必要な枚数だけ半自動で作成してくれます。
唯一注意すべきは、入力前に梱包済みの発送物全体の重量を正しく把握しておく必要がある点で、ここが適当だと後々面倒なことになります。重量は正しく!もしくは誤差を計算に入れて本来の重量よりも少しだけ大きい値で入力しましょう。
さて、必要な書類をプリントアウトしたら、パウチに封入する『送り状・配達証』x1、『税関告知書』x2、『インボイス』x1 の四枚に、日本語で手書き署名します。
これが結構忘れやすく、『税関告知書』x2には日付も合わせて記入する必要があります。署名は日本語でOKですが、こちらは英語表記にするのがベストで、英式なら日・月・年の順で『11 May 2021』、米式なら月・日・年の順で『May 11, 2021』と記入しましょう。
肝心の記入箇所は送り状の取り扱いでダウンロードできるPDFファイルが詳しいですね。
因みに、データ入力時や手書き署名時の日付は、集荷予定日か郵便局に持ち込んで発送する予定日が無難でしょうか。
最後に手元に残る一枚『ご依頼主控え・EMS受領書・EMS受付局控』ですが、こちらは注釈どおりにハサミを入れ『ご依頼主控え』は手元に、『EMS受領書』と『EMS受付局控』は発送・集荷の際に提出します。
全ての準備が整い、後は発送するだけなのですが…私はここでちょっとしたトラブルに見舞われます。
集荷時に自宅を訪れた担当者の方が『台式はかり』で計量したのですが、申告した重量4800gに対して測定重量が4950gと150gの超過となり、焦りに焦ります。
重量増でも5000g以下なので料金自体に変化はありませんが、一部の国で手書きがNGなだけに、その場での手書き修正も恐らくNG、集荷の方もEMS自体が初めてということで、私以上に狼狽してあちこち問い合わせをする有様でした。
事前に三回も計量したとはいえ、中華製の吊り下げ式はかりなんて使うんじゃなかった…と後悔し、4950gでプリントし直し&署名やり直しを覚悟しましたが、ここで予想外のオチがつきます。
さて、私の自宅ですが…玄関先にラグを敷いている訳ですよ…そうなんです『台式はかり』は接地面が安定していないと正確な値が出ないんです。
再計量の結果4770gと無事に申告した値を下回り、晴れてホイールは欧州の空へと旅立って行きました……
疑って済まなかったよ、やるじゃん!中華製。
その後の話
Bike24にEMSの追跡番号と領収書の画像ファイルをメールしたところ、返送品を受け取った後に送料を含む購入商品の全額と、今回の返品にか掛かった送料をまとめて返金する旨の返信があり、ようやく人心地が付けました。
因みに、送料は9800円で20%の提示額を少しだけオーバーしています。
残る問題は後釜のホイールですが、同じものを買い直すのも面白味がないですよね…私好みのアルミ製ホールレスリムとなると、クランクブラザーズかマビックからしか選べないのが悩みどころです。