自転車を趣味にしてからしばらく経ちますが、サイクルウェアとはあまり縁がありません。
オフロード車に乗っているせいか、普段着とさほど変らない服装でライドに臨む場合が殆どです。
カジュアル風に見えても、それなりの機能性を備えたウェアを選んでいるのであまり不都合は感じませんが、ボトムスだけは例外。
何の対策もせずに着用すると、風でバタついたパンツの裾がチェーンやチェーンリングに触れてしまい、黒いオイル汚れがパンツを台無しにするなんてことも。
ライド時は細身で裾幅の狭いパンツを着用することで対策をしていますが、裾バンドを併用すると安心感が段違いです。
私は全部で四種類の裾バンドを使い分けていますが、上画像のふたつが主にカジュアル用。
画像左がmoca/モカの『レザーバングル&裾バンド』
画像右が世田谷プロダクト・デベロップメント の『2WAY 裾止めマグネット』
どちらも一般的な裾バンドとは毛色が異なり使い方も独特ですが、それが良い意味で魅力になっています。
余談ですが、裾バンドはパンツガード・裾ベルト・裾クリップ・ズボンクリップ・レッグベルト・裾どめ・サイクルバンドといったふうに、呼ばれ方が多種多様。
『裾バンド』が最もポピュラーな気もしますが、検索してもお目当ての製品に辿り着かないことが多いです。
オシャレな裾バンドの代名詞『moca/モカ レザーバングル&裾バンド』
一見すると、コレ本当に裾バンド?と疑ってしまいたくなりますが、中にはしっかりと板バネが仕込んであります。
レザー製なので見た目が大変オシャレですし、未使用時はブレスレットとして携帯できて邪魔になりません。
メインの裾バントとしてはもちろんのこと、アクセサリー寄りのサブとしても打って付けな製品です。
最小時の直径が7.5cmほどで、伸ばすと全長は30cmくらい。
板バネ入りなのである程度の太さまでなら対応してくれるものの、少し窮屈なサイズ感になっているのでブーツの上から巻き付けるような使い方には向いていません。
アンクル丈のパンツに使うには寸足らずですし、走行中にストンと足首まで滑り落ちてしまうので、フルレングスのパンツに使うのがオススメでしょうか。
欠点という程ではありませんが、中に入っている板バネの長さが全長よりも短く、芯の無いあまった4cmほどの終端部分がフニャフニャになりがち。
また、レザー製なので水に弱く、雨はもちろんトイレで手を洗う際にも注意が必要になります。
皮革につき定期的なお手入れが推奨されますが、ついでに撥水スプレーを塗布しておくのが吉。
mocaのレザーバングル&裾バンドには3色のカラーと2種類の太さがあります。
個人的にアクセサリー寄りのサブで使いたいなら細い方を選び、裾バンドとしてしか使わないなら、フィット感があり固定力も高い太い方を選びたいところ。
因みに、結構なお値段がしますが左右2つセットでは無いのでくれぐれも注意しましょう。
また、ノンウォッシュやワンウォッシュのジーンズで使用するとレザーに色移りしやすいため、明るい色のレザーは避けたほうが無難です。
アイディアが光る『世田谷プロダクト・デベロップメント 2WAY 裾止めマグネット』
moca製のレザーバングルがファッション性重視ならば、こちらは使い勝手の良さを重視した裾バンドと言えるでしょうか。
世田谷プロダクト・デベロップメント製の 2WAY 裾止めマグネットは、文字通りよくあるベルクロではなくマグネットで布越しに挟み込んで裾をとめる仕組み。
何が違うの?と思うかもしれませんが、この裾バンドの長所はフルレングスはもちろんクロップ丈やアンクル丈のパンツでも裾のバタつきを抑えられる点で、今までにありそうでなかった製品。
通常の裾バントとは異なり、上画像の様に横ではなく縦に使用し、布越しにマグネットでカチッと固定します。
長さは12cm、幅は3.2cmほどで、固定はバンドの両端にある強力マグネットのみ。
こう聞くと不安を感じてしまう仕様ですが、私の経験上パンツの生地が過剰に厚くない限り、そうそう外れてしまうことはありません。
この裾バンドが真価を発揮するのは、クロップ・アンクル丈といったレングスが中途半端なパンツや裾幅の広いワイドパンツを着用している時で、足まわりの太さに依存せずに裾幅を任意に絞ることができます。
足まわりとパンツを密着させない使い方ができるため、ペダリングの上下動でもパンツが突っ張りづらく、裾が自由に動ける点も魅力でしょうか。
私が購入したのは画像左の茶色に白ステッチの入ったモデルですが、現在は画像右の表がインディゴ、裏がベージュのリバーシブルタイプにリニューアルされいます。
個人的に大満足な裾バンドですが、レビュー内容は高評価と低評価の両極端と予想通りの結果。
低評価は「厚手のパンツで使用してすぐに紛失してしまった……」といった内容が殆どで、ジーンズとの相性の悪さが指摘されていました。
私はジーンズでもしっかり固定できているので、生地の厚いステッチ付近を挟んでしまうと外れやすくなるのかも知れません。
この評価が影響しているのかはわかりませんが、残念ながら現在は在庫が復活しない状態が長らく続いています。
幸い構造がシンプルなので、100円ショップの強力マグネットで自作してみるのも手でしょうか。
シンプルで無駄のない裾バンド『KASAJIMA ワンタッチガーター』
ついでなので、従来式の裾バンドでお気に入りの製品もご紹介。
自転車用の裾バンドは本格手にな製品になるほど、リフレクターやメーカーロゴの主張が激しく、カジュアル寄りな普段使いにはやや不向きな側面があります。
また、ベルクロで固定する製品が多いのも気掛かりで、グローブやソックスといったニット系生地を一撃で駄目にしてしまう地味に嫌な欠点も。
見た目や使用感の面でカジュアルウェアと相性の良い製品を探した結果、ようやくお眼鏡に適ったのがKASAJIMA/カサジマの『ワンタッチガーター』でした。
この裾バンドはリフレクター素材やメーカーロゴのワンポイントも見られないシンプルな外観で、カジュアルウェアとの親和性が抜群。
ベルト長を調節できるのはもちろんですが、ベルクロでななくフック式を採用することで衣類に優しく、着脱もワンタッチで出来る使い勝手の良い作りになっています。
単色のブラックやネイビーあたりがオススメで、実際に使ってみると非ベルクロ式でありながら裾の固定力も十分でした。
まとめ
私が使用しているカジュアル向きな裾バンドを幾つか紹介してみましたが、裾バンドに関しては見た目よりも実用性を求める方が殆どかも知れませんね。
特に拘りがないならKASAJIMAの『ワンタッチガーター』が一押しで、カジュアル用としてはもちろん、癖が無さを活かして通勤・通学用としても重宝します。
昨今は裾が暴れやすいワイドパンツが主流ですし、街乗り用でもチェーンカバーやバッシュガードを備えていない自転車も珍しくないので、裾バンドくらいは備えておきたいところでしょうか。