やっちまった…初ディスクブレーキで私がハマった3つの失敗

ディスクブレーキキャリパー

以前も記事にしたことがありますが、私が数十年ぶりに購入した自転車は油圧式ディスクブレーキを採用したファットバイクです。

はじめてのディスクブレーキ車ということで制動力の高さとレバータッチの軽さに驚かされましたが、この油圧式ディスクブレーキが思いのほか曲者で、初心者の私を嫌というほど振り回してくれました。

今になって思い返せば、無知だった私が招いたトラブルなのですが、その大半が『事前に知っていれば防止できる』レベルの単純な行為が原因でした。

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油圧式ディスクブレーキの『エア噛み』と『引きずり』

ブレーキキャリパークリアランス

ファットバイクに乗り始めた最初の半年でブレーキ関連のトラブルに3回以上も見舞われましたが、『エア噛み』と『引きずり』の二つに大別できます。

『エア噛み』はブレーキフルードに空気が混入することで、ブレーキレバーがスカスカになりブレーキが効かなくなってしまう不具合で、『引きずり』は上画像の様にローターがブレーキパッドに触れてシャリシャリという接触音が鳴り続ける不具合のことです。

予備知識無しで、はじめて油圧式ディスクブレーキを使うと、このトラブルのどちらかに高確率で見舞われるのですが、『エア噛み』よりも『引きずり』の方が対処が楽でトラブルとしては軽度です。

他にも、誤ってローターやブレーキパッドにオイルを付着させてしまうとブレーキの効きが極端に悪くなったり、ブレーキの度にローターがけたたましく鳴く現象が起こります、注油や洗車の際はくれぐれも注意しましょう、この部分の掃除は他の部分と道具をわけた方が良いですね。

【1】ブレーキメンテ中はレバーを握ってはダメ!!

29erプラスタイヤ『Trek Full Stache 8』の感想イメージ07

前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。

予備知識ゼロの私がはじめての油圧式ディスクブレーキでハマった一つ目の失敗は『ブレーキレバー』に関してです。

これはよく知られた話なので、あらためて注意喚起する必要はないかも知れませんが、油圧式ディスクブレーキ車はホイールを車体から外している状態でブレーキレバーを握ってはいけません!!

正確にはパッドを含むブレーキキャリパーにローターが挟まっていない状態で、ブレーキレバーを握るのはNGという意味なのですが、何しろ油圧式なのでローターの有無に関わらずレバーを強く握ると全力でピストンが押し出されてしまいます。

最悪の場合、ブレーキパッドが完全に閉じて隙間の全くない状態になりますが、こうなるとブレーキパッドを外してピストンを傷つけないヘラ状の器具でしっかりと押し戻してあげる必要があります。

また、ブレーキパッドを外した状態でコレをやらかすと、今度は左右のピストン同士がが密着すると思いきや、ピストンがキャリパー本体から深海魚の目玉のように飛び出し、下手をすればオイル漏れや空気混入の原因になります。

知っていれば、こんな失敗はまずしないだろ…と思うかもしれませんが、ブレーキレバーは無意識に握ってしまいがちな部分でブレーキのメンテナンスに集中していると、思わず握ってしまう事があるのです。

軽くレバーを握る程度なら深刻な事態にはなりませんし、レバータッチで直ぐに不手際に気付きますが、パッドスペーサーと呼ばれる器具があれば簡単に防止でき、ダンボールの切れ端を挟むなどの応急処置でも効果が見込めます。

因みに、飛び出したピストンを押し戻すのに樹脂製のタイヤレバーや幅広のマイナスドライバーを使う人が多いらしいですが、ブレーキピストンプレス・ブレーキピストンレバー・ブレーキピストン押しなどと呼ばれる、ピストン部分に傷を付けづらい専用工具も存在しています。

油圧ブレーキのピストン清掃とパッドクリアランスの話イメージ09

私は主にPARKTOOL製『PP-1.2』を使っていますが、力を加えやすい持ち手の作りと先端部分の角度が絶妙で、閉じたブレーキパッドを押し広げたり飛び出したピストンを押し戻したりと、ディスクブレーキのメンテナンスには欠かせない必需品になっています。

特にピストン押しは汚れたキャリパーのピストンをメンテする時にも便利で、ピストン清掃後や動きの悪くなったピストンを何度も押し込んで潤滑させる作業に重宝します。

油圧ブレーキ―ユーザーなら、どのメーカーの製品でも構わないのでピストン押しくらいは工具箱の片隅に備えておきましょう、地味ながら何気に出番の多い工具かも知れませんね。

【2】乗らなくても定期的にブレーキレバーを握るべし!!

カレンダー

ブレーキレバーを握るなと言ったり、握れと言ったり字面だけ見ると本当にややこしいのですが、私がハマった二つ目の失敗は、またしても『ブレーキレバー』に関してです。

夏場の暑さにやられて丸一ヶ月間ファットバイクに乗らずに放置していた際に、ブレーキレバーに異変は無いものの、自然にブレーキキャリパーが閉じてブレーキに引きずりが起こる現象が見られました。

事前情報として、油圧式ディスクブレーキは機械式と比べてメンテナンスが容易だという話を聞いていたので、これは全く予想していなかったトラブルでした。

いまだに正確な原因が不明なのですが、温度変化が絡んでる可能性があり、調べてみると油圧式ディスクブレーキは定期的にブレーキレバーを握ってあげないと上記の様な不具合やフルード内に空気が混入してしまう事があるそうで、長期間乗らない場合は一週間に一度はブレーキレバーをニギニギすることでこれらのトラブルは避けられるとの事です。

因みに、某ジャイアントストアの『ディスクブレーキについて』というWEB上の記事には、以下の様な気になる注意書があり、やはり高温などの温度変化は不具合の引き金になるようですね。

暑い季節の長時間車載にもご注意ください。
暑くなった車内の温度によって、思わぬ不具合が発生する事がございます。

ジャイアントストア

また、どうせなら輪行時のようにパッドスペーサーを噛ませてからレバーを握った状態で固定する方が良いのでは?とも思い調べてみましたが、こちらもフルードに圧力が掛かり続けてしまうため長期間続けるとオイル漏れを招く危険性があるそうです。

乗らずに長期間の放置しても、ブレーキフルードに空気が混入する事は稀で大半が飛び出したピストンを押し戻す程度の対応で済むのですが、天候不順で長期間乗れないときは折を見てブレーキレバーをニギニギしてあげると良いでしょう。

【3】油圧式ディスクブレーキのメンテは天地無用が鉄則か?

油圧式ディスクブレーキ天地無用イメージ01

さて、最後となる私がハマった三つ目の失敗ですが、これはまさしく私の無知さが招いた出来事でした。

ファットバイクの購入から、頻繁にブレーキの引きずりに悩まされていた私はブレーキパッドを含むキャリパー部分とローター部分のクリアランス幅が確認しやすいようにと車体を180度逆さまにしてメンテナンスをする癖がついていました。

この方がファットバイク特有の極太で重いタイヤを車体から付け外ししやすく、様々な面で利便性が高かったからです。

ですが、それが間違いの元でした…油圧式ディスクブレーキは車体を逆さまにしてブレーキレバーを引くとエア噛みする可能性がある事を知らなかったのです。

この問題に関しては、車体を長時間逆さまにして検証されている方やブレーキの製造メーカーに問い合わせをして確認されている方がいて、正しくインストールされていれば車体を逆さまにしてもエアは混入しないという結論に至っているのですが、実はこの『正しくインストール』の部分が素人にはなかなか難しいのです。

大雑把に説明すると、インストール時に僅かに混入した気泡が『逆さま&ブレーキ操作』によりレバーのリザーバータンク側からオイルラインに移動してエア噛みするのがこの現象の正体ですが、熟達者でもインストール時の空気混入はゼロにできませんし、実際はブレーキが機能する程度に空気が混入しているのが殆どでしょうか。

このケースの場合、車体を正常なポジションに戻し時間を置けば、気泡がレバー側まで自然に戻り、ブレーキ機能が回復してくれることが多いですが、平坦でオイルラインの長いリアブレーキは自然回復しづらいので逆さまの状態でブレーキ操作を多用することは避けた方が良いでしょう。

因みに、キャリパーにバッドスペーサーを噛ませてブレーキレバーを握った状態で固定すると、車体を逆さまにしてもレバー側からオイルラインへの気泡の移動が起こらないそうです。

さて、前述した二つの失敗はピストンを押し戻す程度で済みますが、エア噛みは専用のブリーディングキットを使って、俗に言う『エア抜き』をしなければ、ブレーキ機能を回復できません。

エア抜き用のキットはメーカーによって違いがあり、 使用するブレーキフルードにもミネラルオイルやDOTといった違いがあります 、キットの入手性や使い方などの情報量を考えると、日本国内ではシマノ製の油圧式ディスクブレーキの方が便利でしょうか。

油圧式ディスクブレーキのエア噛みには殆ど予兆がみられないので、シマノ製の油圧式ディスクブレーキの場合なら、予備のミネラルオイルと専用のブリーディング&エア抜きキットくらいは常備しておきましょう。

機械式のディスクブレーキに根強い人気があるのはこういった理由も絡んでいて、出先でエア噛みやオイル漏れなどの予期せぬトラブルがあった場合、例えキットを携帯していたとしても、その場でリカバリーするのは困難です。

まとめ

私が経験した3つの失敗についてまとめてみましたが、面倒なのはエア抜きが必須な【3】くらいでしょうか?

原因が不確かなものも含めて何とも歯切れが悪いのですが、密閉式とされている自転車の油圧式ディスクブレーキでもリザーバータンクやキャリバー側のピストンの密閉が結構アバウトですし、インストール時にオイルに含まれる微細気泡も厄介な存在ですね…やはり最低でも年に一度はオイル交換やエア抜きをするのがベストでしょうか。

因みに私はエア噛みしてブレーキレバーがスカスカになって以来、メンテナンスに嫌気がさしてファットバイクのブレーキを油圧式から機械式(ワイヤー式)に変更しています。

ファットバイクの油圧式ディスクブレーキを機械式に交換した理由

ファットバイクのディスクブレーキを油圧式から機械式(メカニカル)に交換。制動力的にはダウングレードと言えますが、想像していたよりも油圧式はメンテナンスに手間が掛り、パッドとローター間のクリアランス調整に自由度がなかった点が交換した理由です。

機械式のディスクブレーキでも大きな不満は感じていませんが、ときどきあのガツンと来る制動力の高さが少しだけ懐かしくなりますね。

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