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使い方や違いは?人気の『ディスクブレーキクリーナー』2種を比較

使い方や違いは?人気の『ディスクブレーキクリーナー』2種を比較イメージ01

最近はロードバイクのみならず、エントリークラスのクロスバイクにも油圧式のディスクブレーキが採用されています。

油圧式ディスクブレーキは天候に左右されない高い制動力やメンテの容易さをウリにしていますが、実際に使ってみると意外にデリケートな一面を持っていることに気が付きます。

ディスクローターがブレーキパッドにシャリシャリと干渉する『引きずり』

オイルラインに気泡が混入してブレーキの効きが悪くなる『エア噛み』

ブレーキングの度にローターがけたたましい音を奏でる『鳴き』

この三つが最たるもので、ディスクブレーキユーザーなら一度くらいは体験したことがあるハズ。

さて、今回スポットを当てるのはディスクブレーキの『鳴き』についてで、主な原因はローターやパッドの汚れだったり、付着した油分や水分だったり、ローター表面の焼き付きだったりします。

雨の日にディスクブレーキ車に乗ったことがある方ならご存知かと思いますが、程度の差はあれどほぼ100%『鳴き』が発生し、人通りの多い場所なんかでは少しだけハズカシイ思いをします。

大抵は乾けば自然に収まってくれますが、パッドやローターに水分が残留していたり油分を拾っていたりすると、鳴きが常態化することもしばしばです。

端的にいうと、ディスクブレーキの『鳴き』を防止するにはローターとパッドをドライで綺麗な状態に保つことが重要で、定期的なクリーニングが必須となります。

重度だったり原因が不明の場合はローターとパッドを新品に交換してしまうのが近道ですが、台所用の中性洗剤や重曹をペースト状にした物でローターやパッドを小まめに洗浄する方法も良く知られています。

私の場合は軽度ならイソプロピルアルコールでローターの拭き取り、定期クリーニング時は台所用洗剤と電動歯ブラシを組合せてローターとパッドをゴシゴシ洗浄していますが、これが中々に面倒です。

『もっと簡単に出来たらなぁ~』と常々思っていたのですが、ディスクブレーキ車の急激な普及と共に『ディスクブレーキクリーナー』なる、超便利なケミカルが台頭してきました。

そんなのKUREのブレクリーンが昔からあるし、ワコーズのBC-9なんかでも十分じゃない?と思うかも知れませんが、本気のディスクブレーキ専用品なだけに嫌でも興味をそそられます。

加えて、ゴム・プラスチック・樹脂等への攻撃性が低く、ケミカルの残留物がローターやパッドに影響を及ぼさないという点も気になったので、試しにマックオフ製とフィニッシュライン製の2種類を購入&比較してみることにしました。

因みに、このディスクブレーキクリーナーですが、どのお店でも入荷後は直ぐに売り切れてしまう程の人気っぷりで、マックオフとフィニッシュラインの二つをコンプするのに思いのほか苦労しました…

そのうち品薄状態は解消されると思いますが、見付けたら『即買い』が鉄則かも知れませんね。

オススメのディスクブレーキ用クリーナー&ケミカル3選

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本題に移る前に、少しだけディスクブレーキ用ケミカルについて説明させて下さい。

私の知る限り、自転車のディスクブレーキ用として使える『鳴き』対策ケミカルは三種類あります。

一つ目がMuc-Off/マックオフの『Disc Brake Cleaner』で、自転車用の先駆けとなった製品だったと思います。すこし紛らわしいですが、同社からは自動二輪用もリリースされていて、両者の違いは不明です。

二つ目がFINISH LINE/フィニッシュラインの『Bicycle Disc Brake Cleaner』で、製品としての特長はマックオフ製とほぼ共通しています。

三つ目がSWISS STOP/スイスストップの『Disc Brake Silencer』で、こちらの製品だけ他の二つとは性質が異なります。

マックオフ製もフィニッシュライン製も、ローター&パッドの洗浄・脱脂・水分除去がメインとなるケミカルで、それによって『鳴き』を軽減する効果が得られますが、スイスストップのディスクブレーキサイレンサーはその名の通り、音鳴りの防止に注力した製品です。

自転車と自動二輪の音鳴りに対応し、ブレーキパッドに灰色のケミカルを吹き付けて使用しますが、音鳴り防止効果は十分なものの、ローターやパッドが灰色に汚れてしまう難点があります。

軽度から中程度の音鳴りなら、マックオフ製やフィニッシュライン製で日常的にメンテナンスしていれば防げますが、スイスストップ製は八方手を尽くしても音鳴りが収まらない…という方が使用する最後の手段といった感じでしょうか?

今回はこの三種類の中から、マックオフ製とフィニッシュライン製を購入して、実際の使用感や効果を確認してみたいと思います。

人気のディスクブレーキクリーナー2種類の詳細と使い方

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さて、比較のために件の2種類を購入してみましたが、冒頭でも軽く触れたようにどちらの製品も人気&品薄で、こうして両者を並べて撮影できるのはレアかも知れません。

どちらの製品も標準ノズルの他にロングノズルが付属し、ブレーキキャリパーなどの狭い隙間にも使いやすい親切設計です。

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価格はマックオフ製が1969円、フィニッシュライン製が1430円で、田舎住まいの私の場合はこれに手痛い送料が加算されます。

容量は価格に比例して、マックオフ製が400ml、フィニッシュライン製が295ml、両者ともパーツクリーナーと同じようにジャバジャバ使うタイプなので、本音をいえばもう少し大容量の方が嬉しかったですね。

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パッケージの裏面には注意事項と使用方法の記載があり、内容はほぼ共通していました。もちろん、攻撃性が低いので、ゴム・プラスチック・樹脂・カーボン・レジンパッドにも安心して使えます。

注意事項として、両者ともパーツクリーナー同様に引火性が高いです。屋外の方が気楽に使えますが、室内で使用する際は火気を避ける&換気は鉄則ですね。

さて、似通った特徴を持った両者ですが、使用方法に一つだけ違いがありました。

マックオフ製はスプレー後に乾燥を待ち、その後にローターを綺麗なウエスで拭き取るように指示されていますが、フィニッシュライン製は特に拭き取りの指示はありません。

ひょっとしてフィニッシュライン製は何らかの音鳴りを防止成分が表面に残留する仕組みなのでは?と予想してみたものの、米国の公式HPを調べてもそれらしき記述は見られません。

辛うじて某サイクルショップのレビューで、フィニッシュライン製には『湿気の付着を抑える効果がある』との情報を見つけましたが、公式で説明されていないだけに、今のところ真偽不明ですね。

因みに、米国フィニッシュラインのHPの方が情報量が多く『焼き付けられたブレーキ釉薬を溶かすことによってブレーキ面を除染します』といった記載も見られ、ローターの焼き付きによる音鳴りにも少なからず効果が見込めるようです。

ディスクブレーキクリーナー2種の使用感について

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早速使用してみますが、私はそれほどディスクブレーキの『鳴き』には悩ませれておらず、ブレーキロック状態でタイヤを前後させた際にギーギーと小刻みに音鳴りし始めたら掃除のサインかな?くらいの認識ですね。

前述したように、軽度ならイソプロピルアルコールでローターを拭き取るだけで済ませていました。

正直、長期的に使ってみないと両者の違いなんてわからないと思いますが、フロントのローター&キャリパーにはフィニッシュライン製、リアのローター&キャリパーにはマックオフ製を使ってみます。

どちらの製品も、ホイールを車体に取付けたままでも十分に使えますが、初回なだけに前後のホイールを取外して洗浄してみました。

ローターを洗浄する際は、表側と裏側の両面から吹き付けます。屋外でやるならタイヤを立たせたままでも構いませんが、屋内ならタイヤを寝かせた方が良いですね、たっぷり使うとパーツクリーナー同様にボタボタ液だれしますから。

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ローターに吹き付けた後は、乾燥待ちの時間を使ってキャリパー&パッドを洗浄します。

丁寧にやるならパッドを外して直接吹き付けた方が効果的ですが、せっかくなのでキャリパーにパッドを取付けたまま、上側から噴射して丸ごと洗浄してみました。

ブレーキキャリパーは割と入り組んだ構造をしているので、ディスクブレーキクリーナーで丸ごとジャバジャバ洗えるのは、何気に気持ちが良かったですね。

スプレー缶の使用感は、マックオフ製は噴射の勢いが強くパーツクリーナーに近い印象、フィニッシュライン製は噴射の勢いが弱く、液剤の流量がやや多めな印象でしょうか。

どちらも速乾性を謳っていますが、乾燥はフィニッシュライン製の方が圧倒的に速かったですね、マックオフ製はローターの表面に長々と水滴状の液剤が残り、乾燥から拭き取りに移るまでに数分ほど間を開ける必要があります。

どうやらマックオフ製は上品な使い方は不向きで、ホイールを車体に付けたままジャバジャバ洗い流すくらいがちょうど良いのかも知れません。

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本来ならフィニッシュライン製は不要ですが、試しに乾燥後のローターを使い捨てウエスで拭き取ってみると、上画像のような結果になりました。

画像だけ見ると『汚れが落ちてないじゃん…』と思われてしまいそうですが、今までイソプロピルアルコールで洗浄&脱脂した際はウエスが真っ黒になっていましたし、何度拭き取っても繰り返し汚れがウエスに移っていました。

それと比べると両者ともに洗浄力は十分で、何度もゴシゴシ拭き取らないとウエスに汚れが移らないくらいです。しかも汚れの色も黒ではなく薄茶色と、今までとは明らかに性質が異なっていました。

因みに、洗浄能力は少しだけマックオフ製の方が高く、速乾性に劣る点がここでカバーされているようです。

まとめ

人気のディスクブレーキ―クリーナー2種を簡単に比較してみましたが、個人的にマックオフ製は汚れやすいオフロード車向きの製品、フィニッシュライン製は室内メンテの多いディスクロード向きの製品といった印象ですね。

フィニッシュライン製は雨ライド後の使用を推奨しているので、ディスクブレーキ車を通勤や通学に使っている方にはこちらの方がオススメでしょうか。

使い方や違いは?人気の『ディスクブレーキクリーナー』2種を比較イメージ10

試しにクリーニング後にライドしてみましたが、ブレーキロック時の音鳴りも収まり、心なしかフロントブレーキの効きも良くなったように感じます。

今まで台所用洗剤と電動歯ブラシでゴシゴシ擦ってようやく解消されていた音鳴りが、僅か数分で解決できるのですから、大人気なのも頷けますね。

ファットバイクで湿った雪道を走った際もローターが音鳴りするので、何気に冬場の方か有難味が増すかも知れません。

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