ミニベロや折り畳み自転車に代表される小径車は、ホイールサイズの小ささ故にタイヤの消耗が激しいといわれています。
私の折り畳みミニベロ『KHS F-20R』も、ちょうど一年前にミニベロ最速タイヤと名高い『SCHWALBE ONE/シュワルベワン』に交換していますが、普段使いに不向きなタイヤだけに走行距離が2000kmに達する前に前後のタイヤをローテーションをしています。
丸二年間使い続けられた標準タイヤと比べて、耐久性の低さは否めませんが『タイヤ一つでこんなにも変わるのか…』と衝撃を受けるほど走りが軽快になり、それ以降は年一で交換するコスパの悪さを覚悟してでも良いタイヤを使うべきだ!と思うようになりました。
さて、ローテーションを経て3000km以上使い続けてもまだハッキリとした劣化は見られませんが、荒れた路面や注意力が散漫になるロングライド時に少しだけ不安を感じることがあり、そろそろタイヤの交換を意識し始めます。
次もお気に入りのシュワルベワンにするか、それともバランスの良いデュラノするべきか…と情報収集していると、何故か451ホイール用のデュラノが何度探しても見つかりません。
アレ?変だな…と調べてみると、2019年の半ばあたりにシュワルベのラインナップに変更があったようで、今更ながら20インチ用シュワルベワンの一部廃止とデュラノの生産終了の事実を知ります。
改悪か…さようなら『シュワルベワン』
これは20インチ、つまりはミニベロ用に限った話ですが、同じ20インチでもサイズの大きい451ホイール用が特に影響が大きいです。
現在のシュワルベで451ホイールに対応する製品は、上画像左のSCHWALBE ONE TUBE TYPEのPERFORMANCE LINEの製品だけで、何故かワイヤービードのみのラインナップです。
実際に使ってみると、何らかの長所があるのかも知れませんが、サイズは20 x 1 1/8の28c相当、重量は280gと全く有難味の無いタイヤになってしまいました…旧シュワルベワンが25c相当の180gだっただけに落差が激し過ぎますね。
451ホイールで選択できるタイヤが一種類のみという、まさに冬の時代な訳ですが…これから451ホイール用のランナップが充実してくれることに期待したいですね…といいますか、そうじゃないと困ります。
さて、デュラノの廃止は同じですが406ホイール用はまだ望みがあります、451用ではワイヤービードのみだったSCHWALBE ONE TUBE TYPEには、サイズ20 x 1.10の28c相当、重量200gのフォールディングタイプがあり、上画像右のSCHWALBE PRO ONE TLEには、チューブレス化に対応した重量205gの製品も存在しています。
451用・406用ともにタイヤ幅が28cが標準になり、重量200gを下回る製品も見られなくなったことから、デュラノが消滅したというよりも、実質的にシュワルベワンが消滅しデュラノがシュワルベワン化した印象ですね。
シュワルベワンもデュラノも廃番モデルは市場在庫のみなので、気になる方は早めに確保しておいた方が良いでしょう、私が調べた限りでは、451ならシュワルベワン、406ならデュラノがまだ何とか手に入りそうです。
代わりのタイヤはコレ!こんちには『ミニッツライト』
当面の間、シュワルベの451ホイール用タイヤに絶望的な状況が続きそうですが、幸いにもシュワルベワンとミニベロ最速タイヤの双璧を成す製品が存在しています。
ミニベロ愛用者なら一度くらいは耳にしたことがあると思いますが、Panaracer/パナレーサーの『Minits Lite/ミニッツライト』を含むミニッツシリーズがそれです、上画像を見るとわかりますがタイヤの断面がコーンヘッドのような突起状になっていて、いかにもスピードが出そうな形状ですね。
旧シュワルベワンの代用として使うなら、画像左のミニッツライトが文句なしにオススメなのですが、重量160gと軽量な『F2087BAX-MNL4』はサイズが20 x 7/8の23c相当と初心者には若干扱いづらく、ロードバイクの細いタイヤに慣れていないと、路上で少し怖い思いをするかも知れません。
私もグレーチングにハマらない25c相当のモデルになってから旧シュワルベワンに交換したくらいですから、次期タイヤにミニッツライトを選ぶなら、重量190g、サイズ20 x 1 1/8で28c相当の『F2081BAX-MNL4』が好みでしょうか、普段使いするならこちら方が安心感があります。
因みに完全に廃止されたデュラノの代用として使うなら、画像右のミニッツタフも良いですね、ミニッツライトよりもパンク耐性が向上している割に、サイズ20 x 7/8の『8W2087-MNT-B3』で重量210g、28c相当の『8W2081-MNT-B3』も重量260gと、それほど重くないのが嬉しいです。
ミニッツライトとミニッツタフ、どちらを選ぶか悩みどころですが、ミニッツライトは寿命がおよそ2000kmと短いので、財力に余裕があってスピード命じゃない限りはミニッツタフを選ぶのもアリですね。
余談ですが、ミニッツライトはタイヤサイドのカラーに黒・赤・青の三種類があり、ミニッツタフには黒・茶の二種類があります、茶色はタンウォールっぽい見た目なので、レトロ・クラシック系のミニベロに良く映えるかも知れません。
ミニッツライトやミニッツタフは451ホイールでの利用者が多いのでイマイチ影が薄いですが、406ホイール用もサイズ20 x 1.25の32c相当のみリリースされています、現在のシュワルベとは待遇が真逆になっているのが面白いところですが、32cながら406用ミニッツライトも重量170gとかなり軽量に仕上がっています。
まとめ
う~ん、シュワルベの方針を見るにミニベロにまでチューブレス化の波が到来しているのを感じますが、ミニベロの軽量チューブが50g程度、流行りのTPUチューブなら更に軽量、チューブレス化で注入されるシーラントとチューブレスバルブの増量分を考えると、あまり重量面での旨味は無いかも知れませんね、転がりが僅かに良くなるのとリム打ちパンクに怯えなくても済むのが最大の利点でしょうか。
言い忘れましたが、今まで25cの旧シュワルベワンを使っていたのなら、23cのミニッツシリーズにタイヤを交換してもチューブがそのまま流用できます、デュラノから23cのミニッツシリーズへのチューブ流用はNGですが、28cのミニッツシリーズになら無問題です。