鋸(ノコ)に拘れ!カーボンハンドルの切断方法と工具選びのポイント

カーボンハンドル&ハンドルコラムの切断方法と工具選びイメージ01

随分前の話ですが、ファットバイクを少しでも軽量化する目的でハンドルをアルミ合金製からカーボン製に交換したことがあります。

ハンドルを交換すると共にハンドル幅も自分好みに調整することになるのですが、ご存知の通りカーボン製のハンドルやステアリングコラムの切断には定番工具のパイプカッターが使えず、糸鋸などで地道に作業するしかありません。

初のカーボン製パーツということで、ある程度は下調べをして切断に臨んだのですが、これが予想外の大苦戦となりカーボンハンドルに妙な苦手意識を持つようになります。

今思うと、たった直径22.2mmのハンドルを切断するのに30分以上掛かるなんて悪夢でしかありませんよね…工具の不備や知識不足が失敗に繋がったのは明らかでしょうか。

初のカーボンハンドル化と"MOTOREX カーボンペースト"の感想
ファットバイクをカーボンハンドルに交換した感想とカーボンをカットする方法や失敗談についてまとめています。またパーツに傷を付けないオススメの滑り止め、MOTOREX/モトレックスの"Carbon Paste/カーボンペースト"の効果や使い方も簡単に説明しています。

さて、その後はカットが必要になるカーボンパーツとは無縁のサイクルライフが続いていたのですが、新たに加わったフルサス29erプラスの乗り心地を改善する目的で、再びカーボンハンドルの切断に挑むことになりました。

夏場の蒸し暑い室内で、左右合わせて一時間以上も汗だくで鋸をギコギコ引き続ける羽目になったトラウマから、今度ばかりは慎重にならざるを得ません。

今回は私の経験を元に、初挑戦でも失敗しづらいカーボンハンドルの切断方法と必要な工具について簡単に紹介してみたいと思います。

フルサス29erプラス用にNukeproofカーボンライザーバーを購入

カーボンハンドル&ハンドルコラムの切断方法と工具選びイメージ02

本題に移る前に切断するカーボンハンドルについて少しだけ触れておきます、切断方法とはあまり関係の無い部分なので興味の無い方は読み飛ばしても無問題です。

今回購入したのは『Nukeproof/ヌークプルーフ』のHorizon V2 カーボンライザーバーで、クランプ径は31.8mmよりも新しい35mm規格の製品です。

カーボンハンドル&ハンドルコラムの切断方法と工具選びイメージ03

乗車ポジションを改善する目的で購入したのでライズは38mmと高めを選びました、アップスィープは5度、バックスィープは9度、ハンドル長は780mmです。

何気にライズ40mm前後でバックスィープが9度の製品はレアでした、ロングライド時に腕まわりや手首の疲労に繋がりやすい要素なので、例え重量増でも妥協したくなかった部分でしょうか。

カーボンハンドル&ハンドルコラムの切断方法と工具選びイメージ04

重量は250gとカーボンハンドルにしてはやや重めの仕様です、Nukeproofは文字通り『核攻撃にも耐える品質』を売りにしたブランドなので多少の重量増には目を瞑りました。

カーボンハンドル&ハンドルコラムの切断方法と工具選びイメージ05

ハンドル長800mm前後の製品では、750mm以下のカットが推奨されていない場合が多く、中央部分に掛けて大きく変形するライザーバーではそれに拍車が掛かりますが、最大で左右50mmづつ合計100mmのカットに対応していました。

カーボンハンドル&ハンドルコラムの切断方法と工具選びイメージ06

厚みは約2mmで、以前カットしたRACE FACE/レースフェイス製よりも若干薄い印象でしょうか、物によっては滑り止めとしてクランプ部分にザラザラした表面加工が施されていますが、Nukeproof製はクランプ部分だけでなくハンドル末端に握り部分に20cmほどの滑り止め加工が見られました、どちらにもファイバーペーストを使わなくて済みそうです。

余談ですが、このハンドルは海外通販の『Chain Reaction Cycles/チェーンリアクションサイクル』で購入しました、いつもなら到着まで10日ほど掛かるのですが、何故か今回は僅か4日で到着です…欧州で猛威を振るう例のウイルスの影響でしょうかね。

準備万端!カーボンの切断に必要な工具

カーボンハンドル&ハンドルコラムの切断方法と工具選びイメージ07

いよいよ本題のカーボンハンドルの切断に移りますが、前回の失敗した経験を元に私が揃えた工具類は上画像の六種です。

まず、画像上段に見えるのが肝心要の鋸(ノコ)で、前回は買わずに失敗したAmazonがやらたと薦めてくる『Z販売 ハイスパイマン P1.4 金属切断用鋸』を素直に購入してみました。

次に画像下段の右から順に『デイトナ ミニベンチバイス D97222』、『GIZA PRODUCTS ソーガイダー TOL18000』、『100均の瞬間接着剤 ハケ付き』、『100均のヤスリ』、『100均の養生テープ』となり、六種類のなかで今回追加で購入したのは鋸とベンチバイス(卓上万力)の二つです。

前回は斜めにズレた切断面に鋸の刃が噛み込んでしまい、前後に動かせなくなるトラブルが度々あったので、水平状態を維持できるベンチバイスを試してみます、自転車のメンテにも役立つことが多いので持っておいて損はありませんね、最大開口が50mm前後もあれば十分です。

因みに、ハンドルをステムに固定して切断すればバイスは不要です、短時間で一気に切断できる切れ味鋭い鋸があれば、私のような無様な失敗はしないでしょう。

さて、ヤスリの用途はすぐに予想できるものの、ちょっと気になるのが瞬間接着剤と養生テープの存在ですね、瞬間接着剤は切断後に断面を防水処理するために使い、養生テープはハンドルの切断面に巻いて毛羽立ちを抑えるのに使います。

最後になりますが、切断に必須なのがソーガイド/ソーガイダーです。これが無いと素人にはハンドルを真っ直ぐに切断できません、鋸とソーガイドにだけはケチらずに十分な予算を割きましょう、上画像の工具を全て購入しても¥6000くらいです。

鋸(ノコ)が良ければ楽勝?カーボンハンドルの切断方法

カーボンハンドル&ハンドルコラムの切断方法と工具選びイメージ08

前置きが長くなりましたが、いよいよカーボンハンドルの切断を開始します。

手始めに養生テープかマスキングテープを切断箇所に巻き付け、切断した表面が毛羽立たないように下処理します、白い養生テープの場合は半透明なのでカット用の目盛が透けて見えますが、色つきやマスキングテープを使うならサインペンなどでカットする位置に目印を付けておきましょう。

カーボンハンドル&ハンドルコラムの切断方法と工具選びイメージ09

続いてハンドルにソーガイドをセットします、あまり神経質になる必要はありませんが圧に弱いカーボン製なのでソーガイドの締め付け加減はガタが出ない程度にしておきました。

また、画像とは逆向きにハンドルを差し込むとカット終了後にハンドルが落下してしまうので注意しましょう。

矢印の隙間から鋸を差し入れて使いますが、間隔は約1.5mmで鋸の側面をどちらかに沿わせるように切断します。

最初はソーガイドを710mmのラインに合わせてみましたが、最終的にいつもと同じ700mm長に合わせました、800mm長も当たり前になった最近のオフ車界隈からすると短めですが、私には一番しっくり来るハンドル長ですね。

因みに、画像のようにソーガイドを710mmのラインにピッタリ合わせても、鋸の厚み影響で実際よりも数mmくらいは長めにカットされます、気になる方は予めそれを計算に入れた位置に固定しましょう、影響のない部分で試し切りして癖を掴んでおくのも手でしょうか。

カーボンハンドル&ハンドルコラムの切断方法と工具選びイメージ10

次に、適当な場所に固定したベンチバイスにソーガイド下部のプレートを挟み込んで固定します。

前述したように、バイスが無くてもステムにハンドルを固定することで代用できますが、斜めになった状態で切断に時間を掛けると、鋸によっては刃の噛み込みが起きるので注意しましょう。

余談ですが、購入してみたもののベンチバイスを固定できる大き目の作業台が無く右往左往しました…画像では間に合わせで木製の折り畳み椅子に固定していますが、40mm厚までの板に対応しているので使い古した木製家具の棚板や天板でも代用できそうです。

カーボンハンドル&ハンドルコラムの切断方法と工具選びイメージ11

遂に切断に移りますが、パウダー状になるカーボンの切り屑は吸い込むと有害なので、鼻と口元を何かで覆って作業しましょう、もちろん屋外で作業してもOKです。

さて、どうしても過去のトラウマが頭を過りますが、今回はAmazonがしつこいくらいに薦めてくる鋸を信じて、ソーガイドに沿わせた鋸を前後に動かし始めます。

スタート直後こそ抵抗感があったものの、1分もしない内に切断が終了します…マジ?

最近は何かと評判の悪いAmazonですが、このオススメ品は大当たりでした。

続いて反対側も切断してみますが、事前情報によるとカーボンを切断すると大抵の鋸は刃が著しく劣化するそうで、確かに反対側は手応えに違いを感じます。

とはいえ、それでも1分ちょっとで切断でき、以前に片側だけで30分を費やしたことが馬鹿馬鹿しく思えるほど、あっけない幕切れを迎えました。

『カーボンの切断は鋸(ノコ)の拘れ!』どうらやこれが鉄則のようです。

言い忘れましたが、切断するとハンドルの内部に結構な量の切り屑が入り込むので、切断後は軽くトントンして切り屑を排出させておきましょう。

カーボンハンドル&ハンドルコラムの切断方法と工具選びイメージ12

両端とも端切れの断面にブレは一切無く、ハンドル本体側は700mmのラインにプラス1.5mmした長さで切断されていました。

端切れの重さが15g、未カットのハンドルが250gでしたから、ハンドルの重量は235gと少しだけ軽くなりましたね。

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綺麗に切断できているように見えますが、断面にはバリがあるのでヤスリで表面を均し、ついでに内周と外周も軽く面取りしておきます。

最後の仕上げとして、切断面に瞬間接着剤を塗布して防水処理を施しますが、その前に入り口付近や内部に残った切り屑や削りカスをウエスで拭き取っておきました。

ここで、前回使用したハケ付きの瞬間接着剤を使う予定でしたが、一年以上前に開封した物だけに容器内が半ゲル状に固化していました、しぶしぶ近場のホームセンターでハケ無しの瞬間接着剤を購入して対処しましたが、100均のハケ付きの方が安い上に塗りやすくて便利です。

因みに、瞬間接着剤は表面に塗布する使い方をすると乾燥に時間が掛かります、薄く塗布できないハケ無しタイプを使う場合は、速乾性の高い製品を選びましょう。

これでカーボンハンドルの切断は無事終了ですね、お疲れ様でした自分。

まとめ

正直、拍子抜けするくらい簡単に作業が進み、鋸の威力には本当に感心させられました、偶にはAmazonも信じてみるものですね。

今回はカーボンハンドルの購入で予算をほぼ使い果たしていた関係上、安価な『Z ハイスパイマン P1.4 金属切断用鋸』を使ってみましたが、予算に余裕があるならPARKTOOLのカーボン専用替刃 『CSB-1』もオススメでしょうか。

替刃が一般的な250mmよりも長い300mmなので、割高なPARKTOOL純正の弓形ハンドル『SAW-1』が必要になってしまうのが欠点ですが、替刃の片側を持てるようにテープで加工したり、市販の持ち手を取付けるなどすれば、単体でも十分に切断できるようです。

ハンドル自体の使用感については後日記事にすると思いますが、これでようやくカーボンハンドルのトラウマを拭い去ることができました、めでたしめでたし。

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