太さとパンク耐性がポイント!街乗りMTBにオススメのタイヤあれこれ

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うろ覚えですが、スポーツバイク入門車として人気のクロスバイクは、マウンテンバイクのフレームにオンロード用のスリックタイヤを使用したことで誕生した経緯があるそうです。

要するに、タイヤさえ何とかしてしまえば舗装路に不向きなマウンテンバイクでも、クロスバイク程度になら化けてくれる…という理屈なんですが、流石に細身のオンロード用タイヤをそのまま使う訳にはいきません。

私はフルサス29er用のホイールを複数保有していて、各ホイールにはそれぞれ傾向の異なるタイヤを取付けていますが、街乗り&ロングライド用のカーボンホイールには『SCHWALBE G-ONE SPEED』というグラベルタイヤを一年ほど使用しています。

このタイヤは過去に『SCHWALBE BIG ONE』と呼ばれていて、海外のタイヤレーティングサイトでは転がり抵抗が最も低いMTB用タイヤとして現在もランキングの一位に君臨しています。

私もそこに魅力を感じて使い続けていたのですが…このタイヤ、軽量で抜群に転がりが良い代償として、パンク耐性がそこそこ犠牲にされているのですよ。

チューブレス化して導入した直後に一回、ちょうどその一年後にチューブドで一回と、これまで二回のパンクを経験していますが、これを多いと見るか、少ないと見るかは微妙なラインでしょうか。

さて、既に一度目のパンクでチューブレスレディの気密性が失われ、泣く泣くチューブドで使い続けていた『SCHWALBE G-ONE SPEED』ですが、本音をいえばあと少しだけパンク耐性が欲しいところ。

この製品と似たような特徴を持ち、尚且つもう少しだけパンクに強い…そんなタイヤをあれこれ探してみましたが、今回はその過程で候補に上ったMTB用スリックタイヤから、街乗り用にオススメの製品を幾つか紹介してみます。

MTB用のスリックタイヤ選び『知っておきたい3つのポイント』

プチ比較『チューブレス』VS『軽量TPUチューブ』の率直な感想イメージ07

マウンテンバイク用のスリックタイヤを紹介する前に『これは知っておいた方が良いよ!』という事柄について、三つだけ語らせて下さい。

まずは一つ目ですが、タイヤの幅は55mm(ETRTO55/約2.15インチ)を基準に選んだ方が良いです。

クロモリに代表される細身のフレームならもう少し細い50mm前後のタイヤでも大丈夫ですが、最近のアルミ製やカーボン製のMTBは、そこそこフレームが太めの作りになっているため、タイヤ幅が55mm以下だと外観が貧相に見えてしまいがち。

フルサスMTBに40cのグラベルタイヤ『WTB Byway TCS』を試すイメージ10

上画像はリムハイト28mmのホイールに40mm幅のグラベルタイヤを取付けた時の外観ですが……

ほらね、ヤバいでしょ?

フェンダー位置やサドルサイズも含めて、全てのバランスが崩れまくってます。

あくまでも私の感覚ですが、ボトムチューブの太さを目安にするのがわかり易く、愛車を真横から見た際にボトムチューブの幅が、タイヤとリムを足した幅よりも太く見えてしまったり、ほぼ同じだったりするようなら危険領域かも知れません。

もちろん、安全のためリム幅に適したタイヤを選ぶことが大前提ですが、スリックタイヤに交換してもMTBらしいゴツさを失わないタイヤ幅は50~55mmくらいが下限でしょうか。

因みに、タイヤ幅がリムの推奨外だと走行中にビードが外れる危険性があります。メーカーにも寄りますが、外寸28mm、内寸23mmのリムで、推奨タイヤ幅は1.9~2.4インチ(48~61mm)くらいなので注意しましょう。

続いて二つ目ですが、パンク耐性を求めるならタイヤノブの有無を意識した方が良いです。

タイヤノブが無いのがスリックタイヤの特徴なのに意味不明だぜ…と思うかも知れませんが、ノブの有無はもちろん、形状や配置でもパンク耐性にかなりの差が出ます。

同じスリックタイヤでもMTB用はロード用よりも遥かに接地面が広いため、それだけでも単純にパンクリスクが上昇しますし、タイヤ幅が災いしてロード用よりもトレッド面が薄い…なんてことも珍しくありません。

実際に『SCHWALBE G-ONE SPEED』のトレッド面はかなり頼りないですし、密集したノブの高さも1mm以下です。

少しでもパンクしづらいスリックタイヤが欲しいなら、軽量さを犠牲にしてトレッド面が分厚いタイヤを選ぶか、多少でもタイヤノブの備わったセミスリックタイヤを選びましょう。3mmのセンターノブがあるだけでも雲泥の差ですから。

最後の三つ目ですが、自分の目的や用途と相性の良いタイヤを選ぶのが大切ですね。

そんなの当たり前でしょ?とお叱りを受けそうですが、私の知る限りMTB用として使えるスリックタイヤは、グラベル用・XC(クロスカントリー)用・アーバン用・ツアー用・E-BIKE用と多岐に渡り、それぞれ微妙に性質が異なっています。

大雑把にいうと、通勤・通学など日常的に使うなら、アーバン用・ツアー用・E-BIKE用などの耐久性のあるタイヤが良く、ファンライドやたまにするロングライドになら、グラベル用・XC用などの軽量で転がりの良いタイヤがオススメですね。

また、予備知識として、ロードバイク用の700CタイヤはMTB用29インチホイールに使用可能、同様に650BタイヤもMTB用27.5インチホイールに使用可能です。もちろん、リム幅に対してタイヤが細すぎたり太すぎたりするのはNGですが。

前置きが長くなりましたが、これら三つの点を踏まえてマウンテンバイク用スリックタイヤを見ていきましょう!

SCHWALBE G-ONE SPEED

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SCHWALBE G-ONE SPEED

【タイヤタイプ】チューブレス対応
【ケーシング】67TPI
【ビード】フォールディング
【サイズ・重量】29 x 2.00 555g/29 x 2.35 560g(実重量615g)

※シュワルベではグラベルタイヤの700cを28インチと表記している場合があります、紛らわしいので今回はMTBを基準にして29インチと表記を統一しています。

トップバッターはこちら、冒頭から何度も触れている『SCHWALBE G-ONE SPEED』です。

このタイヤはグラベル用という括りになりますが、私が使用している2.35インチ幅(60mm)は29インチ用にしか無く、27.5インチ用は2.0インチ幅(50mm)が最大幅なのが残念。

モデルチェンジする度に弱点であるパンク耐性がジワジワとアップしていますが、私が使用している旧モデルと最新モデルとでは、100g近い重量差があります。

100g増は結構デカいなぁと思いますが、頻繁にパンクしていては話にならないので、購入するなら出来るだけ最新版を選びましょう。

また、ノブによるパンク耐性に期待するなら上画像右の『SCHWALBE G-ONE ALLROUND』も選択肢に入り、こちらの方が27.5インチのバリエーションが豊富ですね。

G-ONE SPEEDと比べると、同サイズでも100~200g程度の重量増になりますが、27.5×2.25サイズだけでなく、27.5 x 2.8サイズのセミファットタイヤを選べる利点もあります。

IRC MARBELLA

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IRC MARBELLA/マーベラ

【タイヤタイプ】クリンチャー
【ケーシング】120TPI
【ビード】フォールディング
【サイズ・重量】29 x 2.25 575g/27.5 x 2.25 545g

前述のSCHWALBE G-ONE SPEEDの対抗馬になりそうなのが、こちらの『IRC MARBELLA/マーベラ』です。

宮城県の工場で生産されている日本製で、ヤスリ目状に加工されたトレッド面に特徴のあるマウンテン・グラベル用タイヤです。

チューブ必須のクリンチャーながら、利用者によると多めのシーラントでチューブレス化も可能とのこと。

とはいえ、200ml近いシーラントは軽量チューブの重量を余裕で上回ってしまうので、街乗りオンリーならチューブレス化の意義は薄いかも知れません。

タイヤ幅は57mm程で重量はG-ONE SPEEDとほぼ同じか少し軽いくらいですが、チューブレスレディに必要な気密層に重量が割かれていないため、こちらの方がトレッド面の強度や厚みに期待が持てます。

国内生産だけに安定して入手が可能ですし、控えめ価格で気軽に試せるのも魅力ですが、最近はそれが仇となって入荷待ち状態が増えてしまいました……

気になる方は、在庫アリなうちに確保しておきましょう。

IRC BOKEN PLUS TLR

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IRC BOKEN PLUS TLR/ボウケンプラス チューブレスレディ

【タイヤタイプ】チューブレス対応
【ケーシング】60TPI
【ビード】フォールディング
【サイズ・重量】650 x 47B 595g

同じIRC製ということで、こちらの『IRC BOKEN PLUS/ボウケンプラス』もついでにご紹介。

最近増えているロードプラスと呼ばれる規格のタイヤで、27.5インチ/650Bのホイールに50c前後のタイヤという組み合わせに特徴があります。

グラベルロード用として使われるのが一般的で、正しくは規格ではなくWTBが推奨している運用法のひとつですが、グラベル界隈ではスターンダードになりつつあり、街乗りMTB用タイヤとして流用しやすいサイズ感。

幾つかサイズのあるBOKEN PLUSですが、最大サイズとなるのがロードプラス規格の650B x 47で、27.5インチホイールのMTB用としても使用可。

チューブドのみだった同社のマーベラとは異なり、こちらはチューブレスレディに卒なく対応。センタースリックで転がりも良く、サイドウォールに備わった補強材によりサイドカットに強いタイヤに仕上がっています。

MTB用タイヤとしては僅かに幅が足りない……そういった印象ですが、27.5インチMTBで細身フレームの方やセミディープリムの方になら、違和感なくフィットしてくれるでしょう。

余談ですが、IRCのチューブレス対応タイヤはフックレスリムとの相性が良いそうで、セットアップ時のビード上げが容易とのこと。

Continental Speed King RaceSport

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Continental Speed King RaceSport

【タイヤタイプ】クリンチャー
【ケーシング】180TPI
【ビード】フォールディング
【サイズ・重量】29 x 2.2 450g/27.5 x 2.2 425g/26 x 2.2 410g

マウンテン・グラベル用タイヤで最軽量クラスなのが、こちらの『Continental Speed King RaceSport』です。

センタートレッドが鱗状になったセミスリックタイヤで、国内ではまだ利用者の多い26インチサイズもラインナップされています。

軽量で転がりの良さに定評のあるタイヤですが、お察しの通りG-ONE SPEEDを上回るパンク耐性の低さがネックでしょうか。因みに、IRC MARBELLAと同じくクリンチャーですが、こちらはタイヤサイドが薄いためチューブレス化は少し苦戦するとのこと。

また、こちらもクリンチャーながら上画像右の『Race King RaceSport』もなかなか優秀ですね。500g前後と軽量な上に3mm厚の密集したセンターノブが備わっているお陰で、スリックタイヤよりもパンク耐性があります。

XC用タイヤなので、スリックやセミスリックと比べると流石に走行時に抵抗感がありますが、街乗りから軽めのトレイルまでバランスよくこなせる良タイヤだと思います。

MAXXIS Maxxlite

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MAXXIS Maxxlite

【タイヤタイプ】クリンチャー
【ケーシング】170TPI
【ビード】フォールディング
【サイズ・重量】29 x 2.0 345g/27.5 x 2.0 340g

控え目ながらセンターノブのがあるのでスリックでもセミスリックでもありませんが、こちらの『MAXXIS Maxxlite』もなかなか面白いタイヤです。

タイヤ幅が50mm程度なので、細身のクロモリフレームやXC用MTBくらいにしか似合いませんが、重量が300g台と抜群に軽くMTB用タイヤでは最軽量かも知れません。

この仕様だとパンク耐性に不安が残りますが、実際に使用した方によると、街乗り用として使っても思ったほどパンクしないとのこと。

ノブが低いので舗装路でも良く転がってくれますが、一本10000円とやたらと高価なのが難点でしょうか。

因みに、廃番になるそうなので気になる方は早めに確保しておくことをオススメします。

MAXXIS Re-Fuse

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MAXXIS Re-Fuse/リフューズ

【タイヤタイプ】チューブレス対応
【ケーシング】60TPI
【ビード】フォールディング
【サイズ・重量】27.5 x 2.0 610g/650 x 47B 590g

廃番となってしまうMaxxliteの後釜には、こちらの『MAXXIS Re-Fuse/リフューズ』が期待できます。

前述したロードプラス規格の影響から、メーカー各社がこぞって太目のグラベルタイヤをリリースしていますが、リフューズシリーズにも27.5インチMTB用の50mmと650Bロードプラス用の47mmの二種類が存在。

トレッド面は細かなヤスリ目状で、前述したSCHWALBE G-ONE SPEEDと同系統のスリックタイヤとなりますが、リフューズにはトレッド面の耐久性や耐パンク性能に優れる特徴があるそうで、街乗り用や普段使い用として打って付けな仕様になっています。

転がり抵抗の低さ・耐パンク性・タイヤ重量、これらの要素がバランスよくまとまっていて、やや細身な点に目を瞑れば、ダークホース的なタイヤになるかも知れません。

因みに、マシキスのグラベルタイヤには、MTB用としてはやや細めながら『Rambler/ランブラー』の650 x 47B 551gや700 x 45C 554g、『Receptor/レセプター』の650 x 47B 485gなど、魅力的な製品が多いです。

GT Bicycles SMOOTHIE

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GT Bicycles SMOOTHIE

【タイヤタイプ】クリンチャー
【ケーシング】67TPI
【ビード】ワイヤー
【サイズ・重量】29 x 2.5 850g/26 x 2.5 765g/24 x 2.5 710g

スリックタイヤと聞いて真っ先にイメージする形状そのままなのが、こちらの『GT Bicycles SMOOTHIE/スムージー』です。

MTBメーカーとして知られるGTの純正タイヤで、MTB・BMX用ということもあり27.5インチが無いかわりに26インチと24インチサイズがラインナップされています。

実際のタイヤ幅は60±2mm程で2.35インチのSCHWALBE G-ONE SPEEDとほぼ同じサイズ感、トレッド面に一切のノブの見られないガチのスリックタイヤですが、ボリューム感のある見た目の割に29インチでも重量は850gと控え目ですね。

軽さ故に全体的に薄い仕上がりで、サイドウォールが特に顕著ですが、街乗りオンリーならそれほど心配する必要は無いかも知れません。

2.0bar程度の空気圧にするとファットバイクに似た浮遊感のある乗り心地になるそうで、サスなしフルリジッドのMTBと相性が良さそうなタイヤです。

VEE SPEEDSTER

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VEE SPEEDSTER

【タイヤタイプ】クリンチャー/チューブレス対応
【ケーシング】27~72TPI
【ビード】ワイヤー/フォールディング
【サイズ・重量】29~26 x 2.1~3.0 620~1220g

MTB用のスリックタイヤとしてサイズバリエーションが抜群に豊富なのが、こちらの『VEE SPEEDSTER/スピードスター』です。

VEE SPEEDSTERは元々ファットバイク用のスリックタイヤとして人気を集めましたが、それがVEE TIRE全体のラインナップに波及した結果、現在では把握できないほど多様なサイズが存在しています。

大半がクリンチャーでワイヤービードという仕様ですが、何故か26 x 2.125サイズに唯一チューブレス対応でフォールディングビードのタイヤが存在し、重量も620gと軽量です。

29インチ、27.5インチ、26インチには、それぞれセミファットサイズとなる2.8~3.0インチ幅のスリックタイヤが準備されていて、MTBに装着した際の見栄えはかなり良いですが、フレームによっては太すぎてタイヤクリアランスを確保できないかも知れません。

幸い、29インチ限定でタイヤ幅2.1~2.3のモデルが存在し、こちらの方が使い勝手が良いですね。気になるパンク耐性ですが、重量から察するに、どのサイズもトレッド面は割としっかりしていそうな印象でしょうか。

余談ですが、過去に行われた某ヒルクライムレースでは、ロードやMTBを抑えてVEE SPEEDSTERを装着したファットバイクが3位入賞を果たしたことがあるそうです。

機能性は十分なのに、国内では安価な完成車用タイヤとして普及しているため、タイヤ単品ではファットバイク用くらいしかまともに入手できないのがちょっと惜しいですね。

SURLY ExtraTerrestrial Tire

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SURLY ExtraTerrestrial Tire

【タイヤタイプ】チューブレス対応
【ケーシング】60TPI
【ビード】フォールディング
【サイズ・重量】29 x 2.5 1070g/27.5 x 2.5 1010g/26 x 2.5 990g

いわずと知れたSURLYの手掛ける万能タイヤが、こちらの『SURLY ExtraTerrestrial/エクストラテレストリアル』です。

比較的新しいタイヤですが、街乗り・ツアー・未舗装のトレイルと幅広い用途に使え、おまけにトレッド・サイド共に優れたパンク耐性を備えています。

ツーリングタイヤという立ち位置ですが、SLATE/スレートと呼ばれるグレイのウォールカラーが選べるのも魅力で、1000g強の重量とやや高価である点以外は特に不満を感じないタイヤでしょうか。

中央部分には密集したタイヤノブがあり、センターリッジタイヤのように良く転がってくれます。タイヤ幅は64mmほどで、エッジの効いたタイヤノブは凍結路にもある程度のグリップを発揮してくれるとのこと。

激重だけど走りは軽快!街乗りMTBにSURLY製ツーリングタイヤを試す
フルサス29erをSURLYのオフロードツーリングタイヤ「ExtraTerrestrial/エクストラテレストリアル」に交換。1kg超と重量級ですが、舗装路では良く転がり耐久性にも優れるオススメの街乗りタイヤでした。

SCHWALBE MARATHON ALMOTION

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SCHWALBE MARATHON ALMOTION

【タイヤタイプ】クリンチャー/チューブレス対応
【ケーシング】67TPI
【ビード】フォールディング
【サイズ・重量】29 x 2.15 730~895g/27.5 x 2.15 690g

前述した、SURLY ExtraTerrestrial Tireのライバルになりそうなのが、こちらの『SCHWALBE MARATHON ALMOTION』です。

シュワルベのシティ&ツアー用タイヤとして知られるマラソンシリーズですが、意外にもタイヤ幅55mm以上の製品は少なく、最近のE-BIKE人気に後押しされた形でようやくMTBに使えそうな太目のタイヤが充実してきました。

タイヤの性質はSURLY ExtraTerrestrialに似ていてパンク耐性も十分ですが、タイヤ幅が10mm近く細いため、その分だけ軽量な仕上がりになっています。29インチにはクリンチャーとチューブレス対応の二種類があり、前者の方が軽量ですね。

また、とにかく耐久性重視という方には上画像右の『MARATHON GT 365』も選択肢に入り、こちらは1400gとファットタイヤ並みの重量ですが、非常に高いパンク耐性がありオールシーズン同じタイヤを長く使い続けるといった用途に向いています。

因みに、シュワルベのシティ&ツアー用タイヤの多くには、夜間の安全性を高める目的で、Black-Reflexと呼ばれるリフレクト塗装がタイヤサイドをぐるりと一周するようにプリントされています。

細いライン状なので日中はあまり目立ちませんが、MTB用として使う場合は好みがわかれるかも知れません。

PANARACER GravelKing SK

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PANARACER GravelKing SK/グラベルキング SK

【タイヤタイプ】クリンチャー/チューブレス対応
【ケーシング】120TPI
【ビード】フォールディング
【サイズ・重量】29 x 2.1 710g/27.5 x 2.1 620g

恐らくここ数年で街乗りMTB用タイヤの大本命になりそうなのが、こちらのチューブレス版『PANARACER GravelKing SK』です。

もはや説明不要なほど有名なグラベルキングですが、フルスリックの無印GravelKing、セミスリックのGravelKing SS、ノブありのGravelKing SKの三種類の中で、このSKが最もサイズバリエーションが豊富。

MTB用として使える54mm幅の29 x 2.1サイズや27.5×2.1サイズがラインナップされている上に、700 x 50Cサイズや650Bx48も準備されているという力の入れ具合です。

因みに、GravelKing SKの29 x 2.1サイズと700 x 50Cとでは、100g以上の重量差があるので、少しでも軽快に走りたいなら、後者の方がオススメかも知れません。

使用するリム幅にも寄りますが、実際に650 x 48BのSKを使っている方によると、タイヤ幅の実寸が50mmを超えるそうなので、少し太めな傾向にある点も加味したいところ。

また、基本となる三種類のタイヤには、それぞれにチューブレス対応版とパンク耐性に優れるPLUS版が準備され、全てのラインナップにブラックとタンカラーの二種類があるのも嬉しい点。

グラベルキングシリーズはノーマル版でもパンク耐性に優れるため、重いPLUS版を使うか否かで判断に迷います。

SKはノブありなので、舗装路上では無印やSSほど良く転がりませんが、ちょっとした未舗装路では有利に働くので、道を選ばず気ままに走りたいといった方に、特にオススメしたいタイヤでしょうか。

余談ですが、グラベルキングシリーズは国内よりも海外での評価が大変高く、某国ではグラベルキングユーザーだらけとのこと。国内メーカーから、まさかの大ヒットタイヤが生まれてくれました。

PANARACER GravelKing SS

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PANARACER GravelKing SS/グラベルキング SS

【タイヤタイプ】クリンチャー/チューブレス対応
【ケーシング】120TPI
【ビード】フォールディング
【サイズ・重量】27.5 x 1.9 540g

グラベルキングの特徴は理解できたけど、やっぱりノブ無しの方が良いなぁ……

そんな方は、こちらのチューブレス版『PANARACER GravelKing SS』を選びましょう。

残念ながら前述のSKとは異なり、サイズは27.5 x 1.9/650B x 48のロードプラス規格止まりですが、文字通り『SS』のセミスリック仕様になっていて、舗装路での転がりの良さは無印グラベルキングに引けを取りません。

またチューブレス版の無印グラベルキングにも同じ27.5 x 1.9/650B x 48サイズが存在していて、完全に舗装路しか走らない場合は、フルスリックのこちらのを選んでも良いでしょう。

本来なら街乗り向きなフルスリックの無印グラベルキングの方を取り上げるべきですが、MTB乗りがおとなしくアスファルトだけを走ってる筈が無い!といった思い込みがあるので、サイドノブのあるSSの方をプッシュしてみました。

SCHWALBE SUPER MOTO

太さとパンク耐性がポイント!街乗りMTBにオススメのタイヤあれこれイメージ15

SCHWALBE SUPER MOTO

【タイヤタイプ】クリンチャー
【ケーシング】67TPI
【ビード】ワイヤー
【サイズ・重量】29 x 2.4 1285g/27.5 x 2.4 1185g

最後に紹介するのが個人的に一目惚れしてしまった、こちらの『SCHWALBE SUPER MOTO』です。

上画像左がSUPER MOTOで、ぶっちゃけ外見のカッコ良さだけで選びました。

MTB用スリックタイヤとしてサイズも見た目も文句無しのタイヤですが、アシスト機能で重量増を度外視できてしまうE-BIKE用としても設計されているため、通常のタイヤよりも高重量&高耐久な傾向にあります。

また、上画像右は溝アリタイプの『SUPER MOTO-X』で、GreenGuardと呼ばれる分厚いプロテクション層によりパンク耐性が更に強化されています。

こちらには27.5 x 2.4と26 x 2.4サイズの他に27.5 x 2.8サイズのセミファットタイヤがラインナップされていますが、セミファットにだけGreenGuardが無いため、見た目の太さに反して910gと最も軽量な仕上がりです。

どちらのタイヤも1000g以上の重量ですが、重いタイヤは漕ぎ出しや登坂に弱い反面、一度スピードに乗ると慣性によって減速しづらい特徴があるので、タイヤ径の大きな29erで試したくなりますね。

街乗り向きなMTBタイヤ『IRC MARBELLA/マーベラ』の感想

太さとパンク耐性がポイント!街乗りMTBにオススメのタイヤあれこれイメージ02

ハイ、この記事のトップ画像でバレバレでしたが、結局のところ私が購入したのは『IRC MARBELLA/マーベラ』です。

『MARATHON ALMOTION』や『SURLY ExtraTerrestrial』辺りのアーバン・ツアー系タイヤを試してみたい気持ちもありましたが、やはり軽量で交換後のギャップが最も少なそうな点が決め手になりました。

サイズはフルサス29er用なので29×2.25を選択、価格は二本でギリギリ10000円以下です。

太さとパンク耐性がポイント!街乗りMTBにオススメのタイヤあれこれイメージ03

実重量は589gとカタログ値よりも若干重め、最新バージョンのSCHWALBE G-ONE SPEEDとほぼ同じなのが少し残念です。

手で持った瞬間にわかりますが、120TPIだけに非常にタイヤが柔らかいです。トレッド面は予想した通りG-ONE SPEEDと比べて厚みがありますが、サイドは120TPIの影響で少し頼りなく感じますね。

前述した通り、多めのシーラントでチューブレス化も可能ですが、タイヤが柔らかすぎるためフックレスリムにチューブレスで使う気にはなれません。

フックレスリムの場合、タイヤにある程度の硬さが無いと走行中にビード落ちする危険性がありますから。

太さとパンク耐性がポイント!街乗りMTBにオススメのタイヤあれこれイメージ04

外観はご覧の通り、図体の大きい29erでも何とかマウンテンバイクらしさを保てています。タイヤ幅は内寸28mm、外寸35mmのリムに空気圧3.0barの場合で57mmでした。

無理せずチューブドでセットアップしましたが、TPUチューブを使用しているので、下手なチューブレスよりも軽量な仕上がりです。

プチ比較『チューブレス』vs『軽量TPUチューブ』の私的な感想
フルサスMTBにてチューブレスレディと超軽量TPUチューブの両方を試した経験から、それぞれのメリット・デメリット、走行感や使い勝手の良し悪しについて簡単にまとめてみました。
太さとパンク耐性がポイント!街乗りMTBにオススメのタイヤあれこれイメージ05

トレッド面は画像の通りヤスリ目で、手のひらで押すとツボ押し効果が得られそうな四角すいの突起が規則的に並んでいます。

この時期はトラクターが田畑から持ち込む土の影響でタイヤが直ぐに白くなりますが、G-ONE SPEEDよりもノブが鋭角なせいか、少しだけ汚れづらい印象でしょうか。田舎住まいだけに、割と気になる部分です。

太さとパンク耐性がポイント!街乗りMTBにオススメのタイヤあれこれイメージ06

さて、肝心の走行感ですが、120TPIの影響で非常に柔らかくしなかやな乗り心地でした。

空気圧上限の3.0barでもG-ONE SPEEDの1.5bar以下な印象で、G-ONE SPEEDの硬質でロードバイク寄りな乗り心地に対して、こちらはMTBタイヤの延長線上にある柔らかな乗り心地といった感じでしょうか。

タイヤが柔らか過ぎて、すぐに擦り減ってしまうのでは?と少し心配になりますが、あまり寿命は気にせずガシガシ使い倒す予定です。

余談ですが、舗装したての滑らかなアスファルト上を走行すると、小さく電車のモーター音のようなロードノイズが聞こえました。恐らくヤスリ目の影響ですが、走行音はG-ONE SPEEDよりも少しだけノイジーですね。

まとめ

マウンテンバイクの街乗りに使えそうなタイヤを幾つか紹介してみましたが、全くノブのない完全なスリックタイヤやチューブレス対応のタイヤは意外に少なかったですね。

ファンライドで軽快さを重視するなら『IRC MARBELLA』『MAXXIS Re-Fuse』『GravelKing SS』

難しいことを考えずガンガン乗りたいなら『MARATHON ALMOTION』『GravelKing SK』

見た目の良さやスリックタイヤにロマンを感じるなら『SUPER MOTO』辺りがオススメでしょうか。

世界的なグラベルロード人気とロードプラス規格の登場が、街乗りMTB用タイヤにとっても追い風になっていますが、日進月歩でラインナップが充実しているグラベル界隈からは、今後も魅力的なタイヤが続々登場しそうですね。

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