今年もこの季節がやってきてしまいました……私の大嫌いな盛夏となり、ライドへのモチベーションが駄々下がり。
大抵の自転車乗りは、涼しい早朝や日没後にライド時間をずらすことで、この自転車に全く不向きな季節を凌いでいますが、私の場合は少々事情が違っています。
なにせ、釣り用語でいうところの朝まずめや夕まずめと呼ばれるこの時間帯はヤツが最も出没しやすい時間帯なのですよ。
もったいぶった言い方をしましたが、お察しの通り私が警戒しているのは「熊」です。
どんな山奥に住んでるんだ?なんて思われそうですが、実のところ田舎ではありますが、それほど僻地ではありません。
ここ数年で出没頻度が異常なほど高くなり、住宅地にも普通に出没するようになりましたが、流石にボトルケージにクマ撃退スプレー常備でライドする未来は想像したくないですね。
朝夕がダメなら夜間ならどうだ?とナイトライドも何度か試してみるものの、その度に大量の虫に辟易させられ、不快感で心が折れてしまいます。
街乗りなら夜間でも虫による不快感はありませんが、この時間帯は事故やトラブルを招きやすいのがツライところ。
【閲覧注意】この先の内容には虫・爬虫類・微グロなどの画像が含まれています。苦手な方は心の準備をしてからご覧ください。
結局、クソ暑い真昼ライドの覚悟を決め、せめて木陰が多いコースを走りたいなぁ~と夏場には訪れた記憶のない最寄りのプチトレイルへ足を運び、休日ライドを楽しむ流れに。
ステムの右側にオレンジ色のレバーがちらりと見えていますが、グラナイトデザインの「クリケット ベル」にはクマ鈴としても使える機能があるので、少しだけ心強いです。
私の記憶ではこの辺りに熊が出没したことはなく、木陰のコースは舗装路からダブルトラックへと変化していきます。
距離こそ短いですが、左側の雑木林のすぐ先には一級河川が並行して流れていたり、右側の傾斜を上った先には16世紀に建てられた山城跡があったり、コースの終点には古くから続く同族集落があったりと、見どころの多いコースかも知れません。
見掛けるのは珍しくありませんが、スタート早々シマヘビに行く手を阻まれ、しばしの通過待ち。
毒を持たない種なのでまじまじと観察してみましたが、眼球がいつもよりも赤っぽく色鮮やかな気がします。
さらに進むと、今度は10cmサイズの毛虫が視界に入ります。
数年前に大量発生に遭遇した経験がありますが、白髪太郎とよばれるクスサンの幼虫ですね。
クスサンはヤママユガの一種で、夜の自販機でたまに見かける茶色くてデカい例の蛾です。
因みに、昔はこの幼虫からテグスが作られていたそうで、繭からではなく器官ごと加工する荒っぽい方法で行われていました……今は化学繊維があるぞ、良かったな白髪太郎!
さて、木陰が続くコースだけに確かに涼しいのですが、やはり夏場のトレイルは虫が多いですね……わざわざ昼ライドを選んだ意味が無いくらいです。
川沿いなせいもあり、ハチ・アブ・蚊の他にトンボが目立ちますが、この時期はオニヤンマの飛行を眺めながら並走できるのが、ちょっと楽しい。
時速70km以上という昆虫界随一の飛行能力を備えているので並走も束の間、オニヤンマはフルサスMTBどころかロードバイクですら、あっという間に置き去りにしていきます。
後半にウエットコンディションになった木陰ライドを終えると、帰り際に狩りに成功したキツネと真っ黒なキツネに遭遇しました。
残念ながら撮影することは出来ませんでしたが、黒ギツネは野犬と誤認しそうなくらいの体色で、目撃したのは初めての経験。
おそらく十字ギツネかギンギツネだと思いますが、アイヌには人間に危機の到来を告げる神という伝承もあるそうです。
辛うじて撮影出来たのはアカギツネの方で、獲物は丸々と太ったモズでしょうか?冬毛のキツネを見慣れているせいか、夏毛のキツネはかなりスリムに見えますね。
私が来た方向に巣穴があるらしく、撮影する私を迷惑そうに見つめながら藪に出たり入ったりと落ち着きのない様子。FOX製のリアサスやんけ!とテンションが上がっていた訳ではありません。
自転車ブログなのにいつの間にか生き物ブログみたいになってますが、冒頭での「それほど僻地ではありません」とういう発言の信憑性がどんどん薄れていく気が……
ライド中に野生動物に遭遇する機会はそこそこありますが、熊だけは本当に御免被りたいです。
因みに、トップ画像は自宅から10分ほどの場所ですが、僻地じゃないよね?近くにサイゼもあるし多分セーフだ。