冬場は記事の内容がファットバイク一辺倒になってしまうので、ここらでちょっと味変。
このブログでもちょくちょく話題にしていますが、昨シーズンにフルサスMTBの後釜としてグラベルロードをバラ完しています。
グラベルロードとはいっても私が勝手にそう呼んでいるだけで、実際はクロモリフレームのオールロードという立ち位置。
さて、この自称グラベルロード。
ベースとなったのはKONAのROVE ST DLという製品で、オークションで入手したほぼ未使用のクロモリフレームに、私好みの肉付けをして組み上げています。
所有する折り畳みミニベロこと「KHS F-20R」のフレームもクロモリ製ですが、細身の外観で確かなしなりを実感できるという意味では、この車体が私にとってはじめてのクロモリバイクということになるでしょうか。
そして、こちらが今は亡きフルサスMTBの遺影。
29インチのセミスリックタイヤとそこそこ軽量なカーボンホイールとの組み合せにより、街乗りやロングライドでも大活躍してくれた、非常に思い出深いバイクです。
うろ覚えですが、タイヤ・チューブ・ディスクローター・スプロケットを含めた前後ホイール総重量は3500g程度で、バラ完グラベルロードの前後ホイール総重量の3300gに大きく引けを取りません。
フルサスMTBを街乗りに使うなんてもったいない……
そんな耳の痛い小言が聞こえて来そうですが、体に負担を掛けずに乗り続けられる、それは歳を重ねるにつれてスピードにも勝る魅力になり得ます。
前後にサスが付いているので当たり前の話ですが、街乗り用としてこれを上回る快適さはちょっとやそっとじゃ実現できず、後述するファットバイクですら及びません。
冒頭でも触れていますが、この街乗り特化のフルサスMTBの後釜としてバラ完したのが件のグラベルロード。
乗り心地に関しては当然ながら大幅な妥協が必要。
そんな覚悟をしていました、実際に乗ってみるまでは……
いざクロモリフレームのバラ完グラベルロードに乗ってみると、フルサスMTBからの乗り換えによるギャップが思いのほか少ないことに驚きます。
クロモリフレームは振動吸収性が高く乗り心地が良いとは聞いていましたが、流石にフルサスと比べると見劣りするのが当たり前。
ですが、これがチューブレスと組み合わさると話は変わってきます。
あくまでも街乗りで遭遇するような数センチ程度の凹凸に限った話ですが、街乗り化したフルサスMTBと比べても隔絶した差は感じず、良い意味で予想を裏切られました。
クロモリなんて単なる懐古趣味だと長らく偏見を持っていましたが、角のとれたような柔らかい乗車感が大変心地良く、浅はかな自分が恥ずかしくなります。
アルミフレームのフルサスMTBは29インチホイールに幅58c相当のセミスリックタイヤ、TPUチューブに空気圧2.5BARでの運用。
一方、クロモリフレームのバラ完グラベルロードは700c/29インチホイールに幅38cのスリックタイヤ、チューブレスに空気圧2.5BARでの運用。
前後サスがある上にタイヤボリューム的にもフルサスMTBの方が有利なはずですが、クロモリフレーム×チューブレスタイヤという組み合わせは、期待以上の相乗効果を生み出してくれるようです。
因みにタイヤは鉄板のグラベルキングで、ノブの無い無印グラベルキングのチューブレス版を使用、38cでも重量が350g以下となかなか優秀ですね。
普段はノブのあるタイヤを使うことが多いせいか、久々のスリックタイヤだと減りが極端に少なく感じます。
さて、ついでなので絶賛稼働中のファットバイクともプチ比較。
極太タイヤだからきっと快適だろうな……未体験の方でも乗り心地を容易に想像できてしまうファットバイクですが、実のところしっかり低圧にしないとその真価は発揮されません。
今季からはグラベルロードからファットバイクへの乗り換えでしたが、「あれ、こんなに乗り心地が悪かったっけ?」そんな信じ難いセリフが思わず漏れました。
カーボンフレームのサルサ ベアグリースは27.5インチホイールに幅97c相当のブロックタイヤ、TPUチューブに空気圧1.25BARでの運用。
この乗り換え直後に感じた違和感の正体はファットバイクとしては高めの空気圧で、まだ無雪期だからと低圧にしなかったことが原因です。
ファットバイクは低圧にすることで、前後にタイヤボリュームによる簡易サスペンションが備わったような状態になりますから。
あくまでも私の体感ですし街乗りに限った話ですが、空気圧を0.5BARまで落とすことでバラ完グラベルロードの乗り心地を上回り、フルサスMTBにも肉薄できる印象でしょうか。
グラベルロード、フルサスMTB、ファットバイクとそれぞれフレーム素材や構成が大きく異なりますが、クロモリ×チューブレスという比較的シンプルな組み合わせの優秀さが光りますね。
ファットバイクも含め、クロモリフレームのSURLY製バイクが長く愛されている理由が何となく理解できました。