数年前の納車以来、コツコツをカスタマイズを続けているファットバイクですが、ウインターシーズンを跨ぐ秋と春の時期が最も熱が入ります。
今春は不意に襲ったディレイラーハンガーのトラブルなどでバタバタしていましたが、初夏となりようやく落ち着きを取り戻した感じでしょうか。
珍しく時間にも予算にも余裕が生まれたので、普段は『このままでも別に不自由はないな…』と何かと先送りにしがちな部分に手を付けてみる事にしました。
今回のプチカスタマイズで着手するのは、出来るだけ早いうちに交換したかったドロッパーシートポスト用リモートレバーと、取付け時に妥協して中途半端だったブレーキケーブルの総エリートリンク化です。
横型リモートレバーとJagwire Elite Link Brake Kitを購入
今回購入したリモートレバーはコスパ最強のドロッパーシートポストとして以前紹介した 『Brand-X Ascend II』 対応の純正オプション品で、シフトタイプの『Brand-X Ascend Lever Kit V2』です。
今現在は上記のドロッパーシートポストを購入するとシフトタイプのレバーが標準で付属するのですが、残念ながら私がオークションで手に入れた中古品は旧式の縦型レバーが付属していました。
普通に使う分には問題はありませんが見栄えが大変悪く、フロントシングル化によって左ハンドルに空きスペースがあるため、出来るだけ横型レバーのシフトタイプを選びたいところでしょうか。
因みに、このV2リモートレバーには標準で付属するレバーには無い取付角度の微調整機能が備わっていて、1×11や1×12に対応したフロントシングル用として販売されています。
さて、当初は上画像のリモートレバーだけを購入する予定でしたが、取扱いのあるChain Reaction CyclesやWiggleはご存知の通り¥5999から送料が無料になります。
他社製のリモートレバーは単体でも¥10000前後と大変高価ですが、コスパに優れるBrand-Xはレバー単体が¥3000以下と、そのまま注文すると送料を無料に出来ません。
そこで、追加で注文したのが上画像のこちら『Jagwire Mountain Elite Link Brake Kit』で、通算二度目の購入となります。
以前に機械式ディスクブレーキの引きを軽くするために導入したアイテムですが、機能や動作に問題は無いものの、製品仕様を見落としていたためにブレーキケーブル全体をエリートリンク化できず、見た目が非常に中途半端な状態なのです。
本命のリモートレバーの倍近いお値段にちょっとだけ尻込みしますが、この機会を逃すとまたズルズルと先延ばしになりそうなので、思い切って購入してみました。
Brand-X Ascend V2リモートレバーの詳細と取付け方法について
さて、シンプルなパッケージを開封し、レバーを計量してみると重量は48gでした。
パッケージ内にはマニュアルらしきものは見当たらず、悲しいかなCRCのショップブランド化したBrand-Xには、まともな公式HPも存在していません。
内容物はシフトケーブル、レバー本体、クランプ、固定用のパーツ、固定用のボルト、ワイヤーエンドキャップの6点のみです。
構造が大変シンプルなので、マニュアル無しでも取付けに苦慮しませんが、上画像の矢印の様にレバーの取付位置&角度を2方向に微調整する事ができます。
因みに、ハンドルへのクランプ部分は開閉できるので、わざわざグリップやブレーキレバーを外さなくても取付けられる親切設計になっていました。
上画像は仮組しただけなので失敗していますが、実際の取付けはクランプ部分が上画像とは180度真逆(2Nmの指定が裏側)になるのが正しい取付け位置となります。
ワイヤーは画像上の様に通し、『く』の字に折れたレバーを戻してから、画像下の様にレバー裏側にあるボルトで固定します。
固定用のボルトにはワッシャーがあり、初見ではボルトとワッシャーの間にワイヤーを固定するのかな?と思いましたが、非常に難易度が高いので素直にワッシャーの下に固定したほうが良いでしょう。
ワイヤーを固定したら、レバーの裏側にちょうど隠れる程度の長さにワイヤーをカットして、仕上げにワイヤーエンドキャップを付けて完了です。
定番のビフォーアフター画像で比べてみると、やはりシフトタイプの方がスッキリして見えますね、 レバータッチはアジャスターボルトで調節可能ですし、レバーの取付位置や角度はステムを中心にハンドル右側にあるトリガーシフターと左右対称になる様に調整すると、しっくりきました。
見た目が良くなったのもそうですが、旧型にあるアーチがブレーキレバーに干渉しなくなったのが何より嬉しい点でしょうか。
ブレーキケーブルを念願の総エリートリンク化
続いて『Jagwire Elite Link Brake Kit』を使って、ブレーキケーブルの総エリートリンク化と短めだったフロントブレーキケーブルの付け替えを行います。
上画像の様に、エリートリンクは滑らかなチューブ状のライナーと約1cmで節状に連結されたアルミ製リンクで構成され、パッケージにはこれらに加えて専用ブレーキワイヤーや多数のスモールパーツが付属します。
経験上、ブレーキの引きが3割は軽くなる上にケーブルの軽量化もできる優れモノですが、悲しいかな節状のリンクがケーブル全体を覆えるほどパッケージに含まれていません。
過去の記事でも解説していますが、これは仕様で本来はブレーキケーブルの途中でインナーワイヤーが剥き出しになっているタイプの自転車に使用する製品だからです。
前回の交換では、引きの重さやキャリパー付近のケーブルラインのキツさを改善できましたが、前述のリンク不足のため引きの重さに影響の少ないダウンチューブ区間のリアブレーキケーブルをエリートリンク化することを諦めていました。
一応、リンク単体でも販売されていますが、初めから2パッケージ分購入したほうがコスパが良く、総寸で1430mmしかないリンク長を2倍に延長できます。
また、上画像を見るとわかりますが、リンクをケチったせいでフロントブレーキケーブルも若干短く、ケーブルラインが窮屈に見えるのも気になる点でしょうか。
実際のブレーキケーブルは画像の奥行方向にも『R』を描いていますし、そもそもエリートリンクは従来よりも小さな『R』を作れるの事がウリなので、このままでも何ら動作に支障はありませんが、一度気になると目についてしまうのが正直なところですね。
過去の記事で説明しているので取付けに関する内容はざっくりと割愛しますが、2パッケージを使ってようやくすべてのブレーキケーブルを総エリートリンク化できます。
ブレーキレバーの引きが重いと感じたら、ケーブルをJAG WIRE(ジャグワイヤー) のElite Link Brake Kit(エリート リンク ブレーキ キット)に交換する方法をオススメします。滑りの良いインナーケーブルとコンパクトなケーブルラインのおかげでブレーキレバーの引きが劇的に軽くなります。
納車時のケーブル長はフロントが870mm、リアが1470mmですから、最低でも2340mm長のリンクが必要でしたが、パッケージ付属の予備リンクに手を付けることなく作業を完了できました。
交換してから気付いたのですが、エリートリンクは従来のケーブルと比べてしなやかなので、ケーブル長に余裕を持たせすぎるとダウンチューブ部分でケーブルが少し弛みがちになります。
また、節状のアウターケーブルは直径がやや小さく、ケーブルガイドのCクリップではガッチリ固定されずカタカタと遊んでしまう様ですね、タイラップで固定したほうが確実かも知れません。
リンクはアルミ製なので、干渉によってフレームに傷が付くのでは?と心配になりましたが、パッケージに複数付属するゴム製リングをケーブルの要所要所に通す事で解決できました。
さて、交換後に試走してみましたが、気掛かりだったケーブルは全くバタつかず、振動によるフレームとの干渉音も聞こえませんでした、上画像を見てわかる様にハンドル付近のケーブルも以前と比べて自然な取り回しになりましたね。
総エリートリンク化しても、既に改善済みの引きの重さには変化は無く、どちらかと言えばドレスアップを目的とした交換でしたが、ジャグワイヤのエリートリンクシリーズにはシフト用もあるので、次はシフトケーブルに手を付けるのも面白そうです。
まとめ
今回はプチカスタマイズと言うことで地味目な内容でしたが、交換したリモートレバーの使い勝手は実にGOODです。
また、ジャグワイヤのエリートリンクにはブレーキの引きの重さを改善、ケーブルラインのコンパクト化、ケーブルの軽量化などの利点があるので、ファットバイクやMTBよりもワイヤー依存度の高いロードバイクやクロスバイクに使ったほうが、より有効的に働くかも知れませんね。