私はミニベロ・フルサス29er・ファットバイクの自転車三台持ちですが、自転車趣味にハマる切欠を作ってくれたファットバイクには六年以上も乗り続けています。
ご存知の通り、ファットバイクのオンシーズンは他の自転車がオフシーズンになる『真冬』です。この時期はサイクルウェアの防寒対策が不可欠で、特にファットバイクの主戦場となる雪道の場合、防寒性だけでなく雪・雨・風をバランスよく防いでくれるといった耐候性も求められます。
ウインターシーズンが訪れる度に快適に過ごせるサイクルウェアを試行錯誤した結果、スキーやスノボ等のウインタースポーツ用ウェアか本格登山用ウェアを流用するのがベストでは?という結論に至るのですが…それはそれで問題も多く、未だにシーズン前は頭を悩ませることが多いですね。
ぶっちゃけ、完全な防寒用と割り切っていても装備がガチすぎて普段使いには向かないのですよ。冬場のライドとはいえ所用でお店に立ち寄ることもありますし、体が冷えればカフェで一息つく誘惑にも駆られます。
トップスだけなら防寒性&耐候性を備えつつもそれなりにカジュアルな選択肢もあるのですが、問題なのがボトムスですね…ウインタースポーツ用のパンツは太すぎて元から自転車用に向かない上に、コンビニに寄るのも憚れるほど場違いです。
登山用のパンツは機能面が優秀なものの、ウインタースポーツ用と同じくブーツ着用を前提にサイジングされているせいで、裾幅が広すぎて裾バンド必須&股下短めゆえにペダリングで足首露出という厄介なコンボが待ち構えています。
それならいっそ、ロードバイク乗り御用達の冬用サイクルタイツを試してみては?と思ったりもしましたが、雪道での防寒性が未知数な上に恐らくボリューム感の出るトップスとはバランスが不釣り合い…おまけにオフ車乗りの私にとって、あのピッチリ感の時点でハードルが高く、ウインタースポーツ用のパンツの方が遥かにマシに感じてしまいます。
カジュアルとまではいわないけど普段使いしても違和感が少ない、冬のライドで雪・雨・風から下半身を守りたい、ロードバイク用の冬対応タイツはピッチリすぎて気恥ずかしい、などなどワガママ放題ではありますが、今回は私のそこそこ長いファットバイク歴で実際に着用した物をメインに『冬の自転車に使える防寒パンツ』を幾つか紹介してみましょう。
これさえあれば何とかなる!基本の2アイテムを準備しよう
ちょっとした前置きとして、『これさえあれば何とかなる!』という秘密兵器を二つだけ紹介しておきますね。
これから自転車用として使える防寒パンツを紹介していくハズなのに割と暴論ですが、私の経験上この二つさえあれば日本国内の殆どの地域で冬が越せてしまいます。
もちろん、積雪を伴う地域や北日本にお住まいなら、これにプラスして防寒パンツが必要になりますけど。
まず一つ目は、画像左のおたふく手袋『ボディータフネス 防風パワーストレッチ JW-193』で、これは防風機能を備えつつコスパに優れたアンダータイツです。
そして二つ目は、画像右のDexShell/デックスシェル『トレッキングソックス DS636 』で、こちらは防水・防風・防寒と三拍子そろったトレッキングソックスです。
この二つを装備しただけで、普通のパンツが防寒パンツにクラスチェンジするくらいの効果が得られ、後述する防寒パンツの欠点を補ったり、防寒性や防風性を底上げするのにも役立ってくれます。
因みに、防風タイツのJW-193は安価なだけあって寿命は2シーズンほどでしょうか。
ポリウレタンコーティングによって防風性を実現しているので透湿性は実質ゼロですが、適切な部分に未コーティングのベンチレーションが備わっているので、ガチライドは例外としても『思ったほど蒸れないな…』というのが正直な感想でした。
実はJW-195という後継モデルも存在しているのですが、ストレッチ性に乏しく防風性もタイツの前面のみといった仕様なので、どちらかといえば自動二輪用に向いた製品でしょうか。
旧モデルのJW-193の方が自転車用として使い勝手が良いので、終売にならないことを祈りたいですね。
また防水・防風ソックスのデックスシェルはモデルごとに丈や素材の構成が異なり、自転車や普段使いには画像のトレッキング用が最も相性が良いです。
デックスシェルは以前にこのブログで記事にしたことがありますが、機能性が高すぎて私は真冬の雪道でもローカットの靴で出歩くようになりました。実質、超薄手の防水シューズみたいなモノですね。
ユニクロ『防風スリムフィットチノ&イージーパンツ』
いよいよ本題の防寒パンツをご紹介、トップバッターはまさかのユニクロです。
もはや国民服なので説明不要かと思いますが、ここ数年で定番となっているのが画像左の『防風スリムフィットチノ』と画像右の『防風イージーパンツ』の二つで、特に防風チノはカジュアルスタイルで自転車に乗りたい方にオススメですね。
両パンツとも生地の中間層に防風フィルムが挟み込まれているお陰で、大抵のアウトドアブランド製パンツよりも高い防風性を発揮し、気温10度前後ならアンダータイツ無しでも十分にあたたかいです。
欠点は【1】種類や販売年によっては透湿性がない【2】雨・雪には無防備【3】埃がつきやすく暗い色では目立つ【3】防風フィルム等の劣化で寿命が約三年【4】毎年リリースされる訳ではない
このあたりになると思いますが、実際の使用感として防風チノはストレッチ性がイマイチで膝が突っ張りやすい、防風イージーパンツは見た目がとにかく野暮ったく静電気で埃が輪を掛けて付着しやすい、といった感じですね。
もちろん両者ともカジュアルパンツなので、自転車で使用する際は裾バンドが必須です。
防風チノも防風イージーパンツも年ごとに細かなアップデートを重ね、サイズ感やストレッチ性にも微妙な違いがあるそうですが、2020年以降のモデルに関していえば、防風チノは遂に透湿性を獲得、防風イージーパンツは中綿を含む四層構造になりました。
因みに、防風チノはストレッチ性に乏しいと評したとはいえゼロではありませんし、私の購入した旧モデルからはアップデートされている筈なので、前傾姿勢になりづらいクロスバイクやミニベロなら十分に実用範囲でしょうか。
また、中綿入りの防風イージーバンツはちょっとしたダウンパンツ並みのあたたかさを誇りますが、こちらは防風チノのような透湿性がなく、ちょっとした運動でも蒸れやすくなります。
現時点ではチョイ乗りやポタリングなど、運動量の少ない用途に留めておいた方が無難ですが、今後は透湿性の追加やブロックテック素材による耐候性の強化に期待しいところ。
余談ですが、防風ジーンズをお探しの方はEDWIN『WILD FIRE/ワイルドファイア』の3層タイプやフォックスファイヤーの『WSゲイルパンツ』あたりが狙い目です。
ぶっちゃけ、以前のワイルドファイアはユニクロの防風チノと同様にストレッチ性に難アリでしたが、2022年モデルからは改良が加えられ自転車用としても使いやすくなりました。
WSゲイルパンツもワイルドファイアも防風性が高くオススメですが、ジーンズだけにサドルや高価な冬用アウターの裾なんかにやたらと色移りするので、くれぐれも注意して着用しましょう。
ノースフェイス『バーブサーマルパンツ』
この『バーブサーマルパンツ』に関しては以前にも記事にしているのでここでは手短に紹介します。
端的にいえば、ノースフェイスの『アルパインライトパンツ』を登山向け&冬仕様にしたようなパンツですね、シルエットの美しさとストレッチ性の高さをそっくりそのまま継承した上で、防寒性が底上されています。
正直、起毛裏地付きでも飛びぬけたあたたかさは感じませんし、防風性も前述したフィルム入りパンツに全く及びませんが、はき心地と使い勝手が抜群に良く、迷ったときはついつい手が伸びてしまうパンツでしょうか。
パンツ単体では力不足ですが、防寒性や防風性をアンダータイツで補えば、真冬のファットバイクでも過不足ありませんでした。
ブーツ着用が前提の登山用パンツとしては裾幅が狭い作りなっていて、自転車用として使いづらさはありません。
本来はブーツに雪や異物を侵入させないための仕様だそうですが、裾部分にあるフックやハトメを利用すればペダリングで裾がずり上がってしまう現象を簡易的に防ぐこともできます。
私の所有している秋冬用パンツで最も使用頻度が高いですが、見た目がシンプルかつ細身のシルエットという点が少なからず影響していて、カジュアルウェアに合わせやすいのも魅力ですね。
ファイントラック『コアノパンツ』
前述のバーブサーマルパンツと同じく、この『コアノパンツ』も本来はトレッキングパンツです。
発売元のファイントラックは元モンベルの社員が立ちあげたメーカーだそうですが、全体的に新素材を積極的に使った製品が目立ちますね。
コアノパンツには非常に肉厚で密度の高い生地が使われていて、ゴアテックス製のオーバーパンツや防風タイツなしでも高い防風性を発揮してくれます。
単体では力不足に感じたバーブサーマルパンツの強化版を期待して購入し、フィルムに頼らない防風性やポリウレタン不使用のメカニカルストレッチ採用と見どころを多いパンツでしたが、残念ながらサイズ感が私の体型にそぐわず、早々にお蔵入りになった不運のパンツです。
メーカー側でスリムフィットと説明されていますが、サイズ感はノースフェイスよりもモンベルに近く、元社員なのはわかるけど、そこは真似しなくても良かったのに…と思わず不満を漏らしたくなります。
また、真っ当なトレッキングパンツ過ぎて、広めの裾幅や短い股下なんかも自転車用として使いづらく感じました。
ここまでの評価で『このパンツは避けた方が良さそうだ…』と思うかも知れませんが、ガッチリ体型の方がジャストフィットで着用するなら、私のような失敗は避けられると思います。
逆にいえば長身で細身の方には中々サイズ選びが難しいパンツということですね。
パンツの裾をドローコードで引き絞れたりなど、雪道向けの機能が備わっているだけに、ファットバイク乗りからすると実に惜しいパンツでした。
【追記】コアノパンツは現在廃番となり、2023年に『ウィンタートレッキングパンツ』という後継モデルが登場しています。
裾部分のドローコードが無くなったり、ハイブリッド素材により普段使いにやや不向きなデザインになったりとマイナス面もありますが、機能面の強化と共にシルエットがすっきりとシェイプされました。
パタゴニア『ウインドシールドパンツ』
お次はこちら、パタゴニアの『ウインドシールドパンツ』です。
本来は肌寒い時期のランニングやトレイルランニングなど、運動量の多いアクティビティで重宝されますが、見ての通り自転車用としても使ってみたくなる、スッキリとしたシルエットをしていますね。
画像ではピッチリとしたタイツ風に見えますが、実際は膝から裾に向かって綺麗にテーパードした細身のスポーツ用パンツで、タイツとカジュアルパンツの丁度中間くらいのゆとりがあります。
ウインドシールドパンツという製品名からわかるように防風性を売りにした製品ですが、パンツ全体が防風仕様になっている訳では無く、前側と後ろ側の一部だけが防風仕様になったロードバイクの冬用サイクルタイツに似た作りになっています。
さて、このウインドシールドパンツは裾のジップで裾幅を二通りに調節できたり、腰部の左右にスマホや財布がすっぽり収まるサイズのポケットが備わっていたりと、とにかく抜群に使い勝手が良く、一度使うと手放せなくなるほど快適です。
裾のジップを開けばブーツに対応し、閉じれば裾バンド不要で自転車に乗れるほどタイトに絞れてしまい、これは自転車にも打って付けだ!と子供のように喜んだものですが…如何せん生地が薄すぎて、気温10度以下になると単体で使い物になりません。
前述した通り、自転車よりも運動量の大きなスポーツで使用した際に、寒くも暑くもなく快適であるというコンセプトの元に作られたパンツなので、冬の自転車用としてヘビロテするにはアンダータイツの併用が必須に感じました。
単体で使うなら気温10度まで、アンダータイツ併用で気温5度まで、防風タイツ併用ならもう少しだけ頑張れる…というのが実情ですね。
因みに、正面はなかなかの防風性を発揮してくれるのですが、膝裏やパンツの側面部は防風仕様になっていないため、冷たい横風には滅法弱いです。
正直、評価に困るパンツですが、流石はパタゴニア!と思えるほど使い勝手が良いことは確かですね。スタートからゴールまで全力でライドできる方なら使いこなせるのでしょうか?意外とロードバイク向きな防寒パンツかも知れません。
【追記】パタゴニア『ウインドシールドパンツ』の欠点を補った製品がアークテリクスから登場しました。
こちらのアークテリクス『トリノSLタイツ』には、ウインドシールドパンツよりもやや厚手の生地が使われ、防風部分の面積も大幅にアップしています。
ウインドシールドパンツと同様に細身のシルエットで、裾バンド要らずな点も共通していますが、ゴアウインドストッパーの後継となるゴアテックス インフィニアムは若干ストレッチが苦手な気がするので、自転車用に使うならサイズアップがオススメでしょうか。
ノースフェイス『レッドランロングパンツ』
冬用のサイクルパンツとして使えるかも…と結構前から私が狙っていたのが、こちらのノースフェイス『レッドランロングパンツ』です。
三年越しで漸く手に入れることが出来ましたが、前面上部と背面上部には防風性と耐摩耗性に優れるパーテックスカンタムが使われ、中綿は濡れてもあたたかさを維持する化繊インサレーション。
膝下を含むメインの生地にはネオプレン素材を肉厚にしたようなモチモチとしたフリース生地が使われ、とどめに全体が撥水加工されている拘り様。
このレッドランプロロングパンツもパタゴニアのウインドシールドパンツと同じく、本来の用途は寒い時期のランニング用なのですが、見た目からも想像できる通りこちらの方が圧倒的にあたたかく、他の防寒パンツがタイツ併用するような気温でもレッドランなら単体で行けます。
また、防風部分が夏用のハーフパンツとほぼ同じ範囲しかなく、熱の籠りやすい内股部分がフリース生地になっている点に不安がありましたが、強風に煽られても肉厚な生地のお陰で思ったほど冷気を感じませんでした。
体感として、薄手のアンダータイツ一枚で補える程度でしょうか。
因みに、このパンツは中綿入りにも関わらず、驚くほどスッキリと着こなせます。
元が無駄の削ぎ落されたランニング用なこともあり、膝から裾のかけて絞られたテーパードシルエットは裾バンドが不要なほか、カジュアルパンツとして着こなしても違和感が少ないです。
割とベタ褒めなレッドランロングパンツですが、自転車で使用するにあたって幾つか気になる点もあります。
前述した通り内股部分が耐摩耗性に優れるパーテックスカンタムに覆われていないため、サドルのノーズ部分との摩耗で早々に毛羽立ってしまう可能性があります。
他にも、お尻部分の中綿が自重で潰れてしまい、繰り返しの使用でダウンボールのロフトが復元しなくなる可能性があったり、中綿を仕切る隔壁の縫い目がサドルとの摩耗で解れてしまうかも知れない…といった不安もあります。
これらは実際に体験した不具合ではありませんが、気になる場合は同じノースフェイスの『ハイブリッドテックエアーインサレーテッドパンツ』も選択肢に入ります。
実は二つ色違いで並んているように見えるレッドランロングパンツのサンプル画像は、右の青色がレッドラン、左のオリーブ色がハイブリッドテックエアーインサレーテッドパンツと製品が異なっています。
見た目はそっくりですが、ハイブリッドテックエアーインサレーテッドパンツの方が防風性や耐候性に劣るかわりに、お尻部分の中綿がオミットされたナイロン生地になっているため、ロフトの潰れや縫い目の解れを心配する必要がありません。
【追記】2023年に上位モデルの『GTXレッドランロングパンツ』が登場。
表地に2層のGORE-TEX WINDSTOPPERが採用され防風性が強化されていますが、膝下などのフリース素材で構成されている部分は無印版と同様です。
リンプロジェクト『鬼起毛ジョガーパンツ』
カジュアル系サイクルパンツとは思えない防寒性を隠し持っているのが、こちらのリンプロジェクト『鬼起毛ジョガーパンツ』です。
毛足が3.5mmもある起毛した裏地に、撥水性・防風性・ストレッチ性のあるソフトシェルの表地を組み合わせた冬用サイクルパンツで、パンツ単体での防寒性は前述のノースフェイス『レッドランロングパンツ』を上回るかも知れません。
汗処理を苦手としているため運動量の多い本格的なライドには不向きですが、ボリュームのある裏起毛に体温を蓄熱し、防風性のある表地がそれを逃さず冷たい外気も侵入させないダウンジャケットライクな仕組み。
裾リブ&テーパードの効いたジョガーパンツにつき裾バンドが不要、アンダータイツの重ね着いらずでサッと外出できるなど、自転車用としてだけでなく肌寒い時期の普段着としても大変使い勝手の良いパンツです。
因みに、パンツ単体でも外気温5度前後までなら全く寒さを感じず、薄手のアンダータイツを併用すれば外気温0度前後の強風下でも余裕でした。ひょっとしたら単体でも大丈夫だったかも知れません。
残念ながら、使用素材が廃番になってしまったことで現行モデルは2022年で生産終了となりましたが、人気の高いパンツなだけに素材を変更しての復活も普通にありそうです。
【追記】予想通り2023年に『CORDURA ジョガーパンツ』という名前で後継モデルが登場。
残念ながら表地の防風生地と裏地の鬼起毛は継承されず、表地が強度に優れるCORDURAナイロン、裏地が起毛フリースという構成に。
実際の機能性はまだ未知数ですが、リンプロジェクト曰く繊維の中に空気の層を作る断熱・保温性に優れた素材とのこと。
オマケで紹介『ミレー』&『サロモン』のパンツ
ついでなので、個人的に惜しいなぁ~と感じたMILLET/ミレーの『TYPHON 50000 WARM ST TREK PANT』と、次に試すならコレかな?と目星を付けているSALOMON/サロモンの『BONATTI WATERPROOF PANT』も紹介しておきましょう。
まずはミレーの防水透湿パンツことティフォン50000ウォームストレッチパンツですが、こちらはゴアテックスを凌ぐ透湿性を誇るレインパンツでありながら、しなやかな履き心地でそのままトレッキングパンツとしても使えてしまう、汎用性の高いパンツです。
画像左のウォームタイプは裏地が裏起毛になった秋冬用となり、無印と比べて防寒性がアップしていますが、やはり冬場に使う場合はアンダータイツと併用するのがベストです。
透湿・防水・防風・ストレッチ・裏起毛・スリムシルエットと、冬の自転車用としてほぼパーフェクトなパンツなのですが、どのサイズも通常よりも股下丈がやや短いという欠点があり、サイズ選びが鬼門だったりします。
私も過去に購入したことがありますが、身長に合わせてLサイズを選択したところ、私の体型ではウエストがガバガバ、股下は寸釣天という、とても自転車用には使えない散々な結果でした。
とはいえ、前述したファイントラック『コアノパンツ』と似たような欠点ですから、標準的な身長でガッチリした体型の方なら十分に着こなせると思います。登山用パンツはトレッキングブーツとの兼ね合いで、総じて股下が若干短めになっているのが難点ですね。
【追記】現行モデルのティフォン50000ウォームストレッチパンツはサイズ面に改良が見られ、以前ほどアンバランスなサイズ感では無くなった模様。
続いて、画像右のサロモン ボナッティ ウォータープルーフパンツです。
こちらもティフォンと同じくレインパンツという立ち位置ですが、この手のレインパンツにありがちなカサカサ、シャカシャカといった素材感が抑えられていて、従来よりも使用感や使い勝手に優れます。
裏地の無い2.5レイヤーなので、オーバーパンツとして使うか厚手のアンダータイツを併用するのがオススメですね、今回紹介した他のパンツの防風性や防水性を補う使い方も面白いかも知れません。
本来はランニングおよびトレイルランニング用の防風・防水パンツということで、細身で軽量な無駄のない作りになっていますが、ポケットすら存在しない点には目を瞑りましょう。
折を見て試してみたいと考えていますが、最近は取扱っているお店が減少傾向なのが気掛かりですね、サロモンの公式オンラインショップでしか見掛けなくなりました。
個人的に残念賞!『パールイズミ』&『カペルミュール』のパンツ
さて、最後を飾るのが個人的に残念賞だったパールイズミとカペルミュールの防寒パンツです。
どちらのパンツもサイクルタイツのピッチリ感が苦手な方向けに開発された製品で、冬用のサイクルタイツに準じた前面防風ないし膝上防風の仕様、画像を見る限りでは細身でなかなかイイじゃない!と思えるのですが…
実は、パールイズミの『6100 ウィンドブレーク ライト オーバータイツ』にもカペルミュールの『ウインドシールドストレッチパンツ』にも、画像では確認できない位置にデカデカとメーカーのロゴマークがプリントされているのですよ。
具体的にいうと、どちらのパンツも右足の膝から踝に掛けての脛部分にそれぞれのブランドロゴが控えめなステルス仕様でプリントされているのですが、私は主張の激しいスポーツウェアのロゴマークに否定的な考えを持っているので、それだけで購入候補から外れてしまいます。
きっと、機能性が十分ならロゴなんて気にならないという方が大半なんだろうと思いますが、製品自体の見た目が良いだけに私には蛇足にしか思えず、落胆も大きかったですね…
余談ですが、何かと話題の某ワー〇マンで新規に女性向けやカジュアル向けの商品開発をしたところ、担当した女性社員はロゴやワンポイントをダサいと全否定、管理職の男性は入れた方が絶対にカッコイイ!といった価値観の衝突があったそうです。結局、余計なロゴを廃して無事にヒットしたそうですけど。
【追記】2023年モデルから、カペルミュールのウインドシールドストレッチパンツがリニューアル。
気になっていた裾のロゴが大腿部のワンポイントだけに刷新され、今まで以上にカジュアルウェア寄りな装いになりました。
機能性もかなり強化されていて、厚みのある3層構造の防風耐水素材が膝下までしっかり採用されているとのこと。
まとめ
私が実際に使用した経験を元に、冬の自転車に使えそうな防寒パンツを幾つか紹介してみましたが、単純にあたたかさ優先で選ぶならノースフェイスの『レッドランロングパンツ』、使い勝手や汎用性で選ぶなら同じくノースフェイスの『バーブサーマルパンツ』、防風性重視でカジュアルに使いたいならユニクロの『防風スリムフィットチノ』という感じになるでしょうか。
サイズに問題がないなら、ファイントラックの『コアノパンツ』やミレーの『ティフォン5000ウォームストレッチパンツ』も有力候補になりますが、自転車用として流用する場合はトレッキングパンツよりもトレイルランニング用パンツの方が何かと相性が良い気がしますね。
因みに、最近は透湿防水フィルムを備えたソフトシェルタイプの防風トレッキングパンツも存在しています。実際に店頭で触れみると、裏起毛を含む肉厚な生地が使われ、パンツ単体でも十分な防寒性を発揮してくれそうでした。
寒いのは嫌だけど、重ね着するのは面倒臭い……そんな方は、サイズ面をしっかり考慮した上でカリマーの『アリート ベンチレーション パンツ』やティートンブロスの『アブサロカパンツ』を試してみるのも手でしょうか。