油脂は天敵!つや消し・マット塗装の自転車に使えるクリーナーは?

『つや消し・マット塗装の自転車に使えるオススメ専用クリーナー』イメージ01

一昔前なら、カーボンフレームのロードバイクくらいでしか見掛けませんでしたが、最近はつや消し・マット塗装の自転車が随分と増えていますね。

フレームやパーツをマット塗装にするだけで、高級感あふれる見た目になり、何やら得体の知れない玄人感を醸し出しますが、実のことろ…所有者にせせこましい気使いを要求する、結構なワガママちゃんだったりします。

以前に記事にしましたが、マット塗装は傷か付くと簡単に補修できない上に、光沢塗装用の保護テープやフィルムの大半が使えません。

オススメはどれ?マット塗装の自転車に使える保護テープあれこれ
マット塗装の自転車で悩みがちなのがフレームの保護やお手入れです。通常の保護テープ/フィルムでは剥がれやすい上に光沢が目立ちますが、少数ながらつや消し塗装に馴染み剥がれづらい製品も存在しています

おまけに、塗装面が多孔質と呼ばれる微細な凹凸で構成されているせいで、油脂汚れに滅法弱く、一度汚れが定着してしまうと普通のクリーナーでは太刀打ち出来なかったりします。

こういった理由から、私は専ら光沢塗装のグロッシー派だったのですが、中古で購入したフルサス29erプラスが不幸にもマット塗装でした。

中古車ゆえに、傷とも汚れともつかない黒ずみが点々とあることについては目を瞑りますが、これから何度でもする日々のお手入れを考えれると、しっかりと効果のある専用クリーナーやコート剤を揃えて置きたいところ。

正直、一般的なクリーナーやコート剤はピカピカと輝く仕上がりの良さを売りにした製品が多く、つや消し・マット塗装の風合いを残したまま使える製品なんてあるの?と訝しく思っていたのですが。

実際に探してみると、ここ数年のつや消し・マット塗装フレームの普及とともに、対応するケミカル類も徐々に増えつつあるようです。

前置きが長くなりましたが、今回はつや消し・マット塗装のフレームやパーツに使えるクリーナーやコート剤でオススメの製品を幾つか紹介してみましょう。

オススメはどれ?つや消し・マット塗装に使えるクリーナーあれこれ

さて、目ぼしいクリーナーを幾つか紹介していきますが、つや消し・マット塗装に使えるケミカル類には大きく分けて三種類あります。

一つ目はクリーナー成分とコート成分の両方が配合されたオールインワンタイプ。

二つ目はクリーナー成分のみのタイプ。

三つ目がコート成分のみのタイプ。

何となく化粧品を思わせる説明になりますが、紫外線で劣化しやすいカーボンフレームに使いたい場合はUVカット成分の有無にも注目したいですね。

ワコーズ『バリアスコート&フォーミングマルチクリーナー』

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トップバッターは自転車乗りには説明不要なこちら、ワコーズ/WAKO’Sの『フォーミングマルチクリーナー』『バリアスコート』です。

既に使っている方も多いと思いますが、フォーミングマルチクリーナーはシリコン等の余計な成分を含んでいないのでつや消し・マット塗装の自転車にも問題なく使えます。

お手軽に使えるだけに洗浄効果は必要最低限といった感じで、埃や泥、汗や指紋を含む軽い油脂などを落す、日常的な使い方に向いた製品でしょうか。

使用後は拭きムラが残らないように使い捨てウエスで空拭きすると、綺麗に仕上がりますね。

フォーミングマルチクリーナーに加えて、本格的な汚れ落としやコート処理をしたいなら同社のバリアスコートを使います。

洗浄・つや出し・コーティングの三要素を含むガラス系コート剤だけに、マット塗装の風合いが失われてしまうのでは?と心配になりますが、使用箇所はワントーン暗いしっとりと深みのある色合いに仕上がる印象ですね。

分厚いガラス被膜を形成するタイプではないので、フレームがテカテカになったりひび割れたりすることはありません。

使い方は30cm離してスプレーした後、乾ききる前に付属のウエスで拭き取るのが基本ですが、自転車に使う場合はウエスに吹き付けてからフレームに塗り伸ばし、同じように乾ききる前に拭き取った方が良いですね。

因みに乾くとムラになりやすく、その場合は硬く絞ったウエスで水拭きするか、もう一度バリアスコートを吹き付けて再度拭き取りましょう。

使用した方の評判も良く、コーティング期間はおよそ六ヶ月(実質二ヶ月程度?)と優秀ですが、油脂系の黒ずみ汚れにはそれほど効果は無い模様。

どちらかといえばコーティング主体の製品です、三ヶ月に一度くらいの頻度で行う自転車の定期メンテナンス用といった印象でしょうか。

FW1/エフダブリューワン fast wax

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自動車用の製品と思いきや、自転車用としてもしっかり仕事をしてくれるのが、この『FW1 fast wax』です。

本来は『水なし洗浄&ワックス』を売りにした製品ですが、つや消し・マット塗装の自転車に使えるだけでなく、落ちづらい黒ずみ汚れにも高い効果を発揮してくれます。

使い方は、容器を20~30回ほど振ってから該当部分に吹き付け、適当な布でムラなく伸ばし、その後10~20秒ほど放置してから綺麗なマイクロファイバークロスなどで拭き取るだけ。

注意点として、ガラスコーティングを施している場合は使用がNGとなります。

薬剤が泡状であることと、塗り伸ばし後に10~20秒ほど放置する点が汚れ落ちの良さの秘密かも知れませんね、拭き取った汚れを包み込んで再付着させない効果も備えているとのこと。

黒ずみ汚れが目立つ明るいトーンのフレーム色には特に効果を発揮してくれるそうなので、他社製クリーナーでは落とし切れない汚れにはこの製品を試してみましょう。

因みに、容量517mlのノーマルタイプと容量387mlのスモールタイプがあり、使用するウエスは専用品の他に¥100ショップのマイクロファイバークロスでも十分です。

タクリーノ ロード・コートワックス

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手軽さと効果のバランスに優れるのがこちら、『タクリーノ ロード・コートワックス/TACURINO ROAD COAT WAX』です。

上画像右は旧型のリキッドタイプ、左は現在販売されている200mlのスプレータイプとなり、バリアスコートやFW1よりも普段使いに向いた製品でしょうか。

使い方は良く振ってからマイクロファイバークロスなどの柔らかいウエスにスプレーして染み込ませ、該当部分に薄く塗り広げてから、磨き上げるように拭き取るだけ。

マット塗装の表面の微細な凹凸を埋めない特殊なシリコン成分を配合しているので、風合いを損ねないのはもちろんですが、二度拭きが不要なので作業時間の短縮にも一役買ってくれます。

また、他社製には無いUVカット成分が含まれているので、紫外線に弱いカーボン素材に打って付けかも知れません。

油脂を落とす効果はバリアスコートと同程度な印象ですが、ガラスクリーナーや前述のフォーミングマルチクリーナーのように日常のお手入れに使うなら、この製品がオススメでしょうか。

余談ですが、納車前のBMWやレクサスなどの高級車に使っているワックスと同じ成分が使われているとのこと。

NICHINAO/ニチナオ『Matt Frame Cleaner』

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標準で手袋がパッケージに含まれ、汚れに効きそうな雰囲気を醸し出しているのが、NICHINAO/ニチナオ『Matt Frame Cleaner』です。

さて、大見得を切って紹介した割には不明瞭な点の多い製品で、どうやらクリーニング目的に特化した製品のようです。

使い方は、スプレートリガーを取付けたリキッドを付属のスポンジに含ませてから、該当部分にムラなく塗り込み、しばらく浸透させてから拭き取るだけです、もちろん付属の手袋は装着して作業しましょう。

ボトルの容量は150mlと少な目ですが、スポンジに含ませてから使用するので少量でも無駄なく使えます、因みに使用後はスプレートリガーを取外す必要があるそうで、手袋の存在を考えると強めの薬剤が使われているのかも知れませんね。

手軽に普段使いできる感じではなくコーティング効果も無し、そんな性質から大掛かりなクリーニングやしつこい汚れをピンポイントで落とす目的で使うのが良さそうです。

正直、何が売りなのか今一つピンと来ない製品ですが、同じつや消し・マット塗装用のクリーナーでも有機溶剤を使っていないため海外製よりも塗装面を傷めづらく、臭いもキツくないので室内でも気兼ねなく使えるのが利点でしょうか。

VOODOORIDE/ブードゥーライド『All surface Speed Detailer』

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ケミカルにドクロマークは……と思いつつも、侮れない実力を誇るのがこのVOODOORIDE/ブードゥーライド『All surface Speed Detailer/オールサーフェイス スピードディテイラー』です。

容量は355mlと控えめですが、前述のFW1と似たような性質を備えた製品で、こちらも水なし洗浄&ワックスが売りですね。

使い方は、よく振ってから乾燥した状態の該当箇所に10~20cm離してスプレーし、適当な布で擦らずに優しく汚れを拭き取ります。

その後は綺麗なマイクロファイバークロスなどのウエスで磨き伸ばして終了です。

FW1と比べると、泡の持ちが悪い、甘い匂いが人を選ぶなどの違いがありますが、汚れに対する効果はほぼ同等で、撥水や防汚効果の他にFW1には無かったUVカット効果が加味されているのが嬉しいですね。

コーティングの持続期間は約一ヶ月だそうですが、細かな傷が目立たなくなる効果もあり、新車の保護だけでなく年季の入ったマット塗装の自転車にも試したくなる製品です。

ちょっと気になる点として『クリアコーティングされていないドライカーボン製品には使用できません』という注意書きがあるため、該当するカーボンフレームには使わない方が無難かも知れません。

その分野に明るくないので、具体的にどんなカーボンフレームが該当するのは定かではありませんが、同じつや消し・マット塗装のフレームでも、使うならアルミフレームに限定した方が安心できそうです。

YAMAHA/ヤマハ『マットカラー専用クリーナー』

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自動二輪用としてリリースされていますが、使い勝手が良く評判も上々なのがYMAHA/ヤマハ『マットカラー専用クリーナー』です。

200ml版と67ml版の二種類があり、後者には専用マイクロファイバークロスが付属。

使用方法は対象に直接スプレーするのではなく、一旦ウエスに噴霧してから使用します。

つや消し・マット塗装の風合いを損なわずに汚れ落とせるだけでなく、仕上がりに撥水効果もプラス。油汚れに対する効果も高く、軽微ならフレームに生じたテカりも消えてくれとのこと。

本来はオートバイやヘルメット等への使用を想定した製品ですが、広範囲に使用した場合でもムラになりづらい特徴があり、自転車のフレームにも問題なく流用可能です。

実際につや消し・マット塗装の自転車に使用している方も多く、タクリーノ ロード・コートワックスと同様に定期的なメンテナンス用として重宝する製品でしょうか。

信頼性の高いヤマハのケミカルだけに、安心してメーカー買いできるのも魅力ですね。

その他

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最後にオマケでつや消し・マット塗装に使える製品をまとめて紹介。

まずは、画像左の青いスプレー缶がMORGAN BLUE『CARBON CLEANER MATT』で新旧二種類のパッケージがあり、どうやら単に『MATT』と記載されている方が新パッケージな模様。

マット用の他にグロッシー用もあるそうですが、主な効果は汚れ落としと撥水加工ですね。

信頼性の高いメーカーだけにカーボンの保護に求められるUVカット効果が無いのが惜しまれる製品でしょうか。

お次は画像中央のWHITE LIGHTNING『MATTE FINISHER』です。

ワコーズのフォーミングマルチクリーナーに近いタイプの製品ですが、洗浄成分がマット塗装の表面に入り込みやすく、汚れ落ちはこちらの方が期待できます。

容量も多くコスパも良いので普段使いに向いたクリーナーかも知れません。

画像右から二番目はMUC-OFF『MATT FINISH DETAILER』です。

こちらの製品は仕上げのコート剤という位置付けで汚れを落とす効果はゼロ。

他社製クリーナーとでは相性問題がありそうなので、同じMUC-OFF製のクリーナーで洗浄した後に使うのがベストでしょうか。

トリを飾るのが、画像右の『消しゴム』です。

冗談に聞こえるかも知れませんが、傷を付けないタイプの消しゴムでマット塗装フレームの黒ずみ汚れをゴシゴシ擦ると、下手なクリーナーを使うよりも汚れが落ちてくれる場合も。

裏技的な方法ですが安上がりなので試してみる価値は十分にあります。

まとめ

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ご覧の通り私の29erプラスはマット塗装のフルサス車です。

冒頭でも触れたように中古車なのでフレームにはチラホラと黒ずみ汚れが窺えますが、今回は汚れ落ちよりも日常での使い勝手を優先して『タクリーノ ロード・コートワックス』を購入してみました。

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割とマメにフレームの拭き掃除をしていたつもりですが、ロード・コートワックスで磨くと新品のマイクロファイバークロスが薄汚れるくらいには効果があり、マット塗装の風合いも損なわれることはありませんでした。

フルサス車はリアサスのリンケージ部分が複雑なので、二度拭きが不要なクリーナーの方が使い勝手が良かったですね。

UVカット効果もあるのでカーボンパーツにも使い甲斐がありそうです。

余談ですが、今回紹介したクリーナー類はディスクブレーキのパッドやローターには触れさせない方が良いかも知れません。

個々に性質が異なるので絶対にそうなってしまうという訳ではありませんが、ブレーキ機能を低下させてしまう恐れがあるので、クリーニングの際は余計な部分に溶剤が飛び散らないように注意しましょう。

フレームに直接スプレーする場合は、念のためローターに調理用ラップやストレッチフィルムを巻いて養生するのも手です。

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