めざせ完全防御!ファットバイクの『泥除け』を強化&カスタマイズ

めざせ完全防御!ファットバイクの『泥除け』を強化&カスタマイズイメージ01

ご存知の通り、ファットバイクは冬に大活躍するスポーツバイクです。

極太のブロックタイヤで真っ白な雪原を颯爽と走る…なんて素敵なスノーライドを夢想しがちですが、残念ながらそんな恵まれたコンディションは中々維持されず、ライド中にカフェオレ色に染まったドロドロ&グチャグチャな路面を嫌々走ることも珍しくありません。

冬場のファットバイクにとって泥除け・フェンダー・マッドガードの類は割と必需品で、これらの有無が出走頻度や行動範囲に大きな影響を与えます。

当然のことながら、雪国住まいの私も早い段階でファットバイク専用の泥除けを購入しましたが、納車から数年を経た今になって、色々と不都合な点が目立ち始めました。

少し前に念願のスパイクタイヤデビューを果たしこともあり、そろそろファットバイクの冬装備を見直すタイミングかも知れない…と思い立ったのですが、ファットバイク用の泥除け・フェンダー類は『選択肢が少ない』『見た目がイマイチ』『効果が不十分』などなど、割と厄介なパーツだったりします。

ファットバイクを購入した方にとって、泥除け・フェンダー選びは一度は通る茨の道ですが、今回はカバー範囲の強化やちょっとしたカスタマイズ方法について話題にしてみたいと思います。

ファットバイク用『泥除け・フェンダー』の改善ポイント

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うろ覚えですが、上の画像を撮影したのは納車後一年目の冬だったと思います。派手なホイール、ゴツいコンフォートサドル、激重なサスペンションシートポストと、今見るとゴテゴテしすぎて恥ずかしくなります…クランクはフロントダブルでリア10速と、コンポーネントにも時代を感じますね。

さて、現在はフレーム&フォーク以外は総とっかえして既に別物の状態ですが、件の泥除けは未だに同じ物を使っています。赤丸の部分がこのフェンダーの死角となり、フロント部分はハンドルから顔方向に、リア部分はふくらはぎやシューズ方向に、どうしても防ぎきれないスプレーが発生します。

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このフェンダーは入手しやすくカバー範囲も広い、BBB製のFatFender『BFD-35F』『BFD-35R』で、それぞれダウンチューブとシートポストに装備しています。

5インチタイヤにも対応するファットバイク用フェンダーは大抵この形状をしていて、元祖とも呼べる上画像左のPDWことポートランドデザインワークスの『Mud Shovel/マッドシャベル』シリーズが特に有名ですね。

画像を見るとわかりますが、フロント用とリア用だけだった一昔前と異なり、現在はフォーク用のフェンダーを追加してカバー範囲を補うのが主流みたいです。

経験上、二つだけでも上半身はほぼ完璧に守られますし、前述した箇所への泥はね&水はねも微々たる物ですが、今回はこの死角部分に常設予定のベンダーフェンダーを追加して、カバー範囲の強化を図ります。

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続いてはコチラ、ドロッパーシートポスト対策です。ドロッパーシートポストに先程説明したリア用フェンダーを取付けるためには、矢印の非稼働範囲に十分な余裕が必要になります。

また、形状がシンプルな内装式なら特に問題ないケースでも、無駄な出っ張りのある外装式ではフェンダーをクランプ出来ない場合があり、この辺も頭を悩ませる部分ですね。

シートポスト取付けタイプのリアフェンダーは調節箇所や範囲が狭いことが多く、最悪の場合は取付けが容易なノーマルポストへの交換も視野に入れないといけません。

正直、不安定な雪道で足つきを良く出来るドロッパーシートポストは不可欠な装備なので、背中くらいは汚す覚悟も必要でしょうか。

改善ポイントを簡単にまとめると、【1】リア&フロントに常設のベンダーフェンダーを追加【2】追加したベンダーフェンダーと既存のフェンダーとの両立【3】ドロッパーシートポストとリアフェンダーの共存、こんな感じになりますね。

ファットバイクにベンダーフェンダーを追加装備

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手始めに、死角部分にベンダーフェンダーを取付けます。ベンダーフェンダーは軽量かつ薄手の素材で作られた簡易フェンダーで、車体に付けっぱなしにするのが一般的ですね。

既に持っているフェンダーに合わせて、同じBBB製のベンダーフェンダーことFlexFender『BFD-31』も考えましたが、やや大き目とはいえサイズ的MTB用だったため、今回はハッキリとファットバイク用を謳い、国内での入手性も良いゼファールの『DEFLECTOR LITE XL』を選びました。

画像左がファットバイク用の『DEFLECTOR LITE XL』で、画像右がMTB用の『DEFLECTOR LITE M』となり、XLをフロント用にMをリア用に使っている方が多いですね。

どちらもリア・フロント兼用なので好みの組合せで構いませんが、ベンダーフェンダーは後でいくらでも加工できるので、私はサイズの大きいXL二枚に決めました。因みに『DEFLECTOR LITE XL』はリジッドフォークにもエアサスのBLUTOにも対応できます。

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早速購入してみると、少し前にリニューアルがあったようでサイズと形状は同じですがロゴが異なるものが届きました。ファットバイク用だけあってMTB用よりも面積が二回りくらい大きいですね。

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思わず感心してしまったのがこの部分、結束バンドで固定するタイプは傷防止の為にフレームに保護テープを貼ることが多いのですが、ゼファール製には結束バンド用の保護チューブのような物が付属していました。

任意の長さにカットした保護チューブに結束バンドを通すだけで、保護テープ要らずな親切設計です。

便利すぎて、国内でも切り売りしていないものかと調べてみても該当する製品は見当たらず、一番近いのは『ステンレスバンド用被覆保護カバー』でした。サイズが異なるので使えませんが、是非とも類似品を探し出したいところです。

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保護チューブお陰でフロント側のベンダーフェンダー取付けは難なく終了、既存のダウンチューブ用フェンダーとの干渉も無く、フロント側のカバー範囲がほぼ完璧になりました。

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リア側も同様ですが、こちらは既存のリアフェンダーと干渉する可能性が高いので、今のところ仮止めの状態ですね。そのままだとフェンダーの前方がシートチューブに干渉するため、ドリルで穴を追加して取付け角度を調節していますが、思い切って前方を2cmくらい短くカットした方が良いかも知れません。

ひとまず、前後ベンダーフェンダーの追加はこれで完了し、今後は季節を問わずファットバイクの固定装備となります。

プチ改造で解決!ドロッパーシートポストへのリアフェンダー取付方法

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さて、今回のカスタマイズで一番の難関、ドロッパーシートポストとシートポスト取付型リアフェンダーの相性問題に挑みます。

PDW製でもBBB製でも、このタイプのリアフェンダーはヒンジの調整部分が一箇所しかない製品が殆どで、先述したドロッパーシートポストの限られた非可動部分にポン付けしても、高さと調整範囲が足りずにタイヤにフェンダーが干渉してしまうことが多いです。

余談ですが、同タイプのフェンダーで複数の調整箇所を備えているのは、ボントレガーの『Universal Fender Set For Fatbikes』くらいですね。4.75インチ幅のタイヤまで対応してくれますが、国内ではまず見掛けない製品です。

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一時はノーマルポストに戻すことまで考えましたが、私が最後の望みとして試しに購入したのは、ファットバイク用フェンダーとしてそこそこ評判の良かったCAPTAIN STAG/キャプテンスタッグ『Y-4868』です。

似たような見た目のフェンダーが微妙に仕様を変えて様々なメーカーからリリースされていますが、どうやらヘラ状になった泥除け本体部分はどれも作りが一緒のようですね。

下調べした段階で4インチファットバイク用だということは薄々わかっていましたが、恐らく一番信頼性のある米国PLANET BIKE社製の同形状フェンダー『BIG BUCK REAR BIKE FENDER』で4.5インチまで対応との記載があり、これなら十分か?という判断になりました。

また、類似品の中でヒンジの調整部分が二箇所だった点もCAPTAIN STAG/キャプテンスタッグ『Y-4868』を購入した大きな理由ですね。

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『Y-4868』のヒンジ部分は画像の通り二箇所存在し、BBB製やPDW製よりも調整範囲が広く取付の自由度が高いです。

その反面、赤丸の固定ボルトがプラスネジになっているのが弱点で、ボルトが舐めやすい上に他社製品のようにワンタッチで付け外しできない仕様になっています。

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BBB製とのサイズ差はこんな感じで、取付け部分を除いたフェンダー本体の実寸サイズは、長さ540mm、最小幅90mm、最大幅130mm、実重量236gでした。

恐らくデザインなのでしょうが、ネックのように細くなった90mm幅の部分に不安を感じますね…4インチタイヤで幅100mmですから数値だけ見ると明らかにサイズ不足です。

タイヤの肩の部分は緩やかにアールを描いているので、タイヤの中央部分ほど真上に水飛沫は飛ばず、この形状でも十分カバーできる…といった判断なのかも知れません。

さてさて、特に工夫もせずにCAPTAIN STAG/キャプテンスタッグ『Y-4868』をドロッパーシートポストの非可動部分にそのまま取付けてみましたが、ヒンジを調節すると先に取付けたベンダーフェンダーとも干渉せずに問題なく装着できました。

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ですが…ここで私はあることに気付き、ニヤリとします。実は購入前から少しだけ期待していたのですが、BBB製とキャプテンスタッグ製のフェンダーにはヒンジの第一関節部分に互換性があり、両者を交換することが可能です。

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試しに交換してみると、キャプテンスタッグ製は調節の自由度はそのままでマウント部分がワンタッチになり、BBB製も可動範囲が広いキャプテンスタッグ製ヒンジのお陰でタイヤに干渉することが無くなりました。

どちから一方の使い勝手が良くなれば…くらいに考えていたのですが、まさが片方を無駄にすることなく二つのフェンダーを活かせるようになるとは、思いもよらない結果です。

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因みに、後方のカバー範囲は画像の通りです。撮影の角度でBBB製の方が短く見えますが、両者ともほぼ同じですね。本来はタイヤの先まで覆ってくれた方が後続車には優しいのですが、自分のお尻と背中を守るだけなら十分な長さです。

概ね満足な結果ですが、唯一気になったのがキャプテンスタッグ製リアフェンダーの重さでしょうか。236gとBBB製と比べて50g以上の重量差があり、慣性の影響を受けやすいフェンダー本体部分だけを比べると、その差は更に大きくなります。

当然、凹凸の激しい悪路ではフェンダーが暴れやすくなるので、キャプテンスタッグ製リアフェンダーを使う際は、タイヤとフェンダー間のクリアランスに余裕を持たせた方が良さそうですね。

色々あるぞ!ファットバイク対応の泥除け・フェンダーあれこれ

随分前にファットバイク用の泥除けについて、オススメはコレだ!的な記事を書いたことがありますが、既に情報が古く、新たな製品も幾つか登場しているので、この場を借りて追記してみたいと思います。

どれがベスト?ファットバイクの泥除け・フェンダーについて
まだまだ種類の少ないファットバイク用の『泥除け・フェンダー・マッドガード』の選び方についてまとめています。4インチファットと5インチファットとでは 選択できる種類が異なり、タイヤサイズが大きいほど選択肢が狭まりボトムチューブ取付タイプや直線的なリアフェンダーが主流となります。
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まずは『ASS SAVER/アスセイバー』などが有名なサドルレール取付型のリアフェンダーです。

本家のASS SAVERにもMTB用の比較的大きなサイズが存在していますが、ファットバイクの極太タイヤに対応するイチオシのフェンダーといえば、RRP(RapidRacerProducts)の『RearGuard – OFF ROAD』でしょうか。

画像の通りこのタイプとしては非常に大きく、私の知る中では間違いなく最大クラスの製品ですね。残念ながら国内での取扱いはほぼゼロですが、代替品はサイズ的に近いゼファールの『SHIELD LITE XL』あたりが狙い目でしょうか。

どちらもワンタッチで付け外しできる簡易的なフェンダーなので高い防御能力には期待できませんが、上半身にハードシェルなどの防水ウェアを装備していて、『お尻はダメでも背中は濡れてOK』といった割り切った使い方に向いています。

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続いてはMTB用のフェンダーで鉄板の人気を誇る、MUDHUGGERのファットバイク用フロントフェンダー『FATHUGGER』です。

幅130mm、長さ510mmとフルフェンダーに迫るサイズを誇り、リジッドフォークにもエアサスのBLUTOにも取付け可能な期待のフェンダーです。

ボトムチューブ用フェンダーを併用すれば更に防御力UPが期待できますが、単体で使用した方が見栄えが良いのが悩みどころですね。

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有難いことに、MUDHUGGERからはファットバイク対応のリアフェンダーもリリースされていて、こちらは画像左のMTB用『MEDIUM REAR MUDHUGGER』に画像右の『FAT HUGGER REAR EXTENDER』を合体させて使います。

加工と取付けにはドリルやヒートガンなどが必要ですが、YouTube上には公式のTIPS動画も公開されていて、作業自体はそれほど難しくはありません。

このリアフェンダーは頻繁に取外しできないかわりに、フレームに直接装備するためドロッパーシートポストとの相性問題を気にする必要がありません。私のように雪道ではドロッパーポストは必須!という方には、かなり魅力的な選択肢だと思います。

まとめ

めざせ完全防御!ファットバイクの『泥除け』を強化&カスタマイズイメージ20

今シーズンはやたらと積雪が多く、見直ししたフェンダーの出番はまだ来ていませんが、ベンダーフェンダーのみでも割と様になっていますね。

こんなちっこいフェンダーなんて意味があるの?と思うかも知れませんが、顔面への泥はね&水はねはエキノコックス症への感染原因になるので、北海道在住ならば用心に越したことはありません。本州でも土壌細菌の影響でライド後にお腹を壊した…なんてこともあるので、最低でもフロント側にベンダーフェンダーくらいは装備しておきましょう。

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