ファットバイクに乗り始めてから数年になりますが、積雪のある季節に重宝するのが泥除けです。
フェンダーやマッドガードとも呼ばれ、極太タイヤを擁するファットバイクにはサイズ感の大きい専用品を使うのが一般的。
恐らく、北海道を除く日本国内ではファットバイクで走りやすい雪質が長期間維持されることは稀で、なかなかベストなコンディションは保たれません。
私の住む地域もその例に漏れず、十二月や三月は雪が降ったり溶けたりを短い周期で繰り返すため、水分を多く含んだシャーベット状の路面状況になりがち。
快適に走行するには泥除けが必須になる訳ですが、ファットバイク用の泥除けはどれもデザインの癖が強く、ぶっちゃけダサいとう問題が付いて回ります。
ファットバイク用の泥除け・フェンダーの現状と選び方

ファットバイク用のフェンダーで最もポピュラーなのは、上画像のようにフロント用をボトムチューブ、リア用とシートポストに取付けるタイプです。
こういったファットバイク用のフェンダーはどのメーカーでも仕様が似通っていて、直線的に加工された仰々しい本体が特徴的。
プラスチック樹脂製ゆえに軽量ですが、車体に取付けるとどうしても異物感が出てしまい、お世辞にもカッコイイとは言えません。
見た目がイマイチという欠点と引き換えに、車体への着脱が短時間で行えるという利点があり、路面コンディションが悪い時だけピンポイントで装備するといった使い方に向いています。
車体との一体感を求めるなら、タイヤに沿った形状のフルフェンダーという選択肢もありますが、こちらはフレームに取付け用のマウントやダボ穴が備わっている必要があり、車体によっては取付けが難しい場合も。
また、フルフェンダーは水跳ねや泥跳ねに対するカバー範囲に優れるものの、金属製ゆえに重量増は免れずママチャリのように常時付けっぱなしが基本的な使い方になります。
因みに、フルフェンダーは本格的なファットバイクよりも、安価な街乗り用ファットバイクのほうが適性が高く、メーカー純正品のフルフェンダーが別売りされていることも珍しくありません。
ファットバイク大定番の『PDW』&『BBB』製フェンダー

ファットバイク用の泥除け・フェンダーとして最も知られているのが、PDW(ポートランド・デザイン・ワークス)製のフェンダー。
タイヤ幅が11cm前後の5インチファットバイクにも対応し実用性も折り紙付きなのですが、リアフェンダーがタイヤの曲線に沿わない直線的な形状のため、食わず嫌いの方が多い製品でもあります。
画像左がPDW製のフェンダー類で、初期はボトムチューブに取付けるフロント用とシートポストに取付けるリア用のみの構成。
最近はこれらにフォーク用の簡易フェンダーが加わり、今まで死角だった部分が補われています。
注意点として、シートポスト取付型のリアフェンダーには、シート高が低いとサドルバッグと排他利用になってしまう、ドロッパーシートポストには装着しづらい。
こういった欠点があり、人によっては携行品の収納場所を変更したり、ドロッパーシートポストからノーマルポストに交換するなどの措置が必要になります。
因みに、画像右はBBB製のフェンダーでPDWのOEM製品と思ってしまうくらい似通っていますが、こちらもファットバイク用のフェンダーとしてよく選ばれている製品。
私も初めて購入したのはこのBBB製で、本家よりも入手性が高い上に安価なのも魅力でしょうか。
前述の通り、PDW製もBBB製もフェンダー部分は樹脂製の板で出来ていて、手で簡単に折り曲げられるほど柔軟性かつ軽量な作りですが、不思議と路面からの振動や風でバタついてしまうことは無く、十分な強度を備えています。
また、どちらのフェンダーもスナップボタンで土台部分から簡単に取り外せる仕組みになっていて、見た目の格好悪さが気になる方は小まめに取り外すといった使い方も。
まとめ
ファットバイク用フェンダーを話題にしてみましたが、現在は基本を抑えつつリア用フェンダーをサドルレール取付けタイプに置き換える方法に落ち着いてます。
これはドロッパーシートポストを本格的に使うようになったことが理由で、いままでのシートポストに固定するリアフェンダーでは、取付け場所が確保できないことがありました。

リア側のカバー範囲こそPDW製やBBB製に及びませんが、ご覧の通り外観の野暮ったさと仰々しさは控え目に。
フロント側はフォーク用フェンダーとボトムチューブ用フェンダーを組み合わせることで、水跳ねや泥跳ねをほぼ完璧にブロック。

リア側はフロントフォーク用と同じ簡易フェンダーとサドルレール取付けタイプのフェンダーを組合せるシンプルな構成。
サドルレールに取付けるタイプのフェンダーは『ASS SAVER/アスセイバー』が良く知られていますが、力不足に思えるこの形状でも使い方次第では化けてくれます。
時速10kmまでならリアタイヤからの水跳ねや泥跳ねの影響は無視できるそうで、低速走行が当たり前な真冬のファットバイクなら十分に実用範囲。
ウエットコンディションでも時速10kmを越えることは頻繁にあるものの、不思議とお尻や背中へのダメージは皆無で、ここ数年は不自由を感じたことはありません。
冬場は撥水性のあるアウターやパンツを着用してライドしていることもありますが、仰々しいリアフェンダーは不要という結論に至りました。
言い忘れましたが、今回紹介したどのフェンダーを使ってもパンツの裾やシューズまわりは濡れは避けられないので、パンツは撥水でシューズは防水の物にするのをお忘れなく。