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過信はダメ!!ファットバイクが苦手とする雪道・雪質とは?

ファットバイクで雪道

私がファットバイクを購入してから、ちょうど1年になります。

リムストリップ(リムテープ)が原因のパンクに悩まされ一ヵ月近く足踏みしたものの、初雪から雪解けまでのファットバイクが最大限楽しめる冬場のワンシーンズンを、なんとか堪能することが出来ました。

今年は積雪が例年よりも多く、平地でも場所によっては4月まで路肩に雪が残るような悪天候が続きましたが、おかげで様々な天候や雪質下でファットバイクを走行させる機会に恵まれました。

同じファットバイクでも使用する車種やタイヤによって得手不得手とする環境に違いがありますが、シーズンを総括する意味で、私のファットバイクこと『マングースのアーガスエキスパート』が苦手とした雪質や雪道について簡単にまとめてみます。

因みに、使用していたタイヤは少しマイナーなKENDA Juggernaut 26 x 4.5のフォールディングビードで、特に雪道に強い仕様ではありません。良く転がることで人気のファットタイヤ『Schwalbe Jumbo Jim』に毛が生えた程度の走破性でしょうか。

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ファットバイクでも無理!!苦手とする雪道とは

ファットバイク雪道の轍(わだち)

ファットバイクオーナーが北海道などの北国に集中しているのは良く知られていますが、私も当然その一人です。

ファットバイクと共に積雪の伴うシーズン過ごしてみて感じたのは、たとえ雪道に特化したファットバイクであっても過信は禁物である…と言うことでしょうか。

普通に考えたら無理そうな雪道が平気で走行できたり、その逆に問題なく走れそうな雪道で全く走行できなかったりなど、予想を裏切られるシュチュエーションが多々ありました。

あくまでも私の経験の範疇でしか語れませんが、雪道や雪質別の得手不得手をまとめるなら以下の様になります。

アイスバーン

子供の頃から雪道で自転車を走らせることに慣れているせいもありますが、横殴りの強風など他に障害が無い場合は普通に走れました。ですが、スパイクタイヤではないので急なハンドリングをすると頻繁にリアタイヤが横に流れます。

雪道ではタイヤを0.3~0.7bar程度の低圧で使用していますし、タイヤの接地面積が通常の自転車とは比べ物にならないくらい広いため、低速では一気にツルっと転倒する事は殆ど無く、リアタイヤが粘っこく横滑りする様な、独特の感覚があります。

ノーマルタイヤのファットバイクで走行する場合、アイスバーンは低温の状態よりも気温上昇で表面が若干緩んだ時の方が危険です。

轍や融け残りなどで形成され、路面にこびり付いた氷の凹凸が昼夜の寒暖差を経てウェット状態になると、さしものファットバイクも全く歯が立たず、神経をすり減らしながら恐る恐る走行することになります。

冷凍庫から出したての氷は簡単につかめても、融け始めた氷はなかなかつかめないのと同じ理屈ですね。

因みに、TYRE GRIP (タイヤグリップ)というシュッと吹き付けるだけでグリップ力が三倍にアップするスプレー式のチェーンが販売されています。

これさえあればスパイクタイヤ要らずだ…といった劇的な効果は望めませんが、タイヤを傷めずに靴底から自動車のタイヤにまで使えてしまい、実際に使用した方のレビューによると自転車ならファットバイクとの相性が特に良いそうです。

効果の持続距離も冬場のライドでは十分ですし、塗布する面積が広いファットバイクなら低温で凹凸の少ないアイスバーンやブラックアイスバーンなどで、ある程度の効果を発揮してくれるのではないでしょうか。

積雪(圧雪済み)

事前に踏み固められた雪道はファットバイクが最も楽に走れる路面の一つで、実際に走ってみても、確かにその通りでした。

走行感は積雪の無い未舗装路とほぼ同じで、水分で少し緩んだ圧雪であってもタイヤがずぶずぶと路面に埋まり込まず走行できるのは、普通車には真似の出来ない部分かも知れませんね。

圧雪状態が維持される雪道はある程度の交通量があったり通学路などの人通りがある地域が多い為、そういった意味ではファットバイクは冬場の街乗りに向いているとも言えます。

ただ、圧雪路でも凍結と融解を繰り返して荒れた路面だったり、歩行者の足跡で荒れたまま凍結してしまってた路面は走行感がダートや砂利道に酷似していて、長く走行すると路面からの振動や細かいハンドリング操作で思っていた以上に上半身が疲労します。

積雪(未圧雪)

圧雪されていない状態のいわゆる新雪の場合ですが、走行前は10~15cmくらいが限界かな?という予想をしていました。

ですが、予想に反して5インチタイヤのアーガスエキスパートでは20cm近い未圧雪の雪道でも十分に走行できてしまいます。

ただしタイヤの慣性がもの凄い勢いで失われるので、積雪量が一定のラインを超えると平坦な道でも坂道を上り続けているかの様に、著しく体力を消耗します。

ペダリングと言うよりも『漕ぐ』という言葉がピッタリで、休憩がてら下り坂でペダリングを止めたりすると、途中で車体が完全停止してしまうなんてことも良くありますね。

また、湿気の少ない雪質の場合、タイヤ・リム・ペダル部分に雪が纏わりつくことはありませんが、積雪が15cm以上で湿度が高い場合は走行に支障が出るかも知れません。

ファットバイクは極太のブロックタイヤのイメージから、前述した圧雪済みの雪道の方が得意な様に思われがちですが、ある程度の積雪までなら踏み荒らされていない未圧雪路の方が楽に走行でき、極太タイヤが必要とされる理由を体で理解できます。

根雪

雪が長期間に渡って居座る根雪(ねゆき)の場合ですが、新雪よりも水分が多いため雪が重く、走行時にはハンドルを取られやすくなります。

圧雪済みの場合なら走行難易度が低いのですが、未圧雪の場合は積雪がタイヤサイドの高さを超え、リムの高さまで達すると一気にハンドリングが重くなり、それ以上の積雪になるとペダリングの度にペダルが雪に接触してしまいます。

積雪10~15cmくらいから一気に走行難易度が高くなるため、ギアを落として低速で走りつつ急なハンドリングを避けることが多くなるのですが、タイヤの慣性が雪に奪われてゼロになったり、体勢を崩したりなどでファットバイクを完全に停止させてしまうと、足場の悪さも手伝って、その場からの再スタートが極端に難しくなります。

ここまで書くと、未圧雪の根雪は避けた方が良いと思うでしょうが、個人的に走って一番面白いのは走破感をひしひしと感じるこの未圧雪の根雪です。

余談ですが、最近のフロントシングル&ワイドコグ化の影響でリアディレイラーが雪に接触しやすくなりました。幸いまだ経験はありませんが、岩のようなアイスブロックが混じった雪道を走った際などは、接触してディレイラーハンガーが曲がってしまうのでは?と心配になることがあります。

もなか雪

根雪の一種で表面が硬く内部がスカスカな雪質を俗に『もなか雪』と呼びますが、積雪が15cm程度なら低圧のタイヤで何の問題もなく走れます。

それ以上の積雪になると、4インチタイヤと5インチタイヤの差やリム幅の違いがハッキリと現れる結果になり、100mm幅のリムに履かせた低圧の5インチタイヤでは、条件次第で20cm以上のもなか雪でもズボっと沈み込むことなく走行できます。

靴底よりも表面積の広い、スキーやスノーシュー(かんじき)があれば雪深い山道でも普通に歩けてしまうのと同じ理屈ですが、自分の体重に激重なファットバイクの車重が加わっているのにも関わらず沈まずに走れてしまうので、少し不思議な気持ちになります。

シャーベット状

シャーベット状と一口に言っても色々と種類がありますが、かき氷の後半みたいなユルユルな雪質なら何の問題もなく走れます。何せ、主婦やお年寄りの方がママチャリで走っているのを頻繁に見掛けるくらいですから。

ただし、フェンダーを装着していない場合は豪快に汚れる事を覚悟しましょう。ファットバイクのブロックタイヤがイイ感じに雪を拾って跳ね上げてしまいます。

寒さや積雪が安定しない地域ではシャーベット状の路面が日常になっていることも多く、ファットバイクの泥はね・水はね対策は割と切実な問題かも知れませんね…私も冬の入り鼻や雪解け水だらけの初春は苦手です。

どれがベスト?ファットバイクの泥除け・フェンダーについて
まだまだ種類の少ないファットバイク用の『泥除け・フェンダー・マッドガード』の選び方についてまとめています。4インチファットと5インチファットとでは 選択できる種類が異なり、タイヤサイズが大きいほど選択肢が狭まりボトムチューブ取付タイプや直線的なリアフェンダーが主流となります。

融雪剤まじり

交通量の多い幹線道路沿いなどで頻繁に遭遇しますが、散布された融雪剤が混じって砂状になったザフザフの路面は、文字通り砂浜を走っている様な走行感になります。

とはいえ、本物の砂浜ほど路面が締まっていませんし車の轍で路面が波打つように荒れているので、走行難易度はずっと高くなりますね。浮力の大きい5インチタイヤでも安定して走れるのは積雪10cmくらいまででしょうか。

それ以上になると、リアタイヤにトラクションが掛かりづらくなると共に、ハンドリングでフロントタイヤが左右にズズズと横滑りすることが増え、咄嗟に足を踏ん張って車体を立て直す、なんてことが頻繁に起こります。

見方によってはアイスバーンよりも危うく、下手をすると横滑りして脇を走る自動車にダイブ…なんてことになりかねないので、交通量の多いルートがこの状態になっている場合は、素直に押し歩きして難を逃れることをオススメします。

余談ですが、自動車のシャーシと同様に融雪剤の撒かれている路面を頻繁に走行すると、車体を痛めてしまう可能性があります。

私は水置換性があり錆止め効果が高いと評判のKURE 6-66を愛用していますが、SURLYに代表されるクロモリ製のファットバイクの場合は、マメにウエスで水分を拭き取ったり、錆びやすいパーツには軽く錆止め処理をした方が良いかも知れませんね。

因みに、KURE 6-66は5-56と同様にゴムやプラスチックに攻撃性があるので、金属パーツのみに塗布しましょう。

残雪

トリを飾るのは、誰もが『こんなのファットなら余裕だろ?』と思ってしまう残雪についてです。

残雪は細かい粒状の氷が密集して構成され、やや水分を含んだ『ざらめ』の様な質感をしています。

これが思いのほか厄介で、積もりたての新雪ならば20cmでも平気で走行できた5インチタイヤのファットバイクが、たった5cmの残雪でも、まともに進めなくなることがありました。

雪解けシーズンとなり、タイヤの空気圧を高くしていた事も一因ですが、とにかく雪質に締まりがないためトラクションがかからず、リアタイヤが雪面を捉えられずに完全に空回りしてしまうのです。

路上に飛び飛びで残っている残雪なら、勢いをつけることで騙し騙し突破も可能ですが、それが連続するとタイヤの慣性が徐々に奪われる上に、加速するためにペダリングしてもなかなかタイヤが路面をグリップしてくれません。

私はアイスバーンでも転倒しませんでしたが、この一見なんでも無さそうな残雪にタイヤをとられて、コロリと真横に転倒しました…ファットバイクに損傷はなく怪我もありませんでしたが、思わぬ伏兵の登場にあっけに取られたのを覚えています。

人によっては、このざらめ状の雪質が一番走りやすいと感じるそうですが、気温が大きく影響しているらしく、冷え込みで雪質が締まる早朝や深夜に限った話なのかも知れませんね。

この手の雪質ではリア用に特化したSurly製タイヤ『Lou』の26×4.8が向いていて、タイヤの空気圧をファットバイクの真骨頂ともいえる超低圧にすると、柔らかい深雪や締まりのない残雪でもトラクションが掛かる様になります。

残念ながら、4インチファットではリアのクリアランスが足りずに使えない場合がありますが、パターンが似ているSurly製の『Nate』で代替したり、45NRTHのリア用タイヤ『DUNDER BEIST』を使う方も多いですね。

ファットバイク用スパイクタイヤについて

自転車用スパイクタイヤ

刻々と状況が変化する雪道では、例えファットバイクであってもスリップによる転倒は免れず、嫌でもスパイクタイヤに頼らざるを得ない場面が出てきます。

有名処では45NRTHのDillinger(デリンジャー) シリーズがあり、4.0インチ幅のDillinger4と4.6インチ幅のDillinger5がリリースされています。また、Dillingerシリーズとは別にWRATH CHILD(ラスチャイルド)が新たに加わり、こちらもDillinger5と同じく4.6インチ幅のスパイクタイヤとなっています。

他にもTerreneのCake EaterVEE のSnowshoe XLがありますが、これらの中で価格が一番手頃なのはVEEのSnowshoe XLになるでしょうか。

Snowshoe XLにはスタッズを埋め込む穴が設けられていて、スタッズなしの通常モデルとスタッズありのStuddedモデルがあり、通常モデルにもスタッズ穴があるので、自前で埋め込むことも出来ます。

4インチファットでスパイクタイヤを使用する場合は、タイヤクリアランスに余裕のあるDillinger4を選ぶのが確実ですが、4.8インチ幅として販売されているSnowshoe XLは80~90mm幅のリムに0.5barの低圧で使用してもタイヤ幅の実寸が115mm(約4.5インチ)くらいなので、4インチファットでもクリアランスに余裕がある車種なら使用できる可能性があります。

因みに、一回り小さい4.6インチ幅のWRATH CHILDは実寸でSnowshoe XLとほぼ同じになるそうなので、4インチファットに使いたい場合は、こちらも事前にクリアランスをしっかり確認しておきましょう。

ファットバイク用のスパイクタイヤについては別記事で詳しくまとめていているので、興味のある方は是非ご覧になって下さい。

これで凍結路も安心!ファットバイク用スパイクタイヤの選び方
定番の45NRTHや新興のTerreneなど、個人的におすすめなファットバイク用スパイクタイヤを紹介しています。雪道や凍結路/アイスバーンでも滑らず、安心して走れるスタッズ付きの冬タイヤはファットバイクにとって不可欠な存在です。

まとめ

ファットバイクは雪道を得意としていますが、やはり過信は禁物ですね。

融雪剤が大量に撒かれた雪道やざらめ状の雪質ではリアタイヤがスタックし、未圧雪の根雪ではタイヤサイドの高さを超える積雪10~15cmくらいが分水嶺になります。

特に春先に見られる残雪は、緩んでしまうと僅かな量でもファットバイクを走行不能にしてしまうので、タイヤ自体が埋没してしまうレベルの残雪がある山間部には、近付かない方が賢明かも知れません。

そのゴツい見た目から、『これなら雪道も楽に走れそう!』というイメージが先行しがちなファットバイクですが、私の経験を顧みると、スノーライドの最中は必ず何らかの障害に行く手を阻まれたように思います。

スタートからゴールまで一度も押し歩きせずに帰還できることは稀ですし、雪道をロードバイクやクロスバイクのように、ほぼノンストップでライドできるとは考えない方が良いでしょう。要は『押し歩き』や『担ぎ上げ』が漏れなくセットになっている…ということですね。

最後になりますが、私がファットバイクで雪道を走って一番必要だと感じたのは極太タイヤやスパイクタイヤではなく、実は『ドロッパーシートポスト』です。

重量増でも後悔なし!利点だらけの初ドロッパーシートポスト
コスパ最高のドロッパーシートポスト『Brand-X Ascend II』の感想やリモートレバーの種類や取付け方法についてまとめています。重量増を補って余りある便利さがあり、MTBやファットバイクだけでなくクロスバイクにもオススメです。

走行中でもレバー操作でシート高を自在に可変できる優れモノで、不安定な雪道で咄嗟に足をつけるようにできたり、雪深い路面でも完全停止した状態から再スタートできたりと、導入済みの今となっては二度と手放せないファットバイクの必須装備になっています。

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