ファットバイクに乗っていて、毎シーズンのように悩まされるのが冬の初めと冬の終わりに遭遇するウェッティーな路面です。
一応、車体には簡易のベンダーフェンダーを常設していますし、追加で取付可能な大型フェンダーも所有しているのですが、あの極太タイヤをカバーする特大サイズの泥除けなだけに、見た目が本当に格好悪いのですよ。
正直、コイツを使うくらいならケツや背中を水浸しにした方がマシ……と思えるほどですが、ここ最近のライドで低速なら思ったほど水はねや泥はねの被害に遭わないことに気が付きます。
ひょっとして、今まで役立たずだと思っていたASS SAVER/アスセイバーに代表されるサドル取付けタイプのフェンダーでもそここそイケるのでは?と手応えを感じますが、導入に際してちょっとした問題が発生。
このタイプのフェンダーはサドルレールに工具無しで簡単に取付けられる反面、全部が全部じゃありませんが、サドルバッグ本体や取付用ブラケットと排他利用になりがちなんです。
普通ならここで眉をひそめるところですが、元々サドルバッグとの相性が悪いドロッパーシートポストを愛用している私としては、サドルまわりの見直しを図る良い機会でしょうか。
今回は泥除け・フェンダーが主役と思いきや、サドルまわりがスッキリ快適!そんな『コーナーバッグ』について話題にしてみたいと思います。
サドルまわりに自由を!フェアウェザー『コーナーバッグ』を再購入
一気に2セット購入?と思われそうですが、今回購入したのは画像下にあるブラックだけで、画像上のコヨーテカラーを購入したのは二年以上も前のこと。
冒頭で触れたサドルレール取付けタイプのフェンダーや、上下動するドロッパーシートポストによって、サドルバッグが使えなくなってしまった際の救済策として重宝し、対応車種が多いのも魅力です。
簡潔に長所をまとめると、コイツさえあればサドルまわりを素の状態にでき、邪魔にならない位置に中容量の収納スペースが確保可能、おまけにリアサスがあっても使えてしまう、こんな感じになるでしょうか。
自転車用のバッグ類では相当有名なのでご存知の方も多いでしょうが、製品名はFAIRWEATHER/フェアウェザー『Corner Bag X-PAC』で、このX-PAC素材モデル以外にリップストップ素材やバリスティック素材の別モデルも存在しています。
リップストップ版の方が安価なので悩みましたが、何となく統一感が欲しくて割高なX-PAC版を購入、といっても価格差は700円程度ですけど。
以前から所有しているコヨーテカラーは元々ファットバイクに使用していました。その当時はまだドロッパーポストを使っていなかったので、400g超と重かったフレームバッグを軽量化するのが購入目的だったと記憶しています。
このコーナーバッグは軽量で丈夫なX-PAC素材、加えて内室に緩衝材や仕切りを一切備えていないシンプルな仕様につき、バッグ本体の重量は90g弱しかありません。
当時は激重なファットバイクの軽量化に躍起になっていたこともありますが、今では生産終了のSURLY製スリックタイヤこと『BLACK FLOYD/ブラックフロイド』のスキンカラーと色味を合わせる目的でコヨーテカラーを選んだハズ……今見直しても、割と統一感が出ています。
因みに、コーナーバッグという名称だけに、スペースさえあればトライアングル部分の頂点三箇所すべてに取付けでき、ボトルケージとも共存が可能。
その後はリアショック&ドロッパーシートポストの影響でスペースを確保しづらいフルサス29er用に鞍替えし、予備チューブを含む携行品の収納に役立っています。
トライアングル部分に腕を突っ込みづらくなるため、担ぎ上げを頻繁に行うようなライド環境には不向きですが、バックパックが苦手な私にとって欠かせない装備のひとつでしょうか。
また、自転車に限らず配色の基本はメインカラー・サブカラー・アクセントカラーの三色にまとめることなのですが……フレームのミリタリーカラーにコヨーテカラーが思いのほかマッチしてしまい、今に至るまで買い替えできずにいます。
余談ですが、ドロッパーシートポスト仕様の自転車でも一点留めタイプのサドルバッグならギリギリ使える場合があります。
とはいえ、サドルバッグがタイヤやフェンダーに干渉しないような、少し高めの位置に最小シート高を設定しなければならず、サドルベタ下げを多用する場合は避けた方が無難ですね。
フルサスの場合は更に高さ設定がシビアで、スイングアームでリアタイヤが上下動するため、ハードテイル以上に安全マージンが必要になってしまいます。
足元が不安定な雪道を走るファットバイクの場合、ベタ下げで両足をしっかりと接地できないようなら、素直にバックパックかコーナーバッグを頼りましょう。
話が脇道に逸れてしまいましたが、前述の通りこのコーナーバッグは非常にシンプルな作りです。
ロゴのある正面側から内室にアクセスでき容量は1.7Lほど、標準タイプの500mlペットボトルがそのまま一本収納でき、更に余裕の残るサイズ感ですが、形状が三角形なので収納を工夫しないとデッドスペースが生じやすいですね。
一応、裏面にもポケットがあり、こちらにはマチが殆ど無く厚さ2cm程度の物を収納するのが精々ですが、財布・行動食・ワイヤーロック・ウエスなど、薄手で使用頻度の高い物を収納するのに役立ちます。
経験上そこまで神経質になる必要はありませんが、コーナーバッグという性質上、三辺のうちに二辺が必ずフレームに接触した状態になります。
内室に緩衝材が無いため、工具や携帯ポンプなどの金属質の物をそのまま無造作に放り込むと、走行中にカチカチを干渉音を奏でることがあるので要注意。
私は作業用の予備軍手でくるんだり、100円ショップで売っているカメラ・スマホ用のソフトケースを収納ケース代わり&緩衝材として活用していますが、ホームセンターで緩衝材代わりになるような物を購入し、自作するのも悪く無さそうです。
さて、これはコーナーバッグに限った話ではありませんが、ベルクロ留めの自転車用バッグには用心しなければならない点があります。
ベルクロ留めのバッグ類はブレないようにしっかりフレームに固定しても、走行中の僅かな振動による摩耗で、ベルトが巻き付いている部分に細かな擦り傷ができやすくなります。
これは固定の仕組み上どうしても避けられず、長期間使用するとグロッシー塗装なら摩耗して表面がくすみ、つや消しのマット塗装なら逆に表面がテカってしまう結果を招きます。
グロッシー塗装ならコンパウンドで磨けば甦る程度の擦れですが、つや消し塗装では補修する術がないので、必ずフレームに保護テープを貼り付けてからバッグを固定しましょう。
因みに、グロッシー塗装のフレームには定番の『3M スコッチ 表面保護用テープ #331』が便利に使えます、後から擦り傷に気付いて表情が青ざめる前に是非お試しあれ。
まとめ
記事の冒頭で触れて以来、すっかり頭の隅に追いやられいますが、コーナーバッグを追加購入したことでサドル取付けタイプのフェンダーも自由に使えるようになりました。
サドルバッグやそのブラケットも使わずに済むので、ドロッパーシートポストの上下動作でタイヤやフェンダーとの干渉を気にする必要もありません。
今のところ、ブラックのコーナーバッグをフルサス29erに、コヨーテを元鞘のファットバイクに使う予定でいますが、それもタイヤのサイドカラー次第かな?
画像上は今シーズンの物、画像下は昨シーズンの物ですが、どちらもブラックを使った方が違和感が無い気がしますね……どうしましょう。
ブラックカラーは何にでも合わせやすいのは確かなんですけど、風景が白黒のモノトーンに染まる冬場は、出来るだけ生気のある色味に仕立てたいのが本音でしょうか。まあ、フレーム色が地味なので効果は微々たる物ですけど。