特に意図した訳ではありませんが、二回連続でタイヤの話題です。
一年半ほど前に、ミニベロのタイヤを20インチ451ホイール用の『Schwalbe One/シュワルベワン』に交換したのですが、4000km強の走行距離を経てトレッド面がいよいよ怪しい感じになってきました。
既にタイヤを前後ローテーションさせていますし、靴底修理剤での補修箇所も結構な数になります。そろそろ新しいタイヤに交換したいなぁ…と思ってはいたのですが、以前の記事でお伝えした通り、お気に入りだった25cサイズの旧シュワルベワンはとうの昔に廃番になっています。
同じ20インチでも451ホイール用のタイヤは406ホイール用と比べて選択肢が少なく、旧シュワルベワンの廃番はかなりの痛手です、同系統の代替品はパナレーサーのミニッツライトあたりになるのですが、普段使い用としては耐久性に難アリなのが痛いところ。
現在残された20インチ451ホイール用タイヤの選択肢は、シュワルベ製、パナレーサー製、IRC製、タイオガ製に限られ、そのなかで軽量なケブラービード(フォールディング)タイヤはたった二種類からしか選べません。
さて、451ホーイルのミニベロ乗りにとって嫌でもため息が漏れてしまう状況ですが、パンクに怯えてこのまま使い続ける訳にもいかず、しぶしぶタイヤを交換することになりました。
今回は、旧シュワルベワンの後釜として使えそうな20インチ451ホイール用タイヤを幾つか紹介するとともに、パナレーサー『ミニッツタフ』の感想を簡単にまとめてみます。
現状どれがベスト?20インチ451ホイール用タイヤの選択肢について
軽量で転がりの良かった旧シュワルベワンの後釜ということで、交換用のタイヤ選びに思いのほか悩みました、といいますか…旧シュワルベワンが良すぎなんです。
●SCHWALBE ONE TUBE TYPE
20×1.1/8(451) 重量280g ワイヤービード
●TIOGA FASTR X S-Spec
20×1.1/8(451) 重量235g ケブラービード
●TIOGA Power Block
20×1.1/8(451) 重量280g ワイヤービード
●PANARACER Minits Tough
20×7/8(451) 重量210g ワイヤービード
20×1.1/8(451) 重量260g ワイヤービード
●PANARACER Minits Lite
20×7/8(451) 重量160g ケブラービード
20×1.1/8(451) 重量190g ケブラービード
●PANARACER Minits S
20×1.1/8(451) 重量420g ワイヤービード
●IRC ROADLITE for MINIVELO
20×1.1/8(451) 重量220g ワイヤービード
●DURO Stinger DB-7043
20×1.00(451) 160-01801 重量約215g ワイヤービード
20×1.1/8 (451) 160-01802 重量約220g ワイヤービード
今回候補にしたタイヤの一覧は上記のようになり、20×7/8がタイヤ幅23c、20×1.1/8がタイヤ幅28c相当、一つだけ表示がイレギュラーなDURO 20×1.00は25c相当になります。
旧シュワルベワンに仕様的に最も近いのがミニッツライトの20×1.1/8サイズですが、前述の通りミニッツライトは耐久性に不安が残るので早々に選択肢から外れました、それでも2000kmくらいは持つそうなので、スピード命で財力に余裕のある方はミニッツライトの23cか28cを選びましょう。
次に、個人的にタイヤがグレーチングにハマるのが怖いので20×7/8(23c)のタイヤが却下されました、ロードバイク用タイヤの主流が23cから25cへ、現在は28cとなっているので、ミニベロ用タイヤも似たような状況になりそうです。
この時点で、私の条件を満たすタイヤはTIOGA FASTR X S-Specだけになりましたが、このタイヤはケブラービードにも関わらず235gと重量面がイマイチ、おまけにトレッド面が小石を拾いやすいという欠点があり、あと一歩購入に踏み切れません。
悲しいかな、早くもワイヤービードのタイヤからしか選べない状況に陥ってしまいましたが、既にその点は諦めムードです。
最終的に【1】PANARACER Minits Tough【2】SCHWALBE ONE TUBE TYPE【3】IRC ROADLITE for MINIVELOの三種類が候補に残り、少しマイナーなIRC ROADLITE for MINIVELOが気になります。
調べてみると、癖の無い良いタイヤらしいですが、タイヤサイドを薄くして軽量化しているとのことで、サイドカットに不安が残りますしトレッド面がひび割れしやすいとの評価でした。
さて、問題はここまで意図的に触れずにいた謎のタイヤ『DURO/デューロ』ですね。中華製なのは間違いありませんが、意外にも台湾の老舗タイヤメーカーだそうで、今となっては451ホイール唯一の25cタイヤをリリースしています。
DURO Stingerは一本1000円前後と大変安価な上に、ワイヤービードにも関わらず25c版の実重量が215gとなかなか軽量です。ビードまわりの作りに雑な面が見られ、トレッド・サイド面ともに薄めの仕上がりですが、不思議と利用者の評判が良く、まさに451ホイールのダークホース的なタイヤといえます。
実際のタイヤ幅が25c⇒23c程度、28c⇒25c程度といった感じに、若干細めの傾向にあるそうですが、激安なのでダメ元で購入してみるのもアリですね…28c版はバランスに優れますが、一番人気の25c版が万年品薄なのが少し残念です。
結局、ミニッツタフと新シュワルベワンとの一騎打ちになりましたが、新シュワルベワンこと『SCHWALBE ONE TUBE TYPE』の中身は実質的に旧デュラノで、看板を付け替えただけの製品です。
単純にシュワルベ製以外のミニベロ用タイヤを試してみたかったこともありますが、今回はバランスの良い『PANARACER Minits Tough』に決定ですね。
因みに、PANARACER Minits Sは通勤・通学向きの高耐久タイヤですが、流石に重すぎるので却下、TIOGA Power Blockはコスパに優れ評判も良いですが、若干MTBチックなロードノイズがあるそうなので却下しました。
余談ですが、候補から外れたTIOGAのPower BlockとFASTR X S-Specには35c相当の20×1.3/8(451)サイズがラインナップされているので、406ホイールのミニベロでよく見掛ける太目のタイヤが好みな方にオススメです。
PANARACER 『Minits Tough/ミニッツタフ』の詳細
早速、ミニッツタフを購入してみましたが、コンパクトに折り畳めないワイヤービードなだけあって、大き目の段ボールに収まって届きました。ワイヤービードのタイヤを買ったのは初めてなので新鮮でしたが、やっぱり邪魔くさいですね。
サイズはもちろん20×1.1/8(451) の28c相当、パナレーサーだけに『日本製』の文字が眩しいですが、お値段は一本¥4000弱とお財布には優しくありません。
開封後に計量してみると278gでした、個体差があるのは承知の上ですがカタログスペックよりも20g近く重いのはいただけませんね。
推奨空気圧は4.5~7.0bar、ミニベロ用の28cタイヤでは標準的な値ですね、旧シュワルベワンが9.0barだったのでポンピングが少しだけ楽になるかも。
タイヤサイドには日本語で『△空気圧を守ること』と表示がありました、個人的にこの拘りはは嫌いじゃないです。
余談ですが、タイヤサイドのロゴ部分が安っぽいシールを張り付けただけに見えて、国産品といってもこの程度か…とガッカリしたのですが、よく見ると保護テープでした。リモコンのフィルム的なアレですが、この辺りはやっぱり日本製ですね、勘違いしてスマン。
細部を確認した後はタイヤの交換作業に移ります。ミニベロの納車から三年ほど経過し、リムテープの劣化が気掛かりでしたがご覧の通り綺麗なままでした。
残念ながら旧シュワルベワンに使っているチューブは23c~25c用なので、ここでお役御免となります。
以前使用していた28c用のチューブを引っ張り出し、試しに計量してみると。旧シュワルベワン用が84g、携帯予備用のタイオガ製ウルトラライトチューブが77g、ミニベロデフォルトチューブが104gでした。
未開封品を含めて二本あるタイオガのウルトラライトチューブを使うことも考えましたが、貧乏性の私は重さを承知でデフォルトチューブでセットアップすることに決定。
一部で囁かれているように、ミニッツシリーズはビードが若干キツめでした。ワイヤービードのせいもありますが、タイヤレバーは必須ですね。また、不慣れだとチューブの噛み込みにも気を遣う必要があり、出先でパンクした際などは特に注意が必要です。
さて、上画像を見るとわかりますが、ミニッツシリーズはどれもトレッド面の中央部がコーンヘッドのように盛り上がった作りになっています。
ミニッツタフに交換することで、旧シュワルベワンと比べて重量増&幅広になるのは確かですが、この部分が転がりの良さにどのように影響するのか…それが一番気になる所でしょうか。
ミニベロのタイヤ交換終了!ミニッツタフの走り心地は如何に
さて、天候不順の合間を縫ってミニッツタフの試走をしてみます。
タイヤとチューブの増量分で車体を持ち上げた時点で以前よりもずっしりとした感覚があり、ホイール一本当たり120g増の影響からか、漕ぎ出しは少しだけ重く感じます。
タイヤ交換による走行感の落差は覚悟していましたが、正直な感想は『予想よりも全然イイ!』でしょうか、確かに重量増による影響は感じますが、タイヤが太く空気圧も低くなったことで乗り心地が良くなりましたし、何より転がりの良さに大きな変化が見られなかったのが嬉しい誤算です。
目論み通り、中央部分が山なりに盛り上がったトレッド面が転がりの良さに影響しているらしく、今のところ形状によるグリップの弱さも感じません。
総評として、走り出しの軽さ△、乗り心地◎、転がりの良さ○といった印象ですが、ネーミングが『ミニッツタフ』だけに、今後は耐久性と耐パンク性に期待ですね。
まとめ
451ホイール用のシュワルベワンが望まない方向にリニューアルされ、次はどのタイヤにすれば良いのか…と悩んでいましたが、実際に使ってみるとミニッツタフが思いのほか良かったですね。
前述した通り、現シュワルベワンは実質的に旧デュラノとほぼ同じ製品です。仕様は今回交換したミニッツタフに大変似通っているので、特に拘りがなければこのタイヤを選んでも悪くないのでは?と考えが変わりました。
実用性重視で20インチ451ホイール用のタイヤを選ぶなら、ミニッツタフ・現シュワルベワン・パワーブロック、ダークホースのデューロあたりが狙い目でしょうか。