ミニベロから異音が…意外にも『アレ』を外した事が原因でした

自転車『ホイール・タイヤまわりからの異音とその原因』イメージ01

前回の更新でセカンドマシンのKHS F-20Rをミニベロ最速タイヤである『シュワルベワン』に交換したことをお伝えしました。

ミニベロ乗りなら一度は試そう!最速タイヤ『シュワルベワン』に交換
誰でも平均時速が2kmアップする!?折り畳み自転車・ミニベロを手軽に高速化できる20インチタイヤ『シュワルベワン/SCHWALBE ONE』451・406ホイール用に交換した感想と実走して得られた効果についてまとめています。

前評判通りの転がりの良さで、タイヤ自体には全く不満は感じませんでしたが、実は初回にテスト走行をした時から、とある異変を感じていました。

その異変とは、ローバイクやクロスバイク、MTBやファットバイク、果てはミニベロや折り畳み自転車まで、車種を選ばず多くの自転車乗りを悩ませ続けてきた、かの有名な『異音』様です。

今年で3年目に突入した愛車のF-20Rは、既に昨年の夏ごろからBBから僅かな異音が出ていましたが、今回の症状はこちらとは違うもので、どうやら直前のタイヤ交換が影響しています。

最終的に原因を特定でき、症状も改善出来ましたが、今まで私の知らなかった意外な事柄が異音の引き金になっていました。

タイヤか?それともホイールか?異音の原因を特定してみる

自転車『ホイール・タイヤまわりからの異音とその原因』イメージ02

シュワルベワンに交換後、例によって試走したのですが、異音はスタート直後から発生していました。

音の種類は、フレームに砂やそれに近いサイズの小石がぶつかっている様なニュアンスだったので、最初はまだ表面にワックスが残る新品のタイヤが路面の異物を拾っているだけかと思っていたのですが、20km以上走っても一向に止む気配がありません。

これは流石に何かおかしいと思い、異音が発生した際に良く行われる、簡易な原因特定メソッドを実施してみます。

タイヤを交換した直後から出た症状なので、原因は恐らくその辺りだろうと簡単に予想はできますが、手始めに体や車体に異物をぶら下げていなかを確認してみます。

キーホルダーや靴ひもなどが原因ではなく、車体に付けているアクセサリー類やワイヤーエンド部分の干渉も見られません。

続いて、サドルやシートポストの軋みを疑い、スタンディングのままペダリングしてみますが、異音は治まりません。

次にドライブトレインを疑い、ペダリングを止めて耳を澄ましてみましたが、やはり異音は治まりませんでした。

最後にミニベロを停車させ、ペダルを回してタイヤを空転させてみます、すると異音が治まり、振動で干渉しやすくなるフロントディレイラーとチェーンの間にも十分なクリアランスが確認できます。

【1】キーホルダーや靴ひも、ワイヤーエンド等は無関係【2】サドルやシートポストに軋みは無い【3】ペダリングを止めても異音が治まらない【4】停車してタイヤを空転させると異音が止み、物理的な干渉も見られない。

大方の予想は出来ていましたが【1】~【4】の要素を考えると、どうやら原因はタイヤかホイールのどちらかで、回転しつつ加重された状態のみで異音が発生していることがわかります。

異音発生源を特定!まさかの『アレ』が原因だった…

異音の原因におおよその見当を付けた後、帰宅後に詳しく調べてみます。

タイヤからの異音はチューブのねじれやビードへの嵌り具合が原因になる場合が多く、早速確認してみますが、どちらにも異常は見られませんでした。

そうなると、自ずとホイールが異音の発生源となり、ハブの劣化やスポークの緩み、リムナットの干渉などが主な原因となる訳ですが…ここでアホな私はある事を思い出します。

そういえば…タイヤを交換したと同時に、フレーム・ホイール・可動部分を大々的にクリーニングしたし、その際に邪魔臭かったスポークプロテクターを外したゾ…あれ?もしかしてコレが原因なのか?

リアホイールを車体から外し、真上から腕で加重しながら円周部を隈なくチェックしてみると、特定の場所に達した時だけ、ギシギシ・パキパキと言ったような金属質な異音が発生します。

漸く辿り着いた異音の正体はスポークの緩みが原因で、どうやらその引き金になったのはスポークプロテクターを取外した事の様です。

自転車『ホイール・タイヤまわりからの異音とその原因』イメージ03

察しの良い方なら、この記事のタイトルとトップ画像で何となく予想していたと思いますが、スポークプロテクターとは、スプロケットのロー側奥に取付けられているプラスチック製のアレです。

上画像右の透明タイプの方が良く見掛けますし、うろ覚えの私の記憶では北米メーカーの自転車では過去の事故による訴訟の影響で、完成車への取付けが義務化されていたと思います。

ローギア側へチェーン落ちした際に、文字通りスポークを破損から守る効果がありますが、リアディレイラーの可動域がしっかりと調整され、ディレイラーハンガーにも歪みが無ければ、ロー側へのチェーン落ちは殆ど無く、人によっては外していたり、最初からついていない場合も多いパーツです。

私の場合、スプロケットをクリーニングする際に邪魔に感じ、隙間に汚れが溜まりややすく、透明なので両面から汚れを拭き取る必要があるのにスポークが邪魔して中々上手くできないなどの不満もあり、タイヤ交換のタイミングで思い切って取外していました。

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上画像では少しわかりづらいですが、F-20Rのリアホールはドライブ側はスポークが交差するタンジェント組み、反ドライブ側はスポークが放射状に延びるラジアル組みになっています。

スポークがラジアル組みになっているホイールに取付けられたスポークプロテクターならば、それほど問題にならないのですが、これがタンジェント組みとなると少し話が変わってきます。

自転車『ホイール・タイヤまわりからの異音とその原因』イメージ05

タンジェント組みでは一本のスポークで二箇所の交点ができ、タンジェント組み用のスポークプロテクターの多くは上画像の赤印の部分に鉤爪状になった4つの角をキツく押し込んで取付けられています。

残念な事に、この部分は雑な仕事が目立ち、北米メーカーKHSのF-20Rだけでなく、私が所有する同じく北米メーカーのファットバイクでも少し強引にスポークプロテクターが取付けられていました。

取外してみて初めて気付きますが、これが結構な曲者で取付け方次第ではスポークのテンションに悪影響を及ぼしかねない要素になっています。

どうやら私のミニベロの場合、スポークプロテクターを取付けた状態でスポークテンションがバランスよく保たれていたらしく、安易に取外したことでスポークに必要以上の緩みが出てしまった様です。

また、他にもタンジェント組みのスポークには注意点があり、スポークが交差し相互に干渉している部分は過度なクリーニングをしてはダメらしく、潤滑性が低下するとスポーク同士が擦れ合い、異音や摩耗の原因となります、例によって念入りにクリーニングしていたので、私はこの点でもミスを犯していた事になりますね。

異音の原因を総括すると、スポークプロテクターを取外した事によるスポークの緩みと、ホイールのスポーク部分をいつも以上にクリーニングしてしまった事の二つになるでしょうか。

ホイール&スポークからの異音を解消した方法

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さて、ここからは異音の解消方法について説明しますが、詳細に調べてみると、強引にはめ込まれたスポークプロテクターが元々正常だったスポークテンションを狂わせていた可能性もあり、タンジェント組みスポークの交点には摩耗によるバリが生じていました。

本来なら、ニップル回しで緩んだスポークのテンションを整える作業が必要ですが、素人の私ではホイールに振れが出てしまう恐れがありますし、使用されているニップルのサイズ規格や素材が不明瞭なため作業中にニップルを舐めてしまう危険性もあります。

今回は、あえてスポークテンションの調整には手を付けず、スポークの加工とグリスアップで対応する事にしました。

上画像を見るとわかりますが、タンジェント組みではスポーク同士の交点が二箇所出来ます、ハブに近い側の交点はスポーク同士が干渉していないので、グリスアップするのは赤丸内のハブから遠い側の交点となります。

異音の原因となっている場所のスポーク二本を手で握って、矢印方向に力を加えるとスポークの交点が擦れてキシキシ・パキパキといった不快な音が発生し、摩耗でバリが出来ている場合はそれに拍車が掛かります。

結果的に多少バリがあっても、グリスアップで問題なく異音を軽減できたのですが、後日に私は念のため800番と2000番の耐水ペーパーでスポークのバリを強度に問題が出ない程度に研磨しました。

この方法はカラースポークでは使えませんが、黒いスポークで同じような症状に悩まされている方は同色の保護テープを巻くなどして対応している様ですね。

スポーク同士は殆ど密着しているので、そのままでは耐水ペーパーの入る隙間もありませんが、硬すぎない棒状の工具を二本のスポークに互い違いに通してから、僅かにあおると簡単に隙間が開きます。

私はラバー保護されたニッパーの持ち手部分を流用しましたが、力を加えすぎるとスポークが歪みかねないので少しだけ注意しましょう。

合計二箇所のバリを落とし、交点部分のグリスアップに移りますが、使用するグリスは粘度の高い物がオススメです、KURE製のスプレーグリスとシマノ製のプレミアムグリスの両方を試してみましたが、使い勝手抜群のプレミアムグリスの方が圧倒的に効果が高かったです。

スポークの交点部分に、盛る様にグリスを塗布してから二本のスポークを何度か握って馴染ませます、仕上げとしてグリスを落し過ぎない程度にウエスで拭きっとって終了ですが、この作業をホイールの表側と裏側から全ての交点に行います。

因みに、交点部分のスポーク表面が滑らかなままなら、ラスペネやKURE556などの潤滑剤も使えそうですが、雨やクリーニング時に容易く落ちてしまいそうな気がしますね。

最後に念のため、上画像の大きい赤丸で囲んでいるハブとスポークが接触している部分にもグリスを軽く塗布します、気休め程度ですし殆ど隙間もないので、こちらはラスペネなどの潤滑剤や粘度の低いスプレーグリスで構わないと思います。

まとめ

対策を施した結果、ホイールからの異音は気にならない程度にまで軽減出来ました。

処置後は直ぐに効果は表れず、やはりスポークテンションを調整しないとダメなのか…と落胆しましたが、20~30kmほど走るとグリスが馴染み始め、殆ど異音を感じなくなります。

今後は、ホイールのクリーニングや雨の影響で効果が薄くなることも考えられますが、これで頻繁に再発する様であれば、いよいよニップル回しの出番となるかも知れません。

スポークプロテクターは好みのわかれるパーツですが、納車時から付属している自転車をお持ちの方は、念のため無理に取付けられていないかどうか、確認してみては如何でしょうか?

余談ですが、原因究明の際にリアホイールのハブを分解してクリーニングしました、ベアリング部分は問題なくグリスアップできたのですが、ハブからフリーボディを取外せず、この部分に手を入れる事が出来ませんでした。

大半のシマノ系フリーボディは10mmの六角レンチで取外し可能ですが、KHS製のミニベロに広く採用されているFormula/フォーミュラ製のハブは7/16インチ(約11.1mm)という特殊なサイズの六角レンチでしか取外し出来ない仕様になっています。

加えて六角レンチの長さも不足していて、外すには長辺の持ち手側を差し込んで短辺側をエクステンションバーで延長するか、モンキーレンチで挟んで回すしか方法がありません。

私自身、この内容を忘れてしまいそうなので、備忘録として記しておきます。

自転車ミニベロ

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