薄さとサイズが決め手?ファットバイク用軽量ペダルの選び方

ファットバイクにおすすめの軽量フラットペダルイメージ01

今更ですが、ファットバイクのダイエットをコツコツと実施しています。

タイヤを軽量かつ良く転がるスリックタイヤに交換したり、グリップも超軽量なEVA製に変えてみたりと、財布と相談しながら月一ペースくらいで作業を進めていましたが、ようやく以前から交換したいと考えていたペダル部分に着手できます。

他のスポーツバイクなら、サドルやシートポストと並んで早い段階で軽量化やカスタマイズの対象になるパーツですが、『ファットバイクにはどんなペダルが相応しいのか?』という知識に乏しく、ペダルの選定に随分と時間が掛かってしまいました。

今回は、私が実際にファットバイク用として購入したペダルも含め、コスパが良く、重量が300g前後という条件を満たした、個人的におすすめなペダルを幾つか紹介してみます。

ファットバイク用ペダルを選ぶポイントは?

ファットバイクにおすすめの軽量フラットペダルイメージ02

今まで使用していた標準装備のペダルは、サイズがL95 x W100 x H23mm、重量はペアで410gとありきたりな物ですが、ファットバイクでの使用を目的に開発されたペダルは数える程しかなく、選択肢の豊富なMTB用やダウンヒル用のペダルから候補を探すことになります。

ファットバイク用のペダルを選ぶにあたって、個人的に重視した点が幾つかあり、今回は以下の様な条件でペダルを選ぶ事にしました。

【1】十分な剛性と300g前後の重量

【2】踏み面の大きさが十分

【3】雪が付着しづらい形状と薄さ

【4】鋭利過ぎず十分な滑り止め

【5】スピンドルがシールドベアリング仕様

【6】コスパ重視で¥10000以下が理想

全ての条件が必須と言う訳ではありませんが、ファットバイク用のペダル探す場合に私が特に重視するのが【2】の踏み面の大きさと、【3】の雪の付着しづらさです。

冬場は当然スノーブーツを履きますし、雪深い道を走るときは靴に雪が侵入しない様にゲイターも使用します。

そうなると、どうしても足まわりが重装備になり、ペダルの踏み面にはL100 x W100mmくらいの面積が無いと、安定したペダリングが望めないのです。

また、雪質や積雪量によってはペダルに雪が付着しやすくなり、ファットバイク用のペダルは出来るだけ形状がシンプルで剛性を保ちつつも、薄いタイプが好ましいでしょうか。

とは言え、ファットバイクは冬場だけ乗るわけではありませんし、ペダルに干渉するほどの豪雪時に走行する機会はそれほど多くありません。

他のスポーツバイクと同様に、軽量さや足裏へのフィット感、回転の良し悪しなどを基準に選んでも、差し支えないでしょう。

因みに、ペダルの重量が300g前後では重すぎるのでは?と感じるかも知れませんが、十分な剛性が求められるオフ車用のペダルでは軽量な部類に入ります。

踏み面の大きなオフ車用のフラットペダルにも200g程度の製品は存在しますが、どれも価格が青天井の高級モデルなので、導入は流石に躊躇してしまいますね。

タイオガ/TIOGA

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最初に紹介するのが、ショップでペダルの相談をすると何故か高確率で勧められてしまうタイオガ/TIOGA製のペダルです。

おすすめは画像右の“Dスパイダーペダル”で、ロード用の無印スパイダーペダルを幅広に改良したMTB用ペダルです。

サイズはL90 x W72 x H20mm、ボディーはアルミニウム製、スピンドルはクロモリ製ながらペアで本体が315g、ピンが32gとそこそこ軽量に仕上がっています。

このペダルはトリプルシールドベアリングによるスムーズな回転に定評があり、滑らかな回転性能を重視するユーザーに良く選ばれます。

オフ車用のペダルとして細部まで煮詰めて作られいるので、かなり食指が動きますが、踏み面サイズがやや小ぶりな点と癖の強いデザインが若干気になります。

ケージ状なので雪き詰まりが気掛かりですが、密度が高い蜘蛛の巣状のフレームでは、逆に雪が詰まらないかも知れません。知人のファット乗りもこのペダルを愛用していました。

兎に角、コスパ重視でペダルを消耗品と割り切って使うなら、画像左の“シュアーフット スリム”も魅力的です。

本体はプラスチック製、シール無しのベアリングとあからさまな低価格モデルですが、見た目のチープさと回転性能の渋さに目を瞑れば、L100 x W110 x H28mmのサイズと330gの重量は十分に及第点です。

安価ですし傷が付いても目立たないので、頻繁に地面に寝かせて駐輪する様な方にもおすすめでしょうか。

余談ですが、タイオガの公式HPからDスパイダーペダルの製品ページが削除されていました。販売終了になった可能性が高く、今後は市場在庫のみになりそうです。

人気のあるペダルだけに少し残念ですが、ニューモデルの登場に期待しましょう。

45NRTH/フォーティーファイブ・ノース

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元祖ファットバイクと言えば”SURLY/サーリー”ですが、その兄弟とも呼べるのがウインターサイクリング専門のブランド“45NRTH/フォーティーファイブ・ノース”です。

45NRTHからはファットバイク用に設計された二種類のペダルがリリースされ、画像左がL100 x W100 x H18mm、重量352gの“HEIRUSPECS”で、画像右がL101 x W110 x H9mm、重量308g“HELVA”です。

両者ともシールドベアリング仕様でスムーズに回転し、積雪の伴う状況下での使用を想定して設計されています。

値段の割に大変人気のあるペダルで、特に厚さ9mmのHELVAを使用している方を見掛けると、思わず羨望の眼差しを向けてしまいます。

ぶっちゃけ、ファットバイク用のペダルを選ぶ上で、特にこだわりが無く財布にも余裕があるなら、HELVAを選んで間違いありません。

私は¥25000という価格に怯んでしまい購入を見送りましたが、¥15000のHEIRUSPECSならギリギリ選択肢に入ったかも知れません。

因みに、見た目だけHELVAそっくりな中華製ペダルも見掛けますが、剛性が低くすぐに壊れてしまうそうなので、低価格に釣られて購入しないように注意しましょう。

HT/エイチティー

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台湾に本拠地を置くペダル専門メーカー”HT/エイチティー”製のペダルにも、ファットバイク向きの製品が豊富に見られます。

マグネシウム製ボディー、チタン製スピンドルの組み合わせでは、このサイズのフラットペダルで200gという驚きの軽量さを誇ります。

その分、価格も前述のHELVAが可愛く思えるくらい凶悪ですが、オフ車乗りの軽量化マニアにとっては、良く知られた定番ペダルです。

ペダル本体の素材がマグネシウム製のMEシリーズとアルミニウム製のAEシリーズに大別され、見た目が同じ形状でもMEシリーズの方が軽量です。

01~05までナンバリングされたシリーズがあり、どのモデルを選んでも踏み面のサイズや薄さなど、ファットバイクに求められる条件を満たし、スピンドルにはブッシュ式ベアリング×2とシールドベアリングが使用されています。

厚さ12mmでスピンドルが剥き出しになったデザインが目を引く“02”が最も軽量で、マグネシウム製ボディー&チタン製スピンドルのME02で200g、アルミニムウム製ボディー&クロモリ製スピンドルのAE02で316g程です。

軽量化の弊害からか85kgの重量制限が設けられている製品もありますが、予算に余裕があるならMEシリーズ、軽さに拘らないならAEシリーズがおすすめです。

AEシリーズは価格や機能面で45NRTHの”HEIRUSPECS”と競合する印象でしょうか。

xpedo/エクスペド・wellgo/ウェルゴ

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xpedo/エクスペドもwellgo/ウェルゴも台湾のペダルメーカーで、販売国別にブランド名を使いわけているそうです。

日本では数年前からエクスペドブランドの取扱いが減少し、現在はウェルゴブランドの名前が目立つようになりました。

エクスペドには定番モデルと呼べるペダルが多くありますが、ウェルゴは毎年新製品をリリースしているので、優れたペダルでも旧モデルは手に入りづらい印象ですね。

エクスペドのペダルでは画像左の“SPRY”がとにかく秀逸で、ファットバイク用ペダルに求めらる要素をバランス良く備えています。

サイズはL106 x W100 x H11mmで踏み面の大きさ、厚さ共に申し分なく、形状も着雪防止に適したシンプルな作りです。

ボディーはマグネシウム製、ブッシュ式×1、カードリッジ式×2のシールドベアリングを備えたクロモリ製スピンドルで、おまけにペダル重量がペアで260gと、思わず目を疑ってしまう完璧仕様です。

ウェルゴのペダルでは、大き目サイズで重量が300gを少し超える“MG22”、やや小振りのサイズで300g以下では “M256” “M194” “C237” あたりが狙い目です。

特に画像右のM194はサイズがシャフト部分を含めてL100 x W99 x H23mmと及第点で、ボディーはアルミニウム製、クロモリ製のスピンドルにはブッシュ式×1、シールドベアリング×1を備え、重量はペアで243gと軽量に作られています。

エクスペドもウェルゴもコストパフォーマンスに優れますが、エクスペドはそもそも国内での取扱いが少なく、ウェルゴは買い時を逃すと、再入荷がほぼ絶望的なのが欠点でしょうか。

中華製ペダル

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当たり外れが激しく、博打要素の強い中華製ペダルにもファットバイク用として使えそうなペダルがチラホラ見受けられます。

“SHANMASHI”や”AKATTAK”と言うブランド名で販売されていますが、恐らくどちらも同じ会社の製品でしょう。

ボディーはアルミニウム製、スピンドルは贅沢にシールベアリング×3仕様のクロモリ製でなかなか悪くありません、サイズもL108 x W100 x H18mmと十分で、重さも308gと軽量です。

何よりコスパに優れ、と言うよりも選ぶ理由はコレしかありませんが、この仕様で¥4000以下は破格ですね。

あくまでも個人の感想なので過度な期待は禁物ですが、使い勝手や耐久性を無視した、無茶な軽量化を施したペダルが多い中、ファットバイクにも使える、かなり真っ当なフラットペダルだと思います。

OneUp

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最後に紹介するのがコチラ、北米発の“OneUp/ワンナップ”というメーカーのペダルです。

重量はペアで355gと標準的な重さにとどまっていますが、兎に角デザインが素晴らしく、個人的に多少重くても使ってみたくなるペダルです。

ファットバイク向きのシンプルな形状をしていますし、サイズもL115 x W105 x H8.3~12mmと申し分なく、厚さは45NRTHのHELVAに迫る数値です。

ボディーはアルミニウム製、クロモリ製のスピンドルには二重密閉のフルカードリッジベアリングが4つも使用され、スムーズな回転と共に、強度にも不安を感じさせない贅沢な仕様です。

私としては、デザインがツボだったので、もうこれで決まりじゃない?と思ったのですが、残念ながら日本国内ではまだ正規の取扱いがなく、頼みの海外通販も人気過ぎて軒並み売り切れ、在庫切れ、再入荷未定の有様でした。

海外通販でも¥10000以上するのでコスパという面では失格ですが、個人的に45NRTHのHELVAと並んで、今一番気になっているペダルでしょうか。

ファットバイク用ペダルにxpedo/エクスペドの”SPRY”を購入

ファットバイクにおすすめの軽量フラットペダルイメージ09

さて、結局のところ私がファットバイク用に選んだのは、最もコスパに優れたエクスペドの”SPRY”です。

ファットバイクに合わせて、色はブラックを選ぶ予定だったのですが、ペイントのテカリ具合が安っぽく見えたのと、削れると下地が目立つという理由から、地金の色に近く若干暗めで落ち着いた色合いのチタニウムカラーに決めます。

全7色のうち、チタニウムカラーだけが国内で流通していなかったので中華版アマゾンとして知られる”アリエクスプレス/AliExpress”を初めて利用してみました。

思いのほか、簡単に注文できたので拍子抜けしましたが、価格が国内よりも随分と安い事に驚き、同時に不安が少し頭を過ります。

注文後、10日程で上海から無事到着し早速パッケージを確認してみますが、開封してみるとバルク品ではなくしっかりと外箱に収められていました。

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商品画像では、もう少し黄色がかった印象だったので、もしかしてシルバーと間違って発送されたのでは?と念のためパッケージをチェックすると、帯の部分に『钛色』と簡体字で記載されています。

調べてみると中国語でチタニウムの意味する漢字で、注文したチタニウムカラーで間違い無さそうです。

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パッケージを開封して確認してみると、予想よりも光沢が強かったものの、ペダル本体に雑な部分は無く綺麗な仕上がりでした。

ペダルを回転させてもゴリゴリした感覚はなく、取り合えず一安心です。

ペダル本体の他には、紙製のマニュアルと小箱に入った予備のスパイクピン&取付工具が付属していました。

ファットバイクにおすすめの軽量フラットペダルイメージ12

パッケージからペダルを取り出した時点で薄々感じていましたが、見た目の大きさからは想像出来ないくらい軽く、ペアで計量してみると実重量は253gとカタログスペックの260gよりも軽いです。

アリエクスプレスの商品ページでは243gと記載されているところもあり、240~260gくらいの範囲で個体差があるのかも知れませんね。

実はアリエクスプレスにはワンボタンクリックで受け取り通知しなければ、販売店側に料金が支払われないという、便利なシステムがあります。

海外通販には不安がつきものなので、これは本当に有難く、届いた商品に不具合が無いかしっかりと確認するのに大変都合が良いです。

手でペダルを回しても違和感はありませんでしたが、体重を掛けての使用は未確認のままなので、念のためファットバイクではなく、セカンドマシンのミニベロに取り付けてテスト走行してみます。

ファットバイクにおすすめの軽量フラットペダルイメージ13

3km程度の短距離でしたが、平地でトップスピードを出しても登坂でペダルに力を加えても、ペダルからはゴリゴリ感や異音は発生しなかったので、帰宅後に受け取りを通知し取引を無事終了しました。

取り合えず、真っ当なペダルであることは確かな様です。

元々ペダルの小さいミニベロでテストしたせいもありますが、踏み面が大きい分だけペダリングに安定感がありますね、坂道でも安心して踏めます。

正直、重量250gならミニベロ用ペダルでも悪くない選択肢です。

ペダルの回転は、手で弾いてクルクルと回り続けるタイプではありませんが、回り過ぎても踏み外しやすくなるので、この辺りは好みの問題でしょうか。

エクスペドのロゴが靴底との摩耗で直ぐに剥げてしまいそうな位置にあり、ペイントではなくエンボス加工にして欲しかったところですが、そこまで要求するのは流石に贅沢かも知れませんね。

気になる方は事前にフィルムやコーティング剤で保護処理した方が良いでしょう。

【追記】後になって知った事ですが、このSPRYは人気モデルの宿命で偽物が多いそうです。

もしや…と思って調べてみると、踏面の軸部分にプリントされている『Xpedo』のロゴが小さいなどの特徴が該当しており、どうやら偽物を掴まされた可能性が高いですね。

偽物の精度も日進月歩で高くなっているので、ハッキリとした事は言えませんが、本物は踏面の軸部分からXとdの文字がはみ出すくらい大きくプリントされているので、 その辺りが目安になるのではないでしょうか。

やはり、アリエクスプレス/AliExpressは要注意!と言った感じですが、額面通りに軽量ですし、機能面で特に不満を感じないので、不本意ながらこのまま使い続けるつもりでいます。

まとめ

ファットバイク向きのペダルを幾つか紹介してみましたが、予算が十分かつ積雪の多い地域でファットバイクにガンガン乗るなら、ペダルは45NRTHの“HELVA”で間違いないでしょう。

また、マグネシウム製ボディーやチタン製スピンドルなどの軽量ペダルは、重量が300g下回ると一気に価格が上昇する傾向にあるので、あまり予算を掛けずファットバイクの軽量化も兼ねているなら、コスパに優れるxpedoの“SPRY”が有力な選択肢になります。

今回のペダル選びでは、剛性をあまり重視していませんが、雪道だけでなくトレイルでもファットバイクを使いたいなら、強度を重視した350~400gくらいのペダルも視野入ると思います。

因みに材質に拘らないなら、CRANKBROTHERS/クランクブラザーズのSTAMP1もかなりオススメなペダルです。

ガシガシ使える良ペダル!クランクブラザーズSTAMP1の感想
フルサス29erのペダルを『CRANKBROTHERS STAMP1/スタンプワン』に交換。MTB用のペダルはすぐに傷が付くので、これくらい安い方が安心して使えますね、踏面が広くしかも軽量!コスパの良さが光るオススメのペダルです。

ナイロン樹脂メインのコンポジット素材ですが見た目にチープさは微塵もなく、踏面サイズL100 x W100 H13mmのスモールサイズで299gの軽さも魅力です。

ファットバイク用としてはスパイクピンが鋭利過ぎるので靴底が心配になりますが、コスパがかなり良く、オフ車用の軽量ペダルとして定番化しそうな逸品でしょうか。

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