愛車を自分好みにカスタマイズしたい…
自転車を趣味にし始めると誰もが必ず通る道ですが、個人的にサドルと並んで好みがハッキリと分かれるのがグリップやバーテープではないかと思います。
私の場合、納車時の標準グリップ ⇒ 見た目重視のオシャレグリップ ⇒ 使い心地重視のエルゴグリップといった月並みな変遷をたどりましたが、フルサスMTBでのロングライドにハマって以来、どれだけ疲労感を軽減できるかが、グリップ選びの基準になりました。
ご存知の通り、ストレートバーハンドルやライザーバーハンドルが採用されているクロスバイクやマウンテンバイクは、長時間の加重によって手のひらに痛みを感じやすいです。
これに関しては、後付けのバーエンドバーやバーセンターバーで手のひらを休ませる工夫をしている方も多いですが、私の場合は握り心地の柔らかなフォームグリップが何よりの特効薬でした。
現在、絶賛愛用中なのがESI grips/イーエスアイ グリップスの『Chunky/チャンキー』シリーズで、その中でも外径34mmと最も肉厚な『Extra Chunky』が一番のお気に入りです。
MTB界隈ではかなり名の通ったグリップなので、オフ車乗りなら一度くらいは耳にしたことがあるかも知れませんね。
私の経験上ストレートバーやライザーバーで40km以上走るなら、手に馴染むエルゴグリップよりも弾力性のあるフォームグリップの方が、格段に手のひらへのダメージが少ないです。
モチモチとした握り心地がとにかく癖になりますし、ラバー製のグリップのように加水分解でベタベタになることもありません。
正直、一度でもこの使用感に慣れてしまうと、他のグリップを使う気にはなれず、素手ライド派には特に恩恵の大きなグリップです。
さて、良いこと尽くめのESI製フォームグリップですが、もちろん欠点も存在しています。
実はこのグリップ、ハンドルへの取付けにコツが必要な上に、つけ直し&取外しがほぼ無理ゲーなのですよ…
以前に記事にしたように、ハンドルへの取付けには定番のテクニックがあるのですが、一度取付けたグリップを無傷のまま取外すのが難しく、私の知る限り取外しにはグリップ本体かハンドルのどちらかに傷を付けるくらいの覚悟と、そこそこの腕力が必要になります。
要は、一度グリップを取付けたら摩耗して劣化するまで使い続けるか、惜しみなくカッター等で切断して取外すかの二択になってしまい、将来におけるブレーキレバー・シフトレバー・リモートレバー等の交換ともなれば、思い切った選択を迫られる可能性があるのです。
最近はグリップを取外さなくて済むオープンタイプのクランプが増えているとはいえ、頻繁にパーツのカスタマイズを楽しみたい方には、中々厄介な仕様かも知れませんね。
いつものように無駄な前置きが長くなってしまいましたが、ここからが本題です。
ESIの虜になった私としては、このモチモチな使用感のままでロックオン/LOCK-ON式のグリップがあれば最高なのに…と思わずにはいられません。
Extra Chunkyに交換した直後から、まだ見ぬロックオン式のフォームグリップを密かに探し続けていましたが、一波乱あった後にようやく納得のいく製品を見つけることができました。
今回は大注目のロックオン式シリコンフォームグリップと、間違えやすいロックオン式ラバーフォームグリップについて話題にしてみたいと思います。
主役になり損ねたぜ…『SALSA FAT FOAM GRIP』の詳細
トップ画像や上画像でいかにもコイツが今回の主役だぜ!という顔をしていますが、実は勉強不足な私のせいで、一転して噛ませ役になってしまいました。
恥ずかしい話ですが、実際に購入するまでシリコンフォームグリップとラバーフォームグリップの違いを理解しておらず、画像の『SALSA FAT FOAM LOCK-ON GRIP』は後者のラバーフォームに該当します。
過去に紹介したKCNC製のEVAフォームグリップと同種の製品で、ESI製のモチモチした質感に対して、こちらのSALSA製はやや硬質なスポンジ状のフォームグリップとなります。
シリコンフォームグリップは弾力性や耐候性に優れるのに対して、ラバー・EVAフォームグリップは軽量さやプロテクター等にも利用されるクッション性をウリにしていて、両者の使用感は随分と異なります。
残念ながら本家のESI製にロックオン式のシリコンフォームグリップは存在しておらず、『ロックオン』『フォームグリップ』などの複合ワードで検索すると、ほぼ間違いなくラバー・EVAフォームのロックオングリップの方がヒットします。
因みに、ラバー・EVAフォームのロックオングリップで評価が高かったのは上画像のODI製『DREAD LOCK V2.1 LOCK-ON』で、私も購入候補にしていました。
シリコンフォームグリップと勘違いしていたせいもあり、握り径が僅かに太いSLASA製を選んだものの、握りやすさとコントロール性を重視したフィンガーフィットデザインやエンドキャップ要らずな作りなど、『DREAD LOCK V2.1 LOCK-ON』もかなりの良グリップで、一度くらいは試してみたい製品です。
不憫なので、引き続き紹介していきますが、同梱品はグリップ本体とエンドキャップの二つだけです。
価格はおよそ2500円で、グリップとしては高くも安くもない標準的な値でしょうか。
画像で見ると質感は黒い『う〇い棒』といった印象ですが、ラバーフォームは低温下でも冷えづらく、冷気を手のひらに伝えにくい素材なので、ファットバイクのスノーライド時に使うのも面白そうです。
『SALSA/サルサ』のロゴマークもプリントさているだけに、ファット行きはほぼ決定ですね。
いつものように計量してみると『SALSA FAT FOAM LOCK-ON GRIP』の実重量はペアで82g、握り径が33mm、長さ132mmでした。
一般的なグリップは片側だけで100g以上な場合が殆どなので、ラバー・EVAフォームグリップは本当に軽量ですね。
また、先ほど触れたODI製の『DREAD LOCK V2.1 LOCK-ON』は、握り径32mm、長さ130mm、重量は109gと、ラバー製のエンドキャップが一体化されている分だけ少しだけ重めの仕様になっています。
断面を観察するとわかりますが、ロックオン式のグリップは内部にプラ製のスリーブが通されています。
これによってグリップ本体の着脱が格段にスムーズに行えるのですが、その代償としてスリーブの厚さの分だけクッション性が損なわれてしまいます。
私が間違えて購入した、ラバーフォームであれ本命のシリコンフォームであれ、ロックオン式ではこの欠点から逃れられず、クッション性はシンプルなねじ込み式グリップにどうしても劣ってしまいます。
やはり、モチモチとした弾力性を維持しつつも、着脱が容易なロックオン式にするのは難しいのかなぁ…と半ば諦めていたのですが、ようやくお眼鏡に適う製品が見付かりました。
遂にロックオン式のシリコンフォームグリップを発見!
さて、無茶苦茶長い前振りの末にようやく紹介に漕ぎ着けましたが、こちらが私が待ち望んでいたロックオン式のシリコンフォームグリップ
その名も、RedMonkey Sportsの『KLÄMPZ LOCK-ON SILICONE GRIPS』です。
聞き慣れないメーカーですが、RedMonkey Sportsは2012年に米国で設立された比較的新しいメーカーで、日本国内でもコチラの製品を取扱っているショップは極少数です。
画像では、要となるスリーブ部分をどう処理しているかが不明瞭ですが、断面を見る限りシリコンフォームの厚みはしっかりと確保されていますね。
前回調べた際には見付けられなかったので、新しい製品なのかな?と思ったのですが、どうやら2015年くらいから存在していた模様。
肝心のサイズスペックは、握り径35mm、長さ130mm、重量113g/ペアで、握り心地に大きく影響するシリコンフォーム部分の厚さは5mmとのこと。
握り径は1mmほど『Extra Chunky』よりも太いですが、シリコンフォーム部の厚みで劣っているため、流石に使用感はそのまま…という訳では無さそうです。
シリコンフォーム部の厚みから察するに、クッション性は無印Chunkyよりも若干劣る感じでしょうか?それでも、ロックオン式ではかなり頑張っている方なので、後継モデルに期待したいところです。
因みに、RedMonkey Sports製のシリコンフォームグリップは非ロックオンタイプ式に限り、某ワ〇ズロードで購入できますが、今回取り上げたロックオン式は何処も取扱いがゼロでした。
過去にアマゾンで並行輸入品が販売された形跡もありますが、どうやら米国の公式HPからでも購入できそうなので、興味のある方はそちらを頼った方が確実かも知れません。
最後に余談ですが、シリコン製のロックオングリップをネット上で探すと、大抵Fabric/ファブリックの『SILICONE Lock-on grips』に辿り着きます。
こちらも劣化に強い良グリップですが、ESI製のような柔らかな握り心地ではないので、間違えて購入しないように注意しましょう。
まとめ
ようやくロックオン式のシリコンフォームグリップを見付けましたが、正直あと少しだけ肉厚だったら…というのが本音ですね。
実際に使ってみれば感想も変わってくるのでしょうけど、現状ロングライドで使うなら、やっぱり非ロックオン式のESI製が最適かな。
とりあえず、私のようにラバー・EVAフォームのグリップを間違えて購入しないように気を付けて下さい、超軽量ですが握り心地が全然違うので落胆は必至です。