随分とご無沙汰な気がしますが、久々にミニベロ絡みの話題。
グラベルロードを増車して以来、持て余し気味だった愛車のミニベロ「KHS F-20R」ですが、何となく輪行に活路を見出したくなりました。
正直、このF-20Rは走行性能に全振りしたようなミニベロで折り畳み機能はオマケみたいなもの。
それに加えてフレームはクロモリですから、重さも含めて輪行にはとことん不向きな車体だったりします。
過去に軽量化に頓着していた時期もありましたが、輪行となると軽量化だけでなく車体の省スペース化も課題のひとつ。
特に幅を取るペダルは輪行袋の取り回しや持ち運びやすさに影響しがちで、飛び出たペダルが自身の体を小突き回すのもお約束です。
簡単に解決するなら折り畳みペダルという選択肢もありますが、良質な製品が皆無な上に肝心のコンパクト化も中途半端なのが正直なところ。
さて、そこで白羽の矢が立ったのが「着脱式ペダル」です。
実はミニベロが納車された当時から少しづつ情報収集はしていて、いつかは試してみたいと思っていました。
工具不要で取外しできる反面、重量面でやや不利になってしまう弱点はありますが、今回は自分用のペダル選定を兼ねて輪行や車体のコンパクト化に役立つおすすめの製品を幾つかピックアップしてみます。
やはりMKSが鉄板!輪行・折り畳み自転車向きな「着脱式ペダル」4選

まずは有名処のBROMPTON用ペダルから。
BROMPTON ColourLab Superlight Quick Release Pedalsという、やたらと長い名前の製品でその名の通りブロンプトンのために作られた着脱式ペダルです。
とはいえ、取付け規格は自転車のペダル用として一般的な9/16インチスレッドなので、大抵の自転車にも流用が可能。
踏面サイズはW80mm×L64mmと小振りで、ペダル部分の重量はペアで260gと軽量です。
素材はアルミ製でアタッチメント部分を含むと350gとなり、価格は25300円とブロンプトンらしさ溢れるお値段。
クランクへの取付けはカチッと押し込むだけで、外す時はアタッチメントの上下にあるボタンを押しつつペダルシャフトを引き抜きます。
ちょっと高いけどブロンプトンだし、なかなか良いねコレ!
私も初見ではそう思いましたが、落とし穴がひとつ。
画像を見ると一目瞭然ですが、着脱が可能なのは左ペダルのみという仕様。
折り畳み自転車に使うなら片側だけでも十分に役割は果たしてくれるものの、逆なんですよ逆……
愛車のKHSもそうですが、ダホンやターンといった折り畳み自転車はメインフレームが左側に折れる構造になっているため、輪行時に邪魔になるのはドライブ側にある右ペダルなのですよ。
もともとブロンプトン用なので流用自体がイレギュラーなものの、メインフレームが右側に折れるタイプの折り畳み自転車やそれ以外の折り畳み機構を採用している自転車にならワンチャンあるかも知れません。
作りが良いだけに、非常に惜しい着脱式ペダルです。

続いてはVeloline「アタッチメント付きクイック脱着ペダル」です。
Veloline/べロラインというあまり馴染みのない名前ですが、日本のジック株式会社が展開するサイクルブランドとのこと。
折り畳みミニベロ向きなコンパクトサイズで、着脱後のペダルはサドルに取付け可能なアタッチメントに固定可能という気の利いた製品。
ペダルの重量はアダプター込みでペア317gと着脱式ペダルとしては標準的な値で、価格は8500円強とかなりリーズナブル。
素材はアルミ製となり、踏面サイズが一切不明と謎の多い一面も。
類似品と比較した印象だと踏面サイズはW90mm×L60mm前後が濃厚で、この形状のペダルではよく見られるサイズ感。
サドル裏のアタッチメントに取外し後のペダルを固定できる点にかなり惹かれますが、残念ながらペダル自体の評判があまり芳しくありません。
長く使うとペダルの取外しが渋くなる上にガタも出やすいとのこと。
また、着脱用ボタンを備えるアダプター部分がペダルの厚さよりも大きい構造のため、誤って足裏でボタンを踏んでしまうと、走行中にペダルが脱落する恐れもあります。
光る部分があるだけに、今後のブラッシュアップに期待したいところですが、現時点ではあまりオススメできない着脱式ペダルでしょうか。
仮に使用するなら、車載用の折り畳み自転車といった走行頻度の低い用途に限定するのが良さそうです。

お次は台湾に本拠を構える世界最大級のペダルメーカーWellgo/ウェルゴの製品。
ペダル専門メーカーだけに、把握しきれないほど種類があり本家の公式HPを調べても着脱式ペダルの全体像はわからず仕舞い。
国内代理店の岩井商会のHPでは、現時点でクロスバイク向けが二種類、ロードおよびミニベロ向けが一種類、MTB向けが一種類が確認できるものの、大手ECサイトではそれ以外の製品もチラホラと。
Wellgoの着脱式ペダルには「Quick Release Device」と呼ばれるワンタッチでペダルを取外しできる仕組みが採用されていて、上画像のように着脱用のツマミを備えています。
このQRDは工具不要でペダルを着脱でき、ツマミを引っ張ることで動作するため前述したVeloline/べロライン製ペダルのように走行中に誤作動させる心配もありません。
とはいえ、QRDは取付け時にツマミの向きを任意にできないという欠点があり、ペダル自体の回転も総じて渋くゴリゴリ感が強いという意見も多いです。
ツマミの向きに関しては付属のワッシャーを利用することで多少は調整が可能とのことですが、それでも完全ではありません。
今回取り上げる着脱式ペダルの中では完成度の高い部類ではあるものの、各所に調整の余地が残されている玄人向きな製品という印象ですね。
因みに、QRDシリーズで最軽量だったのはロード・ミニベロ用の「WR-1QRD」で、踏面サイズW93mm×L61.5mm×D22mmに対して重量はペアで301gでした。

余談ですが、メーカー側もツマミに対しての改良を行っていて、QRDには後継となるQRD IIやその先のQRD IIIも存在しています。
QRD IIIに関しては公式HPでもアナウンスが無いものの上画像の上段がQRD IIとなり、クランクに取付けるアダプター部分はツマミの無いスッキリとした形状へと進化。
有難いことにペダルシャフトは新旧QRDで共通していて、ペダル本体の互換性はしっかりと保たれています。
アダプター部分だけ別売りもしていて、今後はQRD IIやQRD IIIが主流になりそう。

さて、最後を飾るのはこちら、言わずと知れたMKSこと三ヶ島製作所の着脱式ペダルです。
着脱式ペダルではほぼ一強の存在感を放ち、今回紹介した他の製品が霞んでしまうほど。
ペダルの滑らかな回転に定評のあるMKSだけに、ペダルそのものの仕上がりには不安はありませんが、どれもそれなりの重量である点が唯一の弱みかも知れません。
MKSの着脱式ペダルには上画像左の「Ezy」と上画像右の「Ezy Superior」という2系統のラインナップが存在していて、私自身も両者の違いがよくわかっていませんでした。
Ezyを使用する際には、安全のため脱落防止用の黄色いストッパーが推奨され、これが面倒な上に失くしやすい代物。
Ezy Superiorにはこのストッパーが存在していないため、こちらに統一すればいいのに……
なんて思っていたのですが、これにはちゃんとした理由がありました。

MKSによると、「Ezy」よりも「Ezy Superior」の方がクランクに取付けるアダプターの直径が大きいそうで、これが使用感の違いを生みます。
「Ezy Superior」は薄型のフラットペダルやビンディングペダルとは相性が悪く、靴底にアダプターが接触したり場合によっては危険性も伴うとのこと。
【Ezy】
・着脱が1アクション
・アダプターの径が小さく軽量
・ストッパーが必要
【Ezy Superior】
・着脱が2アクション
・アダプターの径が大きい
・ストッパーが不要
【注意点】
・「Ezy」と「Ezy Superior」には互換性なし
・両者でペダル部分の共用も不可
両者の違いをまとめると上記の通りで、「Ezy Superior」は着脱の際にツマミを捻るひと手間が加わるかわりに、それがロック機構として働くことでストッパーが不要な作りになっています。
現時点では「Ezy」のラインナップは8種類でロードバイクやミニベロに向いた薄型・軽量のペダルが多い印象。
それに対して「Ezy Superior」のラインナップは14種類となり、シティバイクやMTBなどにも対応する幅広いラインナップで構成されている印象ですね。
輪行や折り畳みミニベロに使うなら、薄型・軽量ペダルに対応した「Ezy」から選ぶことになりますが、重量は300g前後が相場。
この記事のトップ画像にもなっている「Compact Ezy」、シルバーカラーの「CYGMA Ezy」、樹脂ペダルの「UX-D Ezy」、この辺りが狙い目になるでしょうか。
因みに、ストッパー無しで「Ezy」を使っている方も多く、これは完全に自己責任の範疇。
ストッパー無しでも問題なく動作しますし、ツマミをスライドさせるだけでペダルが外せる快適さも享受できますが、誤って靴底でスライドさせようものなら走行中でも普通にペダルが脱落しかねません。
まとめ
輪行や折り畳み自転車に役立つ「着脱式ペダル」を幾つか紹介してみましたが、やはり鉄板はMKSでしたね。
次点がWellgo/ウェルゴのQRDシリーズとなり、ペダル本体のデザインはこちらの方が好みでしょうか。

既に入手が難しくなっているので軽く触れるだけに留めますが、上画像の着脱式ペダルも注目に値します。
MicroStepやFreeGoというブランド名でリリースされていた製品で、現在はオークションやフリマサイトでしか入手できません。
このペダルはクランクの反対側からペダルを「裏差し」できる機能があり、取外したペダルを持ち運ぶ手間が無いのが魅力でした。
個人的にずっと狙っていた製品だけに残念ですが、「外したペダルをどう処理するのか?」
これも着脱式ペダルに付き纏う悩みのひとつかも知れませんね。

