ディスクブレーキの隙間調整に『センタリングツール』のススメ

ディスクブレーキの隙間調整に便利なオススメの『センタリングツール』イメージ01

油圧式ディスクブレーキを使っていると、ローターとブレーキパッドが擦れる『引きずり』に悩まされます。

ローターとブレーキパッド間の隙間(クリアランス)を自由に調節できる機械式ディスクブレーキなら割と簡単に解消できますが、元々クリアランス幅が狭い上に自動で一定に保たれる油圧式では、キャリパーの固定位置を変更するくらいしか調整手段がありません。

調整方法が超簡単に!機械式ディスクブレーキ"TRP SPYKE"の感想
機械式ディスクブレーキ『TRP SPYKE/SPYRE』に交換した感想をまとめています。油圧式と同じ対向2ピストンが採用され、ローターの歪みやパッドの片減りがありません。クリアランス調整も簡単で引きずり音や音鳴り解消にもオススメな製品です。

良く知られた調整方法としてキャリパーのセンタリング(並行出し)があり、手で動かせる程度にキャリパーの固定ボルトを緩める⇒ブレーキレバーを握ってローターを挟む⇒その状態でボルトを締めてキャリパーを固定⇒レバーを放してキャリパーのセンタリングが完了!といった手順で行いますが、この方法では引きずりを解消できないケースも多いです。

キャリパー内のピストンがスムーズに動作し、クリアランスに異常が見られない状態なら、概ね上記の方法で問題は無いのですが、二箇所の固定ボルトを交互かつ小まめに締め付けたとしても、ボルトを締める際のトルクでキャリパーが僅かにズレてしまい、これが失敗に繋がります。

手慣れた方はこのズレを見越して取付けたり、キャリパーを手で動かして微調整したりする職人芸を発揮しますが、もっと簡単にできれば…というのが正直な気持ちですね。

実は、この面倒な調整を手助けしてくれる『ディスクブレーキ センタリングツール』という便利な道具があり、私も最近お世話になりました。

結構有名なツールなのでご存知の方も多いと思いますが、外観だけではイマイチ使い方がわからない…という実態の掴みづらい工具で、私も実際に使うまでは『なんじゃこりゃ?』くらいの認識でしたね。

油圧ブレーキユーザーにとっては新鮮味の薄い内容ですが、今回は初めて油圧ディスクブレーキを使う方向けに『ディスクブレーキ センタリングツール』の使い方や注意点について簡単に説明してみます。

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grunge製『センタリングツール』を追加購入

ディスクブレーキの隙間調整に便利なオススメの『センタリングツール』イメージ02

上画像は最近購入したgrunge/グランジ製『ディスクローターセンターリングツール』ですが、センタリングツールはこれで通算ふたつ目となります。

数年前に購入した、PWTの『ブレーキキャリパーチューナー BCA-8030』という製品を29erプラスのブレーキ調整に使っていたのですが、4ピストン仕様のブレーキキャリパーにはサイズが少し不足していたため、試しに利用者の多いグランジ製を追加購入してみました。

パッと見は『これ、新手の肥後守?』といった外観なので、ディスクブレーキ未体験の方にとっては使い方が全く想像できない代物かも知れませんね。

ディスクブレーキの隙間調整に便利なオススメの『センタリングツール』イメージ04

今まで使っていたPWT製と並べてみましたが、両者ともロータに挟み込むための溝が設けられ、実際に使う部分は左半分だけです。

ローターに装着してからローターとパッドの隙間に滑り込ませて使いますが、前述の通りPWT製は4ピストンに対してサイズがやや小さく、それを補うために奥まで差し込もうとすると中央のリングが邪魔になるという使い勝手の悪さでした。

キーホルダーにぶら下げられる仕様から察するに、本来は輪行などに向いた携帯用のセンタリングツールでサイズ的にディスクロード用の油圧ブレーキに適した製品だと思いますが、どうやら既に生産は終了しているようですね。

因みにPWT製は厚さが2.4mm、グランジ製は2.2mm、ローターの厚みと同程度となる黒いプラ製の部分は1.8mmでした。ローターを挟み込む薄い金属板の厚さは0.3となり、ツールの仕組み上これに近い値がパッドとローター間のクリアランス幅になります。

両製品ともに対応するローターの厚さについて特に説明書きはありませんが、ペラペラの金属板を『コ』の字状に成型しただけの構造なので、一般的な1.7~2mmくらいのローター厚になら問題なく使えそうです。

ディスクブレーキの隙間調整に便利なオススメの『センタリングツール』イメージ03

センタリングツールはグランジやPWT製以外にも幾つか販売されていて、上画像右のBirzman/バーズマン『CLAM DISC BRAKE GAP MEASURER』のように、持ち手のないタイプも存在します。

前述した通り、どれも基本部分は薄い金属板を『コ』の字状に成型しただけの構造なので、誤って踏んでしまうと一瞬でお釈迦になるので注意しましょう。

安価な中華製もあるのでそれほど神経質になる必要はありませんが、ホイールを取外す必要のある輪行やトランポ用としてセンタリングツールを携帯して使いたいと考えているなら、上画像左のHAYES製のようなタイプを選ぶか1.8~2mm程度のプラ板でスペーサーを自作すると安心して使えます。

『ディスクブレーキ センタリングツール』の使い方

ディスクブレーキの隙間調整に便利なオススメの『センタリングツール』イメージ05

ダラダラとセンタリングツールについて説明してみたものの、上画像を見れば使い方は一目瞭然ですね。

本来は油圧式ディスクブレーキのクリアランス調整に最適なツールですが、解説のために機械式ディスクブレーキ車を使っている点には目を瞑ってください。

今回使用したグランジ製は140~160mm径のローター用と説明されいますが、180mm径のローターでも問題無く使えました、実際に試してはいませんが流石に200mm径はちょっと微妙かも知れません。

ローター径に依存せずに使うなら、前述したBirzman/バーズマン製のように、持ち手の無いシンプルなタイプがオススメです。

ディスクブレーキの隙間調整に便利なオススメの『センタリングツール』イメージ06

センタリングツールをローターに挟み込んだ後は、上画像のようにローターに沿わせてディスクパッドとローターの隙間に差し入れます。

先に説明するのを忘れましたが、この時点でキャリパーの固定ボルトをカタカタと軽く動かせる程度に緩めておきましょう。

センタリングツールをしっかりと奥まで差し込んだ状態で、二箇所の固定ボルトを交互かつ小刻みに締め付けていきます。

特にレバーを握る必要はなく、あとはツールを引き抜けば作業は完了ですね。

本当にこれだけでいいの?と感じる作業手順ですが、これでローターとパッドの間にはツールの金属板の厚みと同じ0.3mmのクリアランス幅が生まれ、キャリパーがボルトの締め付けでズレても挟み込まれたツールのお陰でローターに干渉しづらくなります。

因みに、隙間が狭すぎてローターとパッドの間にセンタリングツールをスムーズに差し込めないこともあります。

その場合は一旦ブレーキパッドを取外して、キャリパー内のピストンをクリーニング&潤滑してから、あらためて作業に臨みましょう。

汚れなどでピストンの動作が鈍るとブレーキレバーを放してもパッドがスタート位置に戻ってくれず、クリアランス幅を狭めたり、慢性的な引きずりの原因になります。

油圧ブレーキは面倒臭い?ピストン清掃とパッドクリアランスの話
油圧式ディスクブレーキでローターがパッドに擦れる『引きずり』が発生。キャリパーのセンタリングでも調整できず、更にピストン清掃&押し戻しによる潤滑を試みましたがクリアランスに変化なし。最後にフルードを少しだけ抜いてみたものの…久々の大失敗でした。

まとめ

仕組みや使い方がわかればこの上なく便利なツールですね、実際に私も何度も失敗した29erプラスのブレーキ調整がこのツールで一発解消されました、レバーを握ってキャリパーを固定する方法で引きずりが解消されない場合は、素直に今回紹介したセンタリングツールを頼ることをおすすめします。

余談ですが、キャリパーを固定する際は余分な力でローターが反っていないかを確認しましょう、取付け後にローターが元の状態に戻ると、ローターがパッドに触れていることが多いです。

また、意外な盲点として6ボルト式のローターは取付け時にローターとハブの固定部分に異物が挟み込まれていたり、ボルトのトルク管理やボルトの締め付け順序がおざなりだったりすると、回転に歪みが生じやすいです。

新品のローターに交換する際は要注意で、この状態ではどんなにクリアランスの調整しても引きずりが解消されず、新品のローターが歪んでいる…不良品だぜ、ちくしょう!なんて勘違いをしがちですね。

私自身、この記事を書いていて『油圧式のディスクブレーキって、本当に面倒臭いな…』と図らずも思ってしまいますが、どこかのメーカーが機械式のようにクリアランス幅を微調整できる製品を開発してくれないものでしょうか。

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