愛車のフルサス29erをチューブレス化してから、ずっと気になっていたのが携帯ポンプとの相性の悪さです。
チューブレスレディの場合、パンク修理などの緊急時よりもタイヤの空気圧調整での出番が主ですが、現在使用しているCRANK BROTHERS『GEM/ジェム』は、ホース無しの携帯ポンプゆえにチューブレスバルブの根元部分に不必要な力を加えてしまうことがあり、普通に使うだけでも割と冷や冷やさせられますね。
高圧が当たり前のロードバイクでは、力を入れ過ぎてバルブを曲げたり折ったりすることがあるそうですが、低圧のファットバイクやMTBでもチューブレスバルブの場合は油断大敵です。
チューブレスバブルはゴム製の土台とバルブナットの間にリムを挟み込み、ゴムの密着とバルブナットの締め込みだけで固定されているので、下手にこじると空気やシーラントが漏れたり、内部のリムテープに傷を付けて気密性を損ねてしまいかねません。
携帯ポンプとの相性が最悪…というよりも、ホース無しハンドポンプとの相性が悪いというのが正確ですが、少しでも不安を解消する目的で携帯ポンプを新調してみることにしました。
今回は私が購入した軽量・コンパクトなホース付き携帯ポンプ、LEZYNE/レザインの『POCKET DRIVE/ポケットドライブ』を話題にしてみたいと思います。
とにかく見た目がカッコイイ!LEZYNE『POCKET DRIVE』の詳細
質感の良さと秀逸なデザインで人気のレザインですが、この『POCKET DRIVE/ポケットドライブ』は比較的あたらしい製品ですね。
ブラックとライトグレイの二種類があり、ポンプ単体の他にインフレーターやパンク修理キット一式がセットになったお得なパッケージも準備されています。
ロードバイク・クロスバイク・ミニベロなどで初めての携帯ポンプなら、こちらを選ぶのも良いでしょう。
因みに、かなりの人気商品らしくライトグレイはいつも欠品気味ですね。
特に拘りはありませんが、今回は人気のライトグレイを購入してみました。前評判通り質感が素晴らしく、チープさは微塵もありませんね。
ポンプ本体の他にボトルケージ用のマウントも付属していますが、長さ140mm、直径22mm、重量79gとホース付き携帯ポンプでは最小クラスなので、ツールケースに忍ばせるのが似合いそうです。
最大空気圧は160PSI/11BARと、例によって腕力がゴリラ並みでもない限り実現不可能な数値なので、この半分くらいの値と考えるのが現実的ですね。
ファットバイクも29erも3.0BAR以上にすることはありえないので、私にはこれで十分です。
パッケージ裏にはホースの組立方法や仏式・米式の切替方法が説明され、携帯ポンプでは珍しいエア抜きボタンについても簡単に触れられています。
組立自体になんら難しい点はなく、ホースを捻って片側から引き出し、反対側にねじ込んで取付けるだけですね。エア抜きボタンがある側が仏式になっていました。
今まで使用していたCRANK BROTHERS『GEM/ジェム』と標準サイズのツールケースと並べてみると、サイズ感がわかりやすいです。
GEMは長さが175mm程でギリギリ標準サイズにツールケースに収まりますが、容量を40%以上占有するので、専ら車体にマウントしていますね。当たり前ですがポケットドライブだと全然余裕で定番の小型ポンプ『air bone/エアボーン』と比べても遜色ない印象でしょうか。
実重量はGEM/ジェムが135g、ポケットドライブが76gでした。
比較対象にしてしまっているため、今回は不遇な立ち位置ですが、GEMは空気量重視のハイボリュームモードと空気圧重視のハイプレッシャーモードを切り替えて使える、普通に良い携帯ポンプなので、今後も元鞘のファットバイク用として引き続き愛用します。
【余談】オーリングの有無が気になる…チューブレスバルブのお話
本題からズレますが、最近購入したチューブレスバルブで少し気になった点があったのでちょっとだけ触れておきます。
上の画像は予備用に購入したStan’s NoTubesの44mmアルミ製チューブレスバルブで、この他にもSUNringleの35mmチューブレスバルブもストックしています。
届いた製品を実際に見るまで気付かなかったのですが、どちらのチューブレスバルブもバルブナットにオーリングが備わっていませんでした。
現在、29erに使用しているMILKITのチューブレスバルブも含めて、バルブナットにはオーリングが必ず備わっている物と思っていたのですが、どうやらメーカーによって違いがあるようです。
因みに、上画像の左がMILKIT製、中央がシュワルベ製、右がMUC-OFF製となり、赤矢印の部分にオーリングが備わっていますね。
どのチューブレスバルブもリム内部でゴム製の土台がバルブ穴に密着し、リム外側からバルブナットで締め付けて気密させる仕組みですが、何となくオーリングが無いとリム表面に傷が付きやすくなったり、固定の要となるバルブナットが緩みやすくなってしまう気がするのですよ。
チューブレスレディの代名詞的な存在であるStan’s製のバルブに備わっていないくらいですから、私の杞憂なのかも知れませんが、緩むと簡単に空気やシーラントが漏れてしまう部分なだけに、次回はオーリングの備わった製品を選びたいですね。
引き続きMILKIT製を使うか、デザインに癖があるものの評判の良いMUC-OFF製が狙い目かな?
まとめ
バルブへのダメージやポンピングのしやすさを考えると、チューブレス用に限らずホース付きの携帯ポンプの方が使い勝手が良いですね。
コンパクトさを求めるならair bone/エアボーンに『お助けチューブ』を組み合わせる定番の方法もありますが、POCKET DRIVE/ポケットドライブはそれらがセットになっている上に、内部にホースをスッキリと収納できるのが魅力でしょうか。
ホース付きになったお陰でバルブ根元に余計な力が加わらなくなり、ようやく喉のつかえが取れました。