本格シーズンを迎えるにあたって、少し前から二代目ファットバイクを鋭意カスタマイズ中。
当ブログも自ずとファットバイク関連の記事が増えてしまいますが、ただでさえマイナーなファットバイク……おまけに27.5インチホイールなだけに、記事の内容は相当ニッチになります。
おそらく極一部の限られた人にしか参考にならないとは思いますが、今回はSUNringle製ホイール「MULEFUT 80 V2」のフリーハブボディをSRAM XDドライバーに交換する手順を解説してみたいと思います。
「シマノHG+」か「SRAM XD」か?入手困難だったフリーハブボディ
さて、春先に一度だけ試し乗りして以来、すっかり休眠状態の二代目ファットバイクことサルサのベアグリース。
フレームこそカーボンですが、エントリーモデルなだけにフリーハブボディは旧規格のシマノHGで、ドライブトレインは11速仕様です。
幸いリア最大51Tが使えたので、しばらくはこのままでも良いかな?と思いつつも、最終的なアップグレードは間違いないので、12速対応のフリーハブボディだけは早めの確保を決意。
シマノ12速用の新規格「HG+」に興味があったので、当初はマイクロスプラインのフリーハブボディを購入するつもりでいましたが、これがビックリするくらい品薄な上に、辛うじて取扱いがあるショップでも在庫の有無があやしい場所が殆ど。
加えて、最も在庫が確実なHAYES傘下のSUNringle公式通販は、日本に発送不可というおまけつきです。
HG+に対応したシマノ純正のスプロケとチェーン・チェーンリング・リアディレイラーの組合せで、新技術の「HYPERGLIDE+」による滑らかな変速性能を堪能してみたかったのですが、あまりの品薄ぶりに方針転換を余儀なくされました。
結局、フリーハブボディは見慣れたSRAM XDドライバーを購入することになり、こちらもHG+程ではないにせよ品薄&割高傾向で、こんなパウチ入りのパーツでも¥15000近い出費を迫られました。
少し前なら¥10000以下で買えたんですけど、こんなご時世ですから今回のカスタマイズは従来比1.5倍の予算は覚悟した方が良さそう。
時期を待つことで、品薄は解消されるかも知れませんが、個人的にインフレや円安はもう元に戻らない予感がひしひしと……
余談ですが、品薄なパーツを探す際は海外通販を個々に当たるよりも、商品の型番や正式名称をGoogleで画像検索する方法がオススメです。
画像と共に、オークションやショップ在庫の有無もまとめて表示してくれるため、取扱いショップを国内外を問わずシームレスに探したいときに大変便利です。
まさかの専用工具……SUNringle製ホイールのフリーハブボディをXDドライバーに交換する手順
しばらくは11速のままでいるつもりでしたが、運よく狙っていたスプロケが手に入ったので、早速フリーハブボディを交換してみます。
パウチにはSUNringle SRC/SRXハブ対応のXDドライバー本体と、スルーアクルス用・クイックリリース用のエンドキャップふたつが同梱されていました。
ハブのエンド部分はドライブ側が板スパナ用の溝ありエンドキャップ、反ドライブ側は工具不要の取外し式エンドキャップというよくある構成。
過去にDT Swiss製やCrankbrothers製の交換を経験しているので、あまり入念な下調べをせずに作業の臨んだのですが、ここで見事にトラップにハマります。
反ドライブ側のエンドキャップをラジオペンチでパキッと取外してみると、シャフトには謎の十字溝が掘ってあり、ここでようやく専用工具が必要であることに気が付きます。
慌ててSUNringle公式からマニュアルをダウンロードして確認してみると、やはりハブの分解には「SUNringle Axle Holder Tool RW 12mm」という専用工具が必要で、こちらも案の定品薄という有様。
わざわざ専用工具が必要な仕様にしなくても良いのに……と思いつつも、自転車業界では割とありがちなシュチュエーションですね。
それほど高価な工具ではありませんが、品薄&割高な送料&到着までの日数……それらを考えると、どんどん気が重くなります。
冒頭でニッチな内容だと自分でも語っているので期待薄でしたが、ダメ元で調べてみると専用工具無しで分解している方が海の向こうに幾人かいらっしゃいました。
解決策は至ってシンプル、専用工具のかわりに板スパナをこんな感じにフィットさせるだけ。ズレずに溝にフィットすれば良いだけなので、他にドライバーのシャフト部分を利用する方法も。
幸い、板スパナが複数あったので難を逃れることができましたが、しっかり板スパナを宛がった状態で反対側のエンドキャップを捻らないと溝を舐めてしまうので、そこだけは要注意です。
ここまで作業が進めば、もう悩む必要はありません。
ハブのドライブ側からシマノHGタイプのフリーハブボディをスルっと引き抜き、古いグリスを丁寧に拭き取ってクリーニングしてあげるだけです。
こちらが両フリーハブボディの比較、並べたときの寸法が違い過ぎて違和感バリバリですね。
同じエンド幅197mm対応とは到底思えず、両者の構造の違いもそれに拍車を掛けています。
本当にこのハブに対応したフリーボディなんだろうか?とか、別売りのエンドキャップが必要だったのでは……とか、毎回購入時は不安が尽きません。
XDドライバーに交換する前にハブ側とフリーハブボディ本体にグリスを塗布します。
以前はDT Swiss製のフリーハブ用グリスを使っていましたが、今回はずっと未使用だったシマノ製フリーハブグリスを使ってみました。
因みに、ホイールのハブ用グリスとフリーハブ用グリスとではグリスの粘度が異なるので、間違って使わないように注意しましょう。フリーハブ内の爪が起きづらくなってしまいます。
最後は外した時と同じように、板スパナを活用してドライブ側のエンドキャップを締め付け、これにて作業は終了。
SUNringle製のホイールは初めてでしたが、エンドキャップまわりの仕様が中途半端でユーザーに優しくない印象ですね。
工具不要でフリーハブボディの交換やメンテナンスが可能だった、DT Swissハブの良さを再認識。
念のため、フレームにホイールを仮止めしてエンド幅を確認してみると、シマノHGの時と同じく197mmが維持され、隙間なくフィット。
私の心配は杞憂に終わり、ようやく胸を撫で下ろせました。
まとめ
内容がニッチ過ぎて、誰がこんな記事を読むんだ……と思ってしまいますが、SUNringle製ホイールはCANYONのファットバイク「Dude」シリーズの一部や、TREKの「Farley」シリーズ、SALSAの「MUKLUK」や「Beargrease」シリーズなどに採用されています。
何気にファットバイク界隈では結構メジャーなホイールですが、日本からだとパーツの入手性に難アリなのがウィークポイントでしょうか。
特に、消耗品の27.5インチ用リムストリップを見付けたら、在庫のあるうちに確保しておくことをオススメします。
そして……ようやくコイツの出番がキタ!詳しい方ならこの9-50Tで直ぐにピンと来るはず。
このスプロケも品薄で入手困難でしたが、シマノ12速&SRAM12速の両方と互換性があり、対応フリーハブボディはXDドライバーという代物。
レビューによるとHYPERGLIDE+のシマノ12速コンポに組み込んでも、変速性能はシマノ純正の90%程度は再現してくれるそうで、社外製スプロケとしてはもちろん、12速ミックスコンポ用としても重宝します。