切欠は癖の強いファットバイクでしたが、自転車趣味にどっぷりハマってから随分と経ちます。
加齢とともにライドスタイルが変化し、そろそろ手持ちの自転車を見直す時期になりました。
昨年はファットバイクを乗り換えし、今年はミニベロとフルサスMTBの進退を決めなければなりません。
正直、メンテナンスの手間やカスタマイズに掛る費用を考えた場合、所有する自転車は二台が限界です。
どうにかチョイ乗り&買い物用のミニベロと、トレイル・街乗り・ロングライドの全てをこなすフルサスMTBを一台に纏められないものかと、無茶な計算式を組み立ててみると……
(ミニベロ+フルサスMTB)÷2=グラベルロード
そうだ、グラベルロードにしょう!
ついでにクロモリフレームで雑に扱える奴がイイ!
実に頭の悪い回答が導き出されました。
当初はエントリークラスの完成車か中古車を狙っていて、第一候補はコスパの良いジェイミス レネゲードでしたが、生活車としても使いたいという条件には若干そぐわず、数ヶ月間に渡って悩む羽目に。
詳しい方ならトップ画像で直ぐに気付いたと思いますが、最終的に私が選んだのがこちら。
KONAのクロモリフレーム。
そうです、いわゆる「バラ完」することに決めました。
自転車歴を通じてバラ完は初の試みですが、経験論からエントリークラスの自転車を購入しても、のちのち総とっかえのカスタマイズになることは明白。
ならば、最初から自分好みのパーツチョイスで組み上げた方が財布に優しく、尚且つ精神的な満足度も高いのでは?
そういった結論に至ります。
また、オンロード車はロード系ミニベロを除いて長らく手付かずな分野だったので、ここらでブルーオーシャンに漕ぎ出し、少しずつ学んでいくのも悪くありません。
バラ完の要となるフレームは、KONA「ROVE ST DL」の2022年モデルで、国内では単体販売されていないシロモノ。
何気にロゴが80年代POP調で可愛らしいですが、KONA ROVEはコスパとカスタマイズ性に優れる大人気シリーズで、グラベルバイクとしてだけでなく多用途に使えるのも魅力。
状態の良いフレームが単体で手に入って本当に幸運でしたが、個人的に内装タイプのドロッパーシートポストに未対応なのが、唯一の不満でしょうか。
実は、ジェイミス レネゲードと悩んだ際に、決め手となったのはセンタースタンドが取付けやすいか否かでした。
レネゲードは内装ドロッパー対応だけど、センタースタンドの取付けが高難易度。
KONA ROVEは内装ドロッパーに未対応だけど、センタースタンドの取付けが容易。
両者にはこういった違いがあり、普段使いの生活車としても使いたいなら割と見落とせない要素です。
そして、こちらが本来の完成車としての姿。
BBやクランクまわりがSRAM旧規格のGXPだったり、ブレーキがワイヤー引きで油圧ピストンが動作するTRP「HY/RD ハイロード」だったり、クランクが主流のフロントシングルだったりと、コスパと機能を両立させた中々面白い構成になっています。
気になる足まわりは最近よく耳にするロードプラス規格で、650B x 47という一昔前のMTB顔負けな組合せ。
規格といってもWTBが提案している運用法のひとつで、650B x 47タイヤと700C x 28タイヤは外径が同じ。
だったら、タイヤは太い方が乗り心地が良くなる!
こういった考え方が元になっています。
また、他の条件が概ね共通しているなら、タイヤが太い方が転がり抵抗が小さくなるといった、シュワルベによる定説を覆すエビデンスも、少なからずロードプラスを後押しする手助けになっている模様。
もちろん、程度がありますしタイヤの重さも無視できませんが、最近のロード用タイヤが23c⇒25c⇒28c⇒30cと、ディスクロード化との相乗効果で、着実に太くなっているのは確かです。
さて、完成車の構成を参考にしてバラ完を進めて行く予定ですが、MTB乗りの私をいきなり困惑させたのが、ブレーキ台座のフラットマウント規格。
MTB用ではポストマウントタイプが主流ですが、ロード用のフラットマウントはフレームの下側からボルトを貫通させて、キャリパーを固定するという方法が採用されています。
フラットマウント規格は前述の性質上、フレームの厚みに即した長さのボルトをチョイスする必要があり、予めフレーム幅を知っていないと、正しいボルトを選ぶことができません。
ボルト長がフレーム幅に依存するため、キャリパーのパッケージには固定ボルトが付属していない場合が多く、後で無駄な出費を要求されるという、ちょっと厄介な仕様になっています。
まあ、ロード系規格だけに見た目をスッキリさせたいんだろうな……
そんなふうに自分を納得させましたが、リア側をここまで不親切にしておきながら、フロント側はポストマウントとほぼ同じ取付方法という驚愕の事実。
こっちは貫通してないんかい!
シマノ純正の「ちょぼ」付き専用ボルトの件も含めて、色々とツッコミどころの多い規格に思えました。
ぼちぼちパーツを集め始めていますが、フレーム・ホイール・コンポでもう予算が尽きてしまったので、組み上がるのは初夏くらいになりそう。
因みに、ドライブトレインはやっぱりGRXになりました。
画像のリアディレイラー「RD-RX812」は最大42Tに対応していますが、シマノ非公認ながら最大46Tのスプロケも使えるそうで、フロントに社外製38Tチェーンリング、リアにキャパオーバーの46TといったMTBライクな構成を夢想中。