ゆるチャリ乗りの私にとって『自転車で使う手袋』といえば防寒グローブを意味します。
手のひらが痛くなりづらい、ロングライドで疲れづらい、不意の転倒で手のひらを保護してくれるなど、サイクルグローブの有用性を理解しつつも、季節を問わず使い出したらガチの自転車乗りになってしまう…といった妙な先入観から、冬場以外の使用に中々踏み切れないでいました。
手が痛くなりやすいストレートバーやライザーバーハンドルを使う機会が増えたことと、以前から気懸りだった紫外線アレルギー気味の体質から、ようやくサイクルグローブを使う覚悟を決めましたが、やはり気になるのが暑くなる夏場の使用感です。
単純に涼しさだけを求めるなら、素手やフィンガーレスグローブに日焼け止めを併用するのがベストでしょうが、ベタついたり滑りやすくなったりするのは個人的に好みではありません。
前述の通り私は紫外線に弱い体質なので、多少暑苦しくても日焼け止めの不快感を気にすることなく、指先までしっかり覆ってくれるフルフィンガータイプの方が有難いですね。
フルフィンガーなのに夏でも涼しい…そんな都合の良いサイクルグローブなんてあるの?と思うのですが、今回は3シーズンまたはサマーシーズンに対応したフルフィンガーサイクルグローブを幾つか紹介してみます。
夏でも使えそうな『フルフィンガー』サイクルグローブ一覧
私が購入候補にしたフルフィンガータイプのサイクルグローブの中から、夏でも使えそうな製品を簡単に紹介してみます。
傾向として、完全な『夏用』は数える程しか無く、春・夏・秋の3シーズン用を『夏でも使える』と称している製品が殆どでした。また、オマケ程度の機能ですが、ほぼ全てのグローブがスマートフォン等のタッチパネル操作に対応しています。
余談ですが、サイクルグローブは季節商品かつ毎年モデルチェンジする性質からか、欠品しがちな製品が多かったですね、気に入っていたグローブでも翌年はいきなり廃番に…買い逃しても次の入荷は無し…なんてことも珍しくありません。
ASSOS/アソス RS Aero FF Gloves
まずは『ASSOS RS Aero FF Gloves』ですが、こちらは希少な完全夏用サイクルグローブです。
個人的に親指に汗拭きパッドが備わっていると嬉しかったのですが、グローブに手のひらパッドのみのシンプル設計でした。
透けて見えるほど生地が薄く、UVカット・吸汗速乾・通気性に主眼を置いたグローブですね、価格が¥10000弱と高価なだけに耐久性が気掛かりです。
Specialized/スペシャライズド RENEGADE GLOVE LONG FINGER
お次は『Specialized RENEGADE GLOVE LONG FINGER』で、こちらも数少ない夏用サイクルグローブです。
甲側にメッシュ素材、手のひら側には穴開きの薄いCoolskinと、通気性とフィット感に全振りな仕様です。手のひらパッドが無いので柔らかめのフォームグリップと併用した方が良いかも知れませんね、トレイル用なのでロードバイクには向かないかも。
KAPELMUUR/カペルミュール サイクルロンググローブ
こちらの『KAPELMUUR サイクルロンググローブ』はカジュアルライド用として高い人気を誇る、3シールズン用の製品です。
UPF50+とUVカット性に優れ、手首まで覆ってくれる長めの作りになっています、普段使いでも違和感なく、スポーティー過ぎない見た目が好印象ですね。
ストレッチ&速乾吸汗性を備えた薄手の生地とはいえ、真夏に使うには少し覚悟が必要でしょうか?過度な期待は禁物です。
C3fit/シースリーフィット 3PAD NEO-FIT FULL FINGER GLOVE
サイクルグローブなんてリリースしてたの?なんて思ってしまいますが、この『C3fit 3PAD NEO-FIT FULL FINGER GLOVE』は中々の逸品です。
一見すると手のひら側の通気性に劣る印象がありますが、甲側には速乾性と通気性に優れる薄手の素材、指の側面にはメッシュ素材が使われ、全体的に蒸れづらい作りになっています。
手のひらパッド・汗拭きパッドも備え、サイクルグローブとして卒の無い仕上がりでしょうか、残念ながら少し古い製品らしく、現在は入手しづらいのが難点ですね。
一応、3シーズン用ですが夏用を強く意識した作りになってます。
SHIMANO/シマノ ORIGINAL ロンググローブ
シマノ製だけに、こちらの『SHIMANO ORIGINAL ロンググローブ』もサイクルグローブとして卒の無い仕上がりです。
C3fitと比べると通気性に劣る印象で、3シーズン用だけに盛夏に使うと暑苦しさを感じるかも知れせん。
シマノ製のフルフィンガーグローブは『夏はフィンガーレスを使ってください』的な割り切ったラインナップになっているのが少し残念ですね…質が良いだけに惜しいです。
mont-bell/モンベル サイクルグローブ
登山用品のイメージが強いモンベルですが、自転車用品も結構リリースしています。
画像左が清涼・速乾素材のウイックロンクールを使用した『サイクールグローブ』で、カペルミュール製と同じく手首の日焼けを防ぐために長めの作りなっています。
画像右が甲側にステンレスメッシュ素材を使用した『ステンレスメッシュ サイクルグローブ』で、ステンレスメッシュ素材には遮光性と遮熱性を高める効果があります。
登山用グローブで培ったノウハウがありコスパも良いですが、モンベルだけに見た目の好みがハッキリと分かれるかも知れません。
premier / プレミア サマーCOOLグローブ
情報が少なすぎて出所すら不明ですが、この『premier サマーCOOLグローブ』も使えそうです。
SHIMANO ORIGINAL ロンググローブに似た3シーズン用のサイクルグローブで、薄手でフィット感が良く、手のひらパッドは過剰なくらいしっかりしています。
どちらかといえばロードバイク向きのグローブですが、デザインに癖が無くコスパの良さも光りますね、恐らく大元は中華メーカーでしょうけど。
GIRO/ジロ XNETIC TRAIL GLOVE
トリを飾るのが、こちらの『GIRO XNETIC TRAIL GLOVE』です。
本来はトレイル用だそうですが、控え目でカジュアル寄りの外観が人気を集め、アーバンライド用として重宝されているサイクルグローブです。
全体的な作りは前述のC3fit製に似ていますが、こちらは汗拭きパッドが無く、手のひらパッドも若干控えめになっています。
パッドのある手のひら側を見せなければ、普通の手袋に見えるくらい癖がありませんね、街乗り用に重宝されるのも納得でしょうか。
街乗り向きな『GIRO XNETIC TRAIL GLOVE』を購入
さて、トップ画像でお察しいただけたように、私が購入したのは『GIRO XNETIC TRAIL GLOVE』です。
真夏だけに使うなら、アソスがスペシャの夏用グローブでも良かったのですが、時期的にまだ肌寒かったので3シーズン用を試してみました。
通気性が良く、汗拭きパッドもあるC3fit製と最後まで悩んだものの、見た目のカジュアルさと入手性の良さが決め手になった感じでしょうか。
グローブの表裏はこんな感じです、甲側は強度とストレッチ性のある特殊なニット素材、手のひら側はフェルト地っぽい素材になっていて、安っぽく見えるテカテカの合皮が一切使われていません。
タグを確認してみると製造はベトナムでした、今回選んだのはMで、手囲いが20~23cmくらいの方が丁度良いサイズですね。
価格は¥5000とやや割高ですが、グローブの質感は値段なりにしっかりとしていました。
細部を確認してみると薬指と小指にはプロテクターらしきものがあり、この辺にトレイル用グローブの面影が見て取れます。
親指と人差し指にはタッチパネル対応のステッチが施されています、この部分だけ別素材が宛がわれいるケースが大半なので、結構珍しい仕様です。
因みに、感度は予想通りイマイチですね…今まで色々な手袋で試してきましたが、どれも似たり寄ったりなので、いまさら落胆はありません。
強度のある特殊なニット素材は、着用すると網目が広がって通気性が増す仕組みになっていますが、親指を除く指の側面は最初から粗目のメッシュ地になっていて、着用すると指が外から透けて見えます。
気温は低いものの天気に恵まれたので、早速着用してみました。
手首部分にはフィット感を調節するベルクロが無いので、手入れの際に多少の圧迫感はありますが、ニット素材だけにフィット感が良く、着脱時にストレスはありませんね。
ジロのグローブは指が長めに作られていると聞いていたのですが、不思議とジャストサイズでした、因みに私は手首から中指の先端までが20cm弱くらいです。
続いて、操作性やパッドの効果を確かめるために、近場を軽く試走してみます。
走り始めて最初に気付くのがメッシュ部分の通気性の良さです、意図的に指の間を広げると風が抜けるスースーとした冷涼感があり、思っていた以上に効果的に働きます。
ハンドルを縦に握るロードバイクやブルホーンハンドルの自転車なら、指の側面に自然と風があたるので、特に意識しなくても涼しく感じるかも知れませんね。
フラットバーなら意図的に指をギュッと閉じて、防寒グローブとしても使えるのが面白いです。
結局、30kmほど走っても操作性に問題はなく、暑くて蒸れたり逆に寒かったりすることもありませんでした、フィット感が良いので小銭をそのまま摘まめるのもGOODでしょうか。
さて、概ね満足な結果でしたが、手のひらパッドは極々普通の評価ですね…必要最低限のクッション性なこともありますが、パッド位置が親指母指球とは反対側にあるせいか、エルゴグリップではイマイチ恩恵を感じませんでした。
まとめ
真夏に使えそうなフルフィンガータイプのサイクルグローブを幾つか紹介してみましたが、やはり3シーズン用が大多数ですね。
同じ3シーズン用でもメッシュ地の有無で効果に差が出るので、その辺りに注目すると失敗が少ないかも知れません。
ついでに紹介しますが、登山用のモンベル『WIC.クール ライトグローブ』もなかなか良さそうでした、パッド無しの超薄手グローブなだけにロングライドには全く向きませんが、UVカットだけに目的を絞るなら十分に使えそうです。