冷静に考えると、これが『平年並み』ってヤツでは…と思うのですが、ここ数年間が暖冬過ぎたために、大雪や豪雪と呼べる状態にあります。
自ずとファットバイクで出走する機会も増え、今シーズンは脚を鈍らせないまま春を迎えることが出来るかも知れません。
さて、ファットバイクに乗り始めてから六年以上になりますが、近頃は一歩引いた視点でスノーライドの楽しみ方を模索中。
以前なら、深い雪道を突き進む…そんなファットバイクの『走破感』を一番大切にしていたのですが、残念ながらそんなやんちゃができる体力が加齢とともに失われつつあります。
アドベンチャーライド寄りから、ゆるポタ気味のファンライドへ、そう心に決めて出走してみますが、正直これぐらいの雪道が一番走りやすく感じますね。
たとえスノータイヤでも、やっぱりアスファルト上の方が走りやすいだろ…そんなふうに思っていたのですが、高いタイヤノブと極低圧0.35barのコラボは流石にひと癖あります。
融雪剤でアスファルトが剥き出しになった舗装路の方がタイヤの抵抗感が強く、除雪が行き届いた幹線道路沿いでも、わざわざ雪の残る路肩のラインを選んでしまうくらい前に進んでくれません。
正直、幹線道路沿いは並走する自動車に気を遣わせますし、トラックにカフェオレ色のミストシャワーをサービスして貰えることも多いので、適度に除雪された生活道路くらいが私の好みです。
サイクリングロードと一般道の合流地点は相変わらずの有様で、すっかりバリケード化していました。雪山を作らないロータリー除雪車ならこうはなりませんが、雪を路肩に寄せるだけのショベル除雪車だと避けられませんね。
以前の私ならファットバイクを担いで突破し、奥に続いているサイクリングロードを無理矢理走っていたところですが、ここは当然スルーしてゆるポタを続行。
挑んだら間違いなく汗だくになりますし、その後の汗冷えとスタミナ切れで即帰宅となるでしょうから、このまま適度に除雪された道を目的地を定めず進み続けます。
先日交換し、回転の渋さが気掛かりだった新ペダルも既に問題を感じない状態にまで馴染んでくれました。
ここに至るまでに、ペダルを吹き溜まりに突っ込んだり、路肩の雪塊に何度もヒットさせたりもしましたが、シンプルな形状ゆえに着雪や雪詰まりが全く起こりません。
前回のライドでは、分厚く硬いアウトソールの靴だとショートピンが若干滑りやすくなると感じたので、今回は靴底が薄く柔らかい別のスノーシューズに変更して無事解決。
こちらは滑らない冬靴として雪国民に密かな人気のコロンビア『サップランド』、まったく滑らない!なんてことは勿論ありませんが、防滑性は体感で5割増しくらいにはなってくれます。
ブーツタイプにつき本来ならパンツの裾をインして履くところですが、内側にあるサイドジップの持ち手がクランクアームにカチカチと干渉するため、裾をかぶせて対処しています。
ぶらぶらしているジップタイを外せばそれで済む話ですが、こういった時はパンツの裾部分に簡易のゲイター機能が備わった、ノースフェイス『バーブサーマルパンツ』が重宝しますね。
普段は隠れているフックを靴紐に引っ掛けるだけで、靴内に雪が侵入するのを防げますし、ペダリング動作で裾がずり上がってしまう煩わしさもありません。
まあ、パンツそのものの防寒性はイマイチなので単体では使っていませんけどね…
今回初めて試してみましたが、除雪済みのルートを気ままに選んで進むのも楽しいですね、トライ&エラー感があって、タンジョン攻略みたいな面白さがあります。
無雪期のライドだと、同じ日に同じルートを通ったり、同じ道をそのまま引き返したりすると損をしたような心持ちになりますが、有雪期なら全然アリな気がしますね。
一度通過した道は、路面状況が把握できているのでリラックスして走れますし、たとえ未除雪でも自分のタイヤでラッセルされたラインは折り返しが苦になりません。
天候や除雪状況によっては、数日後に進めるルートが大幅に変わっている…なんてこともあり、自動生成ダンジョン的な要素が加わる予感も。
因みに、如何にもゲームっぽく例えていますが、本人は全く嗜みません。未だに『ゲーム=初代PS』くらいの認識で止まっています。
行き当たりばったりなゆるポタ風に宗旨替えしたせいか、この時期としては珍しいくらい長時間のスノーライドが楽しめました。
ファットバイクは雪深いコースを攻めるべし…そんな謎の義務感は捨ててしまってOKですね。悠々長々と乗れる方が今の私には向いています。
余談ですが、除雪済みのルートを積極的に選んだ副作用として、ところどころ路面が融雪剤でビチャビチャになっていたり、みぞれ状になっているウエットコンディションが一気に増えました。
走行中は前後の簡易フェンダーだけじゃお尻や背中がヤバいかも…と必要以上に警戒しましたが、不思議と水はね&泥はねの被害はゼロ。
うろ覚えですが、時速10km以下の低速だとリアタイヤからお尻まで水滴が届かないと聞いたことがあります。低圧のファットバイクだとスピードが出ずに、ギリギリ被害を免れたのかな?
それでも、サドルに取付けている一点留めのサドルバッグにはしっかりカフェオレ色の飛沫が付着していたので、この時期のファットバイクには意外と『ASS SAVERS/アスセイバー』のような、サドルレール取付式のリアフェンダーが有効なのかも知れません。