自転車も涼しくなる?『腰掛け扇風機/ベルトファン』の率直な感想

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前回の更新で自転車で試してみたくなる、ちょっと気になる冷却アイテムについて話題にしました。

サンコーの『ネッククーラー』もソニーの『レオンポケット』もペルチェ素子を利用して、ポータブル冷蔵庫に近い方法で涼感を得る仕組みでしたが、個人的に気になっていたアイテムがもう一つだけあります。

それは『ベルトファン』こと腰掛け式のポータブル扇風機で、巷では『手持ちの服を簡易空調服化できる!』なんて眉唾モノの売り文句で販売されています。

正直、よくある首掛け式のポータブル扇風機をベルトに取付けられるようにしただけの製品で、半密閉状態で風を循環させているガチの空調服には及びもつかないでしょう。

ですが、個人的に使い方次第では化けるかも……と思わてくれる何かを感じます。

所詮は風量の乏しいミニ扇風機ですし、簡易空調服化はとってつけたようなオマケ機能みたいなモノですが、ひょっとしたら暑い時期の自転車や散歩&ウォーキング時に少しは役立ってくれるのでは?

そんな淡い期待を抱きつつ、今回は私が実際に購入した腰掛け式扇風機の感想と共に、ベルトファンの選び方や自転車との相性について話題にしてみます。

見た目がGOOD!ベルトファン『iFan BodyBlow/アイファン ボディブロー』の詳細

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某アマゾンなんかでポータブル扇風機を探すと『令和最新版』の中華製で溢れ返っていますが、今回私が選んだのは日本メーカーがリリースしている『iFan BodyBlow/アイファン ボディブロー』というベルトファンです。

製造国は中華なものの、カジュアルウェアに合わせやすいデザインやカラーバリエーション、細部の作り込みが購入の決め手になりました。

カラーバリエーションはホワイト・グレー・ベージュ・ネイビーの四色で、画像左がノーマルタイプ、画像右がバッテリー容量と風量が約二倍に強化された『iFan BodyBlow W』です。

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私が購入したのは、ノーマルタイプのベージュカラーで価格は3000円ちょっとでした。

購入前にツインファンの 『iFan BodyBlow W』とどちらにすべきか悩みましたが、390gという重さとポーチみたいな外観が引っ掛かったので今回はスルーです。

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パッケージにはスペックや使い方の説明書きがあり、バッテリー容量は4000mAh、風量調節は三段階、腰掛け式扇風機としても首掛け式扇風機としても使えます。

稼働時間は『弱』で13時間、『強』で3.5時間、最も使用頻度が高いと思われる『中』での記載はありませんが、恐らく5~6時間といった感じでしょうか。

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同梱品はベルトファン本体、取説、ネックストラップ、USBケーブルの四つで、パッケージ内にコンパクトに収まっていました。

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購入前にレビューで知っていましたが、充電端子はマイクロUSBと一昔前の規格なのが残念です。他の機器と入れ替わり立ち代わりで充電するような場合には不便に感じるかも知れませんね。

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実重量は206gとほぼカタログスペック通りで、5インチスマホよりも若干重いくらいです。

本体サイズは幅 85mm x 奥行き 50mm x 高さ 100mmで、首掛け専用タイプと比べて奥行(厚み)にボリュームのある作りになっています。

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個人的に、最も魅力を感じたのがこの部分。

ベルトに取付けるフックが強めのクリップ式になっていて、ただフックを引っ掛けるだけの他製品と比べて脱落しづらくなっている上に、取付け場所の自由度も向上しています。

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ブラブラするのが嫌なので使用予定はありませんが、首掛け用のネックストラップも付属していて、使用しないときは本体からワンタッチで外せます。

もちろん、ベルトファンとして使う場合は不要ですが、ボトムスのベルトループに結び付けて、本体落下防止の安全装置としても機能するみたいですね。

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公式によると、腰掛け式や首掛け式の他にバックパックのベルトに取付ける3WAYな使い方もあるそうで、バックパックやショルダーバッグのベルトにマウントする方法はクリップ式ならではですね。

何となくアクションカメラのGoProを思い起こさせ、左右のショルダーベルトに斜めに取付けることもできますし、顔部分にダイレクトに送風するのも中々涼しそうです。

ちょっとしたエアカーテンみたいにもなりますし、吸引口にフィルターが無いとはいえ、自転車やウォーキング時には簡易な虫除けとしても使えるかな?

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空気の吸引口は正面のみで、ファンの下半分しか開放されていない仕様です。

他社製には吸引口がフルオープンになっていたり側面や下部からも吸引できるタイプのあるので、少し気になる部分でしょうか。

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空気の吸引口が正面に設けられている兼ね合いからか、衣類の裾が吸引口を塞がないようにする工夫は他社製よりも優れています。

他社製は簡単なフックがついているだけの製品が多い中、こちらは使いやすいマグネット式になっていて衣類の裾をしっかりと挟み込めるようになっていました。

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着用するトップスの素材や質感にも寄りますが、この部分の作りがしっかりしていないと吸引口を塞いでしまう以外にも、衣類のたわみでベルトファン上部にある空気の吹き出し口も塞いでしまい、本来の機能が発揮されません。

上画像が悪い例で、テスト用に挟んだウエスがベルトファンの吹き出し口を塞いでしまっていますね。

お察しの通り、素材が柔らかすぎたり、フィット感がタイトなトップスはベルトファンとの相性が悪いので注意しましょう。

特にサイクルジャージとの相性は最悪で、そもそも空気が衣類内を吹き抜ける余地が全くありません。

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最後に、操作系・稼働音・吹き出し口の仕様についてですが、吹き出し口の作りは至ってシンプルですね。他社製には風向きを調節できる製品もあるので、今後のリニューアルに期待したいところ。

さて、個人的に一番ガッカリしたのが操作系でしょうか、起動はボタン長押し、その後プッシュする度に『弱 ⇒ 中 ⇒ 強』と風量が変化してくれるのですが、強の次がオフという謎仕様になっています。

オフもボタン長押しじゃダメなの?とツッコミたくなるほど使い勝手が悪く、おまけにボタンの位置がちょうど衣類の裾で覆い隠されてしまう上部にあるなど、ベルトファンとして使う場合に不都合な点が目立ちます。

クリップ式のマウントやマグネット式のフックが秀逸なだけに、この部分だけは本当に残念に感じますね。

気になる風量と稼働音ですが、『弱』はノートパソコンの冷却ファンと同程度、『中』はドライヤーの弱くらい、『強』は小型の卓上掃除機を少し大人しくしたくらいでしょうか。どの強度でも風量に大きな変化はなく、流速や風圧が段階的に強くなり、風の到達距離も伸びていきます。

個室だと『中』レベルから稼働音を意識しますが、屋外や商業施設内だと全く気になりません。弱から中への音量変化が大きく感じ、中から強へ変化はそれほど大きくない印象ですね。

屋外メイン&『中』で使うなら特に耳障りに感じることは無く、自転車なら『強』でも無問題です。

使える?使えない?自転車&徒歩で『ベルトファン』を試した感想

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予想していたよりも外観がコンパクトだったので、本当にこんなので大丈夫なのか?という疑念を持ちつつ、取り合えず室内で使用テストしてみました。

さて、ベルトファンといっても所詮は小型の扇風機な訳で、体温並みの36度前後の気温では単なるドライヤーとしてしか機能せず、失敗だったかなぁ…という感想が漏れます。

普通の扇風機でも生ぬるい風が肌を撫でるくらいですから、当たり前なんですけどね。

後日、気温31度前後で風の強い日に徒歩で使用してみたところ、屋内よりも効果は感じるものの、天然の強風に負けてイマイチ有難味を実感できません。

正面側と背中側の両方で試しましたが、個人的には背中側の方が好みですね、体に感じる風よりも少しだけ涼しい風が背筋を撫でる感覚があります。

恐らく、ベルトファンの性能云々よりも着用するトップスとの相性や吹き出し口の向きも関連していて、タイトすぎる衣類ではせっかくの風が生地表面で霧散してしまい、単なる衣類乾燥機と化します。

風が通り抜けるような感覚を得るには、体と衣類の間に適度な余裕があり、尚且つ首元に出口が必要ですね。更に吹き出し口の角度調節機能が備わっていれば、結果は随分と変わってくると思います。

この時点で、衣類の内部に風を通すベルトファン本来の使い方よりも、腰の前面に取付けて顔めがけてダイレクトに送風したり、首掛け式として使った方が涼しいのでは?と薄々感じていたのですが、最後にメインディッシュとなる自転車で試してみることにしました。

公式で紹介されている上画像のような使い方で試してみましたが、結果は惨敗…向い風では天然の風に負けて『強』でもベルトファンの恩恵を感じず、追い風では衣類が肌と密着してしまい風が通り抜ける感覚が全くありません。

素直に首掛け式扇風機として使うか、バックパックと併用かな…と落胆しましたが、最後の最後に腰の正面で試してみることにします。

意外なことに、これが効果覿面でした。

前傾姿勢になるので、衣類と体には自然と風が通り抜ける適度が空間ができ、吹き出し口からの空気の流れが気持ちよく肌を撫でてくれます。

おまけに前傾姿勢で僅かに撓んだ首元からは、ちょうどいい感じに空気が抜けてくれて、『強』で運用すると顔まで涼しく感じます。

この方法だと強風でも不思議と機能が妨げられることはなく、向い風でも追い風でもベルトファンの機能が損なわれませんでした。

実のところ、太腿が干渉してペダリングの邪魔になるのでは?という理由から正面に取付けることを全く考慮していなかったのですが、スポーツ車の前傾姿勢でもベルトファンは全く干渉しませんでした。

あくまでもMTBでの話ですが、クロスバイクくらいなら余裕だと思います。

一通りライドしてみた結果、一番恩恵を感じたのはやはり信号待ちの時ですね。いつもなら停車した瞬間に不快な熱気に襲われるのですが、ベルトファンが適度に走行時とのギャップを埋めてくれました。

杞憂かも知れませんが、最後に一つだけ気になる点があります。

背中側で使用する分にはなんら問題はありませんが、吸引口にフィルターが備わっていないだけに虫を吸い込んでしまわないか心配ですね。

虫の多い河川敷を走っても、そういったトラブルはありませんでしたが、下手をすると虫の発射装置ないし粉砕装置になりかねません。これだけは気に留めておきたいところです。

まとめ

色々と使い方の難しい商品なのは間違いありませんが、非サイクルジャージ派なら試してみる価値はあります。

流石に気温36度オーバーでは無力かも知れませんが、腰部の正面に取付けて使うことで、素でライドするときよりも確実に涼しく感じました。

『背中ではなく正面で!』これがベルトファンを自転車で使う際のコツでしょうか。

『iFan BodyBlow/アイファン ボディブロー』に吹き出し口調節機能があれば更に良かったのですが、この製品のキモはやっぱりクリップ部分の自由度ですね。

前述したように、バックパックのショルダーベルトに取付けて、ポータブル扇風機としてだけでなく虫除けのエアカーテンとしても使うもの面白そうです。

因みに、マニュアル等に記載はありませんが、アイファンはUSBケーブル充電中でも動作します。

モバイルバッテリーで稼働時間を延長できる可能性もあり、真夏のロングライドでは重宝するかも知れません。

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【追記】私の願いが届いたのかはわかりませんが、『iFan BodyBlow/アイファン ボディブロー』に後継モデルが登場してくれました。

製品名は『iFan BodyBreeze/アイファン ボディブリーズ』でボディブローよりも普段使いに向いた機能とデザインが採用されています。

コンパクト化によりバッテリー容量が800mlになったため、最大風量で1時間ほど最小風量でも3.5時間ほどと自転車で利用するには力不足が否めませんが、ボディーブローの欠点が殆ど補われた仕様に。

サイズは幅 81mm x 奥行き 33mm x 高さ 108mmで重さは110gと半減、USB充電端子は念願のType-Cへと変更されています。

特筆すべき点は空気吸入口の変化で、マグネット仕様のフックで衣類を固定しなくても吸気を邪魔をされない形状に進化しました。

ボディーブローと比べて使用時の見た目が良くなったのはもちろんですが、空気吸入口が真正面では無くなっことで個人的に懸念していた虫の発射装置ないし粉砕装置化の心配が大幅に薄れたのも嬉しいところ。

唯一ネックとなるのはやはり稼働時間の短さですが、前述したように給電しながらの稼働ができるためモバイルバッテリーとの併用を試してみたくなります。

仮に2個同時に使用してもボディーブローとほぼ変わらない重量なので、背面に二つや背面と前面に一つずつなんて使い方も面白そうですね。

自転車での使用を重視したいなら従来型のボディブロー、自転車の他に普段使いも意識するなら新型のボディブリーズ。

そういった選び方になるでしょうか。

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