私がファットバイクに乗り始めた当初、携帯品はAUBSのチェーンロックと携帯ツールの2つくらいでした。
シェルタイプの中サイズサドルバックに丁度良い感じに収まり、往復で20km程度の距離なら仮にトラブルがあっても押し歩きでも十分に帰宅できるため、その装備でも不安はありませんでした。
ですが、ファットバイクでのパンクを経験し、タイヤがリムから外れやすい5インチタイヤのファットバイクでは、長距離どころか短距離の押し歩きでも困難である事を学んでからは、予備のチューブと大容量の携帯ポンプを持ち歩くのが必須となり、必然的に中サイズのサドルバッグでは力不足となりました。

ファットバイクは予備チューブ一つとっても大きさがソフトボールくらいあり、通常のサドルバッグではチューブひとつ収納しただけで、スペースに余裕がなくなってしまいます。
それに加えて鍵や携帯ツール&ポンプ、その他諸々を持ち運ぶとなると、流石に他の手段を探さなければなりません。
バックパックを使うといった、お手軽な方法もあるのですが、最終的に私が選んだのは大容量のフレームバッグに携帯品を全部まとめて放り込んでしまう方法でした。
ファットバイクに相性抜群な大容量『フレームバッグ』

私が使っているのは、Blackburn(ブラックバーン)から発売されている『アウトポストフレームバッグ』という製品で、限定カラーのカモフラージュ、サイズはM(ミディアム)です。
あえて大容量のサドルバッグではなくフレームバッグを選んだ理由は、サドルバッグよりも荷物の出し入れが容易な点とファットバイクに不可欠な大容量携帯ポンプを丸ごと収納できてしまう点です。
因みに、ドロッパーシートポストを使いたい場合も、相性問題の無いフレームバッグの方が都合が良いですね。シートポストが伸縮する仕組み上、大半の中型・大型サドルバッグが使えませんから。

さて、サドルバッグの多くでは30cm近い大型携帯ポンプを収納できず、フレームに直接取り付けるしかありませんが、このフレームバッグにならばそのまま放り込めてしまいます。
5.8Lを誇る大容量を活かし、携帯品一式はもちろん出先での荷物をアバウトに収納できるのが魅力で、ママチャリの前かごの様な使い勝手の良さが大変気に入っています。
ハイドレーションシステム用の穴が備わっているため完全防水ではありませんが、高い防水性があり普通に使う分には充分でしょうか。
Mサイズの寸法はL420mmxW65mmxH160mmで重量は380g、28cm長の携帯ポンプ、予備チューブ、携帯ツール、修理用パッチ、チェーンロックなどを余裕で収納できます。
幅が6cm以上あるのでペットボトルくらいなら、そのまま放り込むことも可能で、ちょっとした出っ張りさえ気にしなければバーナー用のOD缶も250サイズまでなら収納できるかも知れません。
また、下部のジッパーを開くと容量が拡張でき、フレームの三角形部分を覆うサイズのトライアングルバッグの様になります。
一年近く使用していて不満は全くありませんが、唯一の欠点はファットバイクのフレーム形状によってはボトルケージが排他利用になってしまう事でしょうか。
ホリゾンタルフレームではフレームバッグとボトルケージを両立できますが、スローピングフレームではボトルケージの取り付けスペースが厳しくなります。
私はドリンクボトルやボトルケージをあまり使用しませんし、前述の通りフレームバッグにはペットボトルを丸ごと放り込めるスペースがあるので不自由はありませんが、ドリンクボトルを積極的に利用する方はボトルケージマウントを他の場所に増設する必要がありそうです。
ファットバイクに使えそうなフレームバッグには他にもFAIRWEATHER(フェアウェザー)製があり、こちらもシンプルで使いやすい製品です。
ハイドレーションには対応していませんが、ブラックバーン製と形状のよく似た容量3.5Lサイズのフレームバッグで、対応するトップチューブ長は46~56cmと少し大きめのフレームサイズやホリゾンタルフレームのバイクに向いています。
フェアウェザー製にはコンパクトなハーフタイプのフレームバッグもあり、実はこちらの方がスローピングフレームの多いファットバイクに向いています。
容量は2Lと少なめですが、ポンプと予備チューブを収めるのには十分で、形状もボトルケージが使用できるように工夫されています。
全長も40cm程度と短めなので殆どのファットバイクに対応でき、携帯品用に必要最低限のスペースで十分な方にはフェアウェザー製のハーフサイズがベストかも知れませんね。
フェアウェザー製はフロントバッグ、フレームバッグ、サドルバッグ、コーナーバッグ、ステムポーチの各種収納バッグを好みの色やデザインで統一できるのも魅力で、バイクパッキングが目当ての方や外観にも拘りたい方に特にオススメなブランドでしょうか。
サドルバックを選ぶなら定番の『ORTLIEB(オルトリーブ)』

私はアバウトに何でも放り込める使い勝手の良さや、携帯ポンプの収納のしやすさを重視してフレームバッグを選びましたが、携帯ポンプをフレームに直接取り付ける方や15cm程度の携帯ポンプをお使いの方なら、ORTLIEB(オルトリーブ)のサドルバッグも実用的かもしれません。
上画像のオルトリーブは旧モデルのLサイズですが、大容量かつ防水性に優れておりサイズスペックよりも多くの携帯品を収納できることが知られています。
収納口を折り畳んで閉じる独特の構造をしていて、Mサイズでもソフトボール大の予備チューブが十分に収まりますし、使用頻度の低い予備チューブを一番奥に押し込めれば手前の余ったスペースを普通のサドルバックの様に活用できます。
オルトリーブのサドルバッグはフェアウェザー製のハーフサイズと同様にボトルケージを活かしたい方や、必要最低限のスペースで十分な方に向いているしょうか。
まとめ
最近は超軽量かつでコンパクトなTPUチューブなんて便利な物が登場し、ファットバイクをチューブレス化する方も増えてきたため、以前ほど大きな収納スペースを必要としませんが、ママチャリの前カゴのような使い勝手はなかなか手放せません。

個人的にファットバイクは見た目も含めてフレームバックとの相性は抜群だと感じるので、未経験の方は是非とも試してみて欲しいですね。
ドロッパーシートポストを装備したお陰で、収納スペースが無くなってしまった…なんて方にもオススメな方法でしょうか。