歪みや油分は大敵!繊細なディスクローターを守る保護グッズあれこれ

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セットアップが無事に完了すれば、あとはメンテナンスフリーの手間いらず……

油圧式ディスクブレーキの長所として語られるセリフのひとつですが、正直これには賛同しかねます。

全く予備知識の無い状態だと尚更で、遅かれ早かれトラブルに見舞われる「その時」がやってくるでしょう。

ディスクブレーキはリムブレーキと比べてデリケートなのは間違いなく、特にブレーキパッドとディスクローターの扱いには注意が必要。

どちらも油分には滅法弱いですし、ディスクローターは些細なことでも歪んでしまいがち。

サイクルショップで新車を購入した際に、リムブレーキなら特に説明を受けなくても問題はありませんが、ディスクブレーキはそうもいかず、割と軽視されている部分です。

納車時にシフトチェンジやホイールの取外し方についてのレクチャーは受けても、ディスクブレーキのタブーについては殆ど説明を受けることがありません。

初心者でも何となくディスクローターには触れちゃいけない雰囲気があるのを本能で察しますが、コイツが熱を発する凶器と化す上にスペランカー並みの虚弱体質であることは知る由もないのです。

せめて「油分」や「歪み」からは守ってあげようということで、今回はディスクブレーキまわりを保護してくれるお役立ちグッズを幾つかピックアップしてみました。

メンテ・洗車・輸送時に役立つ、人気の「ディスクブレーキカバー」

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まずはこちら、いわずと知れたディスクブレーキカバーです。

画像のMUC-OFF「Disc Brake Cover」が特に人気で、一度使うと手放せなくなる方も多いとか。

ブレーキキャリパーとディスクローターを丸々覆ってしまえる円盤状のカバーで、メンテナンスや洗車時に飛び散ってしまうオイル汚れやケミカル類からブレーキまわりを保護してくれる大変有難いシロモノ。

私はローターが汚染されるのが嫌で、メンテナンス時はディスクローターをいちいち新聞紙やポリ袋で覆っていたのですが、この製品の存在を知り歓喜した覚えがあります。

メンテナンスや洗浄時だけでなく、ディスクブレーキ車を車載する際の保護カバーとしても重宝し、汚れだけでなく鋭利なローターによる怪我や物理的な変形を予防してれる効果も。

前後用の二枚組で6500円程とお世辞にも安くありませんが、メンテや洗車時にブレーキまわりを過度に気にする必要が無くなるので、マメに愛車をお手入れする方ほど押さえておきたい製品でしょうか。

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因みに、GORIXからも類似品がリリースされていて、こちらは3000円前後と本家よりもリーズナブル。

MUC-OFF製でもGORIX製でも使用感に大きな違いはありませんが、採用されているマジックテープが強力という評価が聞かれ、力任せに外すと安価なGORIX製は破損しやすいとのこと。

また、どちらもカバーとしての働きは十分なものの、洗車時にジャバジャバやり過ぎるとフレームを伝って中に水分が侵入することがあるそうなので、防水性に関しては過度な期待は禁物。

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お次はこちら、先ほどのディスクブレーキカバーをメンテナンス&洗車用としてよりシンプルにした製品。

MTB用のベンダーフェンダーと同じ質感のPVC製のプレートで、画像のようにスプロケットの裏側に差し込むようにして使用。

主にリア用としてメンテや洗車時の飛散からブレーキまわりを簡易的に守ってくれる機能があり、盾のような使い方といえばわかり易いでしょうか。

構造がシンプルかつ素材も安価なだけに、お察しの通り中華製の独擅場となり価格は1000円前後が主流。

類似品が多すぎて最早どれが元祖なのかわからないカオス状態ですが、オレンジ色のENLEE BIKEが一応の有力ブランドみたい。

カーボンフレームの破損&傷対策に『プロテクターリング』を試す
転倒や車体の横倒しからカーボンフレーム保護する目的で「プロテクターリング」を購入。チェーンステーガードとしてだけでなく、トップチューブやフロントフォーク用のプロテクターとしても流用できる中々の優れモノでした。

どこかで見たことがあるロゴだと思っていたら、以前に購入したプロテクターリングをリリースしている中華ブランドと同一でした。

ぶっちゃけどの製品を選んでも大差は無いと思いますが、スプロケのオイル汚れがローター側に飛び散らないだけでも使ってみる価値はありそう。

屋外でホースを使った水洗車をするような方には、こちらのシンプルな物の方が向いているかも知れませんね。

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余談ですが、ちょっと面白かったのがこの画像。

合成丸出しのやっつけ仕事過ぎて思わず苦笑、フロントには滅多に使わない上にローター側への取付け、おまけに走行中というシュールさ。

何を意図した画像なのかが全くわからなかったのですが、ひょっとしたら「持ち運びも可能」という無茶過ぎるアピールの可能性も。

ローターを歪みから守る「ディスクブレーキプロテクター」

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続いてはディスクローターを物理的な変形から守ってくれるディスクブレーキプロテクターについて。

上画像は魅力的な輪行グッズを豊富にラインナップしているOSTRICH/オーストリッチの「ローターガード」で、輪行時にローターが変形してしまうのを予防してくれる製品。

運搬時に体にローターが当たって変形するのを防ぐだけでなく、不意にホイールを倒してしまった際にも物理的ダメージから守ってくれます。

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Φ12mm・15mmスルーアクスルに対応する前輪用となり、後輪には使えない点には注意が必要。

総寸の記載が無いため不明瞭ですが、ディスクロード向きの仕様なので恐らくMTBには未対応です。

工具不要で着脱でき使い勝手も悪くありませんが、本当に輪行専用といった作りになっていて、その他の用途には流用しづらいのが難点。

本音を言えば、前後両対応で車載やメンテナンス時にも使える汎用性が欲しかったところでしょうか。

良くも悪くもかなりニッチな需要を満たしてくれる製品と言えるかも知れません。

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もっと使い勝手が良く汎用性のある製品は無いものかと辿り着いたのがこちら。

ORUCASE「DISC ROTOR PROTECTOR」です。

ご覧の通り、ローターの表側をすっぽり覆ってしまう仕様で、物理的な刺激をシャットアウト。

輪行や車載時に力を発揮してくれるのはもちろんですが、ホイールを地面に直置きする際もローターの向きをいちいち気にする必要が無く、タイヤの着脱といったメンテナンス時にも大いに役立ってくれます。

あとは価格がお手頃なら文句はなかったのですが、MTB用が8000円弱、ロード用が12000円強と手を出しづらいお値段なのが残念。

因みに、ディスクローター専用のプロテクターとしては唯一無二の存在らしく、アリエクを漁ってもお値打ちな類似品は見付かりませんでした。

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最後にオマケで紹介するのがこちら。

ドイツのパーツブランド「TUNE」のディスクブレーキプロテクター。

走行中に使用するタイプの珍しいプロテクターで、本来の用途はローターを保護するのではなくローターから人間を保護するのが目的です。

ディスクローターは連続使用すると摩擦熱で200度以上に達しますし、高速で回転する円盤部分は指が飛び皮膚が裂けてしまうほど鋭利。

冷静に考えると、前後両輪に剥き出しの丸ノコを装備している訳ですから、この手のプロテクターが標準装備であっても何らおかしくありません。

気になって深掘りしてみると、情報の初出は2017年と随分前でどうやら製品化には至らなかった模様。

TUNEの公式HPにも情報は見当たらず、少なくとも一般人が使うホビーユースとしては製品化されなかったか、既に廃番になっているかのどちらか。

素材はカーボン製でフラットマウントタイプのブレーキ台座にワンタッチで取付け可能と、今リリースしてもそれなりの需要がありそうな気も。

まとめ

ディスクブレーキまわりを保護してくれるお役立ちグッズを幾つか紹介してみましたが、MUC-OFFのディスクブレーキカバー、ORUCASEのディスクロータープロテクター、このふたつが個人的にお気に入り。

特にディスクブレーキ対応のホイールに関しては、何かの拍子に倒れたり地面に直置きしたりといった雑な扱いがリスクになってしまうため、ローター用のプロテクターはもっと選択肢が増えて欲しいところでしょうか。

余談ですが、前々から疑問に思っていたのが、ディスクローターに素手で触れることの是非です。

一応、大手のブレーキメーカーは素手で触れることを非推奨としていますが、これは皮脂の油分による影響よりも火傷や怪我に対しての配慮な気も。

実際にベタベタとローターに触れてもハッキリと実感できるような制動力の低下は見られませんし、WEB上にも検証された方の動画が残っています。

人間の皮脂くらいならローターの過熱で揮発してしまうからでは?

そう思って調べてみると、皮脂が焼き切れるには300度以上の高温が必要だそうで、これはダウンヒル時に長時間ブレーキングしないと発生しない熱量とのこと。

影響は軽微だとしても残留するのは確かなので、素手で触れ過ぎたと感じた際はイソプロピルアルコールやディスクブレーキクリーナーで軽く脱脂するのが良さそうです。

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