高評価&親切設計なハズだけど…MUC-OFF製シーラントの使い方

高評価&親切設計なハズだけど…MUC-OFF製シーラントの使い方イメージ01

最近はマウンテンバイクだけでなく、ロードバイクやグラベルロードなんかでもチューブレスが当たり前になってきましたね。

正確にはシーラントを注入して使うチューブレスレディが大半ですが、パンク時にタイヤの穴をせっせと塞いでくれるシーラントにも性能差や得手不得手があります。

愛車をチューブレス化したことのある方なら、一度くらいはお世話になったことがあると思いますが、比較的良く知られているのはSTAN’S NO TUBESのタイヤシーラントあたりでしょうか?

牛乳みたいに真っ白で大変使い勝手の良いシーラントですが、無印タイプは穴を塞ぐ能力がそれほど高くはなく、タイヤのトレッド面が薄かったりすると、空気漏れが短時間で治まらなかったり、一度塞いだ穴がちょっとした刺激で再発するなんてこともあります。

そのまま走れ!が正解なのか…チューブレスの初パンクで学んだ対処法
チューブレスレディで初のパンクを経験。タイヤの空気圧が高いとシーラントと空気が勢いよく噴き出しますが、焦らずに『そのまま走る』のが一番の対処方法でした。穴が塞がっても再発しやすいので、タイヤ内側にパッチを貼って修理するのがオススメです。

分厚いトレイル用タイヤなら特に問題が無くても、トレッド面もサイド面も薄いグラベルタイヤやXC用タイヤでは力不足に感じる場面があり、私も過去にチューブレスの初パンクで狼狽しまくった経験があります。

このままじゃ少し頼りないかも…とSTAN’Sの無印シーラントから、同STAN’Sのレースシーラントへの鞍替えを考えたのですが、シーラントについて調べていくうちにクリーニング用ケミカルで知られるMUC-OFFのシーラントが高評価!といった、海外のレビュー記事が目に留まります。

最初はありがちな提灯記事かな?と思いましたが、実際に使用した方の評価も上々なようで、俄然このシーラントに興味が湧いてきました。

さて、例によってまんまとMUC-OFF製シーラントに釣られてしまった私ですが…確かにこれはイイ!と思う反面、親切なのか不親切なのかよくわからん!なんて戸惑う部分もあり、手放しで褒められない複雑な心境にあります。

初めてのシーラントにはおすすめできない…とまではいいませんが、今回は高評価だけどひと癖あるシーラント、MUC-OFF『No Puncture Hassle Tubeless Sealant』の使い方について簡単に説明してみます。

人気過ぎて品薄?MUC-OFF製チューブレスキット&シーラントの詳細

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マックオフ製品全般にいえることですが、購入してみよう!と思った時には大抵欠品していますね。

それだけ人気ということなんでしょうけど、このシーラントには140ml、1L、5Lの三種類が準備されていて、容量が大きいほど入手しづらい印象でしょうか。

私は1Lタイプを何とか購入でき、加えてチューブレス化するためのキット一式がセットになった、上画像の『Ultimate Tubeless Setup Kit』も追加で購入しました。

このキットには評判の良いマックオフ製チューブレスバルブに加えて、140mlパウチのシーラントが二袋付属し、欠品しがちなシーラントやチューブレスバルブを単品と比べて、手に入りやすい傾向にあります。

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上画像は1Lタイプのシーラントで、バルブに接続するホースが付属していました。タイヤを頻繁に交換したりチューブレスオンリーの方は、正直これくらいのサイズじゃないと心許ないと思います。

さて、冒頭からやたらと高評価だと連呼していますが、機能面には本当に目を見張るものがありますね。

ざっと説明すると、【1】6mmまでの穴やサイドカットに対応、【2】最大180日の持続性、【3】ホイールを腐食させず水洗いもOK、【4】CO2ボンベ対応、【5】UV検知機能で患部を見付けやすい、こんな感じになるでしょうか。

6mmの穴に対応する点は他のシーラントでも聞きますが、レビューによるとサイドカットにもある程度の効果を発揮してくれるそうで、この辺りが高評価の理由でしょうね。

他にも、長期間使用してもアルミホイールを腐食させてしまうことがないそうで、タイヤやホイール内部をシーラントごと水洗いできるのも嬉しい点です。

個人的にCO2ボンベを気兼ねなく使えるのがイイですね、インフレーター使用による気圧変化でもシーラントが変質しづらく、仮に出先でビード落ちしてもCO2ボンベで瞬時にリカバリーが可能ですから。

因みに、今回購入した製品には含まれていませんが、140mlパウチを含む箱入りのシーラントキットを購入すると、軽量スプーンなんかと一緒に小型のブラックライトが付属します。

マックオフのシーラントにはピンク色の蛍光成分が含まれていて、こちらのライトを照射することで穴の開いた箇所が直ぐに判別できる、ちょっと面白い工夫が備わっています。

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小難しい説明はこれくらいにして、 今回購入したUltimate Tubeless Setup Kitを開封してみます。同梱物は140mlパウチのシーラントx2、チューブレスバルブx2、チューブレスリムテープ、ステッカーの四種類で、それぞれ単品で購入するよりもお得です。

私はチューブレスバルブとパウチ入りシーラントが目当てだったので、チューブレスリムテープの幅は適当に選びましたが、本来は所有するホイールに合わせて、リムテープの幅とバルブ長の異なる五種類のバリエーションから選択することになります。

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一押しなのがこのチューブレスバルブ、三種類のラバーベースとバルブコアリムーバー機能付きのバルブキャプが付属します。

バルブナットの下側には気密性を高めリムへの傷も防止するオーリングが備わり、卒の無い仕上がりですね。

何気にバルブナットにはスパナが使える平面加工が見られ、バルブ根元の穴には六角レンチがフィットします。実際に使うことは殆どありませんが、両者を活用して増し締めするとバルブ穴付近の気密を更に高めることもできます。

親切だけど不親切?ひと癖あるMUC-OFF製シーラントの使い方

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ここからは、実際にマックオフ製シーラントを注入する手順や注意点を解説しますが、今回はビード上げ済みのタイヤに、チューブレスバルブ経由でシーラントを注入してみます。

この方法は注入時にバルブが詰まってしまうため、補修能力の高いシーラントではあまり使いませんが、マックオフ製はバルブの内側ではなく外側に注入口をフィットさせることで、不具合を回避しているようですね。

最初の手順として、まずバルコアを外します。バルブ付属のリムーバーはトルクを掛けやすい作りになっていて、手持ちのパナレーサー製と比べると格段に使い勝手が良いですね。見た目もシンプルでカッコイイです。

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言い忘れましたが、140mlパウチで注入する場合は、バルブの位置は12時の方向にしておきましょう。

途中でタイヤを回転させる必要があるので、ホイールをフレームから取外さない方が作業がスムーズに運ぶかも知れません。

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少し見づらいですが、パウチの裏面には各種の注意書きや車種別のシーラント注入量が記載されています。うろ覚えですが、同製品には日本語表記の国内版もあった筈で、初めての場合はそちらの方がオススメでしょうか。

肝心の注入量はロードバイク30~45ml、26/27.5インチMTBと700cシクロ60~75ml、29er105~140ml、ダウンヒルバイク120~140mlとの指示があり、通常のシーラントよりも1~2割くらい多めの値ですね。

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さて、この140mlパウチ、親切にも注入の目安となる目盛が設けられているのですが…これが中々に曲者ですね。

普通はこういった目盛は形状の変化しない容器に用いられますが、フニャフニャのパウチに付いているお陰で、目盛の値が初見では直ぐに理解できないイレギュラーな仕様になっています。

キャップの付いたパウチ注入口を真下にした状態で正しい値を示しますが、赤矢印の右側と左側では一目盛分の幅が異なっている上に、赤矢印部分が140mlの中間部分ですらありません。

紛らわしいですが、注入時に赤矢印の部分までシーラントが減ると80ml注入済みとなり、残量は60mlということになります。

仮に26/27.5インチのマウンテンバイクで前後70mlずつ、ちょうどパウチ一袋分の140mlを 注入したい場合は、白矢印の部分でちょうど半分ということになります。

内容量を等分したいときは特に混乱しがちですが、幅は違えど一目盛は必ず5mlだと覚えておくと間違えづらいですね。

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注入前にパウチをよくシェイクしてから、ピンク色のキャップを外します。

続いて、バルブ位置が12時の状態のままズボっと注入口を挿し込みますが、注射器タイプのシリンジとは異なり、こちらのパウチはバルブの内径ではなく外径部分にジャストフィットする作りになっています。

上画像のように、手を放してもパウチが落下しないくらいのフィット感で、隙間からシーラントが噴き出す心配もありません。

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最後に、パウチを挿し込んだままホイールを6時の方向に回転させて、シーラントの注入を開始します。

因みに、詰め替え用洗剤のパウチみたいに半自動で注入されそうな形状をしていますが、粘度が高いため若干圧を加えないとシーラントがスムーズに注入されません。

後は目盛りを参考にして、お好みの値まで流し込むだけなのですが…圧を掛け過ぎると目盛りが不正確になる上に、粘度のあるシーラントが目盛の表面に張り付いてしまい、イマイチ役に立ちませんね。

目盛といい、注入口のフィット感といい、親切設計なのは間違いありませんが、何となく詰めの甘さが目立つ仕様です。目盛はあくまでもオマケといった感じなんでしょうか?

パウチは再利用できるそうなので、キャップをしっかり閉じて保管しておきましょう。目盛は別としても注入口の作りは秀逸ですから。

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せっかくなので1Lタイプの使い方も簡単に説明してみます。

とはいうものの、使用方法はパウチタイプよりもお手軽で、上画像のように付属のホースで両者を繋ぎ、容器からダイレクトにシーラントを注ぎ込むだけです。

因みに、この1Lボトルはソフトタイプになっていて、使い方よっては注ぎ口を上にしたままでもシーラントの注入が可能でした。

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問題は容器の扱い方で、ろくに説明書きもない初見では開封すらままなりません。

一見キャップに見えない上画像左のキャップを外すと、同じように円錐形の先端が現れます。

この部分をカットして容器に注入口を作りますが、穴が小さすぎるとシーラントが穴を塞ぎにかかるので、赤矢印の部分あたりを綺麗に切断しましょう。画像では見えづらいですが、目印となる二本のラインがあります。

開けた穴が小さいと感じたなら、何かでこじって広げても良いですし、もう少し下側を切断し直しても構いません。シーラントが塞ぎ切れないΦ6mm程度が目安でしょうか。

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この容器には内蓋もあるので、使用の際は忘れずに取外しましょう。

また、先ほどの開封に失敗してキャップがカチッと閉まらなくなっても、内蓋があるので問題はありません。その代わり、密閉性の高い内蓋は無くさないように注意です!

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上画像ではカットせずに未開封のままですが、使用時は注ぎ口の先端にグリグリと付属のチューブを接続します。

使い勝手が良さそうに見えるチューブですが、これがまた帯に短し襷に長しで、両者をつないだままだと取り回しに苦慮しました、どうやら注入するだけに特化した必要最低限の長さみたいですね。

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一応、1Lタイプにも目盛が備わっていますが、こちらもパウチと同じ視認性の問題が発生して殆ど役に立ちません。

時間をおけば表面のシーラントが流れ落ちてくれますが、前述したチューブの短さが災いして、そもそも容器を垂直にして目盛を確認すること自体が結構な手間になります。

1Lタイプを使う場合はホームセンターなどで長めのチューブを購入した方が良く、チューブレスバルブの外径5.5mmにフィットするように、伸縮性のある内径5mmくらいのチューブがオススメでしょうか。

まとめ

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MUC-OFF/マックオフ製シーラントの使い方について簡単に説明してみましたが、シーラントをバルブから注入するといった上品な使い方には不向きかな?というのが素直な感想ですね。

ビードを落してタイヤの腹からシーラントをドバっと入れる、そんなワイルドな方法が一番向いている製品でしょうか、残念ながら私はその方法が苦手ですケド。

念のため、¥100ショップのクッキングコーナーで使い勝手の良さそうな小型ビーカーを購入してみましたが、こいつの出番はあるのでしょうか?慣れると一番簡単な方法だと聞きますが…

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