12速でHG対応!NUTONの軽量スプロケ『null¹/ヌル』の仕様と互換性

12速でHG対応!NUTONの軽量スプロケ『null/ヌル』の仕様と互換性イメージ01

自転車を趣味にすると、遅かれ早かれ軽量化という沼にハマります。

特にタイヤやホイールといった足まわりの軽量化には熱が入り、効果を実感しやすいのがその最たる理由でしょうか。

聞くところによると、回転体の軽量化はフレームに代表される静止体の二倍の効果が得られるそうで、加速や減速が頻繁なほど恩恵が大きいとのこと。

さて、同じ回転体でもホイールの中心部に位置するが故に、軽量化による効果を殆ど感じないパーツもあります。

それが本日の主役となるカセットスプロケット

経験上、軽量化しても走りに劇的な変化は起こりませんし、こいつのカスタマイズはどうしても後回しになりがち。

しかもスプロケはれっきとした消耗品でありながら、軽さを売りにした一部の製品は車体が買えてしまうほど高価です。

費用対効果の低さをカタチにしたようなパーツですが、スプロケの軽量化により車体の取り回しが楽になったり、登坂では少なからず有利に働いたりと、バッサリ切り捨てるには惜しい部分があるのもまた事実。

軽量かつ安価。

そんな夢のようなスプロケが登場してくれることを長いこと願っていましたが、ついに現れました。

しかも国内企業が送り出した製品と聞いて、興味を持たずにはいられません。

例によって無駄に前置きが長くなりましたが、今回はNUTON/ニュートンが手掛ける軽量スプロケット「null¹/ヌル」の仕様や互換性について話題にしてみたいと思います。

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シマノHGでも12速に対応!NUTON「null¹/ヌル」の気になる仕様

12速でHG対応!NUTONの軽量スプロケ『null/ヌル』の仕様と互換性イメージ05

アンテナの高い方ならとっくの昔にご存知かと思いますが、「null¹/ヌル」を手掛けているのは国内企業のNuton Cyclingで、リリースは2025年末とのこと。

nullに指数の「1」を表記した製品名となっていて、読み方は普通に「ヌル」です。

ロード用とMTB用のふたつに大別され、ロード用にはチタニウムシルバーとチタニウムゴールドのカラーバリエーションを用意。

ロード用にもMTB用にも11速版と12速版が存在し、MTB用の11速版は近日中に登場予定とのこと。

NUTON曰く、純正スプロケットに匹敵する変速性能と驚異的な軽量性を両立させているそうで、11速でも12速でも対応するフリーボディが旧規格かつ最も普及しているシマノHGというのが興味深いところ。

旧規格につき最小ギアが11Tという制限はあるものの、新しくホイールを新調したりハブやフリーボディを交換しなくても12速化できるのは、null¹の持つ一番の強みかも知れません。

ラインナップをまとめると以下の通りで、軽量さとコスパの良さが光る内容。

【ロード用12速】歯数:11-34T/11-32T/11-30T 重量:155g/140g/135g 税込19800円

【ロード用11速】歯数:11-34T/11-32T/11-30T 重量:138g/135g/132g 税込19800円

【MTB用12速】歯数:11-50T 重量:286g 税込28600円

【MTB用11速】歯数:11-46T 重量:310g 税込26400円

比較対象となるDURA-ACE「CS-R9200」の11-30Tが223gですから、null¹が如何に軽量かがよくわかりますね。

昨今の円安&インフレにより海外メーカーの軽量スプロケは目も当てられないことになっていますが、価格もDURA-ACEの半分以下というのは本当に驚異的。

さて、良いこと尽くしのNUTON「null¹/ヌル」にも幾つか注意点があります。

現在はSRAMのXDドライバー対応版を開発中とのことですが、前述の通りフリーボディはシマノHGにしか対応しておらず、スラムのXDやXDRドライバーには未対応。

チェーンもシマノ・KMC ・SUMC・SunRace製が対応していて、SRAM純正は対象外です。

また、取り付け後に新品・未使用のチェーンを使うことを推奨していて、使用済みチェーンの場合は正常な変速性能を発揮できない可能性があるとのこと。

チェーン絡みでもう一つ気になるのが、取付け直後はチェーンノイズが発生しやすく、シマノ純正スプロケよりも駆動音が大きいと注意喚起されている点。

これは不良ではなく、CNC切削加工によりスプロケのエッジが立っていることが原因だそうで、走行を重ねると角が丸くなりノイズも徐々に軽減されていくそうです。

因みに、スプロケの耐久性は8000kmほどで、一般的に寿命の目安とされる10000~20000kmと比べると控え目な数値でしょうか。

言い忘れていましたが、Nuton Cyclingは日本企業なものの「null¹/ヌル」はメイドインジャパンという訳でなはさそう。

公式HPには「NUTON / ニュートンは日本ブランドです。すべての製品が日本で企画・設計されています。」という一文があり、肝心の「製造」が含まれていません。

スプロケ背面の肉抜き加工が何となく中華ブランドのZTTOを思わせますが、製造国は台湾か中国の可能性が高そう……あくまでも私の憶測ですけどね。

NUTON「null¹/ヌル」11速用、シマノCUESとの互換性は?

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前項でNUTON「null¹/ヌル」には11速版もラインナップされている。

そうお伝えしましたが、勘の鋭い方ならこの時点で直ぐにピンと来たはず。

11速といえばシマノCUESがあり、null¹との互換性が気になるところ。

CUESのスプロケットは11-45T/11-50TのCS-LG700-11が590~609g、CS-LG400-11が660~723gと重量級なため、ダメもとでも試したくなるのが自転車乗りという生き物です。

さて、いきなり結論からお伝えいたしますが……

物理的に取付けは可能だけど、変速性能の互換性は期待できない。

これが答えです。

よくよく考えると当たり前の話で、CUESにはHGとは異なるLINKGLIDEという新規格が採用されているため、ギア板の間隔/ピッチが異なる設計。

当然、変速した際のリアディレイラーの移動量も異なっていますから、変速の途中でインデックス位置が徐々にズレてしまい、ギアの音鳴りや変速不良が発生する原因になります。

実際に試した方によると、ギアのトップ側またはロー側で調整がマッチせず、中間ギアではチェーンが不安定になる傾向があるとのこと。

この話を聞いて、インデックス位置の微調整が可能な電動シフトならワンチャンあるのでは?

そう考えた方も多いはず。

ですが、CUES Di2の「RD-U8050-SGS」には各段ごとにインデックス位置を微調整する機能がありません。

シマノの既存コンポやスラムといった大手メーカーも同様で、電動シフトの特定ギアで位置決めを行うと、その調整値が全段に一括で反映される仕組みが採用されているとのこと。

一応、WheelTop /ホイールトップやL-TWOOといった新興メーカーや中華ブランドの製品では、各段ごとの個別調整に対応しているものの、「null¹」をCUESに組み込むのは素直に諦めた方が良さそうです。

そもそもシマノCUESは耐久性を売りのひとつにしている新コンポだけに、寿命の短い「null¹/ヌル」とはコンセプトが相容れませんからね。

シマノ・スラム・その他スプロケとNUTON「null¹/ヌル」の重量比較

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ついでなので有名処のスプロケとNUTON「null¹/ヌル」との重量比較もしてみましょう。

まずはシマノ。

これは前述しましたが、DURA-ACE「CS-R9200」の11-30Tが223gとなり、重量差はプラス88gで価格は45000円前後。

そしてMTB用で最上位グレードとなるXTR「CS-M9200-12」の10-51Tが369gとなり、重量差はプラス83gで価格は73000円前後。

12速DURA-ACEのハブ規格はHGスプライン L2ですし、12速XTRもマイクロスプラインなので完全に同じ土俵で勝負している訳ではありませんが、単純比較すると100g弱は軽量化できることになります。

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お次は、軽量だけど高い!そんなイメージが付き纏うSARM/スラムのスプロケット。

ロード用「RED XG-1290」の10-30Tが182gとなり、重量差はプラス47gで価格は70000円前後。

MTB用「XG-1299 Eagle」の10-52Tが357gとなり、重量差はプラス71gで価格は100000円前後。

こちらもハブ規格がXD/XDRドライバーなので大雑把な比較になってしまいますが、重量差は僅かなものの価格差が凄まじいことになっています。

特にMTB用は「null¹/ヌル」が安価なのではなく、スラムが割高過ぎるのでは……と思わずにはいられません。

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そして最後は軽量な互換スプロケとして名高い、「GARBARUK/ガルバラック」と「e*thirteen/イーサーティーン」のお二方。

GARBARUK「12-speed MTB」の10-52Tが360gとなり、重量差はプラス74gで価格は45000円前後。

e*thirteen「Helix Race 12-Speed」の9-50Tが384gとなり、重量差はプラス98gで価格は50000円前後。

GARBARUKはハブ規格がXDドライバーやマイクロスプラインですが、11速用限定でシマノHGに対応する製品もリリース。

e*thirteenはハブ規格がスラム系のXD/XDRドライバーのみの対応で、これは最小ギアが9Tであることが理由です。

両者とも、高価なスラム製スプロケの代替品としての需要がありますが、昨今のインフレと円安のダブルパンチで以前ほどのお得感が無くなってしまいました。

因みに、e*thirteenは積極的に値引きをする傾向にあり、タイミングが合えば30000円前後で入手できることも。

トップ9Tの12速スプロケ『e*thirteen Helix R』の詳細&取付方法イメージ22

私もファットバイク用として使っていて、ハブ規格がXDおよびXDRドライバーなら割と狙い目な軽量スプロケでしょうか。

最小9Tにはフロント側のチェーンリングを小型化できる利点もありますしね。

まとめ

NUTONの手掛ける軽量スプロケット「null¹/ヌル」を話題にしてみましたが、軽量かつ良コスパなのは間違いなく、難点は使い始めにチェーンノイズが出やすいことと、純正品よりも若干寿命が短いことくらいでしょうか。

正直、パーツ類の軽量化は日本企業の得意分野だと思っていたので、ようやく時代が追いついてくれた印象ですね。

現在はNuton Cyclingの公式HPからしか購入できず在庫も不足気味ですが、日本版のGARBARUKに成長してくれる予感も。

個人的に近日リリース予定のMTB用11速/11-46Tには期待を寄せていて、現在グラベルロードに使用しているDEORE XT 「CS-M8000-11」の後釜に打って付け。

冒頭でも触れたように交換しても走りに大きな変化はないでしょうけど、CS-M8000-11は437gと重いので140gの減量は嫌でも魅力的に映ります。

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