ファットバイクが大活躍してくれる季節と言えば、もちろん冬です。
幅が10cmを超え、深いノブの備わった極太タイヤは大抵の雪道を走破できますが、荒れた凍結路やツルツルのアイスバーン上を走る際は、流石に慎重になります。
私の住む地域は、朝晩以外はそれほど低温にならなないので、高価なファットバイク用スパイクタイヤは不要だと考えていましたが、昨シーズンに凍結路で転倒したのを機に少し考えを改めました。
ウインターシーズンで余すことなくファットバイクを楽しみたいなら、チューブレス化とスパイクタイヤの導入は不可欠だと言われ、確かにその通りだと思う反面、自動車のスタッドレスタイヤ並みの価格には少し腰が引けてしまいます。
ですが、負傷して治療費を払う羽目になったり、破損したパーツを修理したりすることを考えれば、それほど高くない投資ですし、ファットバイクが今以上に楽しめる様になるなら悪い気はしません。
ファットバイクに限らず自転車用の冬タイヤやスパイクタイヤは、初雪があると途端に需要が伸び、瞬く間に在庫切れになってしまいますが、昨シーズンに何処も売り切れだった教訓から、今年は10月前から予算の確保や情報収集など下準備を進めていました。
その甲斐あって無事に購入出来ましたが、今回はその備忘録を兼ねて、ファットバイク用スパイクタイヤの選び方やそれぞれの違いについて、私の知る範囲でまとめてみます。
※ファットバイク用スパイクタイヤは重量が割と曖昧です、最低限調べているので大きく外れてはいないと思いますが、概算値・公称値・実重量が入り混じった不確かな情報を含んでいるので、あくまでも目安として参考にしていただければと思います。
ファット用スパイクタイヤの定番『45NRTH』
まずは、ファットバイク用スパイクタイヤでは定番中の定番とも言える『45NRTH/フォーティーファイブノース』から四種類のスパイクタイヤを紹介します。
DILLINGER4 (デリンジャー4)
【サイズ】26 x 4.0
【TPI】60/120
【ケーシング】フォールディングビード チューブレスレディ
【スタッド】240個 凹型コンケーブアルミカーバイド/スチールカーバイド
【重量】1352g(120TPI)
この『DILLINGER4』は最も使っている方の多いファットバイク用スパイクタイヤかも知れません。
タイヤクリアランスを気にせずに、4インチファットはもちろん5インチファットまで広く使えるのが人気の秘密で、64~94mmまでのリム幅に対応しています。
2018年にリニューアルされてチューブレス対応となり、60TPI版はスタッドがスチール、120TPI版はスタッドがアルミと、重量面でわかりやすい差別化が図られていますね、サイドラグやセンタートレッドも見直され、コーナリング性能が向上し、転がり抵抗も今まで以上に軽減されました。
4インチタイヤなので、雪深い道では5インチタイヤ並みの走破性や浮遊感は期待できませんが、ノーマルタイヤ顔負けの軽量さと転がりの良さは、スパイクタイヤ使用時でも走行感を大きく損ないたく無い方に向いているでしょうか。
バランスが良く、冬タイヤとして必要十分な機能を備えていますが、これ一本で凍結路から未圧雪路面までといったオールラウンドな用途には不向きなので、除雪や圧雪がしっかりしている地域や朝晩の低温で凍結路が長時間維持される様な地域に向いている印象ですね。
60TPI版と軽量な120TPI版とでは重さに300g近い差があるので、問答無用で120TPI版を選びたいところですが、価格は一本で¥30000程度と結構なお値段です。
重さを度外視して、凍結路を安全に走れる事だけを目的とするなら安価な60TPI版か、型落ち旧モデルの33TPI版を選ぶのも手でしょうか。
DILLINGER5 (デリンジャー5)
【サイズ】26 x 4.6
【TPI】60/120
【ケーシング】フォールディングビード チューブレスレディ
【スタッド】258個 凹型コンケーブアルミカーバイド/スチールカーバイド
【重量】1535g(120TPI)
その名が示す通り、DILLINGER4の5インチファットバイク対応版がこの『DILLINGER 5』です。
こちらもリニューアルにより、タイヤ幅が4.8インチから4.6インチに変更され、70~100mmまでのリム幅に対応します。
微妙にサイズダウンされた事により、今までタイヤとチェーン間のクリアランスがギリギリだった一部の4インチファットバイクでも、安心して使える様になりました。
新型のDILLINGER5はファットバイクらしさと言う点でDILLINGER4よりも優れ、幅広な5インチタイヤ故に浮遊感や雪深い道での走破性にアドバンテージがあります。
実際に使用した方の評価も良く、タイヤクリアランスに余裕があるならDILLINGER4よりも、新型の4.6インチDILLINGER5を選んだ方が、より雪道を楽しめると思います。
以前に某所のブログで、DILLINGER5はDILLINGER4とは異なる形状のスタッドが使用されている旨の記述を見た記憶があるのですが、今のところ45NTRHのリペア用スタッドにはノーマルタイプと後述するXLタイプの二種類しか存在していません。
リニューアルによりDILLINGER4とスタッド形状が統一された可能性もありますが、後々のリペアを考えると少し気になる部分です。
価格は一本で¥35000程度とDILLINGER4以上のお値段ですが、国内での流通量が極端に少ないので、旧モデルを含めて入手出来た方は相当ラッキーかも知れません。
WRATHCHILD(ラスチャイルド)
【サイズ】26 x 4.6
【TPI】120
【ケーシング】フォールディングビード チューブレスレディ
【スタッド】224個 凹型XLコンケーブアルミカーバイド
【重量】1450g
45NRTHでDILLINGERシリーズとは別系統となるファットバイク用スパイクタイヤがこの『WRATHCHILD』です。
DILLINGERシリーズよりもタイヤトレッドのノブが深いため転がり抵抗は劣りますが、ノブの深さと224個の凹型XLスタッドが、雪道やアイスバーンで高いトラクション性能を発揮します。
65~102mmまでのリム幅に対応し、タイヤ幅は4.6インチと前述の新DILLINGER5と同じですが、80mm幅のリムに装着した時の実寸が113mmと、4.8インチの旧DILLINGER5並みのに太いので、4インチファットバイクのリアタイヤではクリアランス不足になる場合があります。
雪質や路面状況に左右されない高いトラクション性能があり、圧雪・凍結路から雪深い路面までこのタイヤだけでオールラウンドに楽しめるので、雪質が目まぐるしく変化する地域での活躍に期待できるスパイクタイヤでしょうか。
因みに、ある程度予想はできると思いますが、ノブの深さとXLサイズのスタッドが仇になり、アスファルトが剥き出しになった路面を走ると、乗り心地の悪さと共にスタッドのスクラッチ音が盛大に響きます。
積雪が少なかったり除雪が頻繁に行われる地域には不向きで、通勤・通学・街乗り用として市街地メインで使う場合は、素直にDILLINGERシリーズを選んだ方が良いでしょう。
WRATHCHILDの価格はDILLINGER5とほぼ同じ一本\36000程度ですが、実用よりも雪遊びに長けたスパイクタイヤと言った印象ですね。
WRATHLORDE(ラスロード)
【サイズ】26 x 4.2
【TPI】120
【ケーシング】フォールディングビード チューブレスレディ
【スタッド】300個 凹型XLコンケーブアルミカーバイド
【重量】1550-1600g
WRATHCHILDの進化形として2020年にリリースされたのが、この『WRATHLORDE』です。
300個のスタッド数とともにタイヤトレッドの密度も増し、センタートレッドのノブを低くすることでWRATHCHILDよりも転がり抵抗が軽減されています。
70~90mmまでのリム幅に対応し、タイヤ幅は4.2インチと控えめになりましたが、ノブを含むタイヤ幅は108㎜と4.2インチの割に太めなので、4インチファットバイクに使用する場合は、事前にクリアランスを確認したほうが良さそうです。
進化というよりもWRATHCHILDの荒々しい部分をマイルドにして汎用性を高めた印象があり、各種トラクション性能が若干抑え目に、タイヤ幅のサイズダウンにより浮遊感も大人し目になっています。
強化されたノブとスタッドのお陰で、DILLINGER5では力不足に感じるアイスバーンや雪道でもトラクションが効きやすく、どちらかといえばDILLINGER5で満足できない方が乗り換えるタイヤかも知れませんね。
因みに、タイヤの重量は公式で1550gとのことですが、実測で1600g以上も珍しく無く結構なバラつきがあります。
価格は一本で¥32000弱と少しだけ財布に優しいです、国内での取扱いはまだまだこれからといった感じですが、WRATHCHILDよりもスタッドが脱落しやすいそうなので、興味のある方は予備のスタッドも忘れずに入手しておきましょう。
期待の新興メーカー『Terrene』
『Terrene Tire/テレネタイヤ』は、元サルサのスタッフが2016年に立ち上げた期待の新興メーカーで、レースよりも遊びを重視した製品づくりをしています。
Terrene Cake Eater(ケーキイーター)
【サイズ】26 x 4.0/26 x 4.6
【TPI】33/120
【ケーシング】フォールディングビード チューブレスレディ
【スタッド】180個 凹型トリプルトラクション/フラットチップ
【重量】1395g(120TPI)/1535g(120TPI)
45NTRHと比べると、まだ知名度低いTerreneですが『Cake Eater/ケーキイーター』と言う大変個性的なファットバイク用スパイクタイヤをリリースしています。
タイヤ幅4.0インチと4.6インチの二種類があり、そこから更にスタンダートタイプとライトフォールディングタイプに分かれます。
120TPIのライトフォールディングタイプには、上画像の様にトリプルトラクションと呼ばれる円周部に三つの突起が設けられた凹型スタッドが使われ、少ないスタッド数でも高いトラクションが得られます。
33TPIのスタンダートタイプには、シンプルなフラットチップ型のスタッドが使用され、重量もライトより約170g増と、安価な分だけ機能面での差別化が見られます。
Cake Eaterはセンターノブが浅く、スパイクタイヤにもかかわらず大変良く転がるそうですが、タイヤの傾くコーナーではサイドノブがしっかりと雪面を捉え、直進良し、コーナー良し、氷上良しと中々隙のないタイヤに仕上がっています。
各所のレビューでの評判も良くタイヤサイズも選択できるので、今後は45NRTHの強力なライバルになりそうなタイヤですが、今のところ国内で購入できる場所が殆どありません。
有難い事に、テレネの公式HPは日本からの注文にも対応していて、スタンダードタイプが一本$150、ライトフォールディングタイプは一本$200で購入できます。
試しに注文手続きをしてみましたが、支払い方法はGoogle Payに対応し、DHLを利用した日本までの送料はタイヤ二本で$70程です。
仮にライトフォールディングタイプを二本購入した場合ですが、諸々の手数料を含めて最終的に¥56000程になり、DILLINGER4を下回る価格で入手可能です。
個人的にかなり興味を惹かれるファットバイク用スパイクタイヤですが、センターノブが浅いので雪深い道や締まりのない雪質は少し苦手かも知れませんね。
Terrene Wazia(ワジア)
【サイズ】26 x 4.0/26 x 4.6
【TPI】120
【ケーシング】フォールディングビード チューブレスレディ
【スタッド】144/154個 凹型トリプルトラクション
【重量】1500g/1673g
TerreneではCake Eaterよりも古いモデルとなりますが、トレッドパターンのノブが深く汎用性に優れるのが、この『Wazia/ワジア』です。
以前はスタッド無しが標準で、DIYでコツコツ埋め込み作業する必要がありましたが、現在は凹型トリプルトラクションスタッド埋め込み済みのモデルも販売されています。
タイヤサイズはCake Eaterと同じく、タイヤ幅4.0インチと4.6インチの二種類で、一応60TPIで耐久性に優れるタフタイプも存在していますが、現在は販売が終了している様ですね。
ライトタイプの価格はCake Eaterと同じ$200で、こちらのタイヤはウインターシーズンを一本のタイヤだけで賄いたい方に向いているでしょうか?
雪道でのトラクションも十分でWRATHCHILDを若干マイルドにしたようなタイヤですが、スタッド数は少なめとは言え形状が鋭利なだけに、アスファルト上を走行すると思いのほか劣化が早いかも知れませんね、このWaziaもTerrene Tires 公式HPで購入可能です。
Terrene Johnny 5(ジョニー5)
【サイズ】26 x 5.0
【TPI】120
【ケーシング】フォールディングビード チューブレスレディ
【スタッド】320個 凹型トリプルトラクション
【重量】約1800g(120TPI)
Terrene製で最も走破性の高いスパイクタイヤがこちらの『Johnny 5』です、ひょっとしたら他社製を含めて2020年時点でなら最強かも。
イメージとしては雪道に滅法強いSURLYのLOUタイヤをそのままスパイク仕様にした感じですね、トラクションと浮力に優れ、深い雪道からアイスバーンまでこれ一本でこなせる注目のタイヤですが、サイズが26 x 5.0インチと極太ゆえに装備できる車体が限られてしまうのが難点。
因みに前述のSURLY BUD&LOUのタイヤ幅が113~118mmくらい、Terrene Johnny 5は100mmリムに装備して4.8インチ(122mm)くらいだそうですから、SURLY BUD&LOUがハマるファットバイクになら、ギリギリ使えそうな気もしますね…特にフロントはサス付きよりもリジットフォークの方がクリアランスに余裕があるので、可能性が高そうです。
対応リム幅は75~100mm、価格は一本$260と割高ですが、雪道に強いスノータイヤとアイスバーンに強いスパイクタイヤの両方を高いレベルで兼ね備えていると考えれば悪くない選択肢かも知れません。
重いタイヤなので、チューブレス化やREVOLOOPなどの超軽量TPUチューブへの交換がオススメです。
コスパ重視の『VEE Tire』
街乗り専用の安価なファットバイクに使われているイメージが強い『VEE Tire/ヴィータイヤ』ですが、コスパの良さとファットタイヤへの拘りには目を見張るものがあります。
Snow Shoe XL(スノーシュー XL)
【サイズ】26 x 4.8
【TPI】72/120
【ケーシング】フォールディングビード チューブレスレディ
【スタッド】240個 詳細不明
【重量】1380g (120TPIノンスタッド版)
『Snow Shoe XL』はタイヤ幅が4.8インチとファットバイク用スパイクタイヤでは最大クラスで、一昔前は45NRTHのDILLINGER5とよく比較されていました。
スタッド形状やタイヤ重量など何かと不明瞭な点が多いですが、もともと情報量が少ない上にワイヤービードタイプの旧モデルが混在しているのが分かりづらさに拍車を掛けています。
とは言え、ファットバイク用スパイクタイヤでは最安の部類に入り、タイヤクリアランスに余裕のある5インチファットなら、雪道での十分な浮遊感と安定感が得られます。
少し前はスタッド付きは一本¥20000程、スタッド無しは¥13000程で販売され、自前で市販の汎用スタッドを埋め込むDIY作業をすれば前後セットで¥35000程で導入可能でしたが、現在はスタッド無しの価格が高騰し、お得感が薄れてしまいました。
因みにブラックよりもコンパウンドが柔らかいベージュカラーが存在し、より凍結路向きな構成になっています。
ホイールがブラックだと、前後に真っ黒な浮輪を付けた様な重々しい外観になるファットバイクですが、ベージュカラーはドレスアップパーツとしても役立ってくれそうですね。
Snow Avalanche(スノーアバランチ)
【サイズ】26 x 4.0/26 x 4.8
【TPI】72/120
【ケーシング】フォールディングビード/ワイヤービード チューブレスレディ
【スタッド】240個 詳細不明
【重量】1360g(120TPI)/1740g(120TPI)
『Snow Avalanche』はVEE最新のファットバイク用スパイクタイヤで、Snow Shoe XLと同じタイヤ幅4.8インチの他に、4インチファットに対応する4.0インチサイズが追加されています。
Snow Shoe XLからトレッドパターンが見直され、ステアリング性能の向上や転がり抵抗の減少、緩めの雪質への対応が強化されていますが、価格面でのアドバンテージが薄れDILLINGERシリーズと真っ向勝負する立ち位置になりました。
相変わらずスタッドについては情報不足ですが、VEE公式のスタッドキットは先端の尖った凸型ポインテッドピンなので、こちらもその可能性が高いです。
Snow Avalancheもベージュカラーが選択でき、価格は一本¥30000を下回るくらいで販売されていますが、競合する4インチタイヤよりも汎用性があり、海外でのレビューも上々なので、今後は利用者が増えそうな予感がします。
余談ですが、VEE製のタイヤはカタログ重量の値がどれも結構アバウトで、1740gの筈の4.8インチSnow Avalancheも、実重量が1650gと意外に軽量だったりと当てにならない事が多いですね。
その他のファットバイク用スパイクタイヤ
最後にオマケとして『Bontrager Gnarwhal』や『Maxxis Moosetrak』など、マイナー且つ入手が困難なスパイクタイヤを簡単に紹介します。
Bontrager Gnarwhal(ボントレガー ナーワール)/Maxxis Moosetrak(マキシス ムーストラック)
上画像左の『Bontrager Gnarwhal』はトレックの傘下にあるボントレガー製のファットバイク用スパイクタイヤです。
恐らくFarleyなどトレック製ファットバイク用として流通していたものですが、現在は国内外で殆ど取扱いがみられません。
26 x 3.8サイズ、120TPI、重量1360g、チューブレスレディ、フォールディングビードのやや細めのタイヤで、スタッドは160個と控えめです。
トレッドパターンはSnow Shoe XLに似ている気がしますが、タイヤの特性は45NRTHのWRATHCHILDに近いそうで、転がり抵抗よりもトラクションや多様な雪質への対応力に優れるタイヤの様です。
続いて上画像左の『Maxxis Moosetrak』ですが、レビューは確認できるものの、未だにリリースされていないらしく、事実上入手が不可能なファットバイク用スパイクタイヤです。
26 x 4.8サイズ、120TPI、チューブレスレディ、258個のアルミ製スタッドと旧DILLINGER5に近い仕様になっていますが、トレッドパターンやセンターノブを見る限りでは、転がり抵抗と浮遊感を重視している印象ですね。
最近はMaxxisのタイヤを装備しているファットバイクをチラホラ見掛ける様になったので、このままお蔵入りにならず、近々正式にリリースされる日が来るかも知れません。
結局、私が選んだファットバイク用スパイクタイヤは?
私の知るファットバイク用スパイクタイヤを幾つか紹介しましたが、最終的に私が選んだのは45NTRHの『DILLINGER4』です。
定番すぎて、我ながら面白味に欠けるチョイスとなりましたが、実用性や地域の気候を冷静に考えると、この選択肢で十分な気がしました。
実のところ、私の住む地域で冬場の出走を一番阻んでいるのは、積雪でも低温による凍結でもなく、俗に地吹雪と呼ばれる強風なのです。
スパイクタイヤに過剰な予算を割いたとしても、ファットバイクの出番は微増が精々なので、スパイクタイヤデビューとなる今回は、必要十分な機能を備え軽量で転がりも悪くないDILLINGER4を選びました。
北国のファットバイク乗りなら誰もが経験する事ですが、雪深い未圧雪の路面は体力の消耗が激しく、平坦路でも坂道を上り続けているのと同じ様な状態になります。
リニューアル後の評判が良く、雪深い道にも対応できるDILLINGER5と最後まで悩みましたが、夏場に良く転がるファットバイク用スリックタイヤに慣れてしまった私としては、出来るだけギャップの少ないDILLINGER4の方が有難く感じますね。
因みに、スタッド付き120TPIのDILLINGER4は実重量が1350g程でした、直に見ると凹型スタッドが意外に華奢で、凍結した路面上にそこそこの雪が降り積もった『隠れアイスバーン』では、路面を捉え切れない場面も出て来そうです。
なるほど、これだと確かに深いノブとXLサイズのスタッドを有するWRATHCHILDやWRATHLORDEが欲しくなる訳だ…と妙に納得出来ました。
まとめ
どのタイヤを選ぶかは、お住いの地域の気候や使用目的に左右されますが、積雪15cm以上の未圧雪路・緩んだ雪道・荒れた路面などがメインならスパイクタイヤよりも、トレッドパターンのノブが深いスノータイヤの方が実用的かも知れませんね。
一応、45NRTHのWRATHCHILDやWRATHLORDEならば凍結路から緩んだ雪道まで広く対応してくるのですが、前述した通りアスファルトが覗く路面が増えると逆に足を引っ張る結果になります。
山間など、長期間に渡って安定した雪量がある地域ならば問題はありませんが、ウインターシーズンを一本で済ませられる汎用性を求めるなら、DILLINGER5/Wazia4.6/Snow Avalanche4.8などの太目のスパイクタイヤが現実的でしょうか。
通勤や通学で凍結した市街地を走行するのが主目的なら、私が選んだDILLINGER4に代表される4インチサイズのスパイクタイヤで過不足無く、積雪15cmくらいまでなら0.5bar程度の低圧にすることで緩んだ路面にも対応してくれます。
因みに、今回紹介したファットバイク用スパイクタイヤの大半には、安価なスタッド無しタイプが存在しているので、汎用スタッドをコツコツと埋め込んで自作するのもアリでしょうか?地味な作業が苦にならない方にオススメです。