少し前に、オンシーズン前のメンテナンスと不具合確認を終えたファットバイク。
休眠前に勢いでSURLY モロコバーに交換してみたものの、半年ぶりに乗ってみると何故か乗車姿勢がしっくりきません。
交換直後はその快適さに大満足していましたが、ライズが無くなったことによる乗車姿勢の変化が今頃になって足を引っ張り始めているようです。
増車したグラベルロードの前傾姿勢に未だに慣れていない私としては、冬場くらいはリラックスした乗車姿勢でライドを楽しみたいのが本音。
正直、モロコバーの長所であるマルチポジションと34度のバックスィープには未練タラタラですが、やっぱり慣れ親しんだライザーバーが一番ということで、潔く出戻りすることに決めました。
耐久性はピカイチ!Nukeproof製カーボンライザーバーを再購入
タイミング良くブラックフライデーの時期だったため、海外通販で購入。
ドル高、ユーロ高が進んでからは随分と疎遠になっていましたが、セール期間の割安さにつられて久々に利用してみました。
購入したのはNukeproof/ヌークプルーフのカーボンライザーバー Horizon V2と交換用のロックオングリップ。
実はこのハンドルを購入するのは二度目で、最初に購入した物は今年ドナドナしたフルサスMTBで長らく愛用していました。
同じ物を選んだのは、38mmとライズが高い上にMTBでの長期使用で体が馴染んでいることもありますが、Nukeproof製は耐久性が段違いなのが一番の理由。
250g前後とカーボン製ハンドルとしては若干重めなものの、200g以下の軽量カーボンハンドルは締め付けトルクを守っても各パーツをクランプした部分が変形しがち。
過去に軽量なRACEFACE製を二度使ったことがあり、どちらも短期間でクランプした部分が圧で凹んでいたのに対して、Nukeproof製は三年使い続けても全くの無傷という頑丈さ。
実重量は259gとほぼカタログスペック通りの精度。
袋がけのまま測定したので、1gだけ増量されたようですね。
詳細なスペックはハンドル長800mm、重量258g、アップスィープ5度、バックスィープ9度となり、ライズは前述の通り38mmと最も高いバージョンを選択。
ハンドル全体は光沢加工されて艶やかな仕上がりですが、左右の握り付近とステムクランプ部分は粗目の梨地加工になっていて、ファイバーグリップ無しでも固定がズレ難い仕様です。
お次はついでに購入したロックオングリップ。
現在使用しているODI製の劣化が目立ってきたので、グリップも同時に交換することに決めました。
いつもはESIやWOLFTOOHT製などのシリコン製フォームグリップを好みますが、今回は珍しくラバー製を選んでみました。
握り部分にきのこヒダと呼ばれる無数の溝が連なるマッシュルームタイプのグリップで、言語化できない独特の握り心地が魅力。
このマッシュルームタイプは、サドルで有名なfabric/ファブリックがリリースしているMAGIC GRIPが有名で、はじめて実売店で触れた際は、どのグリップとも似ていない個性的な握り心地にいたく感心した覚えがあります。
残念ながら、国内外を問わずどこも欠品だらけで現在は入手が難しい状態になっていますが、今回利用したCRCことチェーンリアクションサイクルのプライベートブランンド「brand-X」に類似品があったので、迷わず購入しました。
こちらも測定してみると、実重量は94g。
ラバーグリップとしては100gアンダーと適度な重量で一安心、価格が1500円なのも嬉しいです。
余談ですが、海外通販で有名なWiggleも今回利用したChain Reaction Cyclesもグループ企業で、昨今の経営不振から身売り話が浮上。
仮に身売りされなくても、海外通販を廃止して国内販売に注力へと方針転換するそうなので、WiggleもCRCも近いうちに海外通販として利用できなくなる可能性が高いです。
brand-Xのドロッパーシートポストは入門用として打って付けだっただけに、安価なリモートレバーや交換用パーツも含めて、これらを購入できなくなるのは結構な痛手ですね。
さて、早速ハンドルをライザーバーに交換しますが、その前に恒例のハンドルカットの儀式。
カーボン製はアルミ製とは異なり、パイプカッターが使えないので切れ味の良いノコとソーガイダーで地道に切断するしかありません。
ファットバイクではトレイルをやらないので、ハンドル幅800mmは流石に長すぎ。
街乗り主体なら700mmでも十分ですが、ファットバイクはハンドルを詰めすぎると車体とのバランスが取れず見た目が悪くなってしまうので、体型に関わらず760mm前後が落としどころでしょうか。
久々にカットしてみたら、見事に失敗。
ノコの厚みを計算に入れ忘れて、ハンドル長765mmという中途半端な値に……
Nukeproof製カーボンハンドルは断面が通常よりも厚く、ノコの切れ味がみるみる悪くなるのが実感できるほど。
購入直後は一分未満で切断できたアマゾンおすすめのノコですが、今では三分以上掛かりますね。
乗り心地は上々!ライザーバー化したファットバイクを試し乗り
ハンドルとグリップをサクッと交換して、早速試走へ出発。
モロコバーでは不要だったので取り外していましたが、オレンジ色のツノことTOGSを復活させてちょっとしたアクセントに。
初代ファットバイクから引き継いだシロモノですが、色味的にベアグリースの方が良く似合っています。
ついでにフェアウェザー製のステムバッグも復活。
普段は同社製のコーナーバッグに携行品の全てを放り込んでいますが、携帯スタンドやチェーンロックの出し入れに手間取ることが多いので、使用頻度の高いチェーンロックや小物の収納場所として活用する予定です。
ライザーバーにしても外観に大きな変化は見られませんが、サイドシルエットは若干頭でっかちに見えるかも。
ファットバイクは凍結路での足つきを良くするためサドル高を低めに設定していますが、ハンドルとのバランスを考慮するなら、あと1~2cm高くするのもアリかな。
因みに、ボトムチューブ用フェンダーを取付けているのは、つい数日前までそこそこの積雪があったから。
この日和ではとてもそうは見えませんが、長期予報通りだと今期は高確率で暖冬となり、融雪でベチャベチャな路面を走ることが増えるかも知れません。
交換したグリップも使用感は上々、冬で無ければ素手で使いたくなるような、ギュムギュムした握り心地。
最初はbxのロゴが真横になるように取付けましたが、握り部分のパーティングラインが真上に来て見栄えが悪くなったので、縦向きになってしまいました。
久々にゴム製グリップを使ってみると、埃の付きやすさが気になりますね。
使い始めに特有の症状ですが、整備中に軍手で握っただけでもグリップが毛だらけに……
さて肝心の走行感ですが、これは文句のつけようがありません。
三年間もフルサスMTBで愛用し続けていたライザーバーだけに、車体が変っても嘘みたいに馴染みます。
約4cm高くなったハンドル位置も乗車姿勢のアップライト化に大きく貢献し、上半身への負担が明らかに軽減されていました。
カットしたハンドル幅にも違和感は無く、ファットバイクのゴツい外観を損なわない実に良いバランス。
フルサスMTBに使用していた時よりもハンドル幅を広くしているので、徐々に肩や腕に疲労が蓄積するのでは……と少しだけ心配していましたが、それは杞憂に終わりました。
近所を軽く流すつもりが、気が付けば50kmオーバー。
走行中も帰宅後も腕・肩・首・腰に痛みや大きな疲労感は出ず、ひとまず乗車姿勢の違和感は解消されたようです。
モロコバーには悪いですが、私とは相性が悪かったみたいですね。
まとめ
取り合えず、根雪になるまえにファットバイクの調整は完了。
このセッティングならファットバイクでも普通にロングライドに臨めるかも知れません。
あとはスノーライド向きな積雪を待つばかりですが、暖冬予報の今季……一体どうなってしまうのでしょうか。