普通のパンツが防寒仕様に!冬の自転車に『防風タイツ』のススメ

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廃番、生産終了、在庫限り、望まないリニューアル。

理由は数あれど、もう手に入らないとわかると途端に欲しくなるのが人間の性です。

私も例に漏れず、極寒のウインターライドで長年愛用していた防風タイツがもう生産されていないことを知り、急に慌てふためく有様。

後継品の登場により市場在庫が風前の灯になっているのは、おたふく手袋の防風タイツこと「ボディータフネス 防風パワーストレッチ JW-193」で、このブログでも何度か紹介している逸品。

2000円前後という低価格ながら、いつものパンツにインナータイツとして着用することで、0~5℃帯の寒さにも耐えられる使い勝手の良い製品でした。

残念ながら後継品の仕様が私の用途にそぐわないため、早いうちに防風タイツの代替品を探す必要に迫られているのですが、これがなかなかムズカシイ……

自分用の備忘録も兼て、今回は真冬の自転車に使いたい防風インナータイツやアンダーパンツを幾つかピックアップしてみます。

ちょっぴり前置き、欲しいのはインナー用の「防風タイツ」という話

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冬の自転車で使用する防風タイツ。

そう聞くと、真っ先に思い浮かべるのは上画像のような製品でしょう。

ですが、私が求めているのは防風仕様のサイクルタイツではなく、あくまでもカジュアル寄りなパンツのインナーとして着用する防風仕様のタイツです。

一枚で着る本格的な冬用サイクルウェアを求めている方には参考にならないと思うので、そっとブラウザバックして下さい。

また、今回の防風タイツ探しには以下の条件も加えていて、製品選びは結構シビアになりました。

・防風性が低く裏起毛や発熱機能に頼り切った防寒タイツは対象外
・お尻にパッドがある製品はインナーとして不向きなので対象外
・仕様やサイズの詳細がわからない製品は対象外
・防風箇所が太腿のみだったり範囲が狭い製品は対象外

防風タイツで調べると、裏起毛による生地の厚さや発熱機能でゴリ押ししたタイツも数多く含まれるため、鵜呑みにしないように注意したいところ。

あと、これは某国製の安価な製品に多く見られますが、仕様やサイズの詳細が大雑把でわかりづらく、見えている地雷みたいな製品も。

極めつけは、防風タイツを謳いながら防風部分が大腿部のみという製品もあり、雪国の自転車用としては明らかに力不足です。

重ねて言いますが、今回紹介する防風タイツは手持ちのパンツと併用することが前提で、単体で着用する物ではありません。

冬場の自転車通勤や自転車通学で下半身の冷えを防いだり、手持ちの冬用サイクルパンツの防寒性を底上げしたりと、見えない部分で力を発揮してもらうことになります。

進化か?改悪か?おたふく手袋の防風インナータイツ「JW-195」

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私が数年に渡って冬ライドで愛用していたのが、画像左のおたふく手袋「BT防風パワーストレッチ JW-193」です。

裏起毛タイツの表面にポリウレタンコーティングを施すことで防風性を確保し、ストレッチ性も十分。

透湿性はほぼゼロなものの、汗を掻きやすい箇所にはコーティングが施されていないため、発汗の少ない低温下ではあまり蒸れを感じません。

この手の防風タイツでは珍しく前面も後面も防風になっていて、全方向から寒風が襲ってくる雪国の冬に打って付けでした。

そして、愛用していたJW-193の後釜となったのが画像左の「JW-195 BT防風ロングタイツ ウインドスマッシュ3」です。

後継モデルだけに総合的な機能は旧モデルを上回り、表面のポリウレタンコーティングが防風フィルム化され、汗冷え防止機能も新たに追加されました。

残念ながら防風部分は斜線部分のタイツ前面のみになってしまい、旧モデルと比較すると防風範囲が半減したかわりに汗処理が強化された印象。

とはいえ、ロードバイクの冬用サイクルタイツも防風部分が前面のみなので、そちらに慣れている方なら違和感は少ないかも知れません。

個人的には残念なリニューアルですが、実際に使用した方の評価は上々なので、改悪と切って捨てるには惜しい製品でしょうか。

コスパの良いワークウェア系の防風インナータイツ

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おたふく手袋もそうですが、防風インナータイツはワークウェア系の製品が充実しています。

画像左はNESTA/ネスタの防風ストレッチタイツ「NEW-05P」で、生産終了したおたふく手袋「JW-193」に酷似した製品。

パターンは若干異なるものの、こちらも前面と後面にポリウレタンコーティングが施された珍しい仕様になっています。

「JW-193」の代替品として期待したくなりますが、残念ながら取扱いが少なく早晩消えてしまいそうな雰囲気。

画像右はTS DESIGN「3222 ウインドストップパンツ」で、こちらは前面のみ防風仕様になっている製品。

おたふく手袋の後継モデル「JW-195」に似た特徴を持っていますが、防風部分がフィルムをフリースでサンドした3層ボンディング素材になっているため保温性に優れます。

気になる点として、防風フィルムの無い膝部分が広く取られていて、膝先に風を受けやすい自転車用としては不利に働く可能性も。

冷気を遮断しつつ通気性と保温性を両立させた製品とのことですが、使用感のレビューが見当たらず評価に困るのが正直なところ。

仮に自転車用でダメでも普段使いなら大活躍してくれそうなので、人柱覚悟で試してたくなります。

機能性に優れるスポーツウェア系の防風インナータイツ

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機能性を重視するなら、ラン・トレラン・サイクル用の防風タイツも視野に入ります。

注意点として、スポーツ系の防風タイツは高負荷時の汗処理を考慮する必要があるため、防風箇所が要所要所に絞られている製品が殆ど。

また、それ一枚だけを着用することが当たり前で、インナータイツとしても活用したい場合はタイトな製品を選ぶ必要も。

画像右はPEARL IZUMI/パールイズミ「6001 ウィンドブレーク ハンディ タイツ」で、パール製では唯一パッド無しタイプの冬用タイツです。

例によって前面のみ防風性に優れるウインドブレーク素材になっていて、単体着用の場合は気温5℃帯に対応するとのこと。

フィット感が良くパッドも無いため重ね着にも対応し、パンツのインナーとしても流用できる仕様。

特に裏起毛にはなっていませんが、自転車専用のタイツだけにワークウェア系タイツよりも動きやすく、汗処理も得意です。

画像左はRab/ラブの「Talus Windstopper Tight」でトレイルランニング用の防風タイツ。

イギリスのブランド「Rab/ラブ」の製品を一例として紹介していますが、スピードハイク人気の高まりからかサロモン・ゴアウェア・イノヴェイトといった海外ブランドには類似の製品が数多く見られます。

前面の防風部分にGORE-TEX INFINIUM WINDSTOPPERを採用している製品が目立ち、価格はややお高め。

タイツ単体でもインナータイツとしても使いたい方に向いていますが、自転車用とは異なりインナーには不向きなゆとりのあるサイズ感になっている場合もあるので、その点には注意したいところ。

待望の全面防風!フィット感ゆるめの防風インナータイツ

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ここまで紹介したタイツが全て前振りのように思えてしまいますが、ようやく「前面」防風ではなく「全面」防風タイプの登場です。

まずはAsahicho/あさひちょう「51035 ゴア ウインドストッパー インナーパンツ」

ゆとりのある外観で一見タイツには見えませんが、アンダータイツとしてもオーバーパンツとしても使用できる、良い意味でどっちつかずなサイズ感。

タイツよりもゆるくジョガーパンツよりも若干タイト、そんなフィット感の製品です。

その名の通り、生地にGORE WINDSTOPPERが採用され、防風性・ストレッチ性・透湿性・撥水性といった機能が全部入り。

これでタイツだったら完璧だったのに……

そう思わずにはいられませんが、薄手で軽量な作りになっているためウインタースポーツ用や作業用といったややルーズフィットなボトムスにならインナーとして問題なく使えるとのこと。

全面ゴア仕様なのに、価格も8000円弱とお手頃なのも魅力でしょうか。

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お次はAsahichoのライバルになりそうな、SAITOS/サイトス「防寒インナーパンツ」です。

防風性・ストレッチ性・透湿性・防水性・裏起毛と機能がかなり充実していて、Asahichoよりも耐水性と防寒性の面に優れます。

サイトスという聞き慣れないブランドですが、これは使用されている素材の名称だそうで、小松精錬が開発した特殊ポリウレタンフィルムを使用した高機能素材とのこと。

元々は自動二輪向けの冬用レーシングインナーとして重宝されていた製品ですが、ストレッチ性がある上に膝が立体裁断になっているため、自転車やそれ以外の用途でも高い人気を誇ります。

こちらもタイツじゃないのが残念なものの、アウター兼インナーだったAsahichoとは異なり、こちらはインナーとしての使い方がスタンダード。

ややゆとりのある腰回りに対して脚部はしっかりとタイトフィットになっているので、自転車用の防風インナータイツとしても十分に役立ってくれるでしょう。

気になるお値段は6000円弱とワークウェア系防風インナータイツ二枚分くらいと、コスパも上々です。

因みに、Asahichoもサイトスもストレッチ性を備えていますが、一般的なタイツほど伸びてくれる訳ではないので、過度な期待はしないでおきましょう。

まとめ

おたふく手袋「JW-193」の後釜探しを兼ねて、目ぼしい防風インナータイツを幾つか紹介してみましたが、100%満足できる製品には出会えなかった……というのが正直なところ。

手軽使うなら後継の「JW-195」あたりが無難かも知れませんが、現時点でのイチオシはやはりサイトスのインナーパンツになるでしょうか。

自転車用としてはストレッチ性にやや不安が残りますが、きっと膝の立体裁断がその辺をカバーしてくれるでしょう。

余談ですが、防風性なんかは無視して防寒性に全振りしたいなら、ひだまり本舗のチョモランマかエベレストがオススメ。

インナータイツなのに10000円超えの価格にビビりますが、ひだまりシリーズは極地登山用として古くから定評のある製品です。

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