少し前の記事で、私が購入したチューブレス特化の携帯工具を紹介ましたが、今回はその時に予告した通りにチューブレス化した自転車の携行品(けいこうひん)について話題にしてみたいと思います。
私もそうですが『携行品』という言い回しはあまり使わず、装備品や携帯品または単に『持ち物』なんて呼び方をしていますが、要は携帯ポンプや携帯工具、予備チューブやパンク修理キットなど、自転車のトラブル時に何かと役立つアイテムを一揃えにした物ですね。
さて、ぶっちゃけ私の携行品も最近ようやく揃ったばかりなので、お世辞にも洗練されているとはいえないのですが、今回はよくあるクリンチャー用の携行品一覧ではなく、チューブレス化した自転車向きの携行品をサクッと公開してみたいと思います。
多い?それとも少ない?チューブレスに特化した携行品リストをお披露目
上画像に写っているいる物が全ててはありませんが、私がベースにしている持ち物はこんな感じですね。クリンチャー用の携行品としてお馴染みのアイテムも多く、チューブレス用とはいえ特に変わった印象は無いと思います。
因みに私は乗り手の怪我や故障に対処する持ち物は財布と一緒に体に装備、自転車のトラブルに対処する持ち物は車体に装備させるスタンスです。
まずは手始めに、ガワの部分に注目してみます。本来なら画像上に代表される標準サイズのツールケースを使う所ですが、残念ながら私のフルサス29erはボトルケージマウントがボトムチューブに一箇所だけ、おまけにリアサスにスペースを圧迫されてスムーズに出し入れ出来ない位置という悪条件が重なり、イマイチ使い勝手がよくありません。
また、画像下に写っているのは¥100ショップで購入したスマホ用のソフトケースと両手分の軍手で、ちょっとだけ特殊な使い方をします。
前述した事情から、現在はツールケースの代替としてフェアウェザー製のコーナーバッグを愛用していますが、このコーナーバッグは内部にクッション材が一切仕込まれておらず、先ほどの¥100ショップのソフトケースや軍手がここで役立ってくれることになります。
携行品には携帯ポンプや携帯工具など金属製の物が多く、そのままだとフレームに干渉したりツール同士が干渉したりして、走行中の振動でカチカチと異音を奏でてしまうため、今のところ携行品を二つに分けてソフトケースに収納したり、軍手の内側に入れたりして凌いでいますね。
正直、サイクルジャージのポケットに収納できることで人気のソフトツールケース『Sticky Pod/スティッキーポッド』があれば、もっと無駄を省けてコンパクトにまとまるのですが、これは余裕ができたら試してみたいところです。
因みに、コンパクト化の一環として軍手の代わりに極薄のニトリル手袋を携帯する方法もありますが、この軍手はメンテなどで車体を逆さまにした際に、グリップに被せて傷予防に使ったりもします。
傷が付きやすいレザーグリップやフォームグリップの場合に重宝しますし、予期せぬ気温低下時にはオーバーグローブとしても使えるので、なかなか軍手から卒業できません。
お次はこちら、携帯ポンプを除いたパンク関連のアイテムです。チューブレスなのにそこまでパンクに神経質になる必要があるの?と思うかも知れませんが、一旦パンクやビード落ちしてしまうとクリンチャーよりもリカバリーが難しい場合もあり、油断できません。
画像右が以前にも紹介したTubolito/チューボリトの『S-Tubo』で、チューブレス化したタイヤの予備チューブとして使用します。
このチューブはプラスチック素材のTPU製で、ゴム繊維を含んだシーラント入りのタイヤに使用しても反応が起こらないため予備チューブには打って付けです、おまけにこの『S-Tubo』はバルブが分離できて超軽量な優れモノなんです。
チューブレス化した自転車で予備チューブのお世話になるシュチュエーションは、シーラントで塞ぎきれない穴やサイドカットが発生した場合やタイヤが何らかの理由でビード落ちしてしまい、ハンドポンプでは元に戻せない場合のどちらかだと思いますが、私はフックレスリムを使用しているため、どちらかといえば後者の方が不安の種ですね。
ちょっとした注意点として、チューブレスバルブを取付けた際に緩み止めや空気漏れ予防でラジオペンチなんかで過度にバルブナットを増し締めしていると、肝心な時に素手では緩められず、出先で途方に暮れることになります。予備チューブを使うにはチューブレスバルブの取外しが必須なので、トラブル時を想定してバルブナットの締め付けはほどほどにしておきましょう。
さて、画像中央のイージーパッチとタイヤブートですが、イージーバッチは自分用では無く主に同行者や他人用に準備しています。チューブレスタイヤのパンク修理はチューブではなくタイヤの内側にパッチを貼って対処しますが、これで塞げる程度の穴ならシーラントが勝手に塞いでくれますし、後述するリペアプラグがあれば大穴でもなんとかなるので、出番は殆どありません。
イージーパッチよりも出番がありそうなタイヤブートは、シーラントが苦手とするサイドカット時に使います。とはいえ、タイヤブート自体には強い接着力は無く、チューブによる下支えがあって初めて効果を発揮する仕組みです。チューブレスでサイドカットした際は強制的に予備チューブの出番になるので、必ずセットで備えておきましょう。
最後は定番のタイヤレバーですね、使い慣れた物なら何でも良いでしょ?と思うのですが、チューブレスはビードとリムの密閉性が重要故に、両者に傷を付ける恐れのある金属製はNG、出来ればビードを外しやすいチューブレス専用の製品がオススメです。
私は少し前までクランクブラザースの『スピーディアレバー』という、リムをくるりと一周させるだけで簡単にタイヤを着脱できるタイヤレバーを愛用していたのですが、この手の製品はチューブレスタイヤのビードを痛め密閉性を損ねやすいという情報を知ってから、IRC製のチューブレス専用タイヤレバーに買い換えました。まあ、MTBなら素手でも簡単にタイヤを着脱できますから、これもどちらかといえば他人用でしょうか。
余談ですが、タイヤブートを含むパンク修理用のパッチ類はタイヤの内側にシーラントが残っていると接着が甘くなります。シーラント拭き取り用にワイプオールの半紙やウエットティッシュが便利に使えるので、気休め程度でも備えておきましょう。
急にメカメカしくなりましたが、お次は携行品の主役ともいえる携帯ツールの数々です。トピーク製のチューブレス用携帯工具とNOGUCHI製の小型チェーンカッターについては既に紹介済みですね。この携帯工具にはチューブレスタイヤの穴を塞げるリペアプラグやツールが内蔵されています。
チェーンカッターの隣にある小袋には予備のミッシングリンク(SRAMはPowerLock)が入っていて、チェーンが切れたりミッシングリンク部分が破損した際に使います。定期的にチェーンを交換しているなら問題はありませんが、貧弱な11速・12速用チェーンをケチって使い続けた結果、とんでもないタイミングで切れた…なんて話も耳にするので、用心するに越したことはありません。
定番の携帯ポンプは使いやすさ重視でお好みの製品で構わないと思いますが、私はホース付きで最軽量の『LEZYNE POCKET DRIVE』がお気に入りです。チューブレス化するとチューブレスバルブの根元から空気漏れやシーラント漏れしやすくなるので、バルブに負担を掛けずに使えるホース付きのポンプがオススメです。
前述した通り、私はツールケースを使いませんが、試しに軍手を除いた携行品を全て収納してみると思いのほか余裕のある感じになりました…使い勝手が悪いのはわかっていても多少考えが揺らぎますね。もう少し入れ方を工夫すれば軍手はもちろん小型のワイヤーロックや細身のライトなんかも入りそうです。
重量はどちらも500gを下回っていて、ミニベロ用の携行品一式よりも軽いくらいです。ロードバイク用ならもっと軽量に仕上がりそうですが、セミファットのフルサス29er用としてなら、十分に軽量で省スペースな部類に入るでしょうか?
やはり、どうしても嵩張ってしまうラテックス・ブチル製予備チューブの有無がデカいですね、TPUチューブの登場に感謝です。
忘れちゃいけない『鍵・ライト・その他』について
ここからは基本となる携行品の他に、チューブレス化とほぼ無関係な『鍵』や外付けの保安部品となる『ライト』なんかについて触れてみます。
私は目的別にABUS 1500の60cm版とGIZA PRODUCTSのカラビナコンビネーションロックのふたつを、殆ど駐輪しない定番コースはGIZA製、補給や休憩が必要なロングライドにはABUS製といった感じで使い分けています。
昔はABUS 1500の110cm版や重量が500g以上もあるブレードロックを使っていましたが、今では携帯性も含めて60cm版の200g前後が最も扱いやすく感じますね、自転車の盗難に対して用心しすぎるということはありませんが、地球ロック厳守で短時間限定なら今のところこれで十分です。
因みに、GIZA製のカラビナロックはワイヤー部分が華奢ですが、これ一つでワイヤーで普通に地球ロックしつつ、剛性の高いカラビナ部分でフレームの一部を施錠するなんていう、盗る側にとって嫌がらせのような使い方ができたりします。
さて、携行品のトリを飾るのがコチラ、最近購入した携帯用スタンド『Click-Stand/クリックスタンド』と高輝度ライト『LEZYNE LITE DRIVE 1000XL』です。
クリックスタンドが約90g、ライトが約150gなので、鍵やこれらを含めると携行品の最大重量は900g程度になりますね。車体には小型とはいえ備え付けのライトがありますし、携帯スタンドは撮影時や景勝地へのロングライドの際にしか携帯しませんから、実質700g弱で運用している感じでしょうか。
ぶっちゃけ『LEZYNE LITE DRIVE 1000XL』はブラケット込みの構造が災いして携帯に不向きですね、スペックの割に競合品と比べて軽量なのが救いですが、このライトは無理に収納しようとせず、素直にハンドルにマウントしてしまった方が良さそうです。
まとめ
今回は私の携行品を例にチューブレス化した自転車に必要な持ち物をリストアップしてみましたが、簡単にまとめると【1】パンク対策【2】チェーン切れ対策【3】ビード落ち対策、これら三つの用途に大別出来るかも知ませんね。
本来ならクリンチャー用の携行品との違いが予備チューブやリペアパッチの有無なんかに現れるのですが、私の場合はサイドカットやビード落ち時のリカバリーとしてTPUチューブを携帯しているので、それほど差別化はされていない気がします。
これらの携行品でチューブレスにまつわる大抵のトラブルに対処可能ですが、これでも不安を感じるなら小容量タイプのタイヤシーラントを携帯するのもオススメですね。
因みにビードを落さずにシーラントを注入するにはチューブレスバルブのバルブコアを取外す必要があるので、必ずバルブコアツールを合わせて携帯しましょう、私も使っていますが車体に固定できるバルブキャップタイプがオススメです。