使っている人は少数派?自転車の『タイヤゲージ』に思うこと

使っている人は少数派?自転車の『タイヤゲージ』あれこれイメージ01

唐突ですが、自転車用のタイヤゲージって持ってますか?

エアゲージとも呼ばれ、タイヤの空気圧を測定するアレです。

大抵はフロアポンプに備え付けの物かハンドポンプにオマケで付いているような物で事足りてしまうため、わざわざ専用品を買い求める方は少数派かも知れませんね。

特にロードバイクなどのオンロード車なら、出走前の空気圧チェックやパンク時の再充填でしか値を気にする必要がないため、微妙に嵩張るタイヤゲージはライドの邪魔にしかなりません。

このタイヤゲージを必要とするのは主にオフロード車で、マウンテンバイクやファットバイクがその筆頭です。

タイヤの空気圧を小まめに調整することで走破性や乗り心地が大きく変化し、路面状況に応じて設定を煮詰めていくのも醍醐味の一つ。

とはいえ、長年オフロード車に乗っているとタイヤを手で鷲掴みにしただけで、おおよその空気圧が把握できてしまうため、タイヤゲージの存在価値が危うくなることも。

あると便利だけど、携帯すると微妙に嵩張る……

人によってはあっさり不要と断じられてしまう代物ですが、今回はタイヤゲージに纏わるお話にお付き合い下さい。

TPUチューブは苦手?タイヤゲージの使用感について

使っている人は少数派?自転車の『タイヤゲージ』あれこれイメージ02

記録的な暖冬だった昨シーズンとは打って変わって、今季の冬は初っ端から飛ばし気味。

早速、ファットバイクでスノーライドに繰り出そうと下準備をするも、長年愛用しているタイヤゲージが電池切れでウンともスンとも言いません。

仕方なくトピークのファットバイク専用フロアポンプ「JOEBLOW FAT/ジョーブロー ファット」のアナログメーターを頼りに低圧化を試みますが、0.5BAR以下を目指すと数値がアバウトになりがち。

聞くところによると、フロアポンプのメーターは専用のタイヤゲージと比べて3~7%ほど大きな値になるそうで、物に寄っては低圧設定時に10%以上の誤差が出る場合もあるとのこと。

使っている人は少数派?自転車の『タイヤゲージ』あれこれイメージ03

あたふたしているうちに天候が急変してしまったので、スノーライド諦めて電池を求めて100円ショップに。

愛用のタイヤゲージはパナレーサーの「デュアルヘッドデジタルゲージ BTG-PDDL1」で、購入当時はかなりポピュラーな製品でした。

現在は機能が簡略化された新モデルに置き換わっていますが、この旧モデルもまだチラホラ見掛けますね。

使っている人は少数派?自転車の『タイヤゲージ』あれこれイメージ04

冒頭でも触れましたが、サイズ的にも形状的にもツールケースに忍ばせづらいのが欠点。

重さは70g程と軽量なものの、手のひらに収めると中型の固形石鹸くらいの感覚があります。

デュアルヘッドの名が示す通り、ヘッドの一方が仏式でもう一方が米式という仕様。

エアリリースボタンを備えたヘッド部分は180度回転に対応し液晶の視認性を高めてくれますが、現在は360度対応の製品が主流です。

使っている人は少数派?自転車の『タイヤゲージ』あれこれイメージ05

何気に気に入っているのが液晶部分のバックライトとバルブ付近を照らしてくれるLEDライトの存在。

自転車のライトで代替できるため必須の機能ではありませんが、北国の冬は昼間でも薄暗いことが多いので有難味を感じる機能です。

使っている人は少数派?自転車の『タイヤゲージ』あれこれイメージ06

さて、タイヤゲージはコアネジを緩めたバルブに画像のように接続しますが、使い方に少し癖があります。

フロアポンプのようなクランプレバーが無いため、力を入れてバルブにグイっと押し込み続ける必要があり、引き抜く際にはそこそこの抵抗感も。

接続時にエア漏れすると正確な数値が出ないため、どうしてもこういった仕様になりますが、正直あまり使用感は良くありません。

普通のバルブに使用する分には特に問題は感じないものの、この性質はTPUチューブとの相性が悪く、低圧主体のファットバイクではそれに拍車が掛かります。

超軽量ファとバイク用TPUチューブ『Revoloop.Blue Fat.』の感想イメージ14

ご存知の通り、標準的なTPUチューブにはバルブをリムに固定するリムナット・バルブナットが存在していません。

当然のことながら上から押さえつけられるような力に弱く、ファットバイクのような極低圧だとバルブがリム内に引っ込んでしまったり、画像のようにバルブが偏ってしまったりといった不具合も。

フロアポンプならバルブを摘まんだ状態で口金をクランプする裏技が使えますが、クランプレバーの無いタイヤゲージでは毎回冷や冷やさせられます。

最近はバルブナットの備わったTPUチューブも登場していますが、バルブへの着脱が簡単にできるタイヤゲージがあるなら、すぐにでも買い替えたいのが本音ですね。

着脱容易でコンパクトなのが欲しい!気になる「タイヤゲージ」あれこれ

使っている人は少数派?自転車の『タイヤゲージ』あれこれイメージ07

TPUチューブでも使いやすく、よりコンパクトなタイヤゲージが無いものかと探してみると、知らぬ間に選択肢が増えていました。

私がタイヤゲージを購入してから八年も経過しているだけに、どれも機能面や使用感が洗練されています。

リニューアルされた「デュアルヘッドデジタルゲージ BTG-PDDL2」はLEDライトが無くるも液晶のバックライトは健在。

測定モードと調整モードを切り替える面倒な操作が無くなり、旧モデルよりも若干スリム化&軽量化されています。

パナレーサーのタイヤゲージはデジタル式よりもアナログ式の方が人気で、実際の使用感も上々とのこと。

仏式バルブにしか対応せず、金属製ゆえに重量は150g。

回転機能も無いためバルブ位置によっては視認性が悪い。

こういった欠点はあるものの、サイズはデジタル式の2/3程とコンパクトで、ロードバイク向きな高圧用だけでなくファットバイクやマウンテンバイクに使える低圧用もラインナップされているのが嬉しいところ。

価格もお手頃ですし、実際に使用している様子を動画で確認してみると、バルブへの着脱もスムーズに見えました。

マウンテンバイクやファットバイクに使うなら低圧用の「BTG-F-LP」が狙い目でしょう。

使っている人は少数派?自転車の『タイヤゲージ』あれこれイメージ08

私好みのタイヤゲージを探して気付いたのが、トーピーク製の充実振りでしょうか。

デジタル式のスタンダードなタイヤゲージの他に、画像右のようなインフレーターにタイヤゲージの機能を一体化させた製品もあり、バリエーションの豊富さには目を見張るものがあります。

デジタル式の二種はヘッドが360度回転しバルブは仏式と米式の両方に対応。

両者ともヘッド部分に謎の切替レバーが見られ、一瞬クランプレバーでは?と期待するも、こちらは仏式と米式の切替用とのこと。

上位モデルとなる画像中央の「スマートゲージ D2X」は液晶部分にバックライトを備え、本体サイズはL118 x W42 x H19mm、重量は56gと軽量な仕上がり。

競合するパナレーサーのデジタル式よりも細身で、携帯するのが苦にならないギリギリのサイズ感にまとまっています。

使っている人は少数派?自転車の『タイヤゲージ』あれこれイメージ09

トピーク製で最も興味を惹いたのが、シャトルゲージのお二方。

手持ちのフロアポンプやハンドポンプに接続して使うことができ、仮にエアリリースボタンで空気を抜き過ぎても、そのまま直ぐに空気の再補充が可能。

アナログ式もデジタル式もコンパクトにまとまっていて、何よりクランプレバーが備わっている点が素晴らしいです。

クランプレバーによりタイヤゲージを力任せに押し込む必要が無く、不安定なTPUチューブのバルブに対しても有利に働いてくれるかも知れません。

両者ともヘッド部分が360度回転し視認性も十分、唯一の欠点はアナログ式の「シャトル ゲージ G2」が低圧用に不向きなことで、目盛が高圧向きな仕様になっています。

デジタル式よりも安価で重量も50gと軽量なだけに、低圧用の登場に期待したいところでしょうか。

まとめ

コンパクトでTPUチューブとも相性が良さそうな製品となると、トピークのシャトルゲージが最有力候補になりそうですね。

正直、タイヤゲージとしては高額なのでなかなか手が出せませんが、クランプレバー付きは今までありそうでなかった製品です。

使っている人は少数派?自転車の『タイヤゲージ』あれこれイメージ10

最後にオマケとしてレザインの「DIGITAL CHECK DRIVE」もご紹介。

生産終了とのことで今回は選考外にしましたが、スティックタイプ故にツールケースへの収まりが良く、タイヤゲージらしからぬデザインも魅力的。

既に市場在庫のみの筈ですが、まだ余裕で手に入るので気になる方は是非どうぞ。

在庫がなかなか減らないのは、タイヤゲージ需要の低さを物語っている気も。

タイトルとURLをコピーしました