久しぶりにミニベロの話題。
有雪期はファットバイク、無雪期はグラベルロードが定着してしまい、すっかり影の薄くなった折り畳みミニベロこと、愛車のKHS「F-20R」
このまま埋もれさせてしまうのも惜しいので、思い切って輪行に活路を見出すことに。
とはいえ、このF-20Rは走りを重視したミニベロロード的な要素が強く、折り畳み機能がおまけレベルな上にフレームが嵩張るクロモリ製という代物。
輪行用にカスタマイズするなら徹底した軽量化は必須で、アクセサリー込みで車重10kgを下回るのが理想でしょうか。
軽量化に関しては過去に挑んだことがあるので筋道は立っているものの、以前には存在しなかったアプローチ方法もあり、それが今回のテーマ。
タイトルからもお察しの通り、ミニベロのTPUチューブ化がそれで、実際どれくらいの効果が見込めるのかが気になるところ。
【20インチ小径車】406・451ホイールの軽量ブチルチューブについて

さて、トップ画像の爽やかなミニベロはガン無視して、この凛々しい後姿が愛車のミニベロKHS F-20R。
クロモリフレームとリアに備わったソフトテール機構のおかげで小径車の割に乗り心地が良く、走行性能はミニベロ随一と言われるロングセラーです。
ご存知の通り、20インチミニベロには406ホイールと451ホイールの二種類があり、こちらは径の大きい451。
走行性重視のミニベロロードには大抵451ホイールが採用されていますが、昨今はタイヤの選択肢が豊富な406ホイールに押され気味になっていて、少しニッチな存在になりつつある印象。
現在は普通のブチルチューブを使っていて、過去の軽量化の際にもチューブは不思議と手付かずなままでした。

406用でも451用でもブチルチューブの重量は大抵100g前後で、軽量タイプでも60g前後が標準的な値。
眠っていたタイオガ製チューブのことを思い出して引っ張りだしてみると、パッケージにはウルトラライトの表示があり、うろ覚えですが携行用の予備チューブとして購入した覚えがあります。

試しに計量してみると、約80gとウルトラライトにしてはそこそこ重めな実重量です。
タイオガ製はノーマルが80g、ウルトラライトが60gのカタログ値だったはずなので、これはハズレ個体で間違いありません。
余談ですが、久々にタイオガの公式HPを訪れてみると、カテゴリーからチューブが消失していました。
本家の米国HPでも同様なので、タイオガはブチルチューブの取扱いを辞めてしまうのかも知れませんね。

因みに、20インチ用のブチルチューブで軽量なのはシュワルベとパナレーサー。
SCHWALBE SV6A EXTRA LIGHTは70gで実重量は60g台とのことですが、残念ながらこちらは406ホイール用しかラインナップされていません。
かなり頑張っているのがパナレーサーの「R’AIR/アールエア」シリーズで、406ホイール用のTH20-125F-RAが54g、451ホイール用のTW2087-81F32RAが58gという軽量なカタログ値。
いずれもバルブ長が短く細いタイヤ向けのブチルチューブなものの、現在100g前後のチューブと使っているなら交換するだけでハッキリとした違いを実感できるはず。
【20インチ小径車】406・451ホイールのTPUチューブあれこれ

正直、ブチルチューブでも十分に軽量でしたが、超軽量を謳うTPUチューブの実力が気になるところ。
カテゴリーとしてはBMX用となり、有名処ではTUBOLITO/チューボリートやREVOLOOP/レボループからリリースされています。
TUBOLITOの20インチ用TPUチューブではS-BMXの30gが最軽量となり、こちらは一種類で406にも451にも対応。
BMX用ということで残念ながら細めのタイヤには使えず、タイヤ幅1.5~2.5インチが推奨値となっています。
REVOLOOPの20インチ用TPUチューブは「REVO.BMX ultra」と「REVO.TINY ultra」の二種類があり、どちらも406ホイール用。
REVO.BMX ultraに関しては重量30gでタイヤ幅1.5~2.4インチ対応とS-BMXに似た仕様になっているものの、注目すべきはREVO.TINY ultraの方です。
こちらは重量21gと軽量ブチルチューブの半分以下という軽さも凄いですが、タイヤ幅0.9~1.5インチ対応とミニベロロードに使いやすい仕様なのが素晴らしい。
0.9インチ≒23mmですから、406ホイールならかなり細目のタイヤ幅にも対応してくれます。
REVO.TINY ultraが451ホイールに対応していないのが残念ですが、TUBOLITOとREVOLOOPは姉妹のような関係にあるので、S-BMXが両対応ならREVO.TINY ultraにも可能性があるという見方も……
あくまでも自己責任となりますが、過去にREVOLOOPの26インチ用TPUチューブを27.5インチ用としても普通に使えた経験があるので、人柱覚悟で試してみる価値はあるかも知れませんね。

REVO.TINY ultraには及ばないものの、なかなか優秀なのが中華製TPUチューブ。
価格は有名処の半分程度なのもそうですが、とにかくサイズ展開が豊富なのが魅力です。
ピンクのTPUチューブことRideNowのRACE FORMULAは451ホイール用が27g、406ホイール用が25gと軽量な上にどちらもタイヤ幅0.9~1.5インチまで対応。
ミドリのTPUチューブことCYCLAMiのFOLDはRideNowとほぼ同じ仕様なものの、451ホイール用が30g、406ホイール用が29gと若干重め。
これはバルブが金属製のハイブリッドなのが理由で、金属製はバルブナットでしっかりリムに固定できますし、折れづらく電動ポンプの熱にも強いという利点もあります。
中華製ということで品質が気掛かりですが、モノやセラーによっては不良率が50%に迫ることもあるそうで、その点は低価格で相殺するしかありません。
また、0.9~1.5インチ幅までワンサイズで対応というのも引っ掛かり、薄くなった分だけパンク耐性の低下が心配になります。
まとめ
20インチミニベロ用の軽量ブチルチューブやTPUチューブについて話題にしてみましたが、451ホイールが不遇の存在になりつつあるのを肌で感じる結果に。
ミニベロ用のチューブは元々軽量な傾向にあるため、チューブの軽量化に拘ってもあまり恩恵は無いと思い込んでいましたが、100gから21gに減らせるならハッキリと実感できるレベルの効果が期待できそうですね。
ホイールまわりの軽量化はたとえ僅かでも走りの軽さに影響しますし、前後ホイールで160g減なら単純な軽量化として十分過ぎるほど。
実際にミニベロをTPUチューブ化した方によると、ブチルチューブよりも乗り心地が硬くなる傾向にあるそうで、振動に弱い小径車では特に顕著に感じるのかも知れません。
タイヤ次第ではR’AIRなどの軽量ブチルチューブの方が利点が多い場合もあるので、細目のタイヤならブチルチューブのまま。
太目のタイヤならエアボリュームを活かしてTPUチューブ化するという使い方も選択肢に入りそうです。
最後になりますが、ミニベロはまだリムブレーキ車が多いので熱には要注意。
TPUチューブは高熱に弱いため、ミニベロでダウンヒルするなら前後のブレーキを交互に使うなどの小技を意識したいところ。