一月前にファットバイクでスパイクタイヤデビューしてみたものの、今年の冬はかなりの気まぐれです。
記録的な暖冬だった昨シーズンとは真逆に今シーズンは記録的な大雪となり、久々にファットバイクを堪能できると喜んでいたのですが、イマイチ天候や路面状況が安定しません。
自転車におあつらえ向きな風の穏やかな日が殆どありませんし、路面状況は積雪が多過ぎるかアスファルトむき出しになっているかの両極端で、大枚叩いてスパイクタイヤを導入したことを少し後悔する羽目になっています。
そんな中、何とかタイミングを見計らって今シーズン初のスノーロングライドに臨んでみると、道中はアスファルトが4割、シャーベット状の雪が3割、20cm前後の根雪が2割、凍結路が1割と中々変化に富んだライドになりました。
毎シーズン必ず訪れる近場の撮影スポットもご覧の通りのパンダ状態で、滅多に除雪が入らないルートにも関わらず、風が強すぎるが故に積雪が維持されづらい模様です。
件のスパイクタイヤですが、これは本当に良いですね…冬のライドでこれほど不安を感じることなく走れたのは初めての経験かも知れません。
深い雪道ではしっかりと浮遊感がありますし、凍結路やツルツルに磨かれた圧雪路でも危なげがありません。
スノータイヤほど路面状況の変化に神経質になる必要がないため、ライド中は本当にストレスから解放された気分になります。
とはいえ、スパイクタイヤも良いことばかりではありません。スパイクタイヤ最大の敵、アスファルト様のご登場です。
吹きっ晒しのサイクリングロード上は、雪害が出るほどの大雪だというのに強風の影響で全く積雪が無く、スパイクタイヤのロードノイズ&スクラッチノイズが盛大に響き渡ります。
以前からスパイクタイヤとアスファルトの相性の悪さについては耳にしていましたが、実際に体験してみると私の予想していた物とは少し違っていました。
スタッドピンのスクラッチ音により、もっと金属質なノイズを奏でるものと思っていたのですが、ブロックタイヤによる聞き慣れたロードノイズに混じって、何処かで聞いたことのあるようなパチパチ・パラパラといった小さな破裂音が聞こえます。
『う~ん、何だろうこの音は…』と記憶の糸をたぐってみると、そうです!あの音です!
雨傘に激しく雨粒や霰(あられ)が打ちつける、あの音にそっくりでした。
他に人のいない場所ならばギリギリ許容範囲な走行音ですが、除雪が行き届きアスファルトが剥き出しになった街中なんかは避けた方が無難ですね。ただでさえ人目を惹くファットバイクなのに、人とすれ違う際のアピール度が倍増ですから。
スタッドピンの脱落や摩耗も気になったので、道中は出来るだけ雪や氷の残る路面を選んで走りましたが、そうするとピタッとすぐに無音になるのも面白いところ。
音質の違いを無視すれば、アスファルト上はロードノイズがいつもの2倍なったような印象ですね、もちろんブロックタイヤ比ですけど。
さて、私の住む地域はあとひと月半くらいはスノーライドが楽しめそうかな?
降り過ぎると除雪や融雪剤の散布が過剰に行われてしまい、逆に走りづらくなるのが悲しいところですが、いまさらスノータイヤに交換するのも面倒なので、ほどほどに積雪があってくれると嬉しいですね。
余談ですが、久々に長く乗ってみると機械式ディスクブレーキの効きが以前よりも良く感じます。
油圧式ディスクブレーキの引きずりやエア噛みに悩まされて随分前に交換した物ですが、いまさらアタリでも出始めたのでしょうか?
うる覚えですが、ファットバイクに制動力の高いブレーキは不向きだという話を聞いたことがあります。凍結路での急制動はスリップや転倒を招きやすいことが原因だそうですが、確かにカックンブレーキだと危なそうですね。