普段使い用として増車したセカンドマシン、KHS製のミニベロ『F20R』に乗り始めて数ヶ月が経過。
やや大きめの451ホイールとはいえ、20インチサイズの小径車は路面の状況がダイレクトに伝わり、慣れていないと少しの距離でも振動で手がしびれてしまいがち。
手の不快感に耐えかねて、100円ショップの防振ゲルパットと4ミリ厚のバーテープでミニベロの振動対策をしたのですが、使用したOGK KABUTOの『BT-09』というバーテープがあっという間に汚れてしまいました。
ただでさえ汚れの目立つホワイトカラーですし、汗をかきやすい季節ともなるとそれに拍車が掛かります。
しかも、このバーテープはクッション性は抜群なものの質感や手触りが和紙のようで、交換した直後から『ああ、これは速攻で汚れるな…』と実感できるほど。
流石に遠目からでも汚れが目立ち見栄えが悪くなってきたので、前回交換の際に予算の関係で見送ったシリコン製バーテープを試してみることにしました。
シリコン製バーテープは『ファブリック』か『マジックワン』か?
前回交換した際から目星を付けていたのは、シリコン100%のバーテープです。
シリコン製のバーテープは裏面に粘着テープが付いておらず、何度でも巻き直しが可能。
私もそれに含まれますが、何気にバーテープ初心者の勉強用として打って付けな仕様です。
また、表地や裏地を含む全体がシリコン製になっているため大変汚れに強く、中性洗剤やガラスクリーナーで簡単にお手入することも。
候補はfabric(ファブリック)のシリコンバーテープとMagic One(マジックワン)のSilic1の2つに絞られ、どちらのメーカーも比較的新しいブランドです。
汚れ落ちの良さと手入の容易さで話題になったのはマジックワン製の方ですが、最近人気の高まっているファブリック製も気になります。
どちらも機能面には大差はありませんが、表面がフラットなマジックワン製はクリーナーで汚れを落としやすい反面、手汗が多いと滑ってしまいそうな印象。
ファブリック製は表面がエンボス加工され、汚れが目立ちづらく滑り止めにも一役買ってくれそうですが、クリーニング時には歯ブラシなどでゴシゴシこする必要も。
あれこれ悩みましたが、汗などの水分を全く吸わないシリコン製だけに滑り止めの付いたファブリック製のシリコンバーテープを選ぶことに。
手入の簡単そうなマジックワン製にも後ろ髪を引かれますが、こちらは素手よりもサイクルグローブとの併用を前提にした製品かも知れません。
ファブリック製シリコンバーテープの感想
新興ブランドとして、某アップル的なイメージ戦略を感じるファブリックですが、パッケージもシンプルでお洒落に仕上がっています。
因みに、シリコン製のバーテープは高額でファブリック製は5000円弱もします。
以前はマジックワン製の方が高額でしたが、価格改定され手の届きやすいバーテープになりました。
消耗品のバーテープに5000円は高すぎる!
そんなふうに思うかもしれませんが、何度も巻き直しが可能、汚れても洗浄できる、経年劣化に強い。
こういった長所を考慮すると、2000円前後の製品を頻繁に交換するよりも、遥かにコスパが良いと感じます。
【追記】この記事を書いた時点から5年以上経過しても真っ白なままなので、コスパの高さは折り紙付き。
パッケージの内容物はシリコン製バーテープとエンドキャップ、仕上げのフィニッシュテープの3種類で、もちろん2つセットになっています。
説明書は同梱されておらず、巻き方についての解説もないので、初めての方はネットで巻き方について情報収集をした方が安心でしょうか。
とはいえ、何度でも巻き直しが可能なシリコン製のバーテープですから、トライ&エラーを繰り返して練習すると、みるみる上達してくので気後れせずにチャレンジするのが吉。
どちらかと言えばフィニッシュテープで仕上げるエンド処理の方か難しかも知れませんね。
前述の通りバーテープの表面にはエンボス加工が施されていて、ハニカム構造を思わせる幾何学的な模様になっています。
通常のシリコンでも滑り止めには十分ですが、汗ばんだ状態でハンドルを握る場合はこちらの方が安心感があるでしょうか。
サイクルクルグローブは滅多に使わないといった、素手派の方には特にオススメな感じですね。
実際に巻いてみた感想ですが、クッション性は巻き方である程度の調節が可能。
今回は振動対策が主ですから緩めの厚巻きにしましたが、強く引っ張りながら薄く巻くことも出来ます。
仕上がりに納得がいかず、左右とも2回ずつ巻き直しをしたのですが、何度もやり直しが利くのは本当に便利に感じますね。
また、巻いている最中にコンポーネント部分に垂れ下がったバーテープが触れてしまい、真っ黒なオイル汚れを拾ってしまったのですが、驚くほど簡単に拭き取れました。
エンド処理ではバーテープの終端を斜めにカットする方法が定番ですが、今回はハサミを入れたのはその部分のみで、カットによる長さ調整は一切せず、巻き加減のみで長さを調節しました。
巻き終わった後に試乗したところ、グリップに違和感は無く、握り心地も悪くありません。
流石に以前よりは硬く感じますが、張りのあるシリコン製だけに前よりも力強く振動が吸収されています。
バーテープが若干薄くなった分、ブレーキレバーにも手が届きやすくなり、安全性が若干向上したのも地味に嬉しいですね。
まとめ
バーテープとしては少し値の張る買い物でしたが結果的に大満足。
巻き方によっては厚みが出るのでエンド処理には慣れが必要になりますが、今回もエンドテープの定番『3Mプラスチックテープ』が便利に使えました。
何かとお手入れが面倒な白バーテープですが、シリコン製ならクリーナーを吹付けて少し時間を置いただけでも汚れが浮きますし、使用済みの歯ブラシで擦れば頑固な汚れも落とせます。
私のミニベロはブルホーンバーなので、太巻きによるバナナのような見た目は相変わらずですが、しばらくの間はバーテープ交換の手間から解放されそうです。
【追記】大変気に入っていたファブリックのバーテープですが、現在は入手が困難な模様。
詳しい事情は不明ですが、fabric公式HPにはしっかりとラインナップされているのに国内外を問わず品薄状態がずっと続いていて、ホワイトカラーはまず手に入りません。
代替品は前述のマジックワン製でも構いませんが、以下の三種類もおすすめ。
・guee/グイー『SIO DURA』
・ESI GRIPS『RCT Wrap』
・WOLFTOOTH/ウルフトゥース『SUPPLE BAR TAPE』
いずれもシリコン製ですが、ESIとWOLFTOOTHは厚手でモチモチしたクッション性の高い仕様。
gueeはマジックワンやファブリックに似たゴム的な質感で、厚すぎず薄すぎずな仕様になっています。
因みに、gueeはサイクルベースあさひが代表的な国内取扱店になっているため入手しやすく、価格も若干控えめなのが魅力でしょうか。
言い忘れましたが、シリコン製と謳ったバーテープの中には素材の一部にしかシリコンが使われていない製品もあるので注意が必要。
汚れ落ちの良さや長寿命を期待できない場合があるので、『シリコン100%』と記載のある物を選びましょう。