ちょっとした買い物からロングライドまでこなす愛車のミニベロKHS F-20R。
納車してから一度もカスタマイズをしたことの無いドノーマルだったのですが、シーズンオフを前にちょっとだけ軽量化してみることにしました。
タイヤ・シートポスト・ペダル・サドル・鍵・携帯品などなど、このあたりが真っ先に軽量化の対象になりますが、手始めとして導入のハードルが低そうなペダルの交換から始めてみることに。
事前にアタリを付けていたので購入候補はそこそこ絞られているものの、お眼鏡に適うペダルは以下の4点を満たしているのが望ましいです。
【1】ペアで200g前後の重量
【2】ペダルの踏面が小さ過ぎない
【3】実用に耐え得る剛性がある
【4】踏面のスパイクピンが鋭利過ぎない
特に私はサイズの大きな靴を履くことが多いので、【2】の踏面サイズはそこそこ重要な要素と言えるかも知れません。
また、ミニベロはカジュアルな格好で乗ることが多いので【4】のスパイクピンも地味に気になる部分です。
最近は随分とマシになりましたが、私には停車後の漕ぎだしの際に無意識に靴のアッパー部分でペダル位置を調整してしまう悪い癖があり、レザーやスエードレザーの靴に傷を付けてしまう事がよくありました。
あくまでもスパイクピンに関してはプラスアルファといった感じですが、出来るだけソフトな方が安心できますね。
因みに、F-20Rは折りたたみ機能のあるれっきとしたフォールディングバイクですが、今のところ輪行や車載などの用途に使う予定はゼロ。
そのため、今回のペダル選びではペダルの取り外し機能の有無については、一切考慮に入れていませんので悪しからず。
候補になったミニベロの軽量ペダル4選
最初に目星を付けたのは、ミニベロ用の軽量ペダルとして人気の高いTIOGA(タイオガ)のシュアーフットミニです。
ペアで208gとまずます軽量で剛性も十分、シールドベアリング採用で外観にも安っぽさを感じません。
踏面には滑り止め用の突起がありますが、鋭利なピンタイプではないので、私好みな感じでしょうか。
ただ、残念ながらこの手の軽量ペダルの宿命か踏み面のサイズがW62×L70mmと必要最低限な作りで、一見すると子供用のペダルかな?と勘違いするほど小さいです。
トータルバランスが良く候補としてはかなり上位に入ると思いますが、踏み面のサイズを重視する私の場合なら、多少重量がアップしても同じタイオガ製のシュアーフット8やシュアーフット9の方が向いているかも知れません。
両者ともシュアーフットミニよりも50gほど重くなってしまいますが、縦に長い踏み面や回転性能良さで人気のペダルです。
因みに、シュアーフットミニもシュアーフット9も既に生産が終了していて在庫は市場に出回っている限りです。
タイオガは昔と比べてペダルのラインナップを大幅に縮小していて、残念ながら現在はミニベロ向きな製品をリリースしていません。
続いては、ペダル専門のメーカーとして知られる三ヶ島製作所ことMKS製のCompact(コンパクト)ペダルです。
作りの確かさに関しては流石はペダル専門メーカーといった感じでしょうか。
ペアで233gと今回候補に挙がったペダルの中では最重量ですが、その増量分だけ剛性が増しているので許容範囲な印象。
こちらもシールドベアリング採用で、踏面の滑り止めもソフトです。
ただ、踏面がW75 x L67mmと小さく、面積は前述したタイオガのシュアーフォットミニと殆ど同じなのが残念。
こちらの方がタイオガ製よりも横方向にスペースが割かれていますが、デザインも含めてどちらを選ぶかは好みの問題かも知れませんね。
MKS製のペダルはどちらかと言えば、ワンタッチで取り外し可能なEzyシリーズの方が有名なので、輪行などで折りたたみ機能を頻繁に使う方に向いているメーカーだと思います。
お次は、ワイヤーロックで人気のcropsが販売しているVP ONE(ヴイピーワン)シリーズのVP-PIPERです。
正直、見た目はかなりチープですが、ペアで167gと抜群に軽量なのが最大の魅力ですね。
ペダル本体はアルミ製ではなくカーボン製である点が軽量な理由ですが、見た目のショボさにさえ納得できれば、滑り止めのソフトさも含め、悪くない選択肢だと思います。
シールドベアリング採用で踏面サイズはW85×L54mmとこちらもやはり小さめですが、今回候補に挙がったペダルの中では最も安価でコスパにも優れています。
こちらもタイオガ製と同様に現在は入手困難になっていて、オークションかフリマサイトでしか見掛けなくなってしまいました。
一応、キャプテンスタッグからはVP-PIPERに激似なペダルがリリースされていて、名前が共通していることからOEM品の可能性もあります。
アマゾンやアリエクスプレスでは重量170~180g前後のカーボン製ペダルが幾つか販売されいるので、とにかく軽さだけを追求しているといった方は、代替品としてこれらを狙ってみるのも手でしょうか。
さて、トリを飾るのが私が実際に購入を決めたAESTの6061-T6です。
本来ならコスパの良さが決め手となり、前述のVP-PIPERにする予定でしたが、個人的に謎だった中華メーカー『AEST』の評判がそこそこ良かったので、思い切って購入してみました。
このAESTなるメーカーは中国の深センにあるらしく、OEM品が『ROCKBROS(ロックブロス) 』やその他のブランドで販売されています。
最近はアマゾンで頻繁にこれら名前を見掛けますし、中華製品のレビューはあからさまにステマなのがわかるので少し心配しましたが、AEST製のペダルは中々のものです。
シールドベアリング採用で重量は何とペアで170g。
踏面はカーボンではなくCNC加工のアルミ製で、見た目にチープ感は全くありません。
このペダルが軽量な理由はチタンシャフトが使われているからで、アルミ製の踏面の方がオマケといった感じでしょうか。
正直、シールドベアリング採用ですから例え踏面がダメダメでも、軽量なチタンシャフトさえまともなら、幾らでも他の軽量ペダルに移植すればイイじゃない?という計算もあったり。
個人的に唯一残念なのが、滑り止めにスパイクピンが採用されている点ですが、実際に使ってみると靴底やアッパーを過剰に傷つけるような鋭利さはなく、足裏をしっかりとグリップしてくれるバランスの良い仕上がりでした。
踏面のサイズはW80×L80mmと今回の候補中では最も大きく、サイズが28cmある私の足でも十分に実用範囲。
因みに、このペダルはシャフトや踏面の材質が異なるバージョンが幾つもあり、国内ブランドからもリリースされています。
2023年現在、残念ながら170g台のAEST製が手に入らなくなっていますが、代替品は(株)リンエイのオリジナルブランド『Palmy Sports/パルミースポーツ』のバタフライペダルが一押し。
安価なスチールシャフト製『PS-717』が254g、AESTと同じチタンシャフト製『PS-717T』がペアで200gと若干重くなっていますが、それでも十分に魅力的な軽量ペダルです。
思いのほか使い勝手が良かったので、番外編として紹介するのがxpedo/エクスペドとwellgo/ウェルゴのペダルです。
両者とも同じ台湾メーカーですが、販売国によってブランド名が使い分けられています。
ミニベロ向きなペダルも幾つか存在し、コスパの良さにも定評がありますが、特にオススメなのがエクスペドのSPRYやウェルゴのC237・M194。
どのペダルも十分な踏面サイズを確保しながらも、重さは250g前後と大変優秀です。
私がファットバイク用として購入したエクスペドのSPRYは、W100mm×L106mmという大き目の踏面サイズにも関わらず、実重量が253gと、この価格のペダルとしては驚くほど軽量。
試しにミニベロに組み付けて一ヶ月ほど使用してみましたが、このままミニベロ用として使い続けたくなるほどペダリングに安定感があり、急な坂道でも安心してペダルに体重を預ける事が出来ました。
サイズが大きいので、全てのミニベロに推奨できる訳ではありませんが、折り畳み機能を全く使用しない場合や元から折り畳み機能が備わっていないミニベロになら、快適に使用できると思います。
AEST製チタンシャフト軽量ペダルの感想
中華メーカーということで、簡易包装のバルク状態で届くのでは?
そんな不安がありましたが、結構まともな状態で到着。
金属ケース入りという予想外のパッケージ仕様で、チタンシャフトのスレッド部分にはご丁寧にカバーまで。
シャフト部分を持って軽く指でペダル本体を弾いてみると抵抗なくクルクルと回転、現在使用している標準ペダルとは雲泥の差です。
あまり回転しすぎてもペダルに足を載せるときに厄介になりますが、少なくともチタンシャフトを抜いてグリスを塗り直す必要が無いくらいにはスムーズに回転し続けてくれてますね。
上画像の様に取り付けにはペダルレンチではなく8mmの六角/ヘックスレンチを使用するタイプで、付け外しの際にクランクに傷が付きづらく怪我もしにくいので、個人的にはこちらの方が好みでしょうか。
余談ですが、よくあるセットの六角レンチでは取り外しの際に短すぎて十分な力を加えづらいので、そういった場合は鉄パイプや余っているストレートバーハンドルなんかで六角レンチの持ち手を延長してあげると良いです。
試しに今まで使っていたVP ONE製の『VP-320』と並べてみると、横幅はほぼ同じか少しだけAESTの方が長く。
縦幅はリフレクターの分を差し引いてもVP-320の方が長い作りです。
因みにVP-320の重量はペアで370gもあり、ペダル交換だけで200gも軽量化できました。
まとめ
実際にペダルを交換して40kmほど乗り回してみた感想ですが、短時間で足に馴染んでくれ、軽量化で剛性に不安の残る踏面にも撓みや軋みを感じませんでした。
ペダルを変えてみて思ったのは、足のサイズが大きい方は1cmでも縦幅が広い方が疲れづらく、ペダルのサイズは横幅よりも縦幅を重視したほうが良いということでしょうか。
うろ覚えですが、カーブでペダルが路面に接触しないように、横幅控え目で縦長仕様のペダルはオンロード向きと聞いた覚えがあります。
最後にオマケとして、とあるペダルをご紹介。
高価なので今回の記事で取り上げるべきか迷いましたが、財力に余裕のある方に試してもらいたいのがWELLGO/ウェルゴの軽量ペダル『C-260』でしょうか。
踏面はW82×L100×D24mmと十分なサイズ、本体はアルミ製でシャフトはチタン製、ペア重量が188gと至れり尽くせりではあるのですが……
如何せん、実売価格が18000円前後となかなか手の出しづらいお値段。
輪行時の負担軽減で『愛用のミニベロを少しでも軽くしたい!』といった方は、是非お試しあれ。