冬ライドで気になることの一つに、メガネ・サングラス・ゴーグルに代表されるアイウェアのくもりが挙げられます。
単体で使用する分には特に問題はありませんが、冬場にバラクラバやフェイスマスク、ネックゲイターで口元を覆ってしまうと、自身の呼気によりどうしてもアイウェアがくもってしまい、視界の確保に悪影響を及ぼします。
昨今は防寒目的以外でもマスク姿でのライドが当たり前になっているので、メガネ愛用者には益々やっかいなことになっていますが、そんな時に役立ってくれるのがメガネ用の『くもり止め』でしょうか。
私も数年前から某市販品を愛用していますが、最近の製品はマスク需要の後押しもあり、今までよりも効果の高い物が増えています。
今回話題にする製品もその一つで、自転車用のケミカルで知られるMUC-OFF/マックオフがリリースしているだけに、冬ライドでの使い勝手や機能性が気になることろ。
レビューによると、強力タイプのくもり止めで効果も持続時間も十分だそうですが、個人的に気になるのは機能性よりも使い勝手の良し悪しの方でしょうか。
液体タイプのくもり止めは、成分が虹色の油膜状にしつこくレンズに残ってしまうことが多く、綺麗に拭き取り過ぎると効果が薄くなり、軽く拭き取るとレンズが汚れたように見えてしまうといった欠点があります。
さて、高評価に釣られてMUC-OFFの強力くもり止めスプレーこと『Anti-Fog Treatment/アンチフォグ トリートメント』を購入してみましたが、果してその実力は如何に?
いきなり品薄?MUC-OFF『Anti-Fog Treatment/アンチフォグ トリートメント』の詳細と使い方
年明け早々にアマゾンで購入、価格は¥2000弱とくもり止めとしては割高な部類に入り、容量は32ml、サイズはΦ2.5cm×12cmと、携帯も可能な大きさです。
因みに、上画像でくもり止めよりも目立っているのは、おたふく手袋の防風インナータイツ『JW-193』で、こちらも冬ライドには欠かせない必須アイテムですね。
防風性を数年で加水分解するポリウレタンコーティングで確保しているため、使っても使わなくても数年で劣化してしまう筈でしたが、予想に反して四年間ヘビーに使い続けてもまだ余力を感じます。
流石にそろそろ限界でしょ?と思って買い換えましたが、今シーズン中に切り替えるのが勿体なく感じるほどの良コスパです。
話が少し脱線しましたが、本日の主役はこちらのMUC-OFF『Anti-Fog Treatment』です。
少し前まではパッケージの説明書きは英語のままでしたが、ダイアテックが輸入元になってからは日本語の説明書きや販促POPがシールで上から貼られるパッケージ仕様になりましたね。
シールタイプの販促POPの印象からか、男性スキンケア用品コーナーに置かれていても違和感の無い佇まいです。
使用方法は至ってシンプルで、【1】事前にレンズをクリーニング、【2】ボトルをシェイク、【3】スプレー後にティッシュで拭き取る、この3ステップで終了です。
パッケージに記載がある通り、効果の持続時間は最長で5日間、もちろんメガネだけでなくサングラスやゴーグルにも問題無く使えます。
アンチミストフォーミュラ技術を使用したレンズ用曇り止め。透明で極薄のコーティングが作られ、最長5日間機能が続きます。
MUC-OFF/ダイアテック株式会社
自転車・オートバイ・スキー・スノーボード・水泳などのゴーグル、眼鏡、自動車のミラーなどに適合。あらゆるガラスやプラスチック類に対し安全に使用できます。
また、公式の商品説明には上記のような一文があり、水泳用のゴーグルにも使えるのなら、相当な耐水性があるのでは?と期待したくなりますが、どうらやこれは密閉されたレンズ内側の話みたいですね。
効果や使用感が気になるので早速テストしてみますが、説明書き通りにレンズを事前にクリーニングしてから、スプレーボトルをしっかりとシェイクしておきます。
アンチフォグ トリートメントの液体が白濁していますが、元からこの色でシェイクの影響ではありません。嫌な匂いも無く、粘度の低いサラッとした液体ですね。
効果がハッキリとわかるように、取り合えず向かって右側のレンズの表裏にだけスプレーをしてみました。
スプレー直後は薄めた石鹸水のような僅かな泡立ちがあり、ティッシュで優しく拭き取りつつ塗り延ばすと、以前使用していた液状タイプのくもり止めと同じく虹色の油膜状になりますが、拭き取りで水分が失われると、徐々にレンズがクリアな状態に落ちついてくれました。
冒頭でも触れたように、以前の物は成分による油膜が残りやすく、拭き取り過ぎると効果が薄れてしまっていたのですが、このアンチフォグ トリートメントの使用感には、十分合格点があげられそうです。
肝心のくもり止め効果はご覧の通りで、加湿器の蒸気を両方のレンズに満遍なく当てても、くもり止めを塗布した右側は視界がクリアなままでした。
多少強引にくもらせても瞬く間に白いモヤが消え、あっという間に視界が晴れてくれます。
この時点では、まだ『強力』なのかは判断できませんし、持続時間も謳い文句通りなのかもわかりまんが、以前よりも使い勝手の良い製品なのは間違いなさそうです。
まとめ
その後、フェイスマスク装着のファットバイクや不織布マスクでの外出など、四日間に渡ってテストしてみましたが、激しい呼気でもレンズが白くならず、くもり止めの効果には確かな物がありました。
テスト中は一度も塗り直しをしていませんが、日常的なお手入れをしても表面のコーティングは生きたままで、強力で持続時間が長いという点に嘘偽りは無さそうです。
唯一気になったのがレンズに雨や湿った雪などの水滴を受けると、表面をコーティングしている成分が水分に溶け出し、少しだけ油膜状に戻ってしまう点でしょうか。
塗布した時と同じくティッシュで軽く拭き取るとすんなり再定着してくれますが、大雨だと成分が流れ落ちてしまうかも知れません。
おそらく高い耐水性は備えていないので、ゴーグルなどに使用する場合は内側のくもりを防止する使い方がメインになりそうです。
とはいえ、メガネ派の自転車乗りには十分すぎる恩恵があるので、冬ライド時にアイウェアがくもりがちな方は是非お試しあれ。