随分とご無沙汰な気もしますが、久々に愛用のミニベロことKHS『F-20R』のプチカスタマイズです。
とはいえ、今回はサドルの交換とブレーキシューの交換なので、どちらかといえばカスタマイズよりもメンテナンスに近いでしょうか。
現在、ミニベロのサドルには巷で神サドルと称されているSERFAS/サーファスのRXシリーズを使っていて、尻痛対策に関しては全く不満はありません。
なのに、何故サドルを交換するのか?というと…実はこのRXシリーズは座り心地は抜群なものの、座面を覆う表面素材に少し癖があり、カジュアルウェアで乗ることが多いミニベロとは相性がイマイチなんです。
一方ブレーキシューですが、こちらもこちらで事情があって、寿命を待たず少し早めの交換作業となります。
先日、家族の乗っているママチャリをメンテナンスする機会があったのですが、あまりのフロントブレーキの効きの悪さに驚き、この有様じゃいつ事故を起こしても不思議はない…というか止まらないだろコレ…と少なからず衝撃を受けます。
レバータッチやクリアランスを調整すると共に、せめてブレーキシューだけでもシマノ製のしっかりとした物に交換した方が良いのでは?と思い立って調べてみると、どうやらロードバイク用のブレーキシューでも種類によっては使える模様。
取り合えずダメ元で今までミニベロに使っていたブレーキシューをママチャリに移植してみよう!ということで、手始めに新品のブレーキシューをミニベロに取付ける運びとなりました。
今回は交換した新サドルことDDK/iWA コンフォートプラスのスマートモデル『D063』の感想と、予想外に苦戦したキャリパーブレーキのブレーキシュー交換について話題にしてみます。
高評価サドルを再購入!DDK/iWA コンフォートプラスのスマートモデルを試す
まずはサドルからですが、ミニベロ・ファットバイク・フルサスMTBの三台持ちだけに、今まで幾つのサドルを試したのか、自分でも覚えていないくらいです…
冒頭でも触れましたが、これまで使用していたサーファスの『MH-RX ハイパフォーマンス』は肉厚なコンフォートサドルながら、ギリギリ許容できるスマートな外観とお尻への優しさを高いレベルで両立させた逸品です。
とはいえ、およそ400gとやや重い、座面がザラザラしていてコットン製パンツがダメージを受けやすい、ジーンズ・チノパン系のカジュアルパンツの染料が色移りしやすい、といった地味な欠点もあり、カジュアルウェア派の私にとって100%満足できるとは言い難いサドルでした。
そんな経緯もあり、折を見てサドルの交換を目論んでいたのですが、少し前に『DDK/iWA コンフォートプラス』に出会ってしまいます。
以前の記事で詳しく紹介していますが、『MH-RX ハイパフォーマンス』と比べて僅かに座り心地が劣るものの、それ以外は私の不満を全て解消してくれる良サドルで、高額&万年欠品状態のRXシリーズの代替品として申し分ありません。
現在、オールラウンドモデルの『D073』をフルサス29erに使用中ですが、全く不満が無いためミニベロにも同じサドルで良いかな?と思ったのですが、シリーズ中で最軽量のスマートモデル『D063』が気になって思わず購入してしまいました。
因みに、価格もシリーズ中最安で、仮にお尻に合わなくてもそれほど痛い出費ではありません。
座面の柔らかなコンフォートサドルではありますが、スマートモデルだけにサイドシルエットはスッキリしていますね、ミニベロどころかクロスバイクやロードバイクでも違和感なくまとまる外観をしています。
サドルの寸法は長さ27.3cm、幅14.2cm、厚さ7.5cmとなり、実重量はカタログスペックと全く同じ320gでした。以前購入したオールラウンドモデルも1gしか誤差が無かったので、製品管理はかなりしっかりしているみたいですね。
前回同様に座面を指でググっと押してみると、低反発素材特有の沈み込みがあります。
ですが、オールラウンドモデルは指で押した後に写真を撮影できるくらい復元時間に余裕があったのですが、このスマートモデルは何度チャレンジしてもダメでした。
某所のレビューで『オールラウンドモデルとスマートモデルでクッション材の量に大きな違いは無い』といった旨の内容を目にした記憶があるのですが、実際に比べてみるとスマートモデルの方が明らかにクッション材の量とカバー面積が少なくなっています。
う~ん、レビューを信用していただけに、これは失敗の予感がしますね。重量差はほんの40g程度ですが、走行時に大きな違いを生みそうです。
ディスクよりもムズカシイ…初めてのブレーキシュー交換
サドルのお次は、注目のブレーキシュー交換です。
実はキャリパーブレーキのブレーキシュー交換は、今回が初めての経験で割と手探り状態ですね。
ミニベロのキャリパーブレーキは旧SORAグレードの3500系なので、ブレーキシューもTIAGRAとSORAに対応した本体を丸ごと交換するタイプを選びました。
因みに、シュー部分がカードリッジ式になったULTEGRAグレードの『R55C3』『R55C4』も使えますし、価格も大差が無いので、少しでも制動力が欲しいならこちらを選びましょう。
何も考えずに、おもむろにブレーキシューを外してみると、マウント部分を境にブレーキシュー本体&球面座金、取付けボルト&平座金の構成になっていました。順番を間違えないように念のため注意です。
また、ブレーキシューには上下はありますが、このSORAグレード用には左右の指定は見られず、SHIMANOの文字が正位置になるように取付けます。
三年間も交換していないので、フロントブレーキのシューは新品と比べて2mmほど摩耗していました。
ゴムに劣化は見られず溝もまだしっかりと残っているので、ママチャリに移植しても問題無さそうですね。
さて、ここからの作業で少し苦戦します。まさが自分がディスクブレーキよりも面倒臭いなぁ…なんて漏らすとは思いませんでした。
ディスクブレーキの調整には散々煮え湯を飲まされてきた筈なのに、慣れとは恐ろしいものです。
キャリパーブレーキに門外漢な私でも、ブレーキシュー取付時に意図的に傾斜を付ける『トーイン』くらいは知っていたので、工具箱の底から一度も使ったことのない『ブレーキシューチューナー』を発掘します。
これで、トーインもクリアランス調整も楽勝だぜ!と思ったのも束の間、ミニベロのホイールが小さすぎで画像のブレーキシューチューナーがどうにもフィットしません。
これはロード用だ…と直ぐに気付きましたが、ブレーキシューチューナーはホイール径やスポーク数に依存するクリップタイプよりも、バイクハンド製の『YC-193』のように左右別々になった製品の方が使い勝手が良さそうです。
結局、マニュアルも見ずにフィーリングで交換作業を完了させてしまった訳ですが、後からマニュアルをダウンロードして確認してみると、概ね正解の作業内容でした。
大まかなポイントをまとめると、【1】センタリング調整ボルトを標準位置に【2】シューの上下位置はタイヤから1mm以上離す【3】トーインは0.5mm【4】シューのクリアランスは片側1.5~2mm【5】本締めの際シューの供回りに注意、こんな感じになるでしょうか。
なんとなく、ここをいじればOKだろうと直感で理解できたものの、個人的に初見のセンタリング調整ボルトが新鮮でした。ママチャリだと左右のクリアランスはキャリパーの固定から調節しなければならないので、これは本当に便利ですね。
意外に苦戦したのがブレーキシュー本体の供回りで、シューをしっかりと固定しようとすればするほど、増し締めのトルクでシューが固定位置から回転してズレてしまいます。
ブレーキレバーを強く握って、シューをリム面にしっかりと押し付けてから本締めするのがコツだそうですが、ある程度シューをキツく固定した後にブレーキを開放状態にして、仕上げに手で押さえながらシューを本締めした方が簡単でした。
いざテスト走行、新サドル&ブレーキシューの調子は如何に?
さて、カスタマイズ&メンテナンス後は恒例のテストライドに出発です。
夏の終わりとはいえ日差しはまだまだ強く、今回は木陰の多いお気に入りのコースを選んでみました。
二年ぶりくらいに細身のサドルを取付けてみましたが、外観はやっぱりこちらの方がしっくりきますね。いつもの癖で若干前下がりの角度で固定したものの、座面が滑らか故に走行中は勝手に前乗り気味になってしまうかも。
個人的に大した変化は無いだろうな…と思っていたのですが、ブレーキシューを交換しただけでフロントブレーキがバチクソに効きます。
レバーストロークが深い方が好みなので、クリランス幅を通常よりも広めに設定していますが、忘れかけていた納車当時のブレーキタッチの記憶が甦ってきました。
使用頻度が異なるので今回は手付かずでしたが、ブレーキシューを交換していないリアブレーキとのギャップを感じるので、最低でもリアブレーキのクリアランス調整くらいはした方が良さそうです。
続いてサドルの感想ですが、残念ながら悪い予感が的中し、お気に入りのオールラウンドモデルほどの快適さを感じません。たった40gでもクッション材の量やサイズはかなり重要な要素みたいです。
やや辛口の感想ですが、それでも40kmくらいまでなら普通に使えますし、そこいらのコンフォートサドルと比べても並み以上の快適さでしょうか。中央部分の凹みがオールランドモデルよりも深く、会陰にダメージが及びづらい点は素直に評価したいです。
前傾姿勢のロードバイクや前傾気味のクロスバイクでなら、また違った結果になると思いますが、アップライト気味の姿勢でどっしり座れるサドルを求めるなら、やはりオールラウンドモデルの『D073』や『D043』が最適解ですね。
尻痛に悩みつつも、少しでも軽量で見た目の良いサドルが欲しいなら、この選択で間違いないと思います。
以前と比べるとミニベロで長距離を走ることが少なくなったので、もう少しだけ使い続けるつもりでいますが、次は思い切ってセミワイドモデルの『D102』を試してみるかも知れません。
まとめ
サドルは残念な結果になりましたが、ブレーキシューは無事にママチャリに移植することができました。
シューをマウントするアーム部分の厚さが異なっていたため、固定にはワッシャーを噛ませる必要がありましたが、ブレーキの効きはハッキリと改善し、以前とは雲泥の差です。
随分と長い間カスタマイズをさぼっていたミニベロですが、お次はダブルレッグセンタースタンドの取付けか、中座しているフロントシングル化でもしてみましょうかね。