初冬から再三触れている話題ですが、今年のウインターシーズンはかなり深刻な雪不足。
冬眠を強いられるロード乗りなら小躍りしてしまう状況ですが、ファットバイク乗りには少し物足りない冬になっています。
近場の里山もご覧の通りで、最も寒さが厳しい二月だというのに積雪ゼロで根雪もゼロ。
ファットバイクで雪上を走った回数は片手で足りるほどで、舗装路やグラベルばかり走っている有様。
ここは五月でも雪の降る土地柄ですが、ここまで暖かい冬は本当に記憶にありません。
随分前から「こんな状態ならグラベルロードでも余裕で走れるのでは……」なんて思っていましたが、あえて考えないことにして少し長めのポタリングに出発。
舗装路上には全く雪がなく、この日の気温は四月並みの15度と文字通りの小春日和。
例年なら根雪が消えた頃に走っているはずの峠ルートを越え、ひとまず海岸線を目指します。
あたたかな日差しを堪能しつつ海岸沿いをのんびり走っていると、閑散とした海水浴場が視界に入ります。
オフシーズンなので人の気配は全くありませんが、パンデミックの影響でここ数年は遊泳禁止が続いていたため、寂れ具合に拍車が掛かっていました。
地元では名の通った海水浴場なものの、少し前に渋滞緩和のバイパスが通ったことで、かつての賑わいは過去のものになりつつあります。
休憩がてら寄り道してみると、海水浴場の最奥にポストアポカリプス的な雰囲気が漂う場所がありました。
朽ちかけたテーブルセットと手作りのブランコがなかなか良い味を出していますね。
例年通りの冬だったら、もっと荒涼とした情景に見えていたかも知れません。
この日はファットバイクで50kmほど走り、もうグラベルロードでも大丈夫だろうという遅すぎる判断に。
帰宅後すぐにグラベルロードを整備すると、予想通りチューブレス化したタイヤはシーラントが乾いてカピカピになっていました。
シーラントは定番のスタンズ製を使っていますが、長めの休眠期間がある車体には乾きづらいMUC-OFF/マックオフ製を使った方が良いのかも知れません。
翌日、突貫でメンテを終えたグラベルロードで今年の初乗り。
この日の気温は前日を上回る20度と、春を通り越して初夏を思わせるお天気でした。
あまりの陽気に、物足りなさを感じたままファットバイクからグラベルロードへの乗り換えになるのかなぁ……
そんなふうに思っていたら、冬が予想外の反撃を仕掛けてきました。
三日後におよそ10cmの積雪があり気温も急降下、最高気温の温度差は実に20度以上です。
とはいえ、二月も中旬を過ぎるとどんなに雪が降っても根雪にはならないと理解していて、路上の積雪と舞い散る雪を名残惜しむ心境ですね。
昨夜に降り積もった雪も、ここ数日で地面が蓄えた熱の影響からか、午前中だけで半分以上とけてしまいました。
もうグラベルロードを稼働させていますし、せっかくの雪も絶え絶え。
無理にファットバイクで走ることもなかったのですが、不精な私はとある目的のためにあえて出走します。
ファットバイクあるあるですが、ファットバイクのタイヤはとにかく汚れやすく、極太ゆえにクリーニングにも骨が折れます。
もうおわかりでしょうが、オフシーズンで休眠させる前に少しでもタイヤを綺麗にしておきたい。
それだけが目的で出走するのです。
今季は雪道のかわりにグラベルやトレイルといった未舗装路を頻繁に走ったので、タイヤの汚れっぷりは例年の比ではありませんから。
ライド中にみるみる舗装路上の雪がとけてしまい、タイヤをクリーニングするにはやや力不足。
途中から風と視界を遮る雪も強くなってきたので、まだ積雪が残る杉林に逃げ込むことに。
よく見るとカメラのレンズにも着雪していて、画像の一部がボケていますね。
割と密集した杉林なのに、しっかりとした積雪がある。
この時点で気付くべきでしたが、針葉樹は雪宿りにはちょっと不向き。
枝に着雪していたパウダースノーが強風で一気に滑り落ち、あたり一面がホワイトアウト状態になりました。
厳冬期の戸隠神社とまではいいませんが、綺麗でなかなか見応えのある光景です。
冬の終わりにタイヤのクリーニングを兼ねて雪を名残惜しむつもりでしたが、長期予報によると低温と断続的な降雪が三月上旬まで続くとのこと。
冬なんて来なかった……ではなく、どうやら大遅刻している?それとも早すぎる花冷えか?
長期間タイヤを回さないのはシーラントに悪影響があるそうなので、せっかく整えたグラベルロードを定期的に空転させる日々がもう少しだけ続くかも知れません。