私の所有しているファットバイクは納車直後でハンドル幅が76cmほどありました。
数回乗った時点で私の体型には若干広いと感じたため、グリップを交換するついでに左右を3cmずつカット。
ちょうど70cmのハンドル幅となり、今どきのオフ車基準からすると狭い部類に入るかも知れません。
ハンドルが長いとテコの原理で操作性が上り、ハンドルが短いと操作がクイックになり小回りが効く。
この性質に従うならオフロード車のハンドル幅は広いに越したことはありませんが、ファットバイクは街乗りも兼ねるのが難しいところ。
体型や目的によって違いがあるのは重々承知ですが、ファットバイクやMTBのハンドル幅はどのくらいが適正なのでしょうか?
オフロード車は不利?ハンドル幅60cm未満『普通自転車』の呪縛
ご存知の方も多いでしょうが、自転車の幅が60cm以上になると『普通自転車』として扱われなくなります。
普通自転車の基準から外れると、車道を走るのが著しく危険と判断される場合であっても、歩道や自転車専用レーンを走行できなくなり、最悪の場合は車体を押し歩きをする羽目に。
ハンドル幅ではなく『自転車の幅』という部分がポイントで、横幅が大きくなりがちな三輪タイプの自転車なども車幅が60cmを越えない設計になっています。
ロードバイクやミニベロならハンドル幅は40cm強、グラベルロードのフレアハンドルでも55cmが精々。
フラットバーのクロスバイクでハンドル幅は45~50cmほどでしょうか。
これがマウンテンバイクやファットバイクとなると、60cmのボーダーを一気に越えてしまい、普通自転車として扱える完成車は、キッズ用かホムセンで買えるルック車くらいになります。
自転車に優しくない国内の道路事情を考えると、オフ車であっても60cm未満のハンドル幅を考慮したくなりますが、犠牲になる点も少なくありません。
広いハンドル幅を捨てることで悪路での走行安定性が損なわれますし、車種によっては外観のバランスも一気に悪くなってしまいます。
ハンドル幅60cm超えの自転車は常に車道側を走るべし。
このルールに渋々従いつつ
『せめて80cmになりませんか?』
本音ではこう思ってしまいます。
ファットバイクやMTBのハンドル幅は何cmくらいが適切か?
体格による個人差はもちろん、乗り手の目的や用途なども影響してくるので一概には言えませんが、オフロード車のハンドル幅はどのくらいが適切なのでしょうか?
一昔前なら『自身の肩幅プラスこぶし1~2個分のハンドル幅にする』という決め方が定番でした。
成人男性の肩幅の平均が42~46cmだそうですから、こぶし1個分を10cmとして計算するとハンドル幅は62~66cmとなります。
昨今はXCレースですら幅70cmがナロー扱いなので、物足りない印象を受けますね。
今度はこぶし2個分で計算するとハンドル幅は82~86cmとなり、流石にワイドすぎる値に。
日本人の体型には明らかに過剰なので、こぶし1.5個分くらいで計算するのが妥当かも知れません。
体型の個人差を無視した大雑把な値になりますが、特にこだわりが無いならハンドル幅は72~76cmくらいとなり、これは現在主流のハンドル幅とほぼ一致します。
仮に街乗り主体なら、もう少し短い60cm台半ばから後半で構わないかも知れませんね。
感覚的にはクロスバイクのハンドル幅プラスアルファといった感じでしょうか。
ハンドルが長いとテコの原理で操作性が上り、ハンドルが短いと操作がクイックになり小回りが効く。
この性質に基づいて自分好みのハンドル幅に煮詰めていきましょう。
余談ですが、ハンドル幅は乗り手の体型とともに『慣れ』の要素も見過ごせないそうです。
XCのプロレースでは既に74cm超えのハンドル幅も珍しくない時代ですが、一流の選手は68cmや70cmといったナロー幅でも好成績を収めているとのこと。
狭い方がポジション取りで有利に働くこともありますが、狭いほど良いと考えられていた過去のハンドル幅に体が馴染んでしまっている点も影響しているそうです。
今のハンドル幅で問題を感じていないなら、無理にいじらないのも一つの手でしょうか。
まとめ
結局は『慣れ』の要素が大きい。
これは割と当たっているかもしれません。
70cmでちょうど良いと感じていたファットバイクのハンドル幅ですが、外観がファットバイクのゴツさにそぐわないという理由で交換することに。
その後、74cmで使い続けると体がすっかり馴染んでしまい、腕まわりに疲労を感じることも無くなりました。
上画像はハンドル幅74cmの時の外観ですが、人によってはまだまだ寸詰まりに見えるかも知れませんね。
多少乗りづらさを感じても、ファットバイクらしさを保ちたいなら80~76cmくらいのハンドル幅で見栄を張ってみましょう。
因みに、広いハンドル幅で脇が開き過ぎてしまう方は、バックスイープ角の大きなハンドルに交換することで腕の疲労を軽減できます。