先日、街乗りやポタリング用として重宝しているKHSのF-20Rに大容量で人気のトピーク『ダイナパック』を導入しました。
サドルバックを大幅に上回る容量を誇り、使用しない時は簡単に取り外せるのが利点ですが、駐輪時などのちょっとした隙に容易に持ち去られてしまう危険性を孕んでいます。
我ながら神経質すぎるとは思うのですが、ダイナパックの盗難やイタズラに対策を講じておくに越した事はありません。
必要最低限のダイナパック盗難対策
最初はあれこれ工夫するのが面倒だったので、本体を丸ごと収納できるトートバッグをダイナパックに常備しておこうとも考えましたが、駐輪で離れる度にダイナパックを入れたトートバッグをその都度ぶら下げて歩くのはやはり億劫です。
あれこれ悩んだ末に、以下の4つの点を重視する事に決めました。
【1】ダイナパック本体を持ち歩かなくても良い
【2】工具無しで持ち去られない
【3】工具無しで開封出来ない
【4】簡単に取り外せる利便性は出来るだけ残す
自転車の施錠と同じで、こういった盗難対策は上を見たら切りがありませんし、最初から盗難を目的としている相手には大抵の対策は徒労に終ってしまいます。
私の場合は貴重品は最初から収納しませんから、ダイナパック本体とパンク修理用の携帯品一式、あとは出先で購入した比較的安価な物など、総額1万円程度の品々を守れる必要最低限の盗難対策といった感じになるでしょうか。
『ダイナパック盗難対策』3つのポイント

ダイナパックをお持ちの方には説明不要かと思いますが、ダイナパックはシートポストに固定したアタッチメント部分に、アルミ製のフレームに固定されたダイナパック本体をカチッと挿し込んで取り付けます。
また、上画像の様にダイナパック本体もアルミ製のフレームと本体に分離でき、両者は合計5箇所のベルクロで固定されているだけです。
これらの部分は工具を使わず素手で簡単に分離できるため、ダイナパックの盗難を防ぐには以下の3つの対策が必要になります。
【1】シートポストから本体(フレーム付)を外せないようにする
【2】本体をアルミフレームから外せないようにする
【3】本体のジッパーを開封出来ないようにする
ダイナパックをお持ちでない方には多少分かりづらい説明ですが、これから【1】~【3】の部分へ簡易な盗難対策を施していきます。
シートポストとダイナパック本体を施錠

まずはシートポストに固定したアタッチメントから、簡単に本体を取り外せないようにします。
上画像を見ればひと目で理解できるように、サドルやシートポストの抜き取り防止の為に使用しているサドルキーパーを活用します。
ダイナパックのフレームには丁度良い具合にサドルキーパーのワイヤーを通せる隙間が開いています。ここを通すとアタッチメントからカチッと本体を外してもフレームの枠内にワイヤーが通ったままになり、外しても持ち去ることが出来なくなります。
サドルキーパーの代表的な製品にはタイオガ製とJ&C製があり、私が使用しているは鍵やダイヤルを使わず2mmの六角レンチで固定するタイプのJ&C製サドルキーパーですね。軽量かつコンパクトですし、コイル状のワイヤーはシート高を変更しても調整が不要なので便利です。
因みにJ&C製サドルキーパーのフック部分はダイナパックのアルミフレームにジャストフィットするサイズなので、サドルレールではなくダイナパックのアルミフレームに直接固定する方法もアリです。
アルミフレームと本体を施錠
続いて、ベルクロで固定されているアルミフレームと本体を簡単に外せないようにします。
前項でフレーム付きのダイナパック本体をシートポストから外せないようにしても、この部分の対策をしていないとアルミ製のフレームだけを残して中身の入った本体を持ち去られてしまいます。

今回はタイラップやインシュロックと呼ばれる結束バンドを使用し、本当に簡易的な方法で行います。
2.5mm幅の結束バンドを上図の様にダイナパックの前方に固定してある2箇所のベルクロの裏側に通します。
その後、フレームをはめてから結束バンドで固定しますが、結束バンドはニッパーなどで簡単に切断されてしまうので本当に必要最低限の対策と言えます。
仮にワイヤーとかしめを利用しより強固にしたとしても、ベルクロ部分をカットされれば無意味ですから、この部分は結束バンドで十分だと思います。
因みにダイナパック本体の上部に『TOPEAK』と大きくロゴマークの付いた縦にはしるバンドがありますが、この部分はバンド状の持ち手になっています。
前項でサドルキーパーのワイヤーをフレーム内に通しましたが、ついでにこの持ち手の部分に通すと、結束バンドを使わなくてもダイナパック本体の持ち去りが出来なくなります。
ダイナパックのジッパーを施錠する
最後の難関、ジッパー部分の施錠です。
ここを対策しないと、ダイナパック本体は無事でも中身がごっそり盗難されてしまいますが、流石に中身は持ち歩くよ・・・といった方には不要な対策かも知れません。

ジッパー部分の施錠は上画像の様に、ジップタイやファスナートップと呼ばれるジッパーの持ち手を通す穴の部分になります。
この穴は直径3mmサイズがギリギリ通らないくらい小さく、施錠するにはちょっとした工夫が必要になりますが、旅行中にカバンの盗難防止などに使用される極小サイズの南京錠で施錠できます。

最初は上画像左の様に、なかなか売っていない横幅10mmで俗に10サイズと呼ばれる一番小さな南京錠を使用しました。
ですが、ツル径は2mmなので穴は通るもののU字状になったツル内径が狭く、無理をしないと両方のファスナーに掛りません。しかも、穴が小さすぎて頻繁に施錠するには少し面倒です。
そこで、またしても結束バンドの出番で上画像右の様に結束バンドで作った輪を施錠する方法にします。
こちらもニッパーで簡単に切断されてしまいますが、施錠がスムーズに出来るようになり、手に入りやすい普通サイズの南京錠でも簡単に施錠が出来るようになります。
ここまで書いておいて今更ですが、実は10サイズの南京錠を左右の穴に一つずつ取り付ければ、結束バンドを使わずにより強固に施錠することが出来ます。
10サイズの南京錠がレアすぎて一つしか確保できなかったため、今回の方法は妥協の産物といった感じでしょうか。10サイズの南京錠をジッパー左右の穴に取り付けると南京錠自体が持ち手になり、付属のジップタイが不要になります。
また、ジッパーの施錠も片方の南京錠の輪にもう一方の南京錠を通して施錠するだけなので、簡単に済みます。
まとめ

今のところ、少し調整を加えつつ結束バンドを使用していますが、10サイズの南京錠を見つけ次第、左右二つにする方法に変更するかも知れません。
また、ファスナートップ・ジップタイを交換してしまう方法もあり、交換用のファスナートップの多くは施錠に都合の良い穴が開いています。
結束バンドを使うよりも見た目が良いので、こちらも試してみる価値がありそうです。
正直、今回の方法はニッパーひとつあれば簡単に突破されてしまいますから、結束バンド頼みなダイナパック本体とアルミフレームとの固定には、まだまだ改良の余地がありますね。
やならいよりはマシといった程度の方法ですが、個々で工夫を凝らしていただければと思います。