パンク修理キット、ヨシ!
予備チューブ、ヨシ!
ハンドポンプ、ヨシ!
携帯工具、ヨシ!
愛車への備えは万全、ですが乗り手となる自身への備えはごくわずか……
意外にそういった方も多いのではないでしょうか?
ロングライドに臨むにあたり、水分や行動食は気にするものの、予期せぬ負傷やそれに伴う痛み、体調不良や疲労過多への備えは割と疎かだったりします。
かく言う私も、トラブルへの備えが車体本位になっているのは否めず、替えが効かないカラダの方は二の次になっています。
幸い、日々のライドでも過去のロングライドでも痛い思いをしたことはありませんが、単に運が良かっただけかも知れませんね。
さて、私もすっかりオッサン化し、棺桶に片足を突っ込んでいるお年頃。
今まで平気だった距離が負担に感じることもありますし、ロングライドの後半では集中力も途切れがち。
そろそろ携帯品の見直し、それも自身のカラダを中心に据えた内容に切り替える時期なのでは?
そう考えるようになりました。
自転車のコンディションは大事だけど、自分のカラダも少しは労りたい……今回はロングライド中にあなたのピンチを救ってくれるかも知れない。
そんな市販薬の数々を症状別にピックアップしてみました。
【解熱鎮痛薬】傷や関節痛にも効果アリ

まずは定番の解熱鎮痛薬。
ロキソニンやイブなどが良く知られ、自転車乗りが携帯している市販薬では最も一般的な存在かも知れません。
これの解熱鎮痛薬には痛みの原因物質を抑制する働きがあり、頭痛や発熱だけでなく外傷・打撲・捻挫・骨折・関節痛といった自転車にありがちなトラブルにも効果を発揮してくれます。
内服薬以外にテープタイプの製品もありますが、服用に水分が不要で患部にダイレクトに使える利点がある反面、内服薬よりも汎用性に劣り錠剤よりも若干嵩張る弱点も。
念のため注意書きしておきますが、解熱鎮痛剤は痛みを緩和してくれるだけなので無茶は禁物です。
自走での帰宅を支えてくれるドーピング的な使い方になる場合もあるので、ライド完遂後は必ず然るべき治療を受けましょう。
また、解熱鎮痛薬には「なるべく空腹時を避けて」といった注意書きが見られ、水なしで飲めるチュアブルタイプは子ども用にしか存在しません。
必須ではないものの、万全を期すなら水分と補給食がセットで必要になることをお忘れなく。
【芍薬甘草湯】足つりの予防と素早い回復に

人によってはあまり馴染みのないお薬ですが、「芍薬甘草湯/しゃくやくかんぞうとう」と呼ばれる漢方薬の一種。
こむら返り、俗に言う「足のつり」に対して高い効果があり、即効性だけでなく予防にも使える優れモノ。
脚に負担が掛かりやすいロングライドやヒルクライムで大いに役立ち、疲労で足がつったり痙攣した際に服用すると最短5分で効果を発揮してくれます。
また、水分やミネラルの不足、過度な筋肉疲労や冷えによる血行不良といった、こむら返りが起こりやすい状況では予防薬としても機能し、事前に服用しておくといった保険的な使い方も。
顆粒タイプの製品が多くライド中に服用しづらい面はあるものの、スポーツ用途の需要を見越した水なしで飲めるゼリータイプやチュアブルタイプの製品も豊富。
一応、塗り薬タイプもありますが、こちらの効果はよくあるリキッドタイプの塗り薬に近い印象でしょうか。
余談ですが、自転車歴の浅い知人とロングライドに行った際に、知人の足が高確率でつっていました。
配慮が足りず無茶をさせてしまった……と毎回反省していたのですが、実は糖尿病の初期症状だったというオチ。
ライド中に頻繁に足がつる方は、他に病気が隠れている可能性も疑ってみましょう。
【下痢止め薬・整腸剤】突然の腹痛やトイレが遠い時に

個人的にもっともお世話になっているのが、下痢止め薬や整腸剤の類でしょうか。
即効性があり水なしで飲めるタイプの製品が豊富に存在し、これに助けられた経験は一度や二度ではありません。
私の場合、ロングライド用に限らず緊急用として財布の片隅に忍ばせていて、腹部に違和感を覚えた時点で躊躇なく飲むようにしています。
あまり知られていませんが、自転車は腸への負担が大きく、スポーツサイクルだとそれがより顕著。
●前傾姿勢が腹部を圧迫
●長時間の振動が腸を刺激
●運動により腸への血流が低下
●走行風による腹部の冷え
こういった複数の要因が突然の腹痛や下痢を招く呼び水になりやすく、普段からお腹が弱い自覚のある方は特に注意が必要。
私もそのお腹が弱い人間の一人ですが、ライド中に藁をもつかむ思いで服用した下痢止めが思いのほか良く効き、それまで眉唾だと思っていた即効性や効果に対しての疑念がすっかり晴れた経験がありますね。
プラシーボ効果による精神的な安心感も加味されるため、財布に忍ばせておいても損はありません。
【ハイドロコロイド絆創膏】落車による擦過傷や整備中の怪我に

これまで紹介した内服薬は備えていなくても、絆創膏だけはしっかりと携帯している。
そんな方も多いでしょうね。
現在は傷口を乾燥させない湿潤療法を基本としたハイドロコロイド絆創膏が主流となりますが、自転車用として携帯するには少し難しい面もあります。
あくまでも応急措置なのでそこまで神経質になる必要は無いものの、ライド中に負う外傷に対して絆創膏のサイズがミスマッチになりがち。
サイズが一定した個包装タイプの方が携帯性に優れますが、落車による擦過傷から整備中のケガや靴擦れまでを想定するなら、任意にカットできるフリーサイズタイプと小型ハサミの組合せも視野に入れたいところ。
また、ハイドロコロイド絆創膏は皮膚の常在菌も活用するため患部を消毒せずに、水洗いによる洗浄と異物の除去が基本。
近くに清潔な水場があるとは限らないので、田舎や僻地へとロングライドする場合は口をつけていない水ボトルや未開封のミネラルウォーターを最低一つはストックしておくと治療が捗ります。
水を入れたドリンクボトルは目に異物が入った際にも役立つので、長距離でのスポドリオンリーは避けた方が無難でしょうか。
【抗ヒスタミン・ステロイド軟膏】待ってくれない毒虫への備え

自転車の携帯品で特に見落としがちなのが、虫刺されへの備えでしょうか。
トレイルが主戦場のMTB乗りなら薬を常備している方も珍しくありませんが、それがグラベルバイクになると備えがどうしてもオンロード寄りになりがち。
個人的にハチ毒には特に注意していて、それは私が過去に刺された経験があるから。
ご存知の通り、ハチに二度目の一撃を受けると既に体内にできた抗体でアナフィラキシーショックを起こすことがあり、初回でも大量に刺されると同様の症状が起こります。
ハチに刺された時点で速やかに撤収、15分以内に呼吸困難といった症状を感じたら即119か付近の民家にヘルプ。
これだけはいつも心掛けてライドに臨んでいます。
ハチに限らず、トレイルや田舎道を走るなら虫は付き物なので、とりあえず鉄板の「ムヒアルファEX」で腫れや痒みの対策くらいはしておきたいところ。
私と同じくハチが怖いならハチ用殺虫剤の「ハチノックS」を携帯しても良いですし、マダニが気掛かりなら虫除けをスプレーを併用しつつカードタイプのリムーバーを財布に忍ばせておくのも手です。
因みに、傷口から毒を吸引するポイズンリムーバーは医学的根拠に乏しい代物とのことで、使わないよりはマシ……そのくらいの気持ちでいましょう。
これが役立ちそうなのは、虫ではなくヘビに噛まれた時でしょうけどね。
【冷却スプレー・ローション】疲労回復や擦れ対策に

市販薬ではありませんが、最後はロングライドの経験が浅い方には特に役立つアイテムをふたつ。
エアーサロンパスに代表される消炎冷却スプレーは筋肉痛の軽減や血行促進による疲労回復といった効果が得られ、前述した解熱鎮痛剤よりカジュアルに使えます。
携帯性に優れる100ml以下の小容量タイプも充実していて、休憩中にバックポケットから取り出して気軽に使えるのも魅力でしょうか。
また、ロングライドでは想定外の出来事も多く、股擦れ・靴擦れ・衣擦れといったトラブルも。
応急処置や予防用として個包装タイプのワセリンを患部に塗るのがオススメですが、「プロテクトJ1」 といった専用の皮膚保護クリームも存在しています。
スポーツ専用の皮膚保護クリームはベタつきが無く使用感がサラッとしている上に、摩擦を減らすだけでなくラップのような被膜が長時間に渡って皮膚を保護してくれたりと至れり尽くせり。
もちろん、お尻に使うこともできサドル由来の尻痛にも効果を発揮。
ロングライド中にお尻やデリケートな部分がヒリヒリしてしまう方にも打って付けです。
慣れていても夏場は汗でふやけた皮膚が弱くなるため、ロングライド初心者じゃなくても使ってみたくなる製品でしょうか。
まとめ
ロングライドに携帯したい市販薬について幾つかピックアップしてみましたが、今のところロキソニン・ストッパ・ムヒアルファEXのみっつが私にとっての常備薬。
ハイドロコロイド絆創膏については相変わらずサイズ選びに頭を悩ませていますが、フリーサイズ以外なら大判二枚、標準二枚の組合せが良バランスかも知れませんね。
余談ですが、数年前に世間を騒がせた人食いバクテリアこと「劇症型溶血性レンサ球菌」の影響で、ハイドロコロイド絆創膏を使う場合でも患部の消毒が推奨された時期がありました。
未だに劇症化のメカニズムが不明なだけに怖い話ですが、チキンな私は水洗い推奨を無視して未だに消毒してからパッチを貼ってたり。


