以前からお伝えしていますが、愛車のMTB用コンポをスラム12速からシマノ12速へと交換予定。
パーツ類の値上げラッシュに悲鳴を上げて、旧世代となるSLXか現行世代のDEOREで安く仕上げるつもりでいたのですが、一つだけ盲点がありました。
どちらもエントリーグレードなだけに、リアディレーラーのプーリーがふたつともブッシュベアリング仕様なのです。
ご存知の通り、ブッシュベアリングはパイプを輪切りにしたような単純な構造をしていて、滑らかな回転を維持するには清掃・注油といった定期メンテナンスが欠かせません。
私も過去に使用したことがありますが、200kmも走るとチリチリ、カリカリとノイズが自己主張を始めるため、チェーン清掃と同じタイミングでプーリーも分解メンテナンスするのが習慣になっていました。
最終的にその面倒臭さに嫌気が差して評判の良かったKCNCの「ジョッキーホイール」に交換していますが、その経験以来ブッシュベアリングにはあまり良い印象を持っていません。
コンポはエントリーグレードで十分でも、ブッシュベアリングで煩わしい思いはしたくない……
この不満を解消するには、やはりプーリーを交換するのが手っ取り早く、上位グレードのリアディレーラーからプーリーを流用する裏技が有名。
シマノ的には他グレードからのプーリー流用は非推奨とのことで、あくまでも自己責任というスタンスなものの、105のリアディレーラーにデュラエースの交換用プーリーを組み合わせる方法が良く知られていますね。
私も先人に倣ってプーリーだけを上位グレードの製品から拝借することになりそうですが、シマノのリペアパーツからどのプーリーを選ぶかについては殆ど知識がありません。
例によって私自身への備忘録になりそうですが、今回はプーリー交換を目的としたシールドベアリング採用のシマノ純正プーリーについて話題にしてみます。
上位2グレードに注目!シールドベアリング採用のシマノ純正プーリー

どのシマノ純正プーリーがシールドベアリング採用なのか?
何となく上位グレードから選ぶのが正解なのはわかっていますが、そんなフワフワとした認識しかないのも確か。
実はパッケージを確認すれば一目瞭然で、ガイドプーリーとテンションプーリーの両方にシールドベアリングが採用された製品には、上画像のようなアイコンが表示されています。
幾つかあるアイコンの中からガイドプーリー・テンションプーリの両方がシールドベアリング仕様になった「×2」アイコンが表示された製品を選べば良い訳ですが、一部に例外があるのが厄介なところ。
同じXTR向けのプーリーでも9100系の機械式用にはしっかりと「×2」アイコンが表示されているのに、Di2用の9250系にはパッケージに表示が無かったりと基準が曖昧。
気になって調べてみると、説明書きに「最高級シールドベアリングを採用」との表記があり、従来のシールドベアリングとは異なるため意図的にアイコンを表示していない可能性も。

続いて、シマノ公式でダウンロードできるリペアパーツに関する資料を確認してみると、テンションプーリーとガイドプーリーの両方にシールドベアリングが採用されいるのは、最上位のXTRグレードと次点のDEORE XTグレードのふたつ。
あくまでも現在主流の12速での話ですが、これはシフトが機械式でも電動式でも共通しています。
要はSLXやDEOREのブッシュベアリングをシールドベアリングにアップグレードしたいなら、同系統のXTR用かDEORE XT用からリペアパーツのプーリーを選べばOKということ。
シマノが推奨していないため自己責任ではあるものの、機械式のRD-M7100/RD-M8100なら機械式XTR用のRD-9100に交換するのが良さそう。
因みに、同じ機械式でも次世代となる7200系はSLXが廃止されてDEORE化している上にプーリーの形状も変化しています。
おまけに同系統の上位グレードは機械式ではなく電動式のDi2になってしまうため、プーリーを流用できるかどうかは微妙なところ。

ついでなのでロード用にも触れておきます。
こちらも基本的にMTBと一緒で、シールドベアリング採用は最上位グレードのDURA-ACE/デュラエースと次点のULTEGRA/アルテグラから。
MTB用との違いは105の存在で、こちらはガイドプーリーのみシールドベアリング仕様になっています。
前述したように、一昔前はデュラ用のプーリーを105に組み込む方が多かったのですが、現在はデュラもアルテも電動オンリーなのが難点。
試すなら機械式の105ではなく、電動式の105で流用する方が低リスクかも知れませんね。
105に上位グレードのプーリーを移植するなら、旧世代の機械式11速までにするのが無難でしょう。

私はグラベルバイク乗りでもあるので、一応GRXやCUESも確認。
上画像を見る限りGRXは機械式・電動式を問わずプーリーは全てシールドベアリング仕様なので、アップグレード云々で悩む必要は無さそう。
興味深いのがCUESで、両プーリーがシールドベアリングなのは機械式のRD-U8000のみとなり、同じU8000系でも電動式Di2のU8050は未採用です。
こちらも機械式と電動式でプーリー流用が可能なのかが気になりますが、互換性の高さがCUESのウリだけに、あっさり移植できそうな気も。
シマノMTB用のプーリーから肉抜き穴が無くなった理由

今回あれやこれやとプーリーを調べていて、最も気になったのがコチラ。
シマノのMTB用プーリーから肉抜き穴が消えつつあり、グラベル用のGRXを含む新世代モデルやDi2のリアディレーラーには、この新しいタイプがプーリーが採用され始めています。
シマノ曰く、肉抜き穴のないソリッド形状にすることで泥や異物がプーリーの隙間に挟まるのを防ぎ、変速機がロックされるトラブルを最小限に抑えられるとのこと。
異物を穴に突っ込んでもプーリーの外周が回り続けるスラムの「マジックホイール」への対抗策なんでしょうけど、思いのほかシンプルな方法で反撃してきた印象ですね。
穴が無くなったことによりプーリーの掃除が楽になる利点もありますが、見た目が安価なプーリーに先祖返りしている点は少し残念。
円盤状に窪んでいるため一応の軽量化はされているものの、パッと見だとどうしてもチープに見えてしまいます。
プーリーの「センタロン機構」はどうなったのか?

最後に少しだけ触れておきますが、プーリーに明るい方なら「センタロン機構」の有無が気になるところ。
センタロン機構はガイドプーリーのZ軸方向に意図的にガタを持たることで変速を滑らかにするシマノ独自の特許技術で、古くからのシマノユーザーにはお馴染みの仕様ですね。
私も知らなかったのですが、ロード系コンポに関して言えば最近の製品にセンタロン機構は採用されておらず、デュラエースでの採用は7900系が最後。
11速以上の多段化により変速の精度やスプロケ・チェーンの性能が向上したことが理由だそうで、現行のロード系コンポはガタの無いカッチリとした構造になっています。
一応、MTB用コンポにはまだ似たような仕組みが残っていて、Deore XT Di2のガイドプーリーには変速時の衝撃を抑制する目的で意図的にガタが持たせてあるとのこと。
まとめ
ブッシュベアリングからの交換目当てでシールドベアリング採用のシマノ純正プーリーについて調べてみましたが、選ぶ際の注意点は概ね以下の通りになるでしょうか。
【1】出来る限り同系統・同世代からリペアパーツのプーリーを選ぶ
【2】ロード用でもMTB用でも最上位グレードと次点はシールドベアリング仕様
【3】同系統・同世代でも機械式と電動式ではプーリーの仕様が異なっている可能性も
現行のシマノ12速やCUESの11速に絞った話ではありますが、プーリー交換のご参考までに。

